2015/05/31 - 2015/05/31
55位(同エリア215件中)
naoさん
兵庫県三木市は、かつて湯の山街道、東条道、あかし道、ひめぢ道が通る交通の要衝だった所で、特に、山陽道の脇往還として多くの人々が行き来した湯の山街道には、今も宿場町の面影をとどめる町並みが残っています。
天正6年(1578年)、織田信長に背いた三木城主別所長治は、織田信長の命を受けた羽柴秀吉との合戦で兵糧攻めにあい、1年8ケ月に及ぶ籠城の末、領民の命を救うため城主一族は自刀して三木城は落城します。
羽柴秀吉はこの戦に際し、湯の山街道を戦略上の要路として、また戦傷者の治療のため有馬の湯への搬送路として整備したもので、これを契機に、湯の山街道の名は広く知られるところとなります。
江戸時代になり、湯の山街道沿いに陣屋が置かれるなど、宿場町としての機能が整うと、参勤交代や有馬の湯を目指した各地からの湯治客が頻繁に往来するところとなり、大いに賑わいます。
卯建、虫籠窓、格子、漆喰塗りなどをしつらえた町家が点在する町並みを歩くと、かつての宿場町の風情を味わうことができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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三木市観光協会に車を停めさせてもらって、町歩きを始めます。
まず、湯の山街道沿いにあるナメラ商店街にやってきました。 -
ナメラ商店街にも黒漆喰や白漆喰で塗り籠められた・・・
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伝統的な町家が点在しています。
なお、ちょっと判りづらいですが、左手には三木城址への案内標識が立っています。 -
ナメラ商店街の中の伝統的な町並みです。
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ナメラ商店街の北の入口です。
ちなみに、この高架橋は神戸電鉄栗生線のものです。 -
この町家は1階腰板の張り方に変化をつけています。
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千本格子が特徴的な大きな町家です。
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旧造り酒屋の土蔵が見えてきました。
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この土蔵の壁には、廃船になった高瀬舟の船板が再利用されています。
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ちなみに、この船板塀は三木だけに限ったものではなく、全国各地の古い町並みで見ることができます。
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土蔵に隣接する旧造り酒屋の主屋は・・・
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現在、和風レストランとして利用されています。
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湯の山街道の西側の町並みです。
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県道20号線を挟んだ東側には、芝町太鼓屋台の屋台蔵があります。
この太鼓屋台は、毎年10月に盛大に催される播州三木の秋祭りで担がれるものです。
本宮の日には、芝町地区を含む岩壺神社の氏子である6地区の太鼓屋台が揃って宮入し、太鼓や笛の音色が響き渡る境内は、祭り一色に染められます。 -
こちらは現役の造り酒屋さんです。
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黒漆喰塗り籠めの堂々たる造り酒屋さんの建物は、今も事務所として使われています。
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こちらは、造り酒屋さんのお向かいに並ぶ2軒の町家です。
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いずれの町家も宿場町当時の風情を今に伝える建物です。
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こちらは、町家をリニューアルしたカフェです。
こちらのカフェで使う野菜類は、毎朝契約農家から届けられているそうです。 -
こちらは、金物店の事務所として使われている町家です。
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大正5年創業のこのお店は、主に、日本の木造建築を支えている三木の大工道具の最高級品を取り扱っておられます。
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金物製作所の看板を掲げた町家。
湯の山街道にも三木金物に関連する町家が沢山あります。 -
こちらの千本格子や黒漆喰塗り籠めの虫籠窓は、建てられた当時の姿をそのまま留めています。
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地元では「大塚の鍵型の辻」と呼ばれている枡形です。
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「むくり」のある屋根が特徴です。
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白黒の漆喰で塗り分けられた袖壁の模様に、ご主人のこだわりを感じます。
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こちらは賃貸住宅だそうで・・・
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「白梅」と名付けられています。
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こちらは、「白梅」の東側の辻を入った所にある、「紅梅」と名付けられた賃貸住宅です。
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こちらは、「白梅」の東側にある、「ひょうたん」と名付けられた賃貸住宅です。
これらは、いずれも同じ建築会社の手になるものでしょうね・・・。 -
宿場町当時を彷彿とさせる、良い町家です。
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この町家の東隣には・・・
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江戸時代から明治時代にかけて三木で盛んに生産された藍染型紙に関する資料を展示しているギャラリーがあります。
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金物で栄える以前には、三木の道具を使って精細な藍染型紙が盛んに生産され、一大産業となっていました。
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そんな藍染型紙を使った藍染です。
縁起物の鶴亀模様が描かれています。 -
町並みの要所には、このような行燈が置かれています。
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こちらの町家も、アルミサッシや自動販売機が無かったら宿場町当時そのままですね。
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またまた伝統様式を身に纏った賃貸住宅がありました。
こちらは「紺屋」と名付けられています。 -
2階のアルミ窓は、以前は虫籠窓だったんでしょうね・・・。
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風情ある町家が連なる所へやって来ました。
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「のっぽ」さんと「おちび」ちゃんが並んで建っています。
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きれいに拭き込まれた千本格子が光っています。
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この格子の内側には壁が見えます。
町並みの風情を損なわないための配慮が見てとれます。 -
この町家のそこここに・・・
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下見板が使われています。
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黒漆喰も年月が経てば褪色してくるんですね・・・。
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新しく建てられた町家も、伝統様式を取り入れておられます。
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湯の山街道は、ここで右に曲がって有馬方面へ向かいます。
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この分岐点には「大塚の道標」が立っています。
ちなみに、道標には、左よかわ(吉川町)、右ありま(有馬)と書かれているそうです。
湯の山街道沿いの三木の町並みもこの辺りで終わるので、ここで引き返します。 -
こちらは「大塚のえべっさん」と親しまれている戎神社です。
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戎神社の境内。
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湯の山街道の町並みです。
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大塚の鍵型の辻まで戻って来ました。
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伝統的な町家を通り抜けると・・・
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石垣の上に薬師堂が見えてきます。
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この辺りの湯の山街道は緩やかな坂道になっています。
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町家をリニューアルしたカフェを過ぎると・・・
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現役の造り酒屋さんに戻ってきます。
では、湯の山街道はこの辺りで切り上げて、三木のもう一つの顔である、金物の町の名残を求めて歩くことにします。
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