2015/06/17 - 2015/06/22
35位(同エリア238件中)
JOOPさん
「1904年から続くライプツィヒ・バッハ音楽祭は、夏のドイツ観光の目玉行事の一つにもなっている。」(2015/06/02 日本経済新聞)
ずっとライプツィヒで開催されてきたみたいな書き方だな・・・とツッコミたくなりますが・・・初めてのバッハフェストなので楽しみです。
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(6月17日)
40分くらいで、ライプツィヒ中央駅に到着。
バッハフェスティバルの案内板もありました。 -
夜の公演までまだ時間もあるので、服屋をまわって時間潰し。
写真は、レジに並んだとき前にいた、極度乾燥(しなさい)系の方。 -
そろそろ時間ということで、会場のトーマス教会へ。
聖トーマス教会 寺院・教会
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そのトーマス教会、正面から90度か180度の方を向いて座らなきゃいけないのが、相変わらずの違和感です。
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今夜のプログラムは、昨年発表されたものから大きく変更されてました。それは当初指揮を予定していたトーマスカントルのビラーが、今年一月になって健康上の理由(鬱病)から退任したためです。
現在、ゴットホルト・シュヴァルツ(写真)がその職務を代行しており、後任は来春をめどに選ぶ予定とか。
そのシュヴァルツの指揮でトマーナとシュターツカペレ・ヴァイマールによる演奏でした。中庸をいくすっきりした演奏で、普通によかったかなと・・・127番のカンタータが特に印象に残りました。 -
一方カントルを辞したビラーは、シュヴァルツの設立したライプツィガー・カントライを指揮してケーニッヒの現代曲を一曲だけ演奏しました。
ビラーとの別れを惜しむように、観客からは惜しみない拍手がおくられていました。(写真はビラーとケーニッヒ) -
(6月18日)
さて翌朝は、一転して冷たい雨。
当初この日は、ゲヴァントハウスで東ザクセン室内管弦楽団の演奏を聴く予定でしたが、そのチケットを無駄にしてまでやってきたのは、またもやトーマス教会。 -
それは、市長さんの演説をきくため、ではなくて・・・
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この方の引退式典に出席するためでした。
ビラー自身に特に思い入れがあるわけではないのですが、1985年にトマーナとともに来日して以来ずっと見続けてきたので、折角この町にいるなら、一つの時代の終わりを見届けておきたいと思ったからです。
式典は、トマーナの歌うモテットで始まりました。プログラムにはBWV226と書かれていましたが、BWV225の終曲のように聴こえたのは、気のせいでしょうか?
曲が終わると、ファゴットのラインホルト氏が楽器を持ったまま隣の席にきたので驚きました。 -
式典終了後も、挨拶する人が絶えません。式典では、ゲヴァントハウスのシュルツ氏、アマルコルドのラットケ氏などの有名人も見かけました。
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会場の外で、子供たちとの記念撮影に応じるユンク市長。
歴代トーマスカントルの印象を先生にきいてみたことがあるのですが、ギュンター・ラミンは「心で」、クルト・トーマスは「頭で」音楽をつくったといってました。マウエルスベルガー(弟の方)に至っては、ただ手を振って指揮の真似事をしていただけだとwww
その後、ロッチュ、ビラーと歌手出身のカントルが続いて、オケを含めた全体をまとめる力が弱いかなと個人的には感じてきたので、次は歌手以外の方から選ばれてはいかがでしょうか、市長さま? -
夜はニコライ教会へ。ヨハネの初演や月曜デモでも有名なところです。
ニコライ教会 (ライプツィヒ) 寺院・教会
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今夜の指揮はこの方、フィリップ・ヘレヴェッヘさん。
日本のどのツアーも、この日のこの演目だけは鑑賞予定に組み込んでいるという、大変人気の高いコンサートでした。 -
ヨハネ受難曲なのに、O Mensch, bewein dein Sünde groß が流れてきて、マタイと間違えたかと思ったら、1725年版とのこと。
少人数で自在な表現をする合唱に圧倒されました。 -
事前人気No1が結局No1だった・・・という驚きに欠ける結果になりましたが、すばらしいヨハネでした。
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(6月19日)
今朝は特にコンサートの予定もないので、ちょっと音楽史跡めぐり。
バッハ以外、メンデルスゾーン・シューマン・グリーグ・マーラー・ワーグナーと、ライプツィヒゆかりの作曲家は多いですが、日本人ならまずこの方かなということで・・・
瀧廉太郎は明治期にライプツィヒ音楽院に留学しています。また大正期には、サイトウ・キネン・オーケストラでおなじみの齋藤秀雄もクレンゲルのもとで学んでいます。 -
(上)初代ゲヴァントハウスがあった場所
(下)二代目ゲヴァントハウスがあった場所
以上wゲヴァントハウス 劇場・ホール・ショー
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二代目ゲヴァントハウス
1884年 マルティン・グロピウス&ハイノ・シュミーデンの設計
1944年 第二次大戦中、英米軍の空爆で破壊
1968年 残骸を撤去
大戦中は泊り込みで楽器を守ったとか・・・ -
夜は、トーマス教会へ。
ロイヤルアカデミーとジュリアードの混成部隊を鈴木雅明が指揮するという企画。 -
なんか気持ち悪い演奏だった。多分アーティキュレーションが気持ち悪いからそう感じるんだと思う。(個人の感想ですw)
指揮者なしで演奏されたドッペルコンチェルトでは、その気持ち悪さは消えたが、全体にまとまりのない、学生の発表会のような演奏になってしまった。
前日のヘレヴェッヘがよかっただけに、一気に奈落に突き落とされた感は否めない。こんなことなら、ブランデンブルクの方に行くべきだったと反省。
まあこの手の解釈は、オランダあたりではうけるんだろうな、と一応フォローしてみるw -
(6月20日)
観光客がよく写真を撮っているゲーテ像の後ろに見えるのが、今日の演奏会場ベーゼ。
ここに入るのは、先生のダンナのコンサートに来て以来と超久しぶりなので、期待もMAX。ゲーテ像 モニュメント・記念碑
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自由席のためか、開場前から長い列。チケット完売なので、「誰か売ってくれませんか?」と入口で声をかけている人も・・・
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本日の主役は、若干20歳の岡本誠司さん。昨年バッハコンクールで優勝したとき、テレビのニュースで流れた方。
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若い才能と集中力に触れられて、内容の濃いとても充実した演奏会でした。
でも全部無伴奏だと、聴き手にも相当集中力が要求されるみたいで疲れるけどw -
土曜の夕方は、Wandelkonzert・・・4箇所でミニコンサートやるから、適当に見てまわってという企画。そういわれても、結局2箇所しかまわれなかったですが・・・ちなみにこの縦笛美人は、Antje Henselの門下だそうです。
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今夜のコンサートは、ゴシック風のペータース教会で行われます。
歩くのもかったるいので、トラムで来ました。 -
指揮はダヴィット・ティムさん。トマーナ出身で現在はライプツィヒ大学の音楽監督を勤めておられる方。
今宵は、ライプツィヒの日常で演奏されるバッハとはどんなものかを聴きにきたので、演奏レベル云々とかは二の次です。
前日に急遽購入したチケットでしたが、演奏者の表情まで見えるいい席でした。 -
ソプラノは、顔も声も美しいのにレチタティーヴォの発音が・・・と思ったら、ウクライナ出身の方でした。アルトは、ディ・プリンツェンの方のご兄弟らしいです。
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古楽器演奏では少し遅れてる印象のあった旧東独地域ですが、オーボエはすごくよかったし、トランペットも頑張ってGroßer Herrじゃなくて、Kron und Preisのソロを吹ききりました。(ついそこで拍手しそうになった・・・)
でも、2番フルートの娘が可愛かったので、そっちにフォーカスしちゃってますがw -
(6月21日)
最終日も朝からトーマス教会の日曜礼拝へ。
寝坊したので、柱しか見えない席でした。バッハ時代の再現らしいですが、違いなんてわかるはずもなく・・・
音楽だけ聴かせていただければ十分なのですが、牧師さんの説教とかそれ以外の時間が長くて暇でした。
カンタータの印象は、いつも空回りぎみのホッホシルトさんが、今日はうまくいってたなと思ったくらいでしたが・・・ -
トーマスオルガニストのウルリヒ・ベーメさん。上手いんですが、トーマス教会からシュッケ・オルガンを追い出して以来、いい印象はなくなってしまいました・・・
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今更気付いたのですが、トーマス教会の向かいには、新しいホテルができていて、
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東ドイツ時代からあった、中古の本やレコードを扱う店は姿を消していました。
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今年のレジデント・アンサンブルでもある「コレギウム1704」のコンサートに足を運びました。
バッハフェストを通じて、生き生きと躍動感溢れる表現から、奇をてらった気持ち悪い味付まで、様々な調理法の音楽を味わうことができました。
同じ古楽器を使った演奏でも、こんなに違うのか。一昨日のズスキの料理はいったいなんだったんだろう・・・ -
さて、最終日の最終公演。3つのうちどれに行こうか、最後まで迷いました。
候補の1つ目は、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団。ユルンヤコプ・ティムがオケを定年になったので、もしかしたら近いうちにメンバー総入替とかあるかもしれないという予感・・・
2つ目は、ゲオルク・クリストフ・ビラーのマニフィカト。こちらも正式にカントルを退任したので、もしかしたら今回が最後になるかもという予感・・・
3つ目は、普通にバッハ音楽祭を締めくくる「ミサ曲ロ短調」を聴くこと。
最終的には、3のチケットを買ってしまっていたので、もし行かないなら、トーマス教会の入口に立って、「誰かこのチケット買ってくれませんか?」とドイツ語で言わなきゃいけない。それは相当にハズいので、消極的理由で仕方なく3になりました・・・ -
ハンス=クリフトフ・ラーデマンさん。
チケット代半額でもよかったのでは?オケのレベルからして・・・
でも指揮者のやりたいことは、合唱には伝わっている感じでした。
Domine Deusが異様に聴こえたのは、フリッツ・ルッカーの演奏ばかり聴いているせいかと思ったのですが、新版ということで、決して自分の耳が腐っていたわけではありませんでしたw -
ニコライ通りに掲げられた横断幕の役目も、今日で終わりですね。
バッハ音楽祭 祭り・イベント
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(6月22日)
53年前の今日、バッハフェストでは、フランツ・コンヴィチュニーの指揮でブランデンブルク協奏曲が演奏されました。(急逝の1ヵ月前)
現在のカペルマイスターさんにも、音楽祭期間中はラフマニノフじゃなくてバッハで勝負して欲しかったような・・・
とここまで書いたところで、来年のプログラムを見ると、シャイーはメンデルスゾーン版のマタイ、ガーディナーは普通のマタイをやるそうです。また来年も来るかw
さてこれからベルリンへ向けて出発します。バスだと8ユーロで行けます。
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この旅行記へのコメント (3)
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- falanさん 2018/05/22 19:53:14
- トーマス教会なつかしいです
- 音楽に造詣が深いんですね。私はうといのですが、トーマス教会でクリスマスイブにクリスマスオラトリオを聞いたことがあります。通常のコンサートチケットは東マルクで買えたのですが、このときはどうしても手に入らなくて、西マルクの力にモノを言わせて手に入れました。演奏の良し悪しを聞き分ける耳はもっていませんが、少年合唱団の歌声、テオ・アダムのバリトン?が印象的でした。
それにしてもベルリンのStaatsoperなど日本円にすれば実質数百円でオペラやバレエが楽しめたので、気が向くと当日券を買って観たものです。工場の建設現場からやってきて歌劇場の席につくと別世界というのが、オペラの筋がわからなくてもリラクゼーション効果が抜群でした。
- JOOPさん からの返信 2018/05/25 04:40:16
- RE: トーマス教会なつかしいです
- 一度は行きたい(年末なので実際は絶対無理)と思っている、クリオラの季節にトーマス教会に行かれたのですね、素晴らしいです。
1985年はバッハ生誕300周年だったので、特に盛り上がったのではないでしょうか。
ところで、まさにfalanさんがお聴きになったWOの指揮者がIMだったそうで、合唱団の少年やその両親についての情報を流していたことが統一後わかりました。
ただ人間的にはとてもいい人だったらしく、死ぬまで教え子の少年たちから慕われていたとう話もあったりして、そんないい人をむりやり協力者に引き込んでしまうStasiさんはやはり怖いですね。
ライプツィヒでは2時間並べは大体当日券が買えたのですが、一部人気のものはダメでした。後でゲヴァントハウスの人に言ったら、「言ってくれれば取ってあげたのに」といわれましたが、やはりコネとカネ(西マルク)がものをいう社会だったということでしょうか?
- falanさん からの返信 2018/05/25 18:22:36
- RE: RE: トーマス教会なつかしいです
- 思い出しました。西ドイツ人の通訳に誘われたのですが、生誕300周年だからこんなチャンス逃しちゃだめ、みたいなことを言われました。私は「へぇー?」みたいな感じで。
Stasiのことは知ってるつもりでしたが、国民の7人に1人でしたっけ?IMがあれほどたくさんいたというのは、本当に驚きでした。
運転手や宿舎の管理人さんもいい人で仲良くしてました。監視の対象になっているのは私たちも知っていましたし、彼らとしても外国人の動静を記録するのは、それほど良心が痛まなかったでしょう。でも友人や家族のことを密告しないといけなかったIMたちは、精神的にたいへんだったでしょうね。
ゲヴァントハウスにお知り合いがいるなんて、JOOPさんも音楽家でいらっしゃるですか。それなら年末は忙しいですよね。
西マルクはいざというときに役に立ちました。今思い返すと、思い上がった振る舞いをしていたのではないかと恥ずかしくなりますが。
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