2015/06/20 - 2015/06/20
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nomadic dreamさん
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「650万年前、金星よりの使者、この地に立つ、800年前、義経、天狗と出会う」京都のミステリーゾーンへ。
何となく見ていた古い雑誌に「そうだ京都、行こう」キャンペーン(1998年)。それも金曜日の夜。
このページは捨てるに捨てれない。
鞍馬寺の階段に立つ、頑強そうな10人の白装束の僧侶たち。
いかにも金星人を思い起こさせるような、朝もやの中の1コマ。
「そうだ京都、行こう」、遅ればせながら私も「金星人」探しに1枚嚙むことに。催行人数約1名。時すでに遅し、1998年の雑誌や。
鞍馬とは、なになに「宇宙遺産」?なんじゃそれ。
鞍馬を調べると、意外にも大阪から1時間半。善は急げだ。
翌日、それも朝もやがあるうちにと思い、取るもの取らず、京阪電車の特急に乗りこみました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
-
家で見つけた1998年の「そうだ京都、行こう」キャンペーン。
ここでは、金星人が650万年前にこの地に降り立ったと、朝の幻想の中で描写しています。さすがコピーライターの、われら素人にはとても思いつかない切り口です。
金星でもよし、火星でもよし。宇宙遺産に向けて善は急げ。
さっそく、鞍馬を調べると....
京阪電車で「出町柳」へ向かい、そこから叡山電車と出てきました。 -
今日は京阪電車。
JRでも良かったのですが、京阪電車ひいきの作家/木村衣有子氏「大阪のぞき」の一節から、一度は乗ってみようと思っていましたが、大阪(淀屋橋)から京都(出町柳)までの約1時間。
京阪電車の特急が何となくラグジュアリー。
ダブルデッカーがあったので、東海道線のグリーン車と同じかと思いきや、なんと普通料金で乗れるんです。
この2階建て車両は、8両編成の内の1両だけなので、早めに行かないと景色のよい2階はすぐにいっぱいになってしまいます。 -
2階席を選びました。
シートは赤と黒のツートンで、私は成田エクスプレスを思い起こしました。
大阪の淀屋橋駅から京都の出町柳駅(京阪電車の終着駅)までは1時間。
朝も早かったので、うとうとしていたら、あっという間に京都に着いていました。
新幹線の中から見る京都と、京阪電車から見る京都は何となく違います。
やはりビジネス目線と庶民感覚の違いでしょうか。それだけではない歴史の要素もあるような気がします。 -
出町柳駅(京都)に到着です。
この駅は地下です。
ここから鞍馬へ行くには地下から上がって京阪系列の「叡山電車」に乗り換えます。出町柳駅 駅
-
出町柳駅を一度出ると「加茂大橋」が。
「欄干に手をのせて北の方角を見ると山が折重なって見える」と。
うむうむ、ここから先が金星方面。
手前からランナーが走り抜けます。現実に戻されました。
京都は京都であってもらいたい。金星に近づきつつあって欲しい。
勝手な願いは届かず。 -
出町柳駅の前で2つの川が合わさり、ここから鴨川となります。
「ぽかんと広がった空の下、橋から北を眺めれば高野川と賀茂川が合流して鴨川になる地点の雄大な景色が眺められる。正面には下鴨神社糺の森(ただすのもり)が青々と茂っていて、遥か北の果ては幾重にも重なる山影がぼんやり霞んでいる。」と。(蝸牛の角より、森見富美彦氏著)
右側から高野川、左側から加茂川で、この2つがここで合わさるのです。
不思議な三角州です。青空のもと、のんびり家族連れが集います。 -
野の雑草も絵になるのが京都です。
「京都」はいにしえから人々が憧れ、集まってきた地です。
でもなぜこれだけの人々を継続的に惹きつけるのでしょうか?
それは唯一交換不可能なものだからではないでしょうか?
今は、3Dコピーもあり、なんでも同等品と交換が可能な時代になりました。
人間でさえ、その対象になりつつあります。
しかし、この空間だけはとって変わられることはありません。 -
叡山電車です。
15分おきに「鞍馬」行きが出ています。420円です。所要時間約30分。
悠久の風が吹く、鞍馬に向かうマッチ箱のような電車。
京都市街を抜けて、鞍馬という世界を結ぶ不思議な電車。
途中までは複線、最後は単線で箱根登山鉄道のように山を登っていきます。 -
叡山電車
作家の森見富美彦氏(京大出身、京都を舞台にした作品を描く)は叡山電車を「夢幻と現実のあわいを自在に行き来するプチ鉄道」と描写しています。
「市街地の中を突っ切るので、半ば路面電車のように見える。ふいに目の前の夕闇を叡山電車が駆け抜けることがあった。それはまるで、ごたごたと建てこんだ暗い街の中を、明るい別世界を詰め込んだ箱が走っていくように見え、私はひどく気にいっていた。」と。 -
叡山電車、途中から単線。
ここからやっと、非日常の世界へ。
夢幻に入っていきます。気持ちもウキウキしていきます。 -
現実へ戻る電車とすれ違いも、何となく不思議....。
-
鞍馬駅に到着。
叡山電車の終着駅は、神秘に満ちた天狗の里。
風鈴がたなびく、初夏の風。
標高が高いのでひんやりして、神秘感があふれます。
もちろん、何と無く、気持ちが落ち着いてくるような気がします。 -
鞍馬駅には、天狗以外にも鹿が住み着いています。
電車が山を登っている最中も鹿がゆったりと線路を横切りました。
電車が急ブレーキです。
さすが鹿さん。 -
鞍馬という言葉が現実的になってきました。
叡山電車が「現実」と「夢幻」の間を行き来するのであれば、ここは「夢幻」なのでしょうか。
しかし、終電車が出た後の「鞍馬駅」ってどんな光景が待ち受けているのでしょうか。
怖い思いもするのですが、ちょっぴり見たいようないたずら心がうずきます。鞍馬口駅 駅
-
鞍馬駅の風鈴が、涼しい風にそよぎ、気持ちがなごませます。
五感で感じる冷気は、ここを訪れる人にとってはたまらない贅沢と思います。 -
駅前の古いお土産屋さんにアジサイが置いてありました。
「カンビール」の「カン」が漢字の「缶」でなく、カタカナになっているのが味わい深いです。何と言ってよいのか。 -
天狗とはそもそも何なのかを考えています。
天狗とは現存しない畏怖の対象で、私は鬼と同系列でないかと思っています。
鬼とは、自分の心の中に住む生き物で、自分の心の弱さを映していると言われます。鬼を退治に行くとは、心の弱さを退治することと言われます。
「鞍馬天狗」は若き日の源義経/牛若丸に剣術を教えたと言い伝えがありますが、私は「人が慢心することを」人々が諌めるために伝承した言い伝えではないかと思っています。よく「天狗になる」と言いますが、山伏が傲慢であったことから結びついたのではないでしょうか。 -
わーすごい。
駅までびっくり。民家の屋根にはびっしりと苔が生えているではないですか。これから先に苔を見続けることになりますが、駅前から苔だらけです。
いかに湿気が多いかを物語ります。 -
これだあ。
金星人10人が写真に写っていた「鞍馬寺入り口」。
朝もやはとっくに晴れていました。
代わりにいるのは、お掃除のおじさん、おばさんです。
ちょっと出足遅しです。鞍馬寺 寺・神社・教会
-
気を取り戻して、山門に近づきます。
これをくぐったところで、入り口で拝観料300円を支払います。
おまけに、おばちゃん曰く、「このシーズンはヒルが木の上から落ちてきて血を吸うので気を付けてね」と。のっけから恐ろしいことを。
金星に辿り着くにはそれなりの苦労もいるのかと。
今日はここから山を登って、一番上の「奥の院」を通り、「貴船(きふね)駅」という叡山電車の「鞍馬駅」から1つ前の駅まで歩きます。
所要時間は約1時間強。 -
最初はなだらかな階段から始まります。
歩きながらも頭の中は、さきほどかまされた「ヒル」のことで一杯です。
でもどうしてヒルは人間が下にいるのが分かって落ちてくるのだろうか?と考えても、よほど俊敏なヒルじゃないと人間に命中しないのでは?と思ったりして。 -
これが鞍馬山の模型です。
本当はケーブルカーがあるようですが、1年間お休みだそうです。
山門でもらったパンフレットを見ると、
「鞍馬山は毎日を明るく正しく元気よく積極的に生き抜くための活力を、本尊である尊天からいただくための道場」であると。
約2億6千年まえに海底火山の隆起によって生まれたという。650万年前どころではありません。この山がエネルギーに満ちているとは。 -
エネルギーは歩いて得ましょうということですか。
お年寄りには少し大変です。来年までケーブルカーは運休です。 -
山歩きを始めます。
鞍馬山は、山登り系の人と散歩系、カップル系といろいろな方が山を歩いています。その割に結構急峻で、それなりの山向けの格好が良いかと思います。
自分は、半袖、半ズボンという格好だったので、おばちゃんから「ヒル」とかまされたようです。
足元は、苔がびっしりと生えています。 -
山登りを初めてすぐに出遭うのがこの「由岐神社」です。
-
また屋根の苔がびっしり。
鞍馬寺に入ってから、とにかく湿気がすごいんです。
どこもじめじめしています。
まるで、屋久島の中を歩いているようです。
この雰囲気が悠久なのかも、と肌で感じました。 -
すごい、密集度。
この神社では天狗のお守りが売られていました。
そうか、昔の火星人は見られませんが、天狗で我慢ということでしょうか。
なかなかリアル。 -
神社を後にしてまた山登りが始まります。
-
まだまだ続きます。
-
-
昇り終えると、やっと鞍馬寺金堂に出ます。
770年に鑑真の高弟鑑貞(がんてい)が創建したと言われています。 -
無我夢中で駆け上ってきました。
舞台について振り返ってみると、鬱蒼として青みがかった山並みがそこにはありました。
この舞台には天狗が待っているのではないでしょうか。 -
今日6月20日に鞍馬寺金堂では「竹伐り会式(たけきりえしき)」という年中行事が14時から行われることになっています。
竹を刀で刻んでいく儀式です。 -
これはこれから刻まれる予定の竹です。
この近くで取れた竹だそうです。 -
金堂の裏手にあるこの門から「奥の院」までの山道が続きます。
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まだあるのか?という感じです。
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やっと何か見つけました。義経を祀っているとのことです。
じめっとした中に大きな杉があります。
この周りで義経は体を鍛えたようです。 -
足元は木の根だらけで、よく足元を見ていないとひっくり返りそうです。
ここらへんで出遭う人は大凡「山ルック」か「インターナショナル」「カップル」でしょうか。 -
奥の院に到着。
ここに金星人が650万年前に降り立ったとは?
うーん。何と評価してよいのか?
650万年前とは果てしなく昔です。でも言われてみると厳かな感じがします。
結局のところ、もうここまで来たら登山の達成感と微妙な疲れで、金星人云々はどうでもよくなっていました。
これがパワースポットのなせるわざなのかと、妙に納得。 -
奥の院を過ぎればあとは下り。
貴船側に降りていくことになります。また下りが結構激しいんです。
降りるころには足ががくがくになっていました。 -
すごーい、像みたい。
この森林は、「極相林」といってとにかく自然林で植物が好きなように生きています。
低木から、高い木まで。
昔、理科で習いました。 -
低木の前には必ずシダ類が生えています。
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やっと貴船側の出口につきました。
足は結構がくがくになっていまいした。
それよりも「ヒル」に一度も出遭わなかったことが幸いでした。
どうも、こちら側の入り口にいるおばちゃんは「ヒル」のことを言っていませんでした。うーん、もしや?かまされたのかなあ...と思ったりして。 -
この貴船側(鞍馬駅側でなく)から昇る人もここで300円を徴収されます。
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貴船川にそった有名な「川床料理」の店です。
冷たい川の上に板を張ってそのうえで食事をします。
結構値段が高いのですが、観光客でごった返しています。
さすが名物です。 -
これが川床料理のお店です。
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お茶の木が自生していました。
近所のおばちゃんが「あれがお茶の木」と教えてくれました。
さすが、京都です。お茶も自生しています。 -
貴船川に沿って貴船口駅まで歩きました。
丁度「出町柳」からの2両電車が着いた時で、人がどっさり出てきました。
川床料理の繁華街から貴船口駅までは約20分。バスも出ています。貴船口駅 駅
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叡山電車が「鞍馬駅」に向かって登っていきます。
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可愛い2両の電車です。
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左京区、鴨川デルタ。
右側からは高野川、左からは賀茂川が出町柳付近で合流、ここから鴨川となって京を下ります。
「まるで海を進む船の舳先に立つようにして」と森見富美彦氏(四畳半神話体系)が描く風景です。
「そして、右後ろからやってくる加茂川と、左後ろからやってくる高野川が、目の前で混じり合って鴨川となり、どうどうと激しい勢いで南へ流れていく」と。出町柳駅 駅
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出町柳から大阪に戻りました。
金星人には会えなかったものの、ほっと一息。
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