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大和と伊勢を結ぶ街道の一つである初瀬街道は、奈良県桜井市初瀬から、宇陀市〜名張市〜伊賀市〜津市を経て、三重県松阪市六軒に至る約57kmの街道で、古くは「阿保越」、「青山越」、「参宮表街道」、「参宮北街道」などと呼ばれ、伊勢参りの参詣道として利用されました。<br /><br />「一生に一度は参拝したい」と、江戸時代の町民の間で人気を集めた伊勢参りは、最盛期には年間500万人もの人々が参拝したという記録が残っているほどの盛況ぶりで、初瀬街道も大勢の参拝客で賑わいました。<br /><br />大阪方面から伊勢参りするのに片道でも4〜5日を要すると云われた江戸時代、街道筋には、阿保宿や伊勢地宿など、旅籠や茶店が軒を連ねる宿場町が数多く点在していました。<br /><br />三重県伊賀市阿保にある阿保宿は、伊賀上野に通じる上野街道や津市美杉町に通じる八知街道が、本道である初瀬街道から分岐する交通の要衝だった所で、宿場町としてのみならず、江戸時代にこの地を治めていた藤堂藩の商業保護政策により、上野や名張とともに許された商業の町としても賑わいを見せていました。<br /><br />宿場町と云っても、初瀬街道最大の難所と云われた「青山越」を控え、20軒程の旅籠が軒を連ねた伊勢地宿とは違い、旅籠屋が僅か4軒程の小さな宿場町でした。<br /><br />現在の阿保宿の町並みには、かつて旅籠屋だった建物とともに、伝統的な町家が点在し、賑やかだった往時の姿を感じさせてくれます。

2015 伊勢の国の宿場町 2/2 初瀬街道 阿保宿

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2015/03/21 - 2015/03/21

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nao

naoさん

大和と伊勢を結ぶ街道の一つである初瀬街道は、奈良県桜井市初瀬から、宇陀市〜名張市〜伊賀市〜津市を経て、三重県松阪市六軒に至る約57kmの街道で、古くは「阿保越」、「青山越」、「参宮表街道」、「参宮北街道」などと呼ばれ、伊勢参りの参詣道として利用されました。

「一生に一度は参拝したい」と、江戸時代の町民の間で人気を集めた伊勢参りは、最盛期には年間500万人もの人々が参拝したという記録が残っているほどの盛況ぶりで、初瀬街道も大勢の参拝客で賑わいました。

大阪方面から伊勢参りするのに片道でも4〜5日を要すると云われた江戸時代、街道筋には、阿保宿や伊勢地宿など、旅籠や茶店が軒を連ねる宿場町が数多く点在していました。

三重県伊賀市阿保にある阿保宿は、伊賀上野に通じる上野街道や津市美杉町に通じる八知街道が、本道である初瀬街道から分岐する交通の要衝だった所で、宿場町としてのみならず、江戸時代にこの地を治めていた藤堂藩の商業保護政策により、上野や名張とともに許された商業の町としても賑わいを見せていました。

宿場町と云っても、初瀬街道最大の難所と云われた「青山越」を控え、20軒程の旅籠が軒を連ねた伊勢地宿とは違い、旅籠屋が僅か4軒程の小さな宿場町でした。

現在の阿保宿の町並みには、かつて旅籠屋だった建物とともに、伝統的な町家が点在し、賑やかだった往時の姿を感じさせてくれます。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 伊勢地宿から阿保宿へ向かう途中の、阿保の町並みです。

    伊勢地宿から阿保宿へ向かう途中の、阿保の町並みです。

  • 国道165号線沿いを中心とした・・・

    国道165号線沿いを中心とした・・・

  • この辺りには・・・

    この辺りには・・・

  • 大きなお屋敷の・・・

    大きなお屋敷の・・・

  • 豪邸が点在しています。

    豪邸が点在しています。

  • 土蔵の佇まいが、この光景にぴったりと納まっています。

    土蔵の佇まいが、この光景にぴったりと納まっています。

  • この町家は、棟の熨斗瓦が大きくうねる波を表現しています。

    この町家は、棟の熨斗瓦が大きくうねる波を表現しています。

  • こちらの町家は大屋根に段差を付けて、表情に変化を与えています。

    こちらの町家は大屋根に段差を付けて、表情に変化を与えています。

  • こちらの立派な門構えのあるお屋敷は・・・

    こちらの立派な門構えのあるお屋敷は・・・

  • お医者さんの豪邸です。

    お医者さんの豪邸です。

  • 野草の蕾もほころんで、春はもうそこまで来ているようです。

    野草の蕾もほころんで、春はもうそこまで来ているようです。

  • 下見板張りに白漆喰塗籠めの土蔵です。<br /><br />伊勢地宿でも見かけましたが、こちらの窓の防火戸を止めている金物は、どうやって開け閉めするんでしょうか。

    下見板張りに白漆喰塗籠めの土蔵です。

    伊勢地宿でも見かけましたが、こちらの窓の防火戸を止めている金物は、どうやって開け閉めするんでしょうか。

  • 2階のこの面は廊下になっているようで、窓の内側が繋がっているように見えます。

    2階のこの面は廊下になっているようで、窓の内側が繋がっているように見えます。

  • 御神燈の文字が彫り込まれた常夜灯。<br /><br />はるか向こうを近鉄電車が走り過ぎて行きます。

    御神燈の文字が彫り込まれた常夜灯。

    はるか向こうを近鉄電車が走り過ぎて行きます。

  • 常夜灯の立っている町並みの様子。

    常夜灯の立っている町並みの様子。

  • 何となくホッとした気分にしてくれる牧歌的な良い景観です。

    何となくホッとした気分にしてくれる牧歌的な良い景観です。

  • 鬱蒼と茂る檜に負けじと・・・

    鬱蒼と茂る檜に負けじと・・・

  • 白樫が土塀を占拠しています。<br /><br />阿保の町並みはこれくらいにして、阿保宿へ向かいます。

    白樫が土塀を占拠しています。

    阿保の町並みはこれくらいにして、阿保宿へ向かいます。

  • 国道165号線から分かれて、この橋を渡ると・・・

    国道165号線から分かれて、この橋を渡ると・・・

  • 阿保宿が開けています。

    阿保宿が開けています。

  • 伝統的な町家が点在する街道沿いの町並は・・・

    伝統的な町家が点在する街道沿いの町並は・・・

  • 宿場町だった当時の風情を今にたたえています。

    宿場町だった当時の風情を今にたたえています。

  • 阿保宿へ入ると、正面に妻入りの町家がで〜んと構えています。

    阿保宿へ入ると、正面に妻入りの町家がで〜んと構えています。

  • 2階の外観を見ると、かつて旅籠屋だったであろうことを彷彿とさせてくれます。

    2階の外観を見ると、かつて旅籠屋だったであろうことを彷彿とさせてくれます。

  • 宿場町への入口を振り返ったところです。

    宿場町への入口を振り返ったところです。

  • 街道筋からは、阿保宿の氏神様として親しまれている大村神社への参道が延びています。

    街道筋からは、阿保宿の氏神様として親しまれている大村神社への参道が延びています。

  • 白漆喰塗の虫籠窓のある町家は・・・

    白漆喰塗の虫籠窓のある町家は・・・

  • 袖卯建や煙出しの越屋根までしつらえてあります。

    袖卯建や煙出しの越屋根までしつらえてあります。

  • 軒下には、年代物の外灯が吊り下げられています。

    軒下には、年代物の外灯が吊り下げられています。

  • かつての雑貨商も、今は百貨店を名乗っておられます。<br /><br />ちなみにここ阿保宿には、藤堂藩の商業保護政策により、上野や名張とともに三ケ所だけ許された商業の町としての面影も色濃く残っています。

    かつての雑貨商も、今は百貨店を名乗っておられます。

    ちなみにここ阿保宿には、藤堂藩の商業保護政策により、上野や名張とともに三ケ所だけ許された商業の町としての面影も色濃く残っています。

  • こちらは、嘉永6年(1853年)創業の、伊賀地方を代表する造り酒屋さんです。

    こちらは、嘉永6年(1853年)創業の、伊賀地方を代表する造り酒屋さんです。

  • 造り酒屋さんの店先で咲く椿。

    造り酒屋さんの店先で咲く椿。

  • もちろん、造り酒屋さんの軒先には・・・

    もちろん、造り酒屋さんの軒先には・・・

  • 三輪明神の札が下がった杉玉が吊るしてあります。

    三輪明神の札が下がった杉玉が吊るしてあります。

  • 椿の木を透かして見た町並み。

    椿の木を透かして見た町並み。

  • この地で300年余り続いた旅籠「たわらや」の跡地には、「初瀬街道交流の館 たわらや」と云う資料館が建っています。<br /><br />旅籠「たわらや」には、お伊勢参りの講が泊る定宿である目印として軒先に掲げられていた講看板が100枚近く保存されていたとのことで、現在、数多くの講看板が資料館に展示されています。

    この地で300年余り続いた旅籠「たわらや」の跡地には、「初瀬街道交流の館 たわらや」と云う資料館が建っています。

    旅籠「たわらや」には、お伊勢参りの講が泊る定宿である目印として軒先に掲げられていた講看板が100枚近く保存されていたとのことで、現在、数多くの講看板が資料館に展示されています。

  • 「初瀬街道交流の館 たわらや」のお庭に置かれた雪見灯篭。

    「初瀬街道交流の館 たわらや」のお庭に置かれた雪見灯篭。

  • 凛々しいお姿の猫ちゃんがこちらを見つめています。<br /><br />「こんにちは」

    凛々しいお姿の猫ちゃんがこちらを見つめています。

    「こんにちは」

  • お店の裏手にある、造り酒屋さんの工場。

    お店の裏手にある、造り酒屋さんの工場。

  • 江戸時代後期創業と云われる旅籠屋さん。

    江戸時代後期創業と云われる旅籠屋さん。

  • 今も庶民的な旅館として定評があるようです。

    今も庶民的な旅館として定評があるようです。

  • 細かい千本格子のある町家です。<br /><br />土台の石が面白い模様を描いています。

    細かい千本格子のある町家です。

    土台の石が面白い模様を描いています。

  • こちらの町家は、玄関と勝手口が並んでいます。

    こちらの町家は、玄関と勝手口が並んでいます。

  • 街道筋に面して外格子を設け・・・

    街道筋に面して外格子を設け・・・

  • 2階には出格子の窓と虫籠窓をしつらえています。

    2階には出格子の窓と虫籠窓をしつらえています。

  • 今は空家のようですが、かつての面影を色濃く残しています。

    今は空家のようですが、かつての面影を色濃く残しています。

  • 町家の玄関に掛けられた注連縄。<br /><br />阿保宿にはこんな風習があるんでしょうか・・・。

    町家の玄関に掛けられた注連縄。

    阿保宿にはこんな風習があるんでしょうか・・・。

  • 下半分を1階の屋根に埋め込んだようなしつらえの虫籠窓。

    下半分を1階の屋根に埋め込んだようなしつらえの虫籠窓。

  • 意匠を凝らした大きな虫籠窓が印象的な町家です。

    意匠を凝らした大きな虫籠窓が印象的な町家です。

  • 2階の窓は、元々虫籠窓だったんでしょうが、アルミサッシに付け替えておられます。

    2階の窓は、元々虫籠窓だったんでしょうが、アルミサッシに付け替えておられます。

  • 交差点の角に建っているこの町家は、阿保宿の町並みで最も印象に残っています。

    交差点の角に建っているこの町家は、阿保宿の町並みで最も印象に残っています。

  • ほぼ全面が細い千本格子と云ってもいいような、正面の外観にインパクトを受けました。

    ほぼ全面が細い千本格子と云ってもいいような、正面の外観にインパクトを受けました。

  • 大きなガラス窓が特徴的な町家です。

    大きなガラス窓が特徴的な町家です。

  • 2階には、虫籠窓とともに、雨戸の入った窓がしつらえられています。

    2階には、虫籠窓とともに、雨戸の入った窓がしつらえられています。

  • へ〜っ、この町家は売りに出されているようです。

    へ〜っ、この町家は売りに出されているようです。

  • では、阿保宿の町並みに別れを告げて、そろそろ家路につきます。

    では、阿保宿の町並みに別れを告げて、そろそろ家路につきます。

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