2015/03/21 - 2015/03/21
144位(同エリア456件中)
naoさん
大和と伊勢を結ぶ街道の一つである初瀬街道は、奈良県桜井市初瀬から、宇陀市〜名張市〜伊賀市〜津市を経て、三重県松阪市六軒に至る約57kmの街道で、古くは「阿保越」、「青山越」、「参宮表街道」、「参宮北街道」などと呼ばれ、伊勢参りの参詣道として利用されました。
「一生に一度は参拝したい」と、江戸時代の町民の間で人気を集めた伊勢参りは、最盛期には年間500万人もの人々が参拝したという記録が残っているほどの盛況ぶりで、初瀬街道も大勢の参拝客で賑わいました。
大阪方面から伊勢参りするのに片道でも4〜5日を要すると云われた江戸時代、街道筋には、阿保宿や伊勢地宿など、旅籠や茶店が軒を連ねる宿場町が数多く点在していました。
三重県伊賀市伊勢路にある伊勢地宿は、三里(約12km)もの険しい山道が続く初瀬街道最大の難所だった青山峠の西麓に位置し、当時20軒程の旅籠が軒を連ねる宿場町で、「青山越」と呼ばれた峠越えを控えて英気を養う旅人や、無事峠を越えて疲れを癒す旅人など、連日大勢の旅人で賑わっていました。
文政11年(1828年)と記された常夜燈が当時のまま残された、緩やかに弧を描く町並みには、かつて旅籠屋だった大和屋、徳田屋など、往時の面影を今に伝える建物が軒を連ね、情緒ある宿場町の風情をたたえています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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初瀬街道、伊勢地宿にやって来ました。
国道165号線を左折して、青山川に架かる伊勢路橋を渡ると伊勢地宿です。 -
伊勢地宿に入ってすぐに・・・
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かつて旅籠屋だった「もみじや」さんがあります。
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「もみじや」さんの軒下には、「寒山忘却来時路」と記された墨絵の行燈が置いてあります。
この絵の、経巻を持っているのが寒山(かんざん)、箒を持つのが拾得(じっとく)という中国唐代の僧で、「寒山忘却来時路」は、寒山と拾得の詩の一節を引用したものです。
「寒山は居心地の良い所なので、永らく居続けたら、やって来た時の道さえも忘れてしまった」という意味だそうです。
まるで「もみじや」さんの居心地の良さを暗示しているようです。 -
今は使われていないようですが、ナマコ壁の土蔵があります。
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街道筋に郵便ポストが佇んでいます。
度忘れが激しいのですっかり忘れていましたが、この郵便ポストは、郵便番号が5ケタだった時代を思い出させてくれます。 -
「もみじや」さんの塀の上では・・・
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大黒様が笑顔を振りまいています。
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こちらは「大和屋」さんです。
「大和屋」さんには、江戸時代の講看板が沢山保存されているそうです。 -
町並みには常夜灯が当時のまま残され、情緒ある宿場町の風情をたたえています。
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常夜灯には、文政11年(1828年)の刻印が入っています。
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左手が「大和屋」さんです。
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かつて、町並みをほのかに照らしていた常夜灯。
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常夜灯の先に続く町並みです。
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こちらは「大和屋」さんです。
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こんな猫ちゃんが出迎えてくれました。
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緩やかに弧を描きながら続く町並み。
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常夜灯の方向を振り返ったところです。
カーブミラーの陰に常夜灯が見えます。 -
この辺りから先の町並みにも、かつて旅籠屋さんだった町家が軒を連ねています。
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それにしても、この町の自家用車保有率はすごいですね・・・。
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軒並み車を停めておられます。
一人一台は所有していても不思議じゃないくらいの密度です。 -
細かい格子窓のある・・・
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大きな町家です。
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今は車を停めてありますが、かつては馬を繋いでいたんでしょうか・・・。
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土壁の稲わらが素朴な景色を創っています。
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これは換気口でしょうか・・・。
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町並みを流れる用水路。
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黒漆喰塗の壁に・・・
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虫籠窓のある町家。
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大きな靴ぬぎ石が置いてあります。
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こちらにも大黒様がいらっしゃいました。
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この町家の右手に、面白そうな路地が続いてはいるんですが・・・。
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紅梅が満開を迎えようとしています。
後で行ってみましょう。 -
町家のお庭で、きれいな樹肌を見せる百日紅。
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かつて、街道筋の喧騒はこんなだったと云わんばかりに、馬に代わって車が大賑わいしています。
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こちらは「徳田屋」さんです。
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玄関先に置かれた行燈の、童謡「ふるさと」の歌詞には、懐かしさを憶える何かがあります。
「うさぎ追いし かの山〜♪、小鮒釣りし かの川〜♪」 -
「徳田屋」さんの玄関には、旅籠屋当時の看板が残されています。
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お向かいの路地から見た「徳田屋」さんのシルエット。
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明治末期に建てられたこの豪壮な建物は・・・
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間口十間の総二階建てという威容を誇っています。
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こちらの町家の玄関の横には、下見板張りの壁がアクセントとして使われています。
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こちらは、雨戸の戸袋に下見板張りが使われています。
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青山川に架かる薬師橋。
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青山川の流れ。
さすがにきれいな水が流れています。 -
伊勢地宿の青山峠側の入り口には、「妙見大菩薩」の石碑が立っています。
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椿の種と、はじけた後の殻が並んでいます。
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町並みの外れには、石垣で造成した敷地の上に町家が建っている所があります。
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青山川沿いの町並みの光景。
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桜の蕾が膨らみかけていますが、開花はもう少し先になりそうです。
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茅葺屋根を鉄板で覆った町家。
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土蔵の丸窓に梅鉢紋のような化粧が施されています。
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先ほどの、紅梅のある土手に上って来ました。
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下から見たら満開に見えたんですが、近くで見ると七分咲きと云ったところでしょうか・・・。
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紅梅の向こうに広がる町並みは・・・
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きれいな甍の波を見せています。
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では、町並みに戻ります。
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百日紅が植えられたお宅の敷地にある土蔵。
こちらの土蔵も、土壁の稲わらが存在を主張しています。 -
黒漆喰塗の壁に開けられた虫籠窓。
白漆喰塗籠めなので、黒白の対比が鮮やかです。 -
少し先に常夜灯が見える所まで戻って来ました。
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この土蔵の窓は、せっかく開けたのに、今は土壁でふさがれています。
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こちらは、金属製の防火戸のついた窓。
それはそうと、上の窓の防火戸を止めている金物は、どうやって開け閉めするんでしょうか。 -
では、町並みの外れにある、とても大きなお屋敷にさよならを告げて、次の目的地へ向かいます。
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