庶民派モール Market! Market!《フィリピン紀行(3)》

2014/09/13 - 2015/04/07

マニラで”歩ける街”として異質なBonifacio Global Cityの中で異質な（ということはフィリピン標準なのかもしれませんが）ショッピングモール、Market! Market!です。
どんなショッピングモールかといえば、日本の中では同じようなものがあるのかどうかちっとも浮かばず、狭い経験の中からですが、バンコクでいうならMBK、シンガポールであれば最近の事情に疎いけれどLucky Plazaでしょうか。混沌としていて、いかにもアジア的、あらゆる業種の小店舗を大きなひとつの屋根の下に寄せ集めた不思議ワールドです。

他地域からの住民を寄せ付けない雰囲気のあるBGCで、ここだけは街の外からも低〜中所得層の人たちがやってきて市場的な活気を見せています。

私はといえば、GreenbeltにもLandmarkという庶民派デパートがありますが、そこまで行かずとも（ほんの10kmぐらいなのにルートが少なく渋滞なので30ー60分かかることも）安くて構わないものはここがあるので重宝しています。それと一般の市場に行けない分、ここの不思議ワールドがちょっとした異国情緒を楽しむ息抜きの空間になっています。

エリア マニラ(フィリピン)

Market! Market!はここ

幹線道路EDSAを挟んでマニラの中心地マカティ市とボニファシオ（タギッグ市内）が分かれます。
Market! Market!は、正面では前記のHigh Streetの端と向かい合わせ、裏手にはボニファシオとタギッグ市の他の市街地を分断する壁が連なり、ボニファシオ外から入るバスターミナルになっています。


Market! Market!
McKinley Parkway, Taguig, Metro Manila, Philippines
[phone]
10:00 am ? 10:00 pm
http://www.ayalamalls.com.ph/malls/market-market

衛星写真が映す社会は…


同じ地図をちょっと拡大して衛星写真で見ると、エリアの違いがあからさまに
出るのに気付きました。

中央
Google Mapの写真は少し古いようでBGCのほとんどが造成地のままですが、この区画割り通りに既に半分ぐらいは高層のコンドミニアムやオフィスビルが建っています。

右手
Market! Market!の境には米軍基地時代から残された壁で仕切られて、外側は小さな家で埋まるタギッグ市街地。BGCも名前にCityは付けていても同じタギッグ市ですが、外の市街地よりも高台にあり壁で仕切られているので、地図で見る以上に分断されています。
以前車で通り抜けた市街地は商店や住宅などタイと変わらないところもありますが、違うのはどこも頑丈な鉄格子が嵌められていて、小間物屋なども鉄格子を開けずに手が入るぐらいの窓から物とお金をやりとりしていることでした。が、建物自体はセキュリティが万全そうには見えず、強盗が裏手に回ればそれまでのような気もします。一般的な家がある一方で、崩れそうなバラック地帯やゴミの山もありました。

左手
ビレッジと呼ばれる低層（〜2・3階）高級住宅街。ビレッジに入る道にはそれぞれゲートがあり通行証を持った車でないと入れません。タイでも日本にはないような大邸宅は数々ありますが、ビレッジはそれ以上で、これほどの大きさの個人宅が1箇所に集まっている地域というのはないでしょう。あるお宅のパーティーに招いていただいたことがありますが、100人以上庭に集まってもまだ子供たちはボール遊びが余裕でできて、中のラウンジではミニコンサートといった具合でした。

ビレッジとBGCの間
ビレッジ住民や企業トップがメンバーのゴルフクラブとポロクラブ。

最後部: マカティ市内の高層ビル
右手奥: Manila Golf and Country Club
左手奥: Manila Polo Club
手前とポロクラブ奥: Forbes Park（ビレッジ）

マニラ ゴルフ & カントリー クラブ ゴルフ場

さてさて、Market! Market!です

ロータリーを挟んで反対側がHigh Streetの端とSerendraのコンドミニアム群になっています。
いざ、出発。

体育館のような屋根で屋外部と屋内部がつながる、様々な形の「市場」


Market!の名前の通り敷地内はいろいろな市場風セクションに分かれています。

屋外の屋根の下はイベント広場


普段は大きな噴水の周りに懐かしの子供用電動自動車（デパートの屋上にあるコインを入れると何分か動くもの）が置いてありますが、季節ごとに特別展示場に早変わり。この時はクリスマス前のおもちゃ大セール中。

セキュリティはライフルを持っている


最初に見たときはどっきりしました。どこのデパートもライフル付きというわけでもありません。

Market! Market!の評判を先住の日本人に聞いたところあまりお勧めはしない様子で、行くのであればくれぐれも荷物には気をつけるように、ひったくりやスリが多いからということでした。

初めての日は緊張しましたが、手荷物の管理と周りに注意を払えば普通に買い物できるところだと思います。他のモールでは銃撃があったと聞くところもありましたが、ここは今のところ窃盗以外は聞きません。ただ建物の裏手に入るような通路などはひと気が全くなく、現地の人もそういうところは行かないように警戒しているのだと思います。

屋外　野菜・果物市場（風）


まだ買ったことがありませんが、スーパーよりもつやつやしているような気がします。

お米屋さん

フィリピン人の食生活には3食（いや、おやつをいれて7食なんだけど）欠かせません。
私にはフィリピン米の細い味の違いがわかりませんが、日本人が好みの品種にこだわるようにフィリピンでもお米の種類が豊富でした。

屋外　花市場


この日は11/1のAll Saints Day前日。日本のお盆やお彼岸のような日で、お墓参り用の大きな花かごがたくさん用意されていました。

屋外フードコート


タイに比べると店内もテーブルも清潔な感じでした。

肉や魚のグリルが中心の料理にマストの付け合わせはご飯。

Grilled Bangus（Milkfish＝サハヒー）を頼んでみた


和名のサハヒーと聞いても知らなかったけど、フィリピンでは一番消費量の多い白身魚です。
我が家のメイドさんもよく冷凍のミルクフィッシュをカチカチに押し付けて焼いたものを出しますが、正直これはちっとも美味しくない。
が、バンガスがミルクフィッシュだと知らずに一番売れ行きの様子を見て頼んだところ、新鮮なミルクフィッシュの（押し付けない）グリルはおいしい！全くクセのない白身で、ナンプラーで味付けされていますが（私はナンプラーが苦手です）ほんのりなので醤油味のようで、まるで日本の焼き魚風です。

庶民派モールのフードコートらしく、65P（170円）也。

子豚も炭火丸焼き


フードコート以外にレストランも並び、店先には代表的なフィリピン料理の子豚の丸焼き（レチョン）がぐるん、ぐるん。

屋内は5階建


小店舗や屋台風衣類・土産市場、MBKの東急のような地味なデパートMetroなど様々なセクションに分かれています。

小さなテナント部分は他のモールと大差なく、きれいな造りになっています。
1-2階は衣類や小物など、3階以上になると徐々に怪しく携帯ショップなどに。どうやら公認賭博場らしきビンゴのエリアもあり、平日の昼間でも老若男女が熱くなっています。電気店ではカラオケシステムのプロモーションで店員さんのひとり舞台が繰り広げられていたりします。

10/5　ネグロス島バコロドのマスカラ祭りの一行がやってきました

仮面をつけたダンサーと鼓笛隊が華やかに踊っています

ここでタイだったら…（とつい比べてしまいますが）観客がノリノリで一緒に踊るところでしょうが、フィリピンの人は明るいようで少しシャイなようです。静かに微笑みながら見ていました。

マスカラ祭りの仮面


何故かベニスやリオのカーニバルの影響を受けたものとのこと。

Market!のデパート部分、Metro


非常に地味です。時計や化粧品売り場などにはよく知られたブランド商品があっても、昔の町の洋装店のようなガラスケースに入っているとディスプレイの仕方一つでこんなに野暮ったく見えるのかと感心するほどです。

短期的な仮住まいで生活用品を揃えるには、他のデパートよりもお手頃価格。部屋着にしようと買ったTシャツは100P（270円）で大喜びでしたが、3〜4回洗濯する間は盛大に色落ちするのでちょっと面倒でした(笑)。

地階は大きなスーパーになっています。

怪しのデジタルエリア


上階は電気屋や、携帯ショップが並びます。

簡単なPCの周辺機器がどこを探してもあまりないマニラ。この日に探し回ったのはUSBハブ。
やっと見つけたcd-kingという店は豊富な品揃えでしたが、それぞれの種類のものに対して1-2商品しか選択肢がありません。
面白いのはカウンターの外から目を凝らして「あの商品が欲しい」と指さすと、カウンター内の店員さんがハシゴを登って商品を取る。これを直に客には渡さずに、キャッシャーで支払いを済ませてからようやく商品を手にすることができます。壁一面の全商品が自社ブランドの箱に入っているというのはどういうことなんでしょう？

USBハブ　50P（135円）か380P（1020円）。380Pを選ぶも1週間で空中分解し昇天。

日本風な均一ショップもいくつかありました


ダイソーとJapan Home Center（香港？）は88P（240円）均一。海外にいるとダイソーの質の良さをしみじみ感じます。

もうひとつのアメリカ系らしき店は66P（180円）

ファーストフード・チェーン店も一通り入っています。


フィリピンのJollibee系中華料理のChowkingに一度入ってみたいと思いながら、Jollibee同様に絶大な人気で店の外にまで溢れかえっているので未だ入れず。
ここでももっぱらイタリアンのSbarro。

Baked Ziti　99P（270円）

たまに魔がさすと…


Greenwichというピザチェーン店。
ピザでもパスタでもフライドチキンでもご飯とグレービーソースは付いて、お得なセットとなると炭水化物祭り。
160P（430円）

もっと魔がさすと…


屋内フードコートのMr. Ninja。ネーミングだけでも日本人経営のセンスではないけど、揚げ物なら誰が揚げても同じでしょ、と甘くみたのがいけなかった。

Tonkatsu Pork Set　65P (!)　（175円）


驚愕の安さですが、なんか衣の味が違う。揚げ物は奥が深かった。
メニュー写真では白いご飯のはずが、フィリピン人が朝ごはんから大好きなガーリックライスに変わっているのも私にはかなり重い…。
とんかつとご飯にグレービーソースがかけられるのを既の所で止めました。
肉の上部の盛り上がった丘は全部脂身です。
「半分しか食べられないじゃない〜」と思うのは私だけ。皆さん脂身を細かくちぎってガーリックライスに混ぜ混ぜしておりました。じゅるじゅる脂っこさがアップして、よりお好みな感じになるようです。

国産お茶処も


いつもお客さんがそこそこ入っているケーキチェーン店。ここも入ってみたいところですが…

長すぎる。一口でいい。

誰かにあげたい。いやげものになるだろうか？

Fashion Market！部


1-2階には1坪程度の屋台風店舗が詰まる衣類市場があります。
まるでMBKかプラトゥーナム。

Matket!内で一番人がひしめく場所です

これが大型ショッピングモールの外の一般的な値段なんだろうなぁ

1階の土産物店部分はさらに怪しい


フィリピンは淡水パールが有名だそうですが、どこまで本物なのかわからない。ネックレス100Pなんていうのもありまして…。
思い出に何か1つ買うとしたら、ここじゃないかな。

平日の昼は薄暗く閑散としていてちょっと緊張

写真からオーダーメイドでこんなものも作ってくれます


世界にたった1つ（か、大量発注で配られるとちょっと…）の人形をどうぞ。

最近発見した「Market!びっくり」。


ボニファシオ唯一の郵便局。今まではるか南の町境まで行っていましたが、公式サイトにはMarket!内にも支局があるはず。
何度も人に聞いて、3階をぐるぐるまわっても見つからない。なんとモールの通路の真ん中にあるドリンクバーのようなカウンターで、まさかそんなところにあるとは気づかずに通り過ぎていました。看板もセロテープで貼ってある。

フィリピンでは郵便物は届かないとよく言われますが、短い経験上でも届かない。公共料金の請求書だけはしっかり届きます。クリスマスカードも1通も受け取らなかった。こちらからのカードも届いただろうか？

重要な日本からの書類は個人宅住所よりも会社名の方が届くというので、会社宛にEMSにしてもらっています。今のところは届いています。

が、各種手続き関係で、こちらで全く郵便物を出さないということは出来ないので渋々発送してみましたが、果たして相手に届くだろうか？
おばちゃんは受け取った封筒を棚に差し込んでいたけど、差し込んだまま忘れ去られていないだろうか？　書類で請求した分の小切手は届くのだろうか？

Market! Market!の外に出てロータリーの反対を眺めててみる。向かいのSerendraとHigh Street

SM オーラ プレミア ショッピングセンター