ボニファシオ・グローバルシティ　ハイストリートでのんびり散歩　《フィリピン紀行(2)》

2014/09/13 - 2014/10/31

マニラの一大商業地区マカティから南東に11km離れたボニファシオ・グローバルシティ(Bonifacio Global City)。フィリピンでの住まいはこのエリアの中になりましたが、他の街から戻る度にここはフィリピンだっただろうか？と未だ戸惑うことがあります。
広々と区画整理された中に聳える近代的な高層ビル街ではスーツ姿のビジネスマンたちがすれ違い、街路樹の緑溢れる歩行者天国のショッピングストリートではハイブランドショップを覗きながら犬の散歩をする人たちやテラスでのんびりお茶を楽しむ人たち。日が落ちてもジョギングをする人たちを見かけたりもします。

アメリカ軍駐屯地であった土地が独立後にフィリピン陸軍総司令部、海軍基地に変わり、その一部が1995年より商業地区として再開発されてボニファシオ・グローバルシティと名付けられました。

駐屯地の壁を残して周辺の一般住宅から隔絶した小さな箱庭のような街。鼻持ちならないという向きもあるでしょうが、すれ違う見知らぬ人を過度に警戒することもなく、自由に歩ける空間というのは、暮らしていく上で何事にも変えられない有難いものだと痛感しています。

気ままに歩ける安心があれば、なにもハイファッションストリートでなくてもいい。（バンコクの路地裏、市場の中ではそういう開放感が十分感じられました）でも、ボニファシオにはおまけで日常をわくわくさせるすてきな雰囲気もあり気に入っています。

BGC (Bonifacio Global City) High Street
http://bgc.com.ph/bonifacio-high-street/

エリア マニラ(フィリピン)

Bonifacio Global City (Fort BonifacioまたはThe Fortとも）, Taguig


マカティから南東に11km。街に入るルートは限られていて、いずれもマカティからのみ。エリア内は境界近くのみジプニーのルートがありますが、中心部はジプニー、トライシクルとも禁止。マカティとボニファシオの中間に広がるビレッジと呼ばれる戸建エリアはマニラの最高級住宅地と社交場のゴルフクラブ・ポロクラブで、高い塀とゲートが設けられ許可証を持つ車両しか入場できないようになっています。
バーやレストラン街はありますが、いわゆる歓楽街の中にあるようなものではありません。積極的にインターナショナルスクールや企業を誘致していて、日本人学校もこのエリア内にあります。

今回はボニファシオの中心地、歩行者天国型のHigh Street

まずは夜のHigh Street

平日でも仕事帰りの人たちが集まってきて昼間よりも賑やかになり、店の明かりが灯ると一層きらびやかな通りになります。
通りは3つのエリアから出来ていて、Serendra→High Street→Centralの順に高級化していくようです。
ここはCentral。ブランドショップの中でも高価なRolex、Tumi、TWG Teaなどが軒を連ね、今春はフィリピンのデパートRustan'sのスーパーもオープンしました。

家族連れや友人同士のグループがいっぱい
ウィンドウショッピングをするだけでぶらぶらしている人たちも多いのに、すぐ近くのMarket! Market!とはなぜか雰囲気が違っていて穏やかで安全です。

独創的な噴水などが配置されていて、子供たちが遊んでいます

柱にゆるく被せられたドラム缶を押すとガランガランと音がする。
シンプルなのに芸術的で子供が大喜びのオブジェ。

カフェやレストランの店先にはテーブル席が設けられて、外で食事を楽しむ人が大勢いました。

High Streetで一番初めに入ったイタリアン・レストラン Italianni’s


Bonifacio High Street
Address: Quadrant 5, Space 1E14, Bonifacio High Street,
Bonifacio Global City
Telephone No: [phone] / 856-3890
http://www.italiannis.com.ph

ダイナー風な内装のイタリアン・チェーン店です


素敵な雰囲気で最初はチェーン店だということを気づきませんでした。小さなお子さん連れのご家族も多い店です。

Fried Calamari, Margherita Pizza, Caesar Salad, Fettiucini Beef Ragu, San Miguel Light 1 ? 1800P(4800円)

どうしても直近のタイのイタリアンのおいしさと比べてしまうので少し評価は下がってしまいましたが、フィリピンの平均的なイタリアンレストランの味だと思います。どこも味付けがちょっと濃いめでしょうか。それとフィリピンでは盛りが大きい！(笑)　この30ｃｍ以上ある皿がレギュラーサイズで、さらにラージがあります。

後々、この辺りやMakati地区のGreenbeltの値段の相場並みということがわかりましたが、それでも国の所得水準から考えるとずいぶん高い食事にもかかわらず満席に近かったことが驚きでした。スターバックスも物価から考えると高いと思いますが、どこの店も不思議といつも混んでいます。

フィリピンでも残った料理のお持ち帰りはOKでした

食後のコーヒーは別の場所で


Seattle’s Bestにて。
タイに比べてフィリピンにはアメリカのチェーン店やブランドショップが多いようです。

パソコンを広げていたり、新聞を読んでいたりなのはどこも変わらないカフェの風景でした。

11th Avenue（High StreetとSerendra境）にある 国内最大の書店、Fully Booked の本店


地上4階、地下1階。日本の大型店に比べれば町の本屋さんのような規模ですが、マニラの他の書店と比べると確かに一番の品揃えのようです。
大概の本屋さんは文房具店を兼ねていて、フロアも半々ほどの割合になっています。

http://www.fullybookedonline.com/stores

ほとんどの出版物は英語版です。

昼のHigh Streetへ


今度は逆向きに、庶民派ショッピングモールMarket! Market!の向かいにあるSerendra側の端からHigh Streetを歩いてみます。

High Streetとロータリーを挟んで向かいにあるMarket! Market!。バス終着所と直結しているのでBonifacioの外からお客さんが多く訪れ、いかにも東南アジア的な庶民派モールです。Market!編はまた別記で。
いつでも大混雑のMarket!ですが、不思議なことにロータリーをまわってHigh Streetに入る人はそれほどなく、明らかに2つのエリアの客層の違いがはっきりしています。

High Street　Serendraエリア


通りの周辺には瀟洒なコンドミニアムがいくつも並んでいて、日本人学校も近いことから駐在日本人家族も多く住んでいます。

High Street内　Serendraエリア

この辺りはほとんどが飲食店で、世界各国の料理がHigh Streetの中ではリーズナブルな価格設定でいろいろとありました。

可愛いカフェやジェラート店など

ここにも大きなオブジェ。すてきなんだけど、歩道にまで張り出してつまづきそうになることまでは考えていないらしい。

マニラっ子がこよなく愛する菓子店、Mary Grace


若い人たちに聞くと口を揃えてMary Graceのお菓子が好き！と力説されるので、1度は入ってみようかと…。

http://marygracecafe.com

なるほど、可愛らしい店内

女の子たちが好きそうな感じですが、結構中年男性の一人客もいます

エンサイマダ（甘いパンのチーズがけ）とホットチョコレート


店員さんにお勧めを聞くと、フィリピン独特のパンと、それにピッタリのホットチョコレートを試してみるべきだということで頼んでみました。

なるほど、なるほど。すごいぞ。


これがフィリピン人の好みなのかとわかりました。
エンサイマダは生地がほんのり甘く、それだけならミルクパンのようでおいしいのですが、上にチーズの粉がたっぷり振りかけられていて、特に塩分の強いエダムチーズです。これを（ココアを想像していたはずのホットチョコレートなのに）チョコレートそのものを溶かしたようなディップに浸していただく。
ものすごく甘いような、でも塩辛いような…。
貴重な体験だけにとどめておきたい物件でした。

SerendraからFully Bookedがある11th Streetを渡ってHigh Streetの中心（同じ名前で紛らわしいけど）High Streetエリアへ

店が向き合うHigh Streetの中は広々としていて気持ちがいい


いつでも歩行者天国です。平日の昼はほとんど人もいませんが、ここは”Photo Free”の看板もあちこちにあり、カメラを出していても全く安全な場所です。

藤棚のように蘭棚から自然に蘭がこぼれおちている

岩石から水が滴る逆噴水。昼に見てもおもしろい。

木陰で昼休みを楽しむ人たち

木登りするお嬢さんの写真を撮るパパ


のんびりと時間が流れているところです。

1つずついろんなお店を試して


日本でもおなじみのiHOP。盛りはフィリピン・バージョンで大きい。
一番小さく安いパンケーキです。
どうやらアメリカ人の食志向の影響が大きいのか、甘さ加減や量、メニューがぴったり重なるようです。

Krispy Kremeは店内工場付きでした


初めて見る「ドーナツが出来上がるまで」。砂糖がけが瞬時に固まる様子など見ていて飽きません。

つい買っちゃう。

アメリカのファミレス、T.G.I. Friday’s

シーザーサラダ　430P(1150円)


なかなかいいお値段ですが大きいのでサラダだけでお腹いっぱい。

フィリピンのコーヒーチェーン店、Bo’s Coffee


フィリピン産のコーヒー豆を使っています。

http://boscoffee.com

ここで通りを見ながらコーヒーを飲むのが好き

High Streetを折れて周辺の通りに出るとオフィス街が並びます。おしゃれなインテリア店や小物屋さんも隠れていました。

子供向けの家具やおもちゃなどの店が集まるビルの前ではバンドがパフォーマンス中

フィリピンで一番人気スポーツはバスケットボールだそうです。

建設ラッシュのBonifacio地区

High Streetの一番奥のエリア、Centralへ


http://bgc.com.ph/bhs-central/

まだ新しいモールのようです


昨年は空きテナントも多かったのが徐々に増えてきました。
地下にはRustan’sのスーパーがオープンし、地上階はインテリアショップやアパレル店、外側の回廊には飲食店が出来てきました。

アメリカのインテリアショップ、Pottery Barn


マニラでPottery Barnが買えるとは。アメリカを発つ前のラッシュ買いは何だったんだろう…。
SM MegamallにはCrate & Barrelもオープンしました。

Pottery Barn
Central Square, Bonifacio High Street Central, 30th Street corner 5th Avenue, Taguig

11:00-23:00
https://www.facebook.com/PotteryBarnPH

隣はTWG Tea

シンガポールの紅茶専門店。タイで一度入った時はショッピングモールの通路の真ん中を仕切ったお店で、通り過ぎる人たちの視線で落ち着かないラウンジでしたが、こちらは独立したお店になっていて内装も豪華。豊富な茶葉を揃えていてゆっくり楽しむには良さそうですが、なにしろ高いのでまだ入らずにいてもっぱら通うのは…↓

この頃のマイブームは1階のSalad Stop


シンガポールのチェーン店のようです。
Subway方式と同じで、目の前で好みのサラダを作ってくれて、やはりたっぷりな量なのでお昼はこれでOK。

8:00-22:00
https://www.facebook.com/SaladStopPH

食後は2階のStarbucks Reserveへ


町中にスターバックスが溢れかえるマニラですが、Reserveはほんの数軒。厳選した豆から淹れたコーヒーがあります。



Bonifacioはマカティの10ものモールがつながるGreenbeltに比べれば店数は少ないものの、大体において欲しいもの、食べたいもがHigh StreetとSM Auraで揃ってしまっています。それと廉価品でいいと思うものはMarket! Market!で。あと足りないのは日本食材店ぐらいです。

それではHigh Streetから数ブロック離れますが、Bonifacioのランドマーク、SM Auraの中を少し。

なんて変な形のビルなんだろうと毎日思いながら見るSM Aura

低層の部分がショッピングモールになっています


地階では毎週末にフィリピン伝統菓子や料理のブースが出店されます。

フィリピンではショッピングモールには必ず礼拝堂が併設されているのが特徴でした

ここでもアメリカ料理の店が多い。


アメリカンダイナーのSlappy Cakes。

http://www.slappycakes.com

エッグベネディクト　頼まなくても山盛り。515P(1380円)


懐かしい感じではあるけど、胃の大きさが修正された今は無理だ…。

フィリピン人がこれまた愛してやまないJolibee。


マクドナルドがどうしてもフィリピンだけはシェア1位になれないライバルらしい。
あまり変わらないような気もしますが、値段はJolibeeの方が安い。

4階のフードコートはきれいです


ここで常に行列を作っているのはフィリピン料理の店でもなく、なんとPepper Lunch。
お米が好き、特にガーリックライスは国民食、そして味付けが濃い肉が好き、というフィリピンの人たちにぴったりの店なのかもしれません。

私はというと…なんとなく懐かしさと手軽さで、アメリカのフードコートには必ずあったSbarroでピザ。

最近はフィリピンでもラーメン人気が高まっているようです


タイの人は猫舌が多いのでどこのラーメンも温かったのですが、ここはちゃんと熱くても大丈夫なようです。好みはこってりとんこつらしく、なかなかさっぱりめの中華そばが見つかりません。
Aura 5階のラーメン凪は週末は長い行列が出来て、在住日本人の間でも人気店です。

465P（1250円）

1階 Paul Boulangerie et Patisserie


フランスのベーカリーカフェ。
フィリピン料理やらアメリカ料理やら試したものの、何度でも通いたいのは結局ここになりました。パン自体も美味しいけれど、スープやサンドイッチの味付けがマイルドなんですね。

マッシュルームのソテー、ライ麦パントースト 280P（750円）

コーヒーもすばらしく美味しい店でした