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 ベトナム社会主義共和国。鉄道は現在はベトナム南北を縦断する南北線(統一鉄道)、ハノイからハイフォンやハロン湾などへ至る支線、中国からの国際列車が走るラオカイ線などがある。軌間(レールの幅)は1000mmのいわゆるメーターゲージで、タイやミャンマーなど東南アジアで多く見られる規格だ。<br /> 今回の旅行ではベトナム南北を縦断する夜行列車への乗車がメインだ。現在は最速の列車が約30時間で走破しており、2泊を要する(1泊で済む列車もあるが、朝出発して終点へは翌日夜に到着する。これは最速列車ではない)。夜行列車乗車前後の時間調整として、支線のハイフォン線への乗車とメコン川ツアーを採り入れている。<br /><br />【大まかな行程】<br />1日目・・・成田空港→ハノイ・ノイバイ国際空港→ハノイ(ハノイ泊)<br />2日目・・・ホテル→ロンビエン駅→ハイフォン→ハノイ→サイゴン行き夜行列車に乗車(車中泊)<br />3日目・・・サイゴン行き夜行列車乗車(車中泊)<br />4日目・・・→サイゴン(ホーチミン市)→メコンデルタツアーに参加→ホーチミン→ホーチミン・タンソンニャット国際空港→深夜便で羽田空港へ(機中泊)<br />5日目・・・→羽田空港→地元の空港<br /><br /> 日程の都合から3泊風呂無しになってしまった。これは夜行列車を途中下車したりホーチミンに1泊すると上手く予定が組めなかったためだ(参考までに、タンソンニャット国際空港にはシャワーや風呂の設備は無い)。

2015年3月 ベトナム縦断鉄道の旅(全5日間)

38いいね!

2015/03/20 - 2015/03/24

39位(同エリア242件中)

2

38

kiro184

kiro184さん

 ベトナム社会主義共和国。鉄道は現在はベトナム南北を縦断する南北線(統一鉄道)、ハノイからハイフォンやハロン湾などへ至る支線、中国からの国際列車が走るラオカイ線などがある。軌間(レールの幅)は1000mmのいわゆるメーターゲージで、タイやミャンマーなど東南アジアで多く見られる規格だ。
 今回の旅行ではベトナム南北を縦断する夜行列車への乗車がメインだ。現在は最速の列車が約30時間で走破しており、2泊を要する(1泊で済む列車もあるが、朝出発して終点へは翌日夜に到着する。これは最速列車ではない)。夜行列車乗車前後の時間調整として、支線のハイフォン線への乗車とメコン川ツアーを採り入れている。

【大まかな行程】
1日目・・・成田空港→ハノイ・ノイバイ国際空港→ハノイ(ハノイ泊)
2日目・・・ホテル→ロンビエン駅→ハイフォン→ハノイ→サイゴン行き夜行列車に乗車(車中泊)
3日目・・・サイゴン行き夜行列車乗車(車中泊)
4日目・・・→サイゴン(ホーチミン市)→メコンデルタツアーに参加→ホーチミン→ホーチミン・タンソンニャット国際空港→深夜便で羽田空港へ(機中泊)
5日目・・・→羽田空港→地元の空港

 日程の都合から3泊風呂無しになってしまった。これは夜行列車を途中下車したりホーチミンに1泊すると上手く予定が組めなかったためだ(参考までに、タンソンニャット国際空港にはシャワーや風呂の設備は無い)。

同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
鉄道 タクシー 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • ◆1日目<br /> 成田空港より朝10時台に出発するベトナム・ハノイ行きの便で出国する。順調に飛行し、ハノイ・ノイバイ国際空港へは14時頃(日本時間では16時)に到着した。<br /> ノイバイ国際空港には鉄道が無いため、バスやタクシー等で市街へ移動することになる。一番安いのはエアポートミニバスであるが、ホテル等への客引き、途中の訳のわからない所で降ろされるなど悪評が多い。タクシーも悪評が多いが、今回はタクシーで移動することにした。

    ◆1日目
     成田空港より朝10時台に出発するベトナム・ハノイ行きの便で出国する。順調に飛行し、ハノイ・ノイバイ国際空港へは14時頃(日本時間では16時)に到着した。
     ノイバイ国際空港には鉄道が無いため、バスやタクシー等で市街へ移動することになる。一番安いのはエアポートミニバスであるが、ホテル等への客引き、途中の訳のわからない所で降ろされるなど悪評が多い。タクシーも悪評が多いが、今回はタクシーで移動することにした。

  • 正規のタクシー乗り場から乗車し白タクではないきちんとしたタクシーだったが、英語が「station」すら通じない運転手だった。最初はホテル名を言ってみたが分からない様子だったので「GA HANOI(ハノイ駅という意味)」と言うと納得した様子だった。<br />しかしハノイ市街に入りロンビエン駅を過ぎたあたりまで来ると車を止め、ハノイ駅にはどうやって行くのかというようなことを聞いてくる(こちらはガイドブックの地図をずっと広げてどのあたりを走っているか見ていた)。「タクシー運転手なのにそんな事も知らないのかよ」と言いたかったがそんな事をしても仕方が無い。この後の予定として旅行会社に頼んでいたベトナム夜行列車の切符を受け取りに行くことになっており、そのオフィスはハノイ駅よりロンビエン駅の方が近かった。そのため「もうここでいいよ」と言って運賃を払い下車した(きちんとメーターを使用しておりメーター通りの請求だった。道中で来た道を逆走するような場面もあったが、意図的に遠回りしようとした訳ではなく道を知らないだけのようだった)。

    正規のタクシー乗り場から乗車し白タクではないきちんとしたタクシーだったが、英語が「station」すら通じない運転手だった。最初はホテル名を言ってみたが分からない様子だったので「GA HANOI(ハノイ駅という意味)」と言うと納得した様子だった。
    しかしハノイ市街に入りロンビエン駅を過ぎたあたりまで来ると車を止め、ハノイ駅にはどうやって行くのかというようなことを聞いてくる(こちらはガイドブックの地図をずっと広げてどのあたりを走っているか見ていた)。「タクシー運転手なのにそんな事も知らないのかよ」と言いたかったがそんな事をしても仕方が無い。この後の予定として旅行会社に頼んでいたベトナム夜行列車の切符を受け取りに行くことになっており、そのオフィスはハノイ駅よりロンビエン駅の方が近かった。そのため「もうここでいいよ」と言って運賃を払い下車した(きちんとメーターを使用しておりメーター通りの請求だった。道中で来た道を逆走するような場面もあったが、意図的に遠回りしようとした訳ではなく道を知らないだけのようだった)。

  •  初っぱなからトラブル(と言うほどのものでもないが)だったが、日本人スタッフの居る旅行社のオフィスで無事に鉄道チケットを受け取り、予約済みのホテルへチェックインした。<br /> その後は再度街へ出て、散策と夕食探しをしてみる。テレビ番組や他の方の旅行記で紹介されている通り、とにかくバイク(原付)が多い。多くの交差点には信号や優先道路の標識が無く、合流部はとんでもないことになっている。最初はどのタイミングで道路を渡ればいいのかすら分からないが、地元の人がやっているようにゆっくり歩いてバイクの間をすり抜ける(と言うよりバイクに避けてもらう)しかない。<br /><br /> ホアンキエム湖の周りを歩き、ハノイ駅の近くまでやって来た。この日は鉄道に乗る予定は無いので、せめて線路だけでも見ておこうと思ったからだ。商店の屋根に埋もれるような所に建つ警報機。

     初っぱなからトラブル(と言うほどのものでもないが)だったが、日本人スタッフの居る旅行社のオフィスで無事に鉄道チケットを受け取り、予約済みのホテルへチェックインした。
     その後は再度街へ出て、散策と夕食探しをしてみる。テレビ番組や他の方の旅行記で紹介されている通り、とにかくバイク(原付)が多い。多くの交差点には信号や優先道路の標識が無く、合流部はとんでもないことになっている。最初はどのタイミングで道路を渡ればいいのかすら分からないが、地元の人がやっているようにゆっくり歩いてバイクの間をすり抜ける(と言うよりバイクに避けてもらう)しかない。

     ホアンキエム湖の周りを歩き、ハノイ駅の近くまでやって来た。この日は鉄道に乗る予定は無いので、せめて線路だけでも見ておこうと思ったからだ。商店の屋根に埋もれるような所に建つ警報機。

  • 列車が来ない時間は、門が閉ざされている。門の向こうはハノイ駅構内。当然と言うか、日本と違い踏切での一時停止など誰もやっていない。

    列車が来ない時間は、門が閉ざされている。門の向こうはハノイ駅構内。当然と言うか、日本と違い踏切での一時停止など誰もやっていない。

  • 門の無い場所では、このような赤色板が線路側に出されている(もうすぐ暗くなるなので赤色のカンテラも付いている)。このような踏切では踏切警手がいて、列車の通過に合わせて車道を封鎖するとともに門や赤色板の収納を行っている。画像右端の紅白の柵は車輪が付いており、これを車道に出して交通を遮断する。<br /><br /> ぶらぶらと歩いていたが18時頃にポツポツと雨が降り出したので、途中の商店でビールを買っただけでそそくさとホテルへ逃げ帰った。夕飯は高くつくがホテルのレストランで済ませた。

    門の無い場所では、このような赤色板が線路側に出されている(もうすぐ暗くなるなので赤色のカンテラも付いている)。このような踏切では踏切警手がいて、列車の通過に合わせて車道を封鎖するとともに門や赤色板の収納を行っている。画像右端の紅白の柵は車輪が付いており、これを車道に出して交通を遮断する。

     ぶらぶらと歩いていたが18時頃にポツポツと雨が降り出したので、途中の商店でビールを買っただけでそそくさとホテルへ逃げ帰った。夕飯は高くつくがホテルのレストランで済ませた。

  • ◆2日目<br />【ベトナムの鉄道の旅スタート】<br /> この日からベトナムの乗り鉄が始まる。余裕を持って7:50頃にホテルを出て、8:20にロンビエン駅に到着した。<br />駅は周囲より一段高い場所にあり、すぐ横にはロンビエン橋が隣接している。ロンビエン橋下の道路から駅へと上がる階段付近には「ロンビエン駅はこちら」というような看板があったが、それ以外は駅の入口を示す標識は一切無かった。駅舎自体はロンビエン橋から繋がる道路に面している(ただし一方通行でバイクしか通れない道のため、タクシーで駅舎まで行くのは困難かと思われる)。

    ◆2日目
    【ベトナムの鉄道の旅スタート】
     この日からベトナムの乗り鉄が始まる。余裕を持って7:50頃にホテルを出て、8:20にロンビエン駅に到着した。
    駅は周囲より一段高い場所にあり、すぐ横にはロンビエン橋が隣接している。ロンビエン橋下の道路から駅へと上がる階段付近には「ロンビエン駅はこちら」というような看板があったが、それ以外は駅の入口を示す標識は一切無かった。駅舎自体はロンビエン橋から繋がる道路に面している(ただし一方通行でバイクしか通れない道のため、タクシーで駅舎まで行くのは困難かと思われる)。

  • 列車は9:20に出発するためかなり余裕がある。すでに切符売り場が開いていたためハイフォンまでの切符を買う。こちらが変な外国人だと言う事はあっという間に見抜かれ、何も言わなくても冷房付きリクライニングシートの切符が発券される。料金は70000ドン(訪問時のレートで約¥400)だった。非冷房の木の椅子なら30000ドンだという情報もあるが、買っていないので不明である。<br />その後はロンビエン橋を途中まで歩いてみる。この橋は鉄道橋の両側に細い車道が付いたベトナムで多く見られる形態である。自動車は通行禁止で、歩行者も厳密には通行禁止らしい。訪問時には居なかったが、警官に止められたら素直に従いましょう。

    列車は9:20に出発するためかなり余裕がある。すでに切符売り場が開いていたためハイフォンまでの切符を買う。こちらが変な外国人だと言う事はあっという間に見抜かれ、何も言わなくても冷房付きリクライニングシートの切符が発券される。料金は70000ドン(訪問時のレートで約¥400)だった。非冷房の木の椅子なら30000ドンだという情報もあるが、買っていないので不明である。
    その後はロンビエン橋を途中まで歩いてみる。この橋は鉄道橋の両側に細い車道が付いたベトナムで多く見られる形態である。自動車は通行禁止で、歩行者も厳密には通行禁止らしい。訪問時には居なかったが、警官に止められたら素直に従いましょう。

  • する事が無くなり駅へ戻る。発車の30分前になるとたくさんの人が集まって来て、窓口も待合室も大混雑となる。列車は本数が少なく、ハイフォンまでならバスの方が早いのにこれは意外な光景だった。<br />この画像右側の柱に隠れた部分に窓口がある。ちなみにベトナム人は「並ぶ」や「順番に」という概念が無いらしく、先客が何人居ようがお構いなしに横入りする。結果的に列になって並ぶことが出来ず、窓口前には輪のような人だかりが出来る。鉄道へ乗車をお考えの方は、早めに駅へ行くことをおすすめする。

    する事が無くなり駅へ戻る。発車の30分前になるとたくさんの人が集まって来て、窓口も待合室も大混雑となる。列車は本数が少なく、ハイフォンまでならバスの方が早いのにこれは意外な光景だった。
    この画像右側の柱に隠れた部分に窓口がある。ちなみにベトナム人は「並ぶ」や「順番に」という概念が無いらしく、先客が何人居ようがお構いなしに横入りする。結果的に列になって並ぶことが出来ず、窓口前には輪のような人だかりが出来る。鉄道へ乗車をお考えの方は、早めに駅へ行くことをおすすめする。

  •  8:50にハイフォンからの列車が到着する。この列車はロンビエンが終点であり、折り返しハイフォン行きになるようだ。ハノイの中心駅はハノイ駅であるが、市内の踏切での交通渋滞を緩和するためにやむを得ずロンビエンで折り返しているそうだ。<br /><br />列車は両端にD12Eディーゼル機関車が付いたプッシュプル編成であり、客車は10両連結されている。客車は、<br />(ハイフォン方←)荷物車+電源荷物車+1号車+2号車・・・と順に8号車まで連結されている。1〜3号車は冷房付きのリクライニングシート車、4号車は冷房付きだが木製の椅子、5〜8号車は非冷房で木製椅子の客車だった。<br /> 9時過ぎから乗車が始まり、定刻の9:20にロンビエン駅を出発した。

     8:50にハイフォンからの列車が到着する。この列車はロンビエンが終点であり、折り返しハイフォン行きになるようだ。ハノイの中心駅はハノイ駅であるが、市内の踏切での交通渋滞を緩和するためにやむを得ずロンビエンで折り返しているそうだ。

    列車は両端にD12Eディーゼル機関車が付いたプッシュプル編成であり、客車は10両連結されている。客車は、
    (ハイフォン方←)荷物車+電源荷物車+1号車+2号車・・・と順に8号車まで連結されている。1〜3号車は冷房付きのリクライニングシート車、4号車は冷房付きだが木製の椅子、5〜8号車は非冷房で木製椅子の客車だった。
     9時過ぎから乗車が始まり、定刻の9:20にロンビエン駅を出発した。

  • ノロノロとロンビエン橋を渡り、次のGiaLamに停車した。構内には中国のナンニン(南寧。簡体字だと南「宇」に見える)から乗り入れて来た客車が留置されている。この駅が終点なのか、ハノイ駅から回送してきているのかは分からない。GiaLam駅構内は3線軌条化されており、内側が1000mm軌間だと思われる。しかしどこから広い方の線路は繋がって来ているのだろうか。まさか中国からそのままつながっている訳ではあるまい。<br />そしてこの駅で対向の列車と行き合いをする。対向列車は荷物車の後ろに非冷房の客車を5両繋げた編成だった。

    ノロノロとロンビエン橋を渡り、次のGiaLamに停車した。構内には中国のナンニン(南寧。簡体字だと南「宇」に見える)から乗り入れて来た客車が留置されている。この駅が終点なのか、ハノイ駅から回送してきているのかは分からない。GiaLam駅構内は3線軌条化されており、内側が1000mm軌間だと思われる。しかしどこから広い方の線路は繋がって来ているのだろうか。まさか中国からそのままつながっている訳ではあるまい。
    そしてこの駅で対向の列車と行き合いをする。対向列車は荷物車の後ろに非冷房の客車を5両繋げた編成だった。

  •  車窓にはのどかな田園風景が広がり、途中駅で貨物列車との行き合いもあった。ハイフォンは近年観光客が増えているが、ベトナムの海の玄関口としても重要であることが伺える。<br /><br />12:00の定刻にハイフォンへ到着する。ベトナムの駅は改札は無いが待合室と下車口が別になっており、下車口には多数のタクシーやバイクタクシーの運転手が客引きしている。それらを適当にあしらいながら歩き出す。

     車窓にはのどかな田園風景が広がり、途中駅で貨物列車との行き合いもあった。ハイフォンは近年観光客が増えているが、ベトナムの海の玄関口としても重要であることが伺える。

    12:00の定刻にハイフォンへ到着する。ベトナムの駅は改札は無いが待合室と下車口が別になっており、下車口には多数のタクシーやバイクタクシーの運転手が客引きしている。それらを適当にあしらいながら歩き出す。

  • ハイフォン駅はフランス統治時代の名残かおしゃれな駅舎だ。ちなみにこれは下車口ではなく待合室(つまり駅舎の本体)側。

    ハイフォン駅はフランス統治時代の名残かおしゃれな駅舎だ。ちなみにこれは下車口ではなく待合室(つまり駅舎の本体)側。

  • ハイフォンは路線の終端駅だが、地図にはハイフォン駅からさらに港の方へ至る線路が描かれているため、その線路づたいに歩く。市街地を通り抜け路面電車のように道路を走る箇所もある。廃線なのかと思ったが、しっかりとレールが光っており今でも使われている線路なのだ。さらに進むと港湾施設のような所へ線路は入って行った。これ以上は立ち入り出来ない。

    ハイフォンは路線の終端駅だが、地図にはハイフォン駅からさらに港の方へ至る線路が描かれているため、その線路づたいに歩く。市街地を通り抜け路面電車のように道路を走る箇所もある。廃線なのかと思ったが、しっかりとレールが光っており今でも使われている線路なのだ。さらに進むと港湾施設のような所へ線路は入って行った。これ以上は立ち入り出来ない。

  •  発車50分程前に駅へ戻り、帰りの切符を買ってしばらく時間を潰す(発車50分前には窓口には3人程しか並んでいなかったが、前述のように横入りが当たり前なので早めに購入しておいて正解だった)。発車20分程前に放送が流れ、乗客がぞろぞろとホームへ移動する。<br />編成は行きに乗車したものと同じで機関車も同じだが、機関車が方向転換されたようで再び短いボンネット側を前に向けている。ハイフォンは定刻の14:35に発車した。<br /><br />14:57頃にVan Cachに差し掛かる。駅の手前で右側から線路が合流してくるが、レールが光っており現役のようだ。Van Cachは通過する。<br />16:20頃にTuan Luongに停車。対向の旅客列車と行き合うが機関車の次に緑色の有蓋貨車が付いており、さらに非冷房客車がたくさん連結されていた。意外と列車本数が多いように感じる。この列車以外にも何本かの貨物列車と行き合いをしている。

     発車50分程前に駅へ戻り、帰りの切符を買ってしばらく時間を潰す(発車50分前には窓口には3人程しか並んでいなかったが、前述のように横入りが当たり前なので早めに購入しておいて正解だった)。発車20分程前に放送が流れ、乗客がぞろぞろとホームへ移動する。
    編成は行きに乗車したものと同じで機関車も同じだが、機関車が方向転換されたようで再び短いボンネット側を前に向けている。ハイフォンは定刻の14:35に発車した。

    14:57頃にVan Cachに差し掛かる。駅の手前で右側から線路が合流してくるが、レールが光っており現役のようだ。Van Cachは通過する。
    16:20頃にTuan Luongに停車。対向の旅客列車と行き合うが機関車の次に緑色の有蓋貨車が付いており、さらに非冷房客車がたくさん連結されていた。意外と列車本数が多いように感じる。この列車以外にも何本かの貨物列車と行き合いをしている。

  •  ロンビエンには、定刻の17:20に到着する。てっきりロンビエンが終点だと思っていたが、降りて見ると後ろに機関車が付いていない。日本からプリントアウトしてきた時刻表を良く見て見ると、これはハノイまで行く列車だった。夕方の帰宅ラッシュ時間にロンビエン〜ハノイ間を走る列車があるとは思わなかった。ハノイまで乗車しても良かったのだが、これから22時に発車する夜行列車に乗るまで暇がある。全区間完全乗車を狙っている訳でもないので、ロンビエン駅から街を歩くことにした。<br /><br /> ホテルへ戻り預かってもらっていた荷物を受け取り、ホテルのバーでビールを飲んで涼んだりロビーで時間を潰してから、20時過ぎにハノイ駅へ向かう。

     ロンビエンには、定刻の17:20に到着する。てっきりロンビエンが終点だと思っていたが、降りて見ると後ろに機関車が付いていない。日本からプリントアウトしてきた時刻表を良く見て見ると、これはハノイまで行く列車だった。夕方の帰宅ラッシュ時間にロンビエン〜ハノイ間を走る列車があるとは思わなかった。ハノイまで乗車しても良かったのだが、これから22時に発車する夜行列車に乗るまで暇がある。全区間完全乗車を狙っている訳でもないので、ロンビエン駅から街を歩くことにした。

     ホテルへ戻り預かってもらっていた荷物を受け取り、ホテルのバーでビールを飲んで涼んだりロビーで時間を潰してから、20時過ぎにハノイ駅へ向かう。

  • ホテルからハノイ駅までは1km強だが、道路の横断に慎重になったこともあり30分以上かかって到着した。街には少ないながらも街灯があり真っ暗と言う訳ではないが、当然ながら車やバイクから歩行者を確認し難くなる。歩行者側から見ても、時折無灯火のバイクや自転車が走って来るため細心の注意が必要となる。主に旧市街地区を歩いたが、治安は悪くなく危険な感じはしなかった(状況や時間帯によるので歩く場合は各自でご判断を)。<br /> ハノイ駅はきれいにライトアップされており、駅前にタクシーの運転手がたむろしている他は治安も良好なようだ。駅内のロッテリアでハンバーガーを食べて時間を潰した。

    ホテルからハノイ駅までは1km強だが、道路の横断に慎重になったこともあり30分以上かかって到着した。街には少ないながらも街灯があり真っ暗と言う訳ではないが、当然ながら車やバイクから歩行者を確認し難くなる。歩行者側から見ても、時折無灯火のバイクや自転車が走って来るため細心の注意が必要となる。主に旧市街地区を歩いたが、治安は悪くなく危険な感じはしなかった(状況や時間帯によるので歩く場合は各自でご判断を)。
     ハノイ駅はきれいにライトアップされており、駅前にタクシーの運転手がたむろしている他は治安も良好なようだ。駅内のロッテリアでハンバーガーを食べて時間を潰した。

  • 発車の約20分前の21:40頃に放送が流れ、乗車が開始される。これから乗車するのはベトナムを縦断してサイゴン(ホーチミン)まで至るSE3列車で、サイゴンには翌々日の朝5:20に到着する。対向のSE4列車と共に、約1700kmの距離を30時間20分かけて走る最速で最上級とされる列車だ。同じ列車に2泊というのは経験が無く、30時間も1つの列車に乗り続けるのは私にとって最長である。<br />かなり昔には日本にも乗りっ放しで2泊出来る列車が存在したようだが(大阪発青森行きの普通列車など)、今の日本では体験できないことであろう。折しもこの旅行直前の2015年2月には、雪害のためトワイライトエクスプレスに乗客が2泊したということがニュースで報じられたが、これはイレギュラーなものであろう。<br />ハノイ駅1番線はおそらく日本よりも高いホームが整備されていた。客車は1〜14号車まで連結されており(抜けている号車があるかは未確認)、1号車は冷房付きながら板の椅子の客車であり、車内販売の準備スペースになっているようだ。<br /><br /> なお、同じ22:00発でラオカイ行きの夜行列車も存在するが、そちらは階段を渡った3番線より発車するようだ。客車の入り口には車掌が居るため、乗り間違える事な無いと思う。

    発車の約20分前の21:40頃に放送が流れ、乗車が開始される。これから乗車するのはベトナムを縦断してサイゴン(ホーチミン)まで至るSE3列車で、サイゴンには翌々日の朝5:20に到着する。対向のSE4列車と共に、約1700kmの距離を30時間20分かけて走る最速で最上級とされる列車だ。同じ列車に2泊というのは経験が無く、30時間も1つの列車に乗り続けるのは私にとって最長である。
    かなり昔には日本にも乗りっ放しで2泊出来る列車が存在したようだが(大阪発青森行きの普通列車など)、今の日本では体験できないことであろう。折しもこの旅行直前の2015年2月には、雪害のためトワイライトエクスプレスに乗客が2泊したということがニュースで報じられたが、これはイレギュラーなものであろう。
    ハノイ駅1番線はおそらく日本よりも高いホームが整備されていた。客車は1〜14号車まで連結されており(抜けている号車があるかは未確認)、1号車は冷房付きながら板の椅子の客車であり、車内販売の準備スペースになっているようだ。

     なお、同じ22:00発でラオカイ行きの夜行列車も存在するが、そちらは階段を渡った3番線より発車するようだ。客車の入り口には車掌が居るため、乗り間違える事な無いと思う。

  • 列車の先頭に機関車が連結される。D19E-948が牽引する。ベトナムの機関車の形式名はD19Eであると「19」は出力を100分の1にした数字、「E」は電気式ディーゼル機関車を意味する。

    列車の先頭に機関車が連結される。D19E-948が牽引する。ベトナムの機関車の形式名はD19Eであると「19」は出力を100分の1にした数字、「E」は電気式ディーゼル機関車を意味する。

  •  10号車の寝台(ソフトベッド)が指定された席だ。枕木方向に2段ベッドが並び1室4人で利用する。通路との仕切り戸が付いていて日本で言えばBコンパートに似ており、ロシアのクペとほぼ同じ構造だ。各寝台にカーテンが無いのもクペと共通している。<br />同じ個室には私以外は全員ベトナム人だった。オッサン、若い女の子、40歳中ぐらいの姉さんだが、家族ではなく全員別々らしい。男女で区分けして寝台を販売する訳ではないようだ。<br /><br /> ネット上の旅行記を見ると、個室内にはコンセントがあるが1つしか無いという記述をよく見かける。4つある内の1つのベッド枕元にあるという記述も見かけたが、今回乗車した車両では通路とのドア鴨居部分に1つ付いていた。画像がピンボケで申し訳ないが、室内灯のスイッチと一体になっているものだった(画像ではデジカメのバッテリーを充電中)。

     10号車の寝台(ソフトベッド)が指定された席だ。枕木方向に2段ベッドが並び1室4人で利用する。通路との仕切り戸が付いていて日本で言えばBコンパートに似ており、ロシアのクペとほぼ同じ構造だ。各寝台にカーテンが無いのもクペと共通している。
    同じ個室には私以外は全員ベトナム人だった。オッサン、若い女の子、40歳中ぐらいの姉さんだが、家族ではなく全員別々らしい。男女で区分けして寝台を販売する訳ではないようだ。

     ネット上の旅行記を見ると、個室内にはコンセントがあるが1つしか無いという記述をよく見かける。4つある内の1つのベッド枕元にあるという記述も見かけたが、今回乗車した車両では通路とのドア鴨居部分に1つ付いていた。画像がピンボケで申し訳ないが、室内灯のスイッチと一体になっているものだった(画像ではデジカメのバッテリーを充電中)。

  • ◆3日目 <br />【ひたすら乗車】<br /> 午前4時前に目が覚める。上段に乗っていたおっさんがYen Trungで下車するために準備しているらしい。日本からプリントアウトしてきた時刻表を見たが、ほぼ定刻で走っているようだ。再度眠り、6時頃に起床する。<br />7時頃に車内販売のワゴンが回って来たため、ゆで卵を買う。アイスコーヒーも飲みたかったが、水や氷がどんなものか不明なため手を出せなかった。<br />7:25の定刻にドンホイへ到着する。ドンホイでは乗客の買い出しを考慮してか15分程度停車する。車内デッキ付近には時刻表が掲示されており、それで停車駅や停車時間を確認してホームへ出ることが出来るようになっている(ただし列車が遅れていた場合にどの程度停車時間を取るのかは不明)。どうやら朝・昼・晩の食事時には15分程度停車し、その他は5分程度の停車のようだ。<br /><br />ドンホイ駅ホームにはたくさんの売店が並び、買い物をする人やタバコを吸う人でホームは賑っている。

    ◆3日目
    【ひたすら乗車】
     午前4時前に目が覚める。上段に乗っていたおっさんがYen Trungで下車するために準備しているらしい。日本からプリントアウトしてきた時刻表を見たが、ほぼ定刻で走っているようだ。再度眠り、6時頃に起床する。
    7時頃に車内販売のワゴンが回って来たため、ゆで卵を買う。アイスコーヒーも飲みたかったが、水や氷がどんなものか不明なため手を出せなかった。
    7:25の定刻にドンホイへ到着する。ドンホイでは乗客の買い出しを考慮してか15分程度停車する。車内デッキ付近には時刻表が掲示されており、それで停車駅や停車時間を確認してホームへ出ることが出来るようになっている(ただし列車が遅れていた場合にどの程度停車時間を取るのかは不明)。どうやら朝・昼・晩の食事時には15分程度停車し、その他は5分程度の停車のようだ。

    ドンホイ駅ホームにはたくさんの売店が並び、買い物をする人やタバコを吸う人でホームは賑っている。

  • ドンホイ駅に留置されている操重車(列車が脱線や転覆した際に復旧するクレーン車)。日本で現役の車両はすでに無いが、ベトナムではまだ現役なのだろうか。<br />(窓ガラスが汚いため、車窓の画像は全てモヤがかかったようになっています。ご了承ください)

    ドンホイ駅に留置されている操重車(列車が脱線や転覆した際に復旧するクレーン車)。日本で現役の車両はすでに無いが、ベトナムではまだ現役なのだろうか。
    (窓ガラスが汚いため、車窓の画像は全てモヤがかかったようになっています。ご了承ください)

  •  9:45頃に、昼食の予約を取る係員が回って来る。先に料金を払ってチケットを貰う形だ。10万ドン(訪問時のレートで約¥570)と言われその通り払ったが、正規の値段だったのかは分からない。他の方の旅行記を見るともっと安いケースもあるようだが・・・。昼食は12時頃に席まで持ってきてくれると言う。<br /> 10:28にフエに到着する。ベトナム有数の観光都市であり、ハノイから乗っていた欧米系の旅行者はほとんどが下車した。向かい下段に乗っていた40歳ぐらいの姉さんも下車し、入れ替わりで上品なマダムといった感じの女性が乗ってきた。

     9:45頃に、昼食の予約を取る係員が回って来る。先に料金を払ってチケットを貰う形だ。10万ドン(訪問時のレートで約¥570)と言われその通り払ったが、正規の値段だったのかは分からない。他の方の旅行記を見るともっと安いケースもあるようだが・・・。昼食は12時頃に席まで持ってきてくれると言う。
     10:28にフエに到着する。ベトナム有数の観光都市であり、ハノイから乗っていた欧米系の旅行者はほとんどが下車した。向かい下段に乗っていた40歳ぐらいの姉さんも下車し、入れ替わりで上品なマダムといった感じの女性が乗ってきた。

  • 11:30頃にCulua Luuに停車する。乗降は無い運転停車で、貨物列車の通過待ちをした。構内にはタブレットキャッチャーと思われる合図灯の付いた柱が建っていた(現在はタブレット閉塞ではないと思うが)。

    11:30頃にCulua Luuに停車する。乗降は無い運転停車で、貨物列車の通過待ちをした。構内にはタブレットキャッチャーと思われる合図灯の付いた柱が建っていた(現在はタブレット閉塞ではないと思うが)。

  • 11:50頃に昼食が配られる。プラスチックの皿にご飯とおかずが盛りつけられており、スープと醤油をワゴンで注いでから配られる。食べ終わった皿は通路に出しておくなどタイの寝台列車であった食事とほぼ同じだ。おかずは肉(牛か豚だと思う)とモヤシで味付けは薄い醤油ベースのような平凡なもの。不味くは無いが特段美味しい訳でもない。

    11:50頃に昼食が配られる。プラスチックの皿にご飯とおかずが盛りつけられており、スープと醤油をワゴンで注いでから配られる。食べ終わった皿は通路に出しておくなどタイの寝台列車であった食事とほぼ同じだ。おかずは肉(牛か豚だと思う)とモヤシで味付けは薄い醤油ベースのような平凡なもの。不味くは無いが特段美味しい訳でもない。

  • 丁度昼食が配られるのと前後して、列車はハイヴァン峠越えに差し掛かった。乗車した寝台車は海側が客室のため、絶景を眺めながらの食事になった。飯の味がどうだろうと、この景色が最高のおかずである。窓が汚いせいで、写真にするときれいに見えないのが残念。

    丁度昼食が配られるのと前後して、列車はハイヴァン峠越えに差し掛かった。乗車した寝台車は海側が客室のため、絶景を眺めながらの食事になった。飯の味がどうだろうと、この景色が最高のおかずである。窓が汚いせいで、写真にするときれいに見えないのが残念。

  • ハイヴァン峠はベトナムの中でも例外的に線形が悪く、右へ左へと急カーブを繰り返す。窓から眺めるだけでも前方にずらりと機関車と客車が繋がる様が見える。<br />ハイヴァン峠の頂上には信号所があり、ベトナムの他の駅同様にこんな場所でも係員が常駐していた。また、長いトンネルの前後にも職員の詰所があり、係員が進路異常無しの旗を列車に向けて掲出している。

    ハイヴァン峠はベトナムの中でも例外的に線形が悪く、右へ左へと急カーブを繰り返す。窓から眺めるだけでも前方にずらりと機関車と客車が繋がる様が見える。
    ハイヴァン峠の頂上には信号所があり、ベトナムの他の駅同様にこんな場所でも係員が常駐していた。また、長いトンネルの前後にも職員の詰所があり、係員が進路異常無しの旗を列車に向けて掲出している。

  •  ダナンには12:55頃に到着した。13:15の発車までお昼の買い出しタイムであるが、列車はここで進行方向が変わるため機関車の付け替えが行われる。もう昼食は食べ終えたため、買い出しはせずに今まで列車の最後尾だった場所へ向かい機関車の連結を見ることにする。<br />2人の連結係員が居るが、2人とも咥えタバコで仕事をしている。現代の日本で同じことをやったらとんでもないことになるだろう。私個人としてはきちんとやることをやって安全を確保しているのなら文句を言うつもりもなく、かえって今の日本がガタガタ言いすぎではないかとすら思う。

     ダナンには12:55頃に到着した。13:15の発車までお昼の買い出しタイムであるが、列車はここで進行方向が変わるため機関車の付け替えが行われる。もう昼食は食べ終えたため、買い出しはせずに今まで列車の最後尾だった場所へ向かい機関車の連結を見ることにする。
    2人の連結係員が居るが、2人とも咥えタバコで仕事をしている。現代の日本で同じことをやったらとんでもないことになるだろう。私個人としてはきちんとやることをやって安全を確保しているのなら文句を言うつもりもなく、かえって今の日本がガタガタ言いすぎではないかとすら思う。

  • ここで機関車がD19Eから変わり、強力で新しいD20Eになる。ハノイから同じD19Eが牽いて来たのかは分からないが、ハイヴァン峠越えで前部や後部に補機は付いていなかったようだ。<br /><br /> ダナンを発車した13:20頃、係員が夕食の予約を取りに来た。注文したが、昼飯を食べたばかりでタイミング的にどうなのかと思う。しかし後述するタムキー発車後にも予約を取っていた。

    ここで機関車がD19Eから変わり、強力で新しいD20Eになる。ハノイから同じD19Eが牽いて来たのかは分からないが、ハイヴァン峠越えで前部や後部に補機は付いていなかったようだ。

     ダナンを発車した13:20頃、係員が夕食の予約を取りに来た。注文したが、昼飯を食べたばかりでタイミング的にどうなのかと思う。しかし後述するタムキー発車後にも予約を取っていた。

  • 14:25頃にタムキーに停車する。かつて日本人町があったホイアンはダナンとタムキーの中間ぐらいに位置するが、タムキーから向かう観光客はほとんど居ないらしく、駅舎は小さなものだった。<br />タムキーからは空いていた2つの上段寝台に親子と思われる女性が乗車してきた。どうやら他の家族も一緒に乗車しているが、全員上段寝台しか取れなかったらしい。なお日本の寝台車ヒルネ利用の様に昼間はみんな下段に座る習慣は無いようで、ほとんどの人が上段が指定されたなら上段に居続けている(そしてほとんど昼寝している)。

    14:25頃にタムキーに停車する。かつて日本人町があったホイアンはダナンとタムキーの中間ぐらいに位置するが、タムキーから向かう観光客はほとんど居ないらしく、駅舎は小さなものだった。
    タムキーからは空いていた2つの上段寝台に親子と思われる女性が乗車してきた。どうやら他の家族も一緒に乗車しているが、全員上段寝台しか取れなかったらしい。なお日本の寝台車ヒルネ利用の様に昼間はみんな下段に座る習慣は無いようで、ほとんどの人が上段が指定されたなら上段に居続けている(そしてほとんど昼寝している)。

  •  その後はぼんやり外を眺めたり30分程昼寝をしたりして過ごす。隣の車両のトイレの窓が開いていたため、デジカメを突きだして撮影する。時刻は17時頃、Bong Son付近ではないかと思う。<br />トイレの窓と車両中央部の窓は開閉出来るようになっているが、乗客が勝手に開けられる訳ではなく、乗務員の持っている鍵かラジオペンチでも無いと開けられないと思われる。自由に開閉出来るという情報も見たことがあるがたまたま違う車両に当たったのか、構造が変わったのだろうか。<br /><br /> 17:40頃に注文していた夕食が配られる。肉が若干違うものになった以外は昼食と変わらないもので、味もあまり変わらない(そのため画像無し)。<br /> 18:00頃にどこかの駅に停車して、対向のSE8列車の通過待ちをする。SE8は冷房付きと非冷房の客車がほぼ半数ずつ連結されていて、最後尾には緑色の有蓋貨車が連結されていた。

     その後はぼんやり外を眺めたり30分程昼寝をしたりして過ごす。隣の車両のトイレの窓が開いていたため、デジカメを突きだして撮影する。時刻は17時頃、Bong Son付近ではないかと思う。
    トイレの窓と車両中央部の窓は開閉出来るようになっているが、乗客が勝手に開けられる訳ではなく、乗務員の持っている鍵かラジオペンチでも無いと開けられないと思われる。自由に開閉出来るという情報も見たことがあるがたまたま違う車両に当たったのか、構造が変わったのだろうか。

     17:40頃に注文していた夕食が配られる。肉が若干違うものになった以外は昼食と変わらないもので、味もあまり変わらない(そのため画像無し)。
     18:00頃にどこかの駅に停車して、対向のSE8列車の通過待ちをする。SE8は冷房付きと非冷房の客車がほぼ半数ずつ連結されていて、最後尾には緑色の有蓋貨車が連結されていた。

  •  18:21の定刻にDien Triに到着する。ここでは夕方の買い物のために15分停車する。向かいのホームにある電気が点いているところは全て売店で、肉や炒飯のようなもの、ビールやお菓子なども売っている。それぞれの店で客の争奪戦が繰り広げられる。<br />客車には給水が行われる。さすがに2晩も走るとなるとトイレの水が無くなってしまうからだろう。ホームで一服していると、客車にガシャンと衝動があった。後部に補助機関車か増結する客車を連結したのだろう。<br /><br /> 次のトゥイホアには3分遅れの20:14に到着する。元々3分しか停車時間が無いため、乗降が終わるとすぐに発車した。<br /> さらに次のニャチャンには6分遅れの22:10に到着する。ニャチャンでは自分の上段の女性が下車し、入れ替わりで若い兄ちゃんが乗車してきた。乗客が入れ替わる度に車掌が新しいシーツと枕カバーを持ってくる(乗客が自分で敷く)。列車全体の乗車率がどれぐらいかは分からないが、寝台はほぼ途切れることなく乗客が入れ替わるのは意外だった。ニャチャンを発車して少ししてから就寝した。

     18:21の定刻にDien Triに到着する。ここでは夕方の買い物のために15分停車する。向かいのホームにある電気が点いているところは全て売店で、肉や炒飯のようなもの、ビールやお菓子なども売っている。それぞれの店で客の争奪戦が繰り広げられる。
    客車には給水が行われる。さすがに2晩も走るとなるとトイレの水が無くなってしまうからだろう。ホームで一服していると、客車にガシャンと衝動があった。後部に補助機関車か増結する客車を連結したのだろう。

     次のトゥイホアには3分遅れの20:14に到着する。元々3分しか停車時間が無いため、乗降が終わるとすぐに発車した。
     さらに次のニャチャンには6分遅れの22:10に到着する。ニャチャンでは自分の上段の女性が下車し、入れ替わりで若い兄ちゃんが乗車してきた。乗客が入れ替わる度に車掌が新しいシーツと枕カバーを持ってくる(乗客が自分で敷く)。列車全体の乗車率がどれぐらいかは分からないが、寝台はほぼ途切れることなく乗客が入れ替わるのは意外だった。ニャチャンを発車して少ししてから就寝した。

  • ◆4日目<br /> 午前4時半頃に起床する。前夜の6分遅れのまま、4:47にビエンホアに到着する。4:50時頃に車内に音楽が流れ、日本でいうおはよう放送なのだろう。しかし音楽が10分近く流れ続けるだけで特に肉声での案内は無い。

    ◆4日目
     午前4時半頃に起床する。前夜の6分遅れのまま、4:47にビエンホアに到着する。4:50時頃に車内に音楽が流れ、日本でいうおはよう放送なのだろう。しかし音楽が10分近く流れ続けるだけで特に肉声での案内は無い。

  • サイゴン6:00発のハノイ行きSE8列車。昨日どこかで同じ列車とすれ違っているが、この日も最後尾には有蓋貨車が連結されていた。荷物車代用なのだろうか。

    サイゴン6:00発のハノイ行きSE8列車。昨日どこかで同じ列車とすれ違っているが、この日も最後尾には有蓋貨車が連結されていた。荷物車代用なのだろうか。

  • 到着した朝5時半は日の出前で真っ暗だったため駅舎内で時間を潰し、6時半頃に駅を出た。列車到着直後の客引き合戦は一段落していたが、それでもまだタクシーの客引きがいるため適当にあしらいながら駅を出た。

    到着した朝5時半は日の出前で真っ暗だったため駅舎内で時間を潰し、6時半頃に駅を出た。列車到着直後の客引き合戦は一段落していたが、それでもまだタクシーの客引きがいるため適当にあしらいながら駅を出た。

  • 駅前に保存されているSL。築山のような傾斜の付いた土台に置かれているのが、日本ではあまり見られない保存の仕方だ。ベトナムで静態保存される車両を見たのはこれだけだった。

    駅前に保存されているSL。築山のような傾斜の付いた土台に置かれているのが、日本ではあまり見られない保存の仕方だ。ベトナムで静態保存される車両を見たのはこれだけだった。

  • この日の23時台に出発する航空機でベトナムを後にする。つまり丸一日暇なためどうしようかと色々考えていた。自力で市内の名所を見て歩こうかとも考えたが、ボッタクリや詐欺まがいのことなど悪い話が多いこと、何より一人旅ゆえに名所を見て歩くにしても時間を持て余してどうでもよくなってしまうだろうと思ったため、日帰りの観光ツアーに申し込んでおいた。<br />ホーチミンからバスで1時間半程のミトーまで行き、メコン川下りやベトナムのフルーツを味わうツアーに参加した。鉄道とは全く無関係なので詳細は割愛するが、日本語ガイド付きで約¥3000強と価格の割には盛り沢山なツアーでじっくりと楽しめた。

    この日の23時台に出発する航空機でベトナムを後にする。つまり丸一日暇なためどうしようかと色々考えていた。自力で市内の名所を見て歩こうかとも考えたが、ボッタクリや詐欺まがいのことなど悪い話が多いこと、何より一人旅ゆえに名所を見て歩くにしても時間を持て余してどうでもよくなってしまうだろうと思ったため、日帰りの観光ツアーに申し込んでおいた。
    ホーチミンからバスで1時間半程のミトーまで行き、メコン川下りやベトナムのフルーツを味わうツアーに参加した。鉄道とは全く無関係なので詳細は割愛するが、日本語ガイド付きで約¥3000強と価格の割には盛り沢山なツアーでじっくりと楽しめた。

  • ツアーの昼食。昼食代もツアーに含まれており、日本語ガイドツアーでは大きな魚のフライも付く。余談だが、同じ旅行社が主催する英語ガイドのメコン川ツアー(約¥1200)では、この魚が付かないらしいのでご参考までに。<br /><br /> ツアーは17時頃に解散になり、そこからは徒歩でホーチミン市内を見ようと思っていた。解散場所から近いところにある国営百貨店へ向かったが、国営百貨店は改装中なのか営業していなかった。目の前のレロイ通りも自動車通行止めになり何やら工事中である。ホーチミンは地下鉄を建設中のようだが、それに関連する工事だろうか。<br />当てが外れどこへ行こうかと思っていたが、シクロの運転手や物売り、靴磨きなどの客引きがうるさくオチオチ地図も見てられない。危険は感じなかったが、ハノイよりホーチミンの客引きの方がしつこいと感じた。<br />18時を過ぎるとだんだんと薄暗くなってきた。このまま市内に居ても大したものは見ないだろうと判断し、近くの高級ホテルの前でボーイに頼んでタクシーを呼んでもらい、タンソンニャット国際空港へ向かった。空港へ向かうには時間が早すぎるが、空港内には無料Wi-Fiがありそれで時間を潰す事が出来た。

    ツアーの昼食。昼食代もツアーに含まれており、日本語ガイドツアーでは大きな魚のフライも付く。余談だが、同じ旅行社が主催する英語ガイドのメコン川ツアー(約¥1200)では、この魚が付かないらしいのでご参考までに。

     ツアーは17時頃に解散になり、そこからは徒歩でホーチミン市内を見ようと思っていた。解散場所から近いところにある国営百貨店へ向かったが、国営百貨店は改装中なのか営業していなかった。目の前のレロイ通りも自動車通行止めになり何やら工事中である。ホーチミンは地下鉄を建設中のようだが、それに関連する工事だろうか。
    当てが外れどこへ行こうかと思っていたが、シクロの運転手や物売り、靴磨きなどの客引きがうるさくオチオチ地図も見てられない。危険は感じなかったが、ハノイよりホーチミンの客引きの方がしつこいと感じた。
    18時を過ぎるとだんだんと薄暗くなってきた。このまま市内に居ても大したものは見ないだろうと判断し、近くの高級ホテルの前でボーイに頼んでタクシーを呼んでもらい、タンソンニャット国際空港へ向かった。空港へ向かうには時間が早すぎるが、空港内には無料Wi-Fiがありそれで時間を潰す事が出来た。

  • ◆5日目<br /> 本来なら4日目の23:45にベトナムを発つ予定だったが、遅れにより日付を跨いでしまったため5日目に記載する。0:15頃に飛行機は動き出し、ベトナムともお別れである。<br />翌朝6:55に羽田空港に到着した。到着ロビーにあるシャワールームで3日振りにシャワーを浴び、地元へ帰る国内線に搭乗した。<br /><br /> 今回の旅行では予定していたベトナムの鉄道には全て乗車出来、充実した旅になった。未乗になっているハノイ〜ラオカイ方面の鉄道にも乗ってみたいし、中国との国際列車にも機会があれば乗車してみたいと思う。<br /><br />ベトナムへは多くの日本人が旅行しており、私などが今更アドバイスする事など無いであろうが、少し書き記しておきたい。<br />・列車はほとんどが時刻通り正確に運行されている。これは他所様の旅行記等を見ても同じようだ。列車本数が少ないゆえか混雑するため、特に寝台券は早めの確保をお勧めする。また、乗車券を持っていたとしても「列車出発の30分前には駅に来るように」と注意書きがされている。<br />・列車内は禁煙である。しかしトイレや貫通路(連結部の幌のある部分)で煙草を吸うベトナム人を何人も見た。どの程度黙認されているのかは分からないが、きちんとルールを守った行動を取りたい。<br />・強盗や殺人など命に直結する犯罪は多くないようだが、ぼったくり、釣り銭等の誤魔化し、スリなどは日常的に起きている。海外を歩く上で常識的な事を気を付けていれば防げるものばかりだと思う。<br />・元々チップの文化は無い国であるが、欧米からの旅行者が増えた影響からか「チップを貰って当たり前」のような傾向に変化しつつあるという。今後数年で状況が変わるかもしれない。<br />

    ◆5日目
     本来なら4日目の23:45にベトナムを発つ予定だったが、遅れにより日付を跨いでしまったため5日目に記載する。0:15頃に飛行機は動き出し、ベトナムともお別れである。
    翌朝6:55に羽田空港に到着した。到着ロビーにあるシャワールームで3日振りにシャワーを浴び、地元へ帰る国内線に搭乗した。

     今回の旅行では予定していたベトナムの鉄道には全て乗車出来、充実した旅になった。未乗になっているハノイ〜ラオカイ方面の鉄道にも乗ってみたいし、中国との国際列車にも機会があれば乗車してみたいと思う。

    ベトナムへは多くの日本人が旅行しており、私などが今更アドバイスする事など無いであろうが、少し書き記しておきたい。
    ・列車はほとんどが時刻通り正確に運行されている。これは他所様の旅行記等を見ても同じようだ。列車本数が少ないゆえか混雑するため、特に寝台券は早めの確保をお勧めする。また、乗車券を持っていたとしても「列車出発の30分前には駅に来るように」と注意書きがされている。
    ・列車内は禁煙である。しかしトイレや貫通路(連結部の幌のある部分)で煙草を吸うベトナム人を何人も見た。どの程度黙認されているのかは分からないが、きちんとルールを守った行動を取りたい。
    ・強盗や殺人など命に直結する犯罪は多くないようだが、ぼったくり、釣り銭等の誤魔化し、スリなどは日常的に起きている。海外を歩く上で常識的な事を気を付けていれば防げるものばかりだと思う。
    ・元々チップの文化は無い国であるが、欧米からの旅行者が増えた影響からか「チップを貰って当たり前」のような傾向に変化しつつあるという。今後数年で状況が変わるかもしれない。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • tanupamさん 2015/04/02 12:28:46
    弁当高くなりましたね・・・
    kiro184さん

    こんにちは

    ベトナムの旅、私が行った時とあわせて楽しく、そして懐かしく
    拝見させていただきました。

    2泊の行程は、今の日本では経験できず、ぼーっとする時間はまた
    格別だったのでは、と思います。私が、この話を友人にしたとこ
    ろ、2泊も列車で泊まるなんて(それも単なる趣味で)信じられない
    ようなことを言っていましたけど、こうやってのんびり揺られる
    のもオツですよね。

    ところで、列車内の弁当、かなり値上がりしたのかもしれません。
    円安と相俟って、格安感が薄れていく今日この頃でしょうか。

    また次作、楽しみにしています。

    tanupam

    kiro184

    kiro184さん からの返信 2015/04/02 20:42:41
    RE: 弁当高くなりましたね・・・
    >tanupamさん、コメントありがとうございます。
    2泊する列車自体日本にはありませんが、その中で何をするでもなくぼんやり過ごす体験も今の日本ではなかなか味わえないものですね。

    弁当は言い値の10万ドン支払いましたが、チケットに値段が書かれておらず正規の価格か分からないんです。しかしちゃんとした食堂スタッフが売っていたので間違いは無いと思いますが・・・。
    現在のベトナムは経済成長のため物価の上昇が激しいらしく、そのあおりを受けているのかもしれませんね。

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