2015/03/31 - 2015/03/31
748位(同エリア5994件中)
k.sさん
「いざ、田原の里へ!」
格好よく後編をスタートさせたかったのだが、世の中そんなに甘くない。
前回、白毫寺までは、近鉄「てくてくマップ」を利用し、その懇切丁寧な案内で、問題なく来れたが、それ以降は、適当な資料がなく、道標と案内板があれば、何とかなるだろう、と高をくくった。
しかし、その肝心要の、”田原の里”や”田原西陵”といった道標や案内板がないのである。
ついては、自分の方向感覚に頼らざるを得ない。実際に選んだのは、県道80号線(奈良・名張線)だが、道はいいのだが、大型トラックが結構走り抜けた。そして、所どころ歩道がないのである。対面から大型トラックが来ると肝を冷やした。
それでも1時間ぐらいは、登り坂をてくてく歩いたが、ここで意地を張って、怪我でもしたら、大変と、小雨がぱらつき出したので、ほうほうの体で来た道を引き返した。
要するに、県道80号線で、田原の里に行けるが、車を利用した場合の道で、徒歩で行くのは、危険極まりない。
帰る道すがら、奈良教育大学のところに、”田原西陵”の案内板を見つけた。教育大学は、県道188号線(南は天理に至る)沿いに建っているが、そこから8キロとのこと。天理方面に下って行き、次の道標か案内板で、左折(東に折れる)し、山道を通って、田原の里を目指す。これしかないな、と思った。
そう考えたものの、不安を払拭できずにいると、ある考えが閃いた。観光案内所で、徒歩用のマップをもらえば、解決だ!
ついては、本日の再チャレンジのスタートは、三条通りの「奈良市観光センター」からだ。
本日の旅行記には、やたらと写真が多いが、私と同類の、徒歩で奈良市街から田原の里を目指す人のことを考えたもの。そうでなければ、いくら顔の皮が厚いといっても、下手な写真は極力減らしますよ。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
奈良市観光センター (三条通り)
受付で、田原の里まで歩いて行きたいが、適当なマップを頂戴したい旨説明したが、呆れ顔というか、心配気な顔をされた。往復で20キロは歩かねばならない。時刻は、昼の1時だ。
しきりに片道は、バスに乗った方がいいですよ、と勧めながら、探してもらったが、適当なマップはなかった。それでも代用になるかもしれない、3種類のマップを頂戴した。
その中の1種類に、188号線沿いの護国神社を通り越したところに、左に折れる山道があり、それが田原の里に続いていた。
窮鼠猫を噛む!二回も迷子は嫌だと、目を皿のようにしてマップを見れば、ちゃんと道が見えてくるものです!奈良市観光センター 名所・史跡
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奈良基督教会 (東向商店街)
とりあえず、奈良教育大学を目指しますが、桜が気になってしようがありません。5〜7分咲きでしょうか?明日から雨の天気予報なので、今見ないと見損なう可能性もあります。 -
中谷堂 (饅頭屋さん)
高速餅つきの実演をされていました。凄い人だかりですね! -
猿沢商店街
ここにも桜並木がありました! -
猿沢池から見た南円堂への坂道
ここにも桜です!桜を見ると心が浮き立ちます! -
猿沢池
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興福寺の五重塔
猿沢池から見た、興福寺の五重塔。この間の五重塔の写真がもう一つだったので、再チャレンジ。ひつこいですね! -
興福寺の五重塔
さらに1枚。 -
興福寺の五重塔
とどめの1枚。 -
ホテル 飛鳥荘 (もちいどセンター近く)
ここにも桜! -
ヒサゴ屋食堂 (もちいどセンター付近)
ヒサゴ屋食堂の横に道標がありますが、見えますか? -
ヒサゴ屋食堂の横の道標
こんな道標は大好きです。得した気持ちになりませんか?私はこの道を愛用しております。 -
ヒサゴ屋食堂の横の道
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奈良ホテル裏門
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奈良ホテル
桜が見事です! -
奈良ホテル
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奈良ホテル
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福智院
ならまちの東のはずれになるでしょうか。なぜ福智院を紹介したかというと、私の好きな饂飩屋の”麵喰”が福智院の斜め前にあるからです。 -
饂飩屋 麵喰
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奈良教育大学への途中
風情のある町並みですが、空き家になっている模様。何とかしないと、廃屋になってしまいます。 -
奈良教育大学前の案内板
下から3つ目に、”田原西陵まで8キロ”とちゃんと書かれています。
ここから、桜などに浮かれることなく、リベンジを果たす気概を持って、進もうと思います。 -
奈良教育大学内の桜
そうは言っても、桜を見ると、つい写真を撮りたくなりますね。 -
県道188号線を進む
あの忌まわしい県道80号線に折れる交差点です。但し、”田原の里”また”田原西陵”といった案内板はありません。 -
県道188号線を進む
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県道188号線を進む
岩井川を跨ぐ橋です。もう直ぐ護国神社が見えてきます。 -
県道188号線を進む
岩井川。 -
県道188号線を進む
護国神社の鳥居が見えています。もう少し行けば、田原西陵への、左に折れなさいという道標がある筈です。 -
県道188号線を進む
結局、道標がなく、バス停でいえば、”南古市”まで歩いたが、護国神社手前まで戻ろうと引き返した。
そんな時、またも桜が眼に飛び込んできた! -
春日苑二丁目の団地図 (県道188号線 護国神社手前)
団地図を見ると、上の方に”鹿野園(ろくやおん)”に至るとある。これだ!と直感した。案内所で貰った地図では、大雑把だが、鹿野園町を通る山道が記されていた。
とりあえず、ここで左折し、途中出会う人に確認すればよい、と思い切って県道188から離れ、まっすぐ東に向かった。 -
春日苑二丁目の団地
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春日苑二丁目の団地
カナメモチとユキヤナギの混ぜ垣。 -
春日苑二丁目の団地
ここでは、団地から出ていると思う。見えている建物は、奈良春日病院で、前回80号線を歩いた時は、その前を通過している。方角的には、間違いがない。 -
田原の里への道
”この先通り抜けできない”というのはどういうことか?車での通行は無理という意味なのか?とりあえず、まっすぐ進む。 -
田原の里への道
途中モクレンの花が咲いていました。 -
田原の里への道
道がなくなっていた!まっすぐは、徒歩でも無理という意味だと理解し、この地点で左に曲がる。なぜ左に曲がったか?勘というより言いようがありません。 -
田原の里への道
左に曲がった道の様子。 -
田原の里への道
少し広い道に出たので、右(東)に折れる。多分この道が田原の里に通じる道だろう、と思った。 -
田原の里への道
ボケでしょうか?枝にトゲがなかったので、自信はないのですが...。 -
田原の里への道
まっすぐに進んでいたのですが、振り向くと写真の道標がありました。東海自然歩道の道標ですが、進む方角が田原の里かどうかは、教えてくれません。 -
田原の里への山道
これまで誰とも会わなかったので、道の確認をすることができなかったが、右前方の建物で作業をする人影を見かけたので、声を掛けた。「この道で田原の里に出ますか?」
どのような返事が返ってくるのか?期待と不安が入り混ざった気持ちで、返事を待っていると、「出る!」とのこと。但し、歩いてなら、1時間は掛かるとのこと。
これで田原西陵に行ける!1時間掛かろうが、2時間掛かろうが、平気だ!
不安が取り除けたので、気持ちが軽くなった。時間の確認をすると、3時前だった。
この山道は、一本道で、もう道に迷うこともなかった。奈良市街からだと、ほとんどが登り坂だった。また、舗装されており、時々車が通るが、大型トラックの通行に悩まされることはなかった。
この山道の終わりに、道標が立っており、それによると、”東大寺二月堂お水取りの時の松明調達の道”と記されていた。 -
田原の里への山道
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田原の里への山道
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田原の里への山道
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田原の里への山道
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田原の里への山道
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田原の里への山道
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田原の里への山道
1時間ほど歩かないといけないので、志貴皇子の別の歌を紹介しよう。
巻1−64
葦辺行く
鴨の羽交(はがひ)に
霜降りて
寒き夕(ゆふべ)は
大和し思ほゆ
慶雲3年(706)、文武天皇の難波行幸にお供した折りの歌。
万葉集を私に手ほどきしてくださった故犬養孝先生は、「鴨の羽交」というのは、鴨の羽と羽を背中であわせているのをいう。その羽に霜が降るなどということは、さわってみなければわからない。実際にさわると、鴨は逃げてしまう。現実的な人から見れば、こんなうそがあるものか、となってしまう。ところが、これこそが文学というもの、真実というものです、と解説してくださった。
「鴨の羽交(はがひ)に霜降りて」は、まさに志貴皇子の非凡さを示している。凍てつく寒さを技巧を隠して、自然と感じさせる。
しかし、志貴皇子が言いたかったのは、鴨が鳴き、夜のしんしんと更けてゆく、難波の海岸の風景だろうか?
私は、難波の海岸の風景は、自分が置かれている逆境を暗示し、はんとうに言いたかったのは、「寒き夕(ゆふべ)は 大和し思ほゆ」の方ではないか、と考える。難波の凍てつく夕べに、ふと父と母の愛情に守られ育った幼少の頃を思い出し、胸が張り裂けんばかりになったのではないか。その思い出の地は飛鳥である。 -
田原の里への山道
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田原の里への山道
途中、何箇所かゴミが散乱したところがあった。ゴミは持って帰って処理して欲しい。折角の行楽気分がゴミの散乱を見ると、吹き飛んでしまう。
ところで、話は変わりますが、歩いている人と一人も出会わない、というのは、少し寂しいですね。 -
田原の里への山道
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田原の里への山道
これは、ボケです。枝にしっかりとトゲを確認できました。 -
田原の里への山道
レンギョかな? -
田原の里への山道
宅布施神社。 -
田原の里への山道
茶畑が見えました。田原の里は近い! -
田原の里への山道
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田原の里への山道
道標に”茗荷”とありますが、田原の里の茗荷町を指しているものと思われます。
この道標を見て、少し元気がなくなりました。鹿野園からわずか2.5キロしか歩いていない、とのことなのですが、もっと歩いている、と体が訴えておりました。 -
田原の里への山道
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田原の里への山道
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田原の里への山道
このあたりから下り坂になりました。 -
田原の里への山道
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田原の里への山道
前方に車の姿が見えました!出口です!田原の里にもう少しで入ります! -
田原の里
出口から見た風景ですが、案内板がありますが、読み取れるでしょうか?ヘリポートの案内板です。 -
田原の里
ヘリポート前のバス停もあります。 -
田原の里
大和茶研究センターの隣に志貴皇子のお墓があります。 -
田原西陵
宮内庁の立て札に、”春日宮天皇”田原西陵とあるが、これは志貴皇子が、後に春日宮天皇と追尊されたからだ。
また、皇子の子供の白壁王は、称徳天皇亡き後、62歳で天皇に即位した。光仁天皇である。現代に伝わる天皇家は、この光仁天皇の末裔であるとのこと。 -
田原西陵
参道がかなり長く続いているように見えました。 -
田原西陵
西に広がる茶畑。 -
田原西陵
北には幹線道路が通っている。 -
田原西陵
スギとヒノキを従えた墳墓といった印象を受けた。どこか垢抜け、志貴皇子の万葉歌と同じように洗練されている。 -
田原西陵
墳墓の周りに小道があったので、一周した。 -
田原西陵
墳墓の裏からの風景。 -
田原西陵
墳墓を背にして入り口を撮る。 -
田原御陵前 バス停
もう4時半なので、バスで奈良市街まで帰りましょう、とバス停に寄った。 -
田原御陵前 バス停
なななんと!奈良市街へのバスは、2時間ほど待たないと来ません。
ええ〜い、ままよと、悲鳴を上げかけた足を叱り付け、来た道を戻ったのであります。
次回来る機会があれば、必ず片道はバスに乗れるよう計画を組むでしょう!
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この旅行記へのコメント (3)
-
- ろこままさん 2015/04/06 00:04:01
- ありがとうございます。
- k.sさん、こんばんは。
旅行記に訪問いただき、ご丁寧にコメントまでいただきまして、ありがとうございます。
富士山への旅行は、天気は運任せのバス旅行でしたが、
素晴らしいタイミングとお天気に恵まれました〜
それはそれは、感動の時間でした〜
パソコンの方は、買い替えを検討してましたが、
何故でしょう。。。また動くようになりました。
ご心配いただきまして、ありがとうございます。
k.sさん、奈良を歩かれてますね〜
とっても嬉しく拝見させていただきました (*^。^*)
一歩一歩が興味深く、同じ道を歩くであろう方への配慮も嬉しく、
田原の里への山道の景色や志貴皇子の歌の解説にも魅かれながら、
いっぱいいっぱい楽しませていただきました。
でもでも、歩きすぎにはご注意くださいね (^_-)-☆
わたしの拙い写真を褒めてくださり、ありがとうございます。
わたしの方も、興味深いk.sさんの旅行記への訪問を楽しみにしていますので、
今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
。。ろこまま。。
- k.sさん からの返信 2015/04/06 09:16:42
- RE: ありがとうございます。
- ろこままさんへ
お早うございます。返信をいただき、有難うございます。
根が心配性なので、体調が良くないのかな、などと悪い方に考えてしまいます。”今回は写真のコメントをしませんよ”と最初に断っていただけたら、心配する人間もいなくなると思うのですが...。
私の方は、長い春休みも終わり、明日からまた仕事に精を出さなければなりません。怠け癖がついて少し億劫になっています。
それから、自動的にろこままさんの近況が分かるよう、フォローをさせていただきます。頑張って、気合を入れて、いい旅行記をアップして下さい。
ろこままさんの一大イベントだったアメリカ・カナダの旅行記は、私の体調のいい時に、ゆっくりと拝見させていただきます!楽しみにしております。
なお、返信の返信には、答えなくてもいいので、「うん、そうか」で終わらせてください。
では、失礼します。
k.sより
> k.sさん、こんばんは。
>
> 旅行記に訪問いただき、ご丁寧にコメントまでいただきまして、ありがとうございます。
>
> 富士山への旅行は、天気は運任せのバス旅行でしたが、
> 素晴らしいタイミングとお天気に恵まれました〜
> それはそれは、感動の時間でした〜
>
> パソコンの方は、買い替えを検討してましたが、
> 何故でしょう。。。また動くようになりました。
> ご心配いただきまして、ありがとうございます。
>
> k.sさん、奈良を歩かれてますね〜
> とっても嬉しく拝見させていただきました (*^。^*)
>
> 一歩一歩が興味深く、同じ道を歩くであろう方への配慮も嬉しく、
> 田原の里への山道の景色や志貴皇子の歌の解説にも魅かれながら、
> いっぱいいっぱい楽しませていただきました。
>
> でもでも、歩きすぎにはご注意くださいね (^_-)-☆
>
> わたしの拙い写真を褒めてくださり、ありがとうございます。
> わたしの方も、興味深いk.sさんの旅行記への訪問を楽しみにしていますので、
> 今後ともよろしくお願いいたします。
>
> ありがとうございました。
> 。。ろこまま。。
>
>
>
- ろこままさん からの返信 2015/04/07 00:10:35
- RE: RE: ありがとうございます。
- k.sさん、こんばんは。
お仕事始まって、忙しくなりましたね。
先日は、フォローをしていただきまして、ありがとうございます。
わたしにも、させてくださいね。
大好きな旅行と、大好きなハイキングを楽しんでるだけの拙い物ですが、
今後とも、よろしくお願いします。
k.sさんの旅行記を楽しみにしています。
花冷えの一週間となりそうです。
どうぞ、ご自愛くださいますように。
ありがとうございました。
。。ろこまま。。
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