キタ(大阪駅・梅田)旅行記(ブログ) 一覧に戻る
戦後60年ぶりに復活した上方落語の定席「天満天神繁盛亭」や、大川の船渡御で有名な天神祭を祭事とする「大阪天満宮」の南側の、大阪市北区天満4丁目に、2012年4月、上方落語協会所属の噺家さんが稽古などに使える「上方落語協会会館」が完成しました。<br /><br />設計は、上方落語協会会長の6代目桂文枝(旧名 桂三枝)と昵懇の安藤忠雄さんが、「大阪が元気になるためなら」と無償で引き受けられたそうです。 <br /><br />1階は事務所と倉庫、2階が稽古場兼会議室、3階は役員室と資料室で構成された建物は、『斜め』を設計コンセプトにされているとのことで、コンクリート打ち放しの壁に大きな三角形の穴をあけたエントランスへの導入部や、建物の角をスパッと切り取って嵌め込まれた三角形の天窓が外観上の大きな特徴になっています。<br /><br />吹き抜けになっているエントランスホールに面する大きな壁が斜めに立っている関係で、上階に行くにしたがって徐々に階段の幅が狭くなっているのですが、安藤さんの言によれば、これは「落語家の厳しさ」を表しているんだそうです。<br /><br />また、この階段を上がった2階の壁には、「名人への階段」と名付けられた、黄色く塗られた階段状のオブジェがついています。<br /><br />これには、「一歩々々、名人目指して上っていくんだよ」との願いが込められているとのことで、噺家さん達はこれに触れて精進を誓うんだそうですが、上の方は相当高い位置にあるので、いくらがんばっても、ほとんどの人は手が届かない。<br /><br />「なんでやねんっ!」って、思わず突っ込みたくなるような、噺家さん顔負けの「落ち」をつけるあたり、さすが生粋の大阪人、安藤さんも笑いの壺を心得ておられます。<br /><br />でも、本当のところは、「一生懸命がんばって、必ず名人になれよ」と云う、優しい心の表れではないでしょうか。<br /><br />なお、この旅行記の副題とさせている桂米朝さんも、この会館が完成した時、不自由な体を車椅子に乗せて見に来られたそうです。<br /><br />この日、1階の事務所におられた事務員さんに撮影をお願いすると、「1階のエントランス廻りや外観だけなら良いですよ」と快諾していただいたので、出来るだけこの建物の雰囲気が伝えられるよう、私も目を斜めにして撮影させていただきました。<br /><br />【桂米朝さんをしのんで】<br /><br />去る3月19日、上方落語界の至宝、人間国宝の桂米朝さんが、肺炎のため89歳でお亡くなりになりました。<br /><br />噺家としての素晴らしさは言うに及ばず、高座を離れた米朝さんが語る、時に優しく、またある時は厳しい言葉の一つ々々が、「人生の道しるべ」と云えるもので、私も若い頃から大いに影響され、人として生きるためのお手本にしてきました。<br /><br />かつて、弟子の桂ざこばさんが、「私は中学しか出てまへんけど、米朝大学の卒業生や思てます。」と胸を張っておられましたが、私もラジオやテレビを通じた、「米朝大学通信講座の卒業生」だと自負しています。<br /><br />今頃は、『桂米朝 来演』と書かれた看板があがった天国の寄席で、観客から「遅かったやないか、もっと早よ来んかい!」なんてヤジられながら、早速、「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」で爆笑の渦を巻き起こしているんでしょうね・・・。<br /><br />謹んで米朝さんのご冥福をお祈りいたします。

2015 上方落語協会会館  追悼 桂米朝

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2015/02/28 - 2015/02/28

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nao

naoさん

戦後60年ぶりに復活した上方落語の定席「天満天神繁盛亭」や、大川の船渡御で有名な天神祭を祭事とする「大阪天満宮」の南側の、大阪市北区天満4丁目に、2012年4月、上方落語協会所属の噺家さんが稽古などに使える「上方落語協会会館」が完成しました。

設計は、上方落語協会会長の6代目桂文枝(旧名 桂三枝)と昵懇の安藤忠雄さんが、「大阪が元気になるためなら」と無償で引き受けられたそうです。

1階は事務所と倉庫、2階が稽古場兼会議室、3階は役員室と資料室で構成された建物は、『斜め』を設計コンセプトにされているとのことで、コンクリート打ち放しの壁に大きな三角形の穴をあけたエントランスへの導入部や、建物の角をスパッと切り取って嵌め込まれた三角形の天窓が外観上の大きな特徴になっています。

吹き抜けになっているエントランスホールに面する大きな壁が斜めに立っている関係で、上階に行くにしたがって徐々に階段の幅が狭くなっているのですが、安藤さんの言によれば、これは「落語家の厳しさ」を表しているんだそうです。

また、この階段を上がった2階の壁には、「名人への階段」と名付けられた、黄色く塗られた階段状のオブジェがついています。

これには、「一歩々々、名人目指して上っていくんだよ」との願いが込められているとのことで、噺家さん達はこれに触れて精進を誓うんだそうですが、上の方は相当高い位置にあるので、いくらがんばっても、ほとんどの人は手が届かない。

「なんでやねんっ!」って、思わず突っ込みたくなるような、噺家さん顔負けの「落ち」をつけるあたり、さすが生粋の大阪人、安藤さんも笑いの壺を心得ておられます。

でも、本当のところは、「一生懸命がんばって、必ず名人になれよ」と云う、優しい心の表れではないでしょうか。

なお、この旅行記の副題とさせている桂米朝さんも、この会館が完成した時、不自由な体を車椅子に乗せて見に来られたそうです。

この日、1階の事務所におられた事務員さんに撮影をお願いすると、「1階のエントランス廻りや外観だけなら良いですよ」と快諾していただいたので、出来るだけこの建物の雰囲気が伝えられるよう、私も目を斜めにして撮影させていただきました。

【桂米朝さんをしのんで】

去る3月19日、上方落語界の至宝、人間国宝の桂米朝さんが、肺炎のため89歳でお亡くなりになりました。

噺家としての素晴らしさは言うに及ばず、高座を離れた米朝さんが語る、時に優しく、またある時は厳しい言葉の一つ々々が、「人生の道しるべ」と云えるもので、私も若い頃から大いに影響され、人として生きるためのお手本にしてきました。

かつて、弟子の桂ざこばさんが、「私は中学しか出てまへんけど、米朝大学の卒業生や思てます。」と胸を張っておられましたが、私もラジオやテレビを通じた、「米朝大学通信講座の卒業生」だと自負しています。

今頃は、『桂米朝 来演』と書かれた看板があがった天国の寄席で、観客から「遅かったやないか、もっと早よ来んかい!」なんてヤジられながら、早速、「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」で爆笑の渦を巻き起こしているんでしょうね・・・。

謹んで米朝さんのご冥福をお祈りいたします。

同行者
一人旅
交通手段
私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 「天満天神繁盛亭」や「大阪天満宮」南側の・・・

    「天満天神繁盛亭」や「大阪天満宮」南側の・・・

  • 大阪のど真ん中とは云え、風情ある町屋が点在する町並みに溶け込むように・・・

    大阪のど真ん中とは云え、風情ある町屋が点在する町並みに溶け込むように・・・

  • 上方落語協会所属の噺家さんが稽古などに使える「上方落語協会会館」が佇んでいます。

    上方落語協会所属の噺家さんが稽古などに使える「上方落語協会会館」が佇んでいます。

  • 設計は、上方落語協会会長の6代目桂文枝(旧名 桂三枝)さんと昵懇にされている安藤忠雄さんで・・・

    設計は、上方落語協会会長の6代目桂文枝(旧名 桂三枝)さんと昵懇にされている安藤忠雄さんで・・・

  • 「大阪が元気になるためになら」と、無償で引き受けられたそうです。

    「大阪が元気になるためになら」と、無償で引き受けられたそうです。

  • 1階は事務所と倉庫、2階が稽古場兼会議室、3階は役員室と資料室で構成されたこの建物は、『斜め』を設計コンセプトにされているとのことです。

    1階は事務所と倉庫、2階が稽古場兼会議室、3階は役員室と資料室で構成されたこの建物は、『斜め』を設計コンセプトにされているとのことです。

  • その設計コンセプトを具現化するように、コンクリート打ち放しの建物の角をスパッと切り取って嵌め込まれた三角形の天窓や・・・

    その設計コンセプトを具現化するように、コンクリート打ち放しの建物の角をスパッと切り取って嵌め込まれた三角形の天窓や・・・

  • 壁に大きな三角形の穴をあけた・・・

    壁に大きな三角形の穴をあけた・・・

  • エントランスホールへの導入部が外観上の大きな特徴になっています。

    エントランスホールへの導入部が外観上の大きな特徴になっています。

  • ちなみに、この三角形の窓は、以前訪れた山梨県北杜市にある「光の美術館」でも使われていました。

    ちなみに、この三角形の窓は、以前訪れた山梨県北杜市にある「光の美術館」でも使われていました。

  • エントランスホール入口の横に付けられた建物銘板。<br /><br />1階の事務所におられた事務員さんに撮影をお願いすると、「1階のエントランス廻りや外観だけなら良いですよ」と、快い返事をいただいたので、目を斜めにして撮影させていただきました。

    エントランスホール入口の横に付けられた建物銘板。

    1階の事務所におられた事務員さんに撮影をお願いすると、「1階のエントランス廻りや外観だけなら良いですよ」と、快い返事をいただいたので、目を斜めにして撮影させていただきました。

  • これは安藤さん言うところの、「落語家の厳しさ」を表している階段です。

    これは安藤さん言うところの、「落語家の厳しさ」を表している階段です。

  • 建物内部にも、設計コンセプの『斜め』がいたるところで表現されています。<br /><br />ちなみに、2階も吹き抜けになっていて、3階から見下せるようです。

    建物内部にも、設計コンセプの『斜め』がいたるところで表現されています。

    ちなみに、2階も吹き抜けになっていて、3階から見下せるようです。

  • エントランスホール側に、斜めに倒れている窓。

    エントランスホール側に、斜めに倒れている窓。

  • この窓は、竪にも、横にも斜めになっています。

    この窓は、竪にも、横にも斜めになっています。

  • 1階事務室への扉。<br /><br />扉そのものは垂直に取り付けられているので、周りのガラスや壁が斜め手前に傾いているのがよく判ります。

    1階事務室への扉。

    扉そのものは垂直に取り付けられているので、周りのガラスや壁が斜め手前に傾いているのがよく判ります。

  • 2階右側に黄色く見えているのが、「名人への階段」です。<br /><br />安藤さんの優しい心が表れています。<br /><br />でも、「名人への階段」、私も触ってみたかったな〜!

    2階右側に黄色く見えているのが、「名人への階段」です。

    安藤さんの優しい心が表れています。

    でも、「名人への階段」、私も触ってみたかったな〜!

  • では、内部はこの位にして、今度は違った角度から外観を見てみます。

    では、内部はこの位にして、今度は違った角度から外観を見てみます。

  • この建物のもう一つの外観上の特徴として、正面左側に切られた、上方落語協会の「上」の字をモチーフにしたスリットがあげられます。

    この建物のもう一つの外観上の特徴として、正面左側に切られた、上方落語協会の「上」の字をモチーフにしたスリットがあげられます。

  • 「光の教会」に代表されるように、安藤さんは、意義を持たせたスリットの使い方が本当にお上手です。

    「光の教会」に代表されるように、安藤さんは、意義を持たせたスリットの使い方が本当にお上手です。

  • では、建物の裏側へ廻ってみます。

    では、建物の裏側へ廻ってみます。

  • 裏側の外観です。

    裏側の外観です。

  • 裏側にはコインパーキングがあるので、ほとんどの外観を見ることができます。

    裏側にはコインパーキングがあるので、ほとんどの外観を見ることができます。

  • 裏側の外観は、2階の小さな窓とともに・・・

    裏側の外観は、2階の小さな窓とともに・・・

  • 2本の樋と最上部の換気口が特徴になっています。

    2本の樋と最上部の換気口が特徴になっています。

  • この会館ができたことで、天満宮界隈は上方落語の拠点になりそうです。

    この会館ができたことで、天満宮界隈は上方落語の拠点になりそうです。

  • ところでこの6個の換気口、噺家さんの無口(六口?)さを表しているのかな〜?<br /><br />「そんな訳ないやろ〜っ!」

    ところでこの6個の換気口、噺家さんの無口(六口?)さを表しているのかな〜?

    「そんな訳ないやろ〜っ!」

  • では、お後がよろしいようで・・・。

    では、お後がよろしいようで・・・。

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