2015/02/11 - 2015/02/11
97位(同エリア246件中)
naoさん
大阪府の南東部に位置し、奈良県と和歌山県に隣接する河内長野市は、古くから高野山参詣の交通の要衝として発展した町です。
高野山や熊野三山への信仰が盛んになった平安時代、時の関白太政大臣:藤原道長が、弘法大師空海が開山し、真言宗の総本山金剛峰寺が建立された高野山へ参詣したことを契機として、都の皇族や貴族の間で高野山参詣が大流行、鎌倉時代になると、さらに武士や庶民階級までが盛んに高野山へ参詣するようになります。
京・大阪方面から高野山へ向かう主な街道として以下の四つがありましたが、これら四つの街道が河内長野市内で合流した後、高野街道に一本化され、三日市から紀見峠を越えて高野山へ向かいました。
○東高野街道 : 京都の岩清水八幡宮を起点に、河内国を縦断して河内長野に至る街道。
○西高野街道 : 堺から南東に延び、河内長野で東高野街道と合流する街道。
○中高野街道 : 大阪の平野から南下して、松原、狭山を経て、西高野街道と合流する街道。
○下高野街道 : 大阪の四天王寺から南下して、狭山で西高野街道と合流する街道。
そんな高野街道沿いの、南海高野線河内長野駅の南西側にある造り酒屋さんを中心とした一帯には、今も伝統的な様式を持つ町家が点在しており、「酒蔵通り」と名付けて町並み整備が行われています。
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南海高野線河内長野駅南西側の、「酒蔵通り」の入り口にある吉年家です。
実質的にこの辺りが東・西高野街道の合流点だと云われています。 -
吉年家は代々鋳物師を生業とし、鍋、釜、農具などの日用品の販売をしていたそうです。
ちなみに、こちらのお宅に造り酒屋につきものの杉玉が吊られていますが、「酒蔵通り」に面するお宅には職業に関わりなく杉玉が吊られているようです。 -
吉年家には、巨大なクスノキがそびえています。
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このクスノキは・・・
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かつて高野街道を歩いた旅人達にとって、格好の目印だったんでしょうね。
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また、「酒蔵通り」に面する町家には・・・
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杉玉とともに、「高野街道」と書かれた行燈が置かれています。
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吉年家のクスノキの幹は、圧倒されるような太さです。
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高野街道への分岐点には・・・
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新しく「酒蔵通り」を整備する際、この案内板が埋め込まれています。
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こちらは、河内長野市の汚水枡の蓋。
市の花と木である、菊と楠がモチーフになっています。 -
写真では判りにくいのですが、こちらの塀は屋根と壁の間を僅かに透かせてあります。
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立派な冠木門と塀に囲まれたお屋敷です。
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冠木門の格子戸越しにお庭が望めます。
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もちろん、冠木門の上には松が枝をのばしています。
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高野街道に面するお屋敷の全景です。
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立派なお屋敷のお隣には・・・
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造り酒屋さんの建物が続いています。
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立派な冠木門と塀のあるお屋敷の方を振り返って見たところです。
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造り酒屋さんの東側にも風情ある町並みが広がっています。
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こちらの町家は、黒漆喰の壁に、白漆喰で縁取られた虫籠窓が開けられています。
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この角の辺りの屋根の納まりは、屋根同士が入り組んだ、とても複雑な架け方になっています。
ちょっとやそっとのことじゃ、この構造は理解できません。 -
では、高野街道を西側に向かって歩きます。
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黒と白の漆喰を塗り籠めた町家です。
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お向かいのお宅の荒樫を透かして・・・
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玄関の頑丈な木組みが見えています。
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出窓に取り付けられた細い格子が・・・
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格子の内側に・・・
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リズミカルな縞模様をつくっています。
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1階の熨斗瓦に施された、規則正しい白漆喰の模様がご自慢のようですね。
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東側の町並みを振り返ったところです。
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その西側には、高野街道を挟んだ南北両側を占める造り酒屋さんがあります。
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かつて造り酒屋さんの店舗だった、南側の主屋の前に置かれた大きな酒樽。
ちょっとそこのあなた、「この酒樽の中でどっぷりとお酒に浸りたい〜っ」なんて思っているんじゃないでしょうね! -
酒樽の置いてある北向かいには、現在の工場と直販店があります。
なお、正面に「酒蔵通り」の横断幕が見えています。 -
酒樽の向こうには・・・
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馬つなぎの金物が残っています。
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かつては、この屋根の下を馬が頻繁に通っていたんでしょうね。
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直販店のある建物には、袖卯建が付いています。
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杉玉越しに見た現在の工場です。
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かつての主屋の、背の低い名栗仕上げの外格子です。
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高野街道の、三日市方面への曲がり角に建つ土蔵。
この先の旧西条橋を渡って南へ進むと、烏帽子形八幡神社を経由して三日市へ続いています。 -
板壁の、自然が創りだした荒々しい木目が印象的です。
思わず、引き込まれるように見入ってしまいました。 -
はげ落ちた土壁にも、ついつい目が行ってしまいます。
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見た事のない、大きな汚水枡がありました。
こんな蓋が付いているんですから、この枡は相当深いんだと思います。 -
では、この辺りで引き返します。
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吉年家のそれとは比べ物になりませんが、この蔵の脇にも大きなクスノキがあり・・・
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酒蔵の工場に影を落としています。
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かつて店舗だった南側主屋の、浅黄色の漆喰が塗られた虫籠窓。
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高野街道を挟んだ北側の現在の工場には・・・
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白漆喰が塗られた大きな窓が付いています。
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南側主屋に造りつけられた戸棚は、木目が浮き出て良い風合いを醸し出しています。
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直販店には、「いらっしゃいませ」の札が掛けられ、取り扱う商品を案内する掲示板が置いてあるので、営業しているようです。
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お客さんの休憩用でしょうか、「ご自由にお使いください」との貼り紙の下に、床几が用意されています。
この、ちょっとした「心遣い」がありがたいことです。 -
虫食い跡が痛ましい柱ですが、歴史の重さを感じさせる、いい景色を作っています。
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風情ある町家に相応しい、仕立物の松が枝を広げています。
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高野街道への分岐点の辺りまで戻ってきました。
この土塀は、瓦を補強材として塗り籠めています。 -
この宅地の造成に使われている石積は・・・
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ちょっとした城塞を思わせるような、力強い美しさを見せています。
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この位置からも吉年家の大クスノキが見えています。
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石積みの上の風化した土塀から稲わらが顔を覗かせています。
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では、大クスノキに別れを告げて、次の目的地へ向かいます。
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