2015/02/28 - 2015/03/01
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morisukeさん
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オッサンネコです。
休みを利用して1泊2日でラオス南部、チャンパーサックにあるワットプーに行ってきました。
1日目:パクセに宿泊 パクセの街をふらふらエンジョイ
2日目:チャンパーサックに移動、ワットプーとその周辺を散策
ワットプーは、昔は交通の便が悪く、陸の孤島とまで言われていましたが、
今ではメコン川に橋もかかり、道路も全て舗装されているため
夜行便を駆使すれば、日本から土日だけの週末トリップも十分可能な場所になりました。
ヒンドゥー教の基礎知識、そしてラオス南部の歴史の移り変わりを知れば、
ワットプーの素晴らしさをより深く理解できるかと思います。
今回はワットプーを中心にチャンパーサックの歴史的建造物も
ゆっくりと見て回りました。
その時の記録です。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 自転車 徒歩 バイク 飛行機
- 航空会社
- ノック・エア
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
2日目、
今日はいよいよ本命のワットプーを拝みに行きます。ちょっと興奮気味です。
の前に、托鉢を見に行こうと思い立ったのですが、事前情報の寺が見事にハズレ。
とぼとぼ帰っているときに、托鉢帰りのの少年僧を見かけました。
これで良しとしよう。 -
さてワットプーまでの移動手段ですが、今回はレンタバイクを選択。
料金は60,000Kip(240Baht)で、昨日のうちに予約を済ませときました。
ガソリンは空っぽなので、すぐに入れに行く必要があります。
ワットプー往復であれば、満タンに入れておけば追加で給油する必要はありません。
車を1台チャーターするより、ソンテウでごとごと揺られていくより、
金銭的にも自由度でもおススメの移動手段です。
パスポートを預けるリスクはありますが、どう考えるかは個人の判断にお任せします。
それではワットプーに向かってレッツゴー。 -
道中荒野を進んで行きますが、時たまこういった田園風景も広がってきます。
こんな道をひたすらバイクで疾走。チョー気持ちいい。
と思ってたら、途中で警察の検問に引っかかりました。
言葉の端々から、おそらく麻薬の取り締まりではないかと思います。
オッサンは国際免許証を持っているので、心配には及びません。程なく解放されました。
レンタルバイクはパスポートを預けてしまうので、
何か自分を証明するもの(パスポートのコピーとか)は持っておくといいです。 -
チャンパーサックまでの道中、所々に民家があるのですが、
昔ながらの高床式住居をよく見かけます。
ネズミなどの侵入は元より、雨期の浸水対策でもあるのでしょう。 -
牛注意の看板。
北海道みたいですね。
しっかし牛が道路に飛び出してくるんかいな。 -
納得…。
見たところ牛だけで移動をしているようです。
(牛使いの少年がいるのでは、と思うのはハイジの見すぎでしょうか…)
家畜だと思うのですが、牛も自由奔放に生きています。
ラオスの懐の広さ、さすがですね〜。 -
チャンパーサックの街並みです。
これでも街のメインストリート。
一本の道があって、その両サイドに民家がある程度です。
のどかですよ、ホントに。 -
ワットプーに到着です。パクセから1時間半かかりました。
入場料、園内バス代、駐輪代 すべて込々で55,000Kip(220Baht)、
料金所の近くにバスが待機しているので、時間短縮+省エネできます。
というわけでリンガの参道からスタートです。ドキドキ。 -
イチオシ
リンガの参道をご紹介。
リンガは男性器を象った子孫繁栄のモチーフであり、シヴァ神のシンボルでもあります。
シヴァ神は凶暴な性格を持つ破壊の象徴とされていますが、
一方で破壊の後には創造を行う神様であり、生殖崇拝に深く関わっています。
ワットプーはシヴァ崇拝の寺院なのです。 -
リンガの参道はどこから見ても絵になります。
たまに折れているリンガがあるのですが、男性的には少し切なくなります。 -
リンガの参道を抜けると、両翼に北宮殿・南宮殿が見えます。
直進するとプルメリアのアーチをくぐって本堂への石段となります。
上に行けば段差がテラス状になっていて、当時の土木技術レベルの高さが分かります。
ちなみにクメール建築の様式には平地式、ピラミッド式などあるのですが、
この山岳テラス式はこのワットプーと、今なお紛争地域にあるブレアビヒア寺院だけになります。 -
北宮殿。
残念ながら未だ修復中で中には入れません。
もし当時の姿が残っていたなら、さも美しい宮殿だったのでしょうね(;'∀') -
北宮殿にはナンディン(聖牛)にのるシヴァ神のレリーフがあります。
元々インド地方の人たちは、彼らの生活に密着した役立つものとして牛を特別視していましたが、
シヴァ神の乗り物として扱われるようになって、
その神格化はさらに進んで行ったのだと言われています。
何故ヒンドゥー教は牛を食べないのか、そういう理由があります。
ちなみにシヴァ神の後ろに乗っているのは奥さんです。タンデム中なのです。 -
テラスを上っていく前に門番(ドヴァラパーラ)が立っています。
クメール寺院では神聖な場所の前に必ずこの門番が立ちます。
手に持っているのは鉾。
顔はいかついんですが、頭上の傘は白いレースのふりふり。
おいおい(*´з`) -
十字のテラスを過ぎるとプルメリアのアーチをくぐっていきます。
ちょうどプルメリアの満開時期みたいで、木の下はプルメリアの花だらけでした。
気分上々でプルメリアの下を通ると、花まるごとの状態でボトボト落ちてきます。
何か首が落ちて来ているみたいで少々不気味…
プルメリアの花には微かな芳香性があり、周囲に少し甘い香りが漂っています。 -
さてこのプルメリア、ラオスの国花でもあります。
日本の国花は何ですかー? はい、桜と菊ですね。
プルメリアの漢字は占婆花(チャンパ)、
旧チャンパ王国やチャンパーサックのチャンパはプルメリアの事なんです。
またまたオッサン世代の話ですが、プルメリアと言えば、
CoCCoちゃんの曲「ポロメリア(プルメリアの意)」を思い出します。 -
きつい階段の上り詰めると、遂にワットプーの本堂が見えてきます。
うーん、想像以上に小さい。
屋根とか特に荒廃感が漂っていますが、砂岩を積み重ねた造りや
精緻なレリーフは流石クメールの流れを組んでいます。感動。感動。
入口の両脇には先ほどご紹介したドヴァラパーラがちゃんといますね。
雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ。
元々このチャンパーサック地域にクメール人が進出してきたわけですが、
後の支配者はその拠点を徐々にカンボジア東北部の
ソムボー・プレイ・クックやコー・ケーに移していきます。
ただクメールの支配者はワットプーを忘れたわけではなく、
アンコールワットが建てられた後もこのワットプーに支援を惜しまなかったと言います。
それだけこのワットプーは特別な場所だったのでしょう。 -
ワットプーのレリーフを何点かご紹介。
Mr.ドヴァラパーラ。 -
デバター。
デバターは日本語訳で女神と解釈されていますが、少なくともオッサンには
当時の女官や踊り子のありのままの姿を映しているように見受けられます。
美しい女性の強さを感じますな。 -
インドラ神のレリーフ。
皆様ご存知のバンコクをお創りになったインドラ神です。
乗り物は3つの顔を持つ象、アイラーヴァタ。(タイではエラワンと呼ばれています。)
インドラ神はヒンドゥー教では、シヴァ神やヴィシュヌ神に比べて尊厳が弱いのですが、
世界を守護する役割として君臨しています。
右下のレリーフはカーラ(ヤマ)。
カーラは死者の王の意味が強く、仏教ではヤマ≒エンマ(閻魔)として扱われています。
カーラのユーモラスな表情がサイコーですな。 -
これは… おそらくクリシュナ神
クリシュナ神が毒蛇カーリヤ(ナーガ)を退治する際に
カーリヤの頭上で躍っているのを表したレリーフかと思います。
クリシュヌ神はヴィシュヌ神のアバター(化身)であり、
ヒンドゥー教内では大人気を誇る神様でございます。 -
本堂奥には簡素な仏像が祀られています。
出ました、この表情。これぞラオスの仏像!!
この仏像はチャンパーサック王国時代のものという見解が強いです。
但し、ヒンドゥー教 → 仏教と民間の信仰が途絶えなかったからこそ、
今のワットプーがこうして残っているのでしょう。
信仰の力というのは本当に強いと改めて思います。 -
本堂横に祀られている仏像。
風にさらされて表情がもはやないですが、悠久の時間を感じさせてくれます。
個人的にはこういう像は大好きです。
この写真から右へ進んだところに。有名な象や蛇の岩があります。
道は明瞭なので、まず迷うことはないでしょう。 -
象岩。
誰が何のためにこれを作ったのかは今でも不明。
チャンパ王国時代よりもっと前の古代文明ではないかと言われています。
目力、ハンパないですよね。 -
蛇岩。
洗濯岩みたいなのが中央にありますが、これも用途は良く分かっていません。
何の宗教儀式に使用されたのでしょうか。
場所は象の岩から山側に進んだところです。 -
鰐岩。
この岩に関しては人身生贄があったとされていますが、
そんな証拠は一切発見されていないそうです。
現地の情報を読み解く限りは、この生贄説に対しては相当懐疑的でした。
日本の飛鳥地方にも酒船石遺跡というのがありますが、
ここでも同様に水を引く庭園の施設ではないかと個人的には思っています。 -
ジャックフルーツ発見。(多分ね)
頭上を見るとこのジャックフルーツのようなものがわんさか生っています。
しかし万一頭上に落ちてきたら頭割れるな…
皆様も頭上には十分気を付けてくださいマセ。 -
ハイビスカスの花を発見。
これを見ると南国に来たーって実感がわきますね。
ちなみにハイビスカスティーに使用されるのはローレルという別種で、
通常私たちがよく見かけるやつではございません。 -
さて本堂の裏手に湧水が出ているのでそれを見に行きます。
本堂の裏に大きなクリフがあり、その袂から湧水が出ています。
ここに聖域を作った理由が、この湧水にあると言われています。
このワットプーの裏手の山はリンガパルバータと言われ、
その特異な尖った山容から、リンガ(シヴァ)崇拝に適した土地だったわけです。
その聖なる山から湧き出る水、正に神聖の象徴なわけで、
この聖水を本堂まで引っ張る水利システムを作り、
本堂においてシヴァ神に見立てたリンガの上から注いで、シヴァ神を祀っていたそうです。 -
というわけで湧水。聖なる水です。
前にいたアジア系の集団がばしゃばしゃ顔を洗っていました。
そんなんを見ると流石に飲むのを躊躇ってしまう…。
結局何もせずそっと立ち去りました。ご利益は他のところで頂ましょう。 -
テラスからの眺めです。
3月初期はラオスで乾季にあたるため、景色がそこまで鮮やかではありません。
少し霞んでいるのが残念ですね。
眼下にバライ(聖池)が広がります。
バライを大海、リンガパルバータを世界の中心である須弥山に見立てており
ヒンドゥー教の世界観をそのまま史跡全体で表しています。
そしてバライは稲作用の灌漑施設としての側面も持ち合わせています。
灌漑施設を作って農業を推進するやり方は、当時のクメール人の統治の特徴となります。 -
テラスからの風景をアップで。
これを見ると南北の宮殿は巨大な回廊であったことがよく分かります。
そして南宮殿の裏手に廃跡があるのが見えますが、
それがナンディン寺院。聖牛ナンディンとシヴァ神を祀った宮殿です。
そこから古代道路(Anchient Road)が直接コー・ケーを通り、
アンコールワットに通じていたといいます。
日本の街道も情緒を感じますが、古代道路、なんて良い響きでしょうか。
というわけでワットプーを後にします。
非常に充実した遺跡めぐりでした。 -
ワットプーの関連史跡、ナーンシーダ遺跡を見に行きます。
行き方はワットプー公園をぐるっと南に回り、ラテライトの道をまっすぐ進んでいきます。
途中こんな木板で補強された橋を2回渡ります。
ソンテウや車では渡れないですが、バイクだったら没問題。
土埃を巻き上げながら走っていきまっす。 -
たどり着いたナーンシーダ遺跡。
えっっ、これだけ?
完全崩壊しとるし、なんか補修だらけだし、あまりにも何もない。
うーん、苦労してくる割にはあまり見る価値ないかなぁ。
修復が終わったら是非アピッてください。 -
さて折角なので、チャンパーサック市街も少しふらふらします。
目についたメコン川沿いの寺院にお邪魔〜♪
ラオス語オンリーなので寺院の名前も分かりません。
この寺院は外観がとてもきれいで、立派な鐘楼もついていました。
ちょうど11時過ぎ、お坊さんが太鼓をたたいて時刻を知らせていました。
古き良き時代を、なぜかひしひしと感じさせてくれました(*'▽') -
イチオシ
メコンの川辺。
こんな風景が至る所で見られます。
SO GOOOOOOOOOOD!! -
メコンの川辺。
手作りのボートがそっと佇んでいます。
メコンの色とボートの赤のコントラストがいいですね。 -
ワット・シースマン。
チャンパーサック市街に戻るときの道脇に、仏像だけポツンと残されています。
建物など何も残っていなく、ただ仏像がメコンの方を向いて座っているのみ。
しかしこの表情… ラオスの仏像は表情が本当に現世的でリアリスティックです(笑) -
ワット・シークット。
こちらも小学校の校庭にポツンと仏像だけが残されています。 -
ワット・シークット。
この表情。その頭もっこりはなんだ!?と突っ込みを入れたくなります。
そのわきでは子供たちがサッカーをして楽しんでいたのですが、
校庭内とにかく牛の糞が多く、サッカーするのも一苦労だなと感じました。
頑張れ、少年ども! -
最後にチャンパーサックの街並みをもう一度。
チャンパーサックの魅力は、世界遺産を持つ観光都市にもかかわらず、
人々の生活は昔と変わらず、日本が置いて来てしまった光景が見られるところではないでしょうか。
オッサンの意見など押し付け以外の何ものでもないのですが、
いつまでもこの風景が続いて欲しいと純粋に思いました。
さよなら、チャンパーサック。また来るね。 -
もう少しだけ続きます。
行きに気になった寺院に寄る事にしました。
ワット・ンゴイ。
パクセとチャンパーサックのちょうど中間くらいにあります。
この看板、何気ないですが非常に出来が良いのです。
ラオスの国花プルメリアの中に寺院が模られており、
Simply Beautiful、これほど端的にラオスを言い表す言葉は他にないかと思います。 -
さてワット・ンガイ。
たどり着くにはこの階段を制覇する必要があります。
なんか途中から段差がおかしいことになってんスけど。壁か…。
なんでこのクソ暑い中階段上ってまで行くのか、
それはそこに階段があるからなのです。 -
たどり着いたところからの眺め。
メコン川がドーン。まぁこんなもんだろう。満足。満足。
風が心地よく吹いてくるので、汗だくの身にはすごい気持ち良いです。
折角なので寺院を見学。かなり面白いんです、この寺。 -
いや、もうなんか分からんし。あなたいったい何をしてるの?
例の髪を洗う女性でしょか!? もはや物の怪のレベルですよ、これは。 -
いや、あなた本当に仏様!? 下っ腹が出ていらっしゃるんですケド。
となりの象さん、目つきが完全に悪くなっていらっしゃる。 -
あぁ見つけました。やっとまともなのです。
これで安心してお参りできます。何とも不思議な寺院でした… -
下界に降りてくると、牛さんたちが木陰で休憩中。
みんな一塊になって、少しでも木陰の中に入ろうと必死でした。
牛には牛の苦労があるんですね。 -
パクセにカムバック。ゲストハウスにバイクを返したのが13時ジャスト。
バンコクに戻る前に昼飯を食いに行きました。
友人おすすめのDelta Coffee。ここは最上級のラオスコーヒーが飲めるそうで。
熱中症気味だったので、サンドイッチとスイカジュース、締めにコーヒーを注文。
ラオスがパンがうまいのですが、今回はやたらもさもさする。
体中に水分が足りてないんだろうな。
そしてすいかジュース、頼むから氷入れてくれ。生温いわ。
コーヒーは前評判通り確かにうまし。
なので、メニューの選択を間違えたんだろうと自分で納得。
ごちそうさま。
コミコミで39,000Kip(160Baht)、やっぱ安いね、うん。 -
さて帰りです。(写真はワンタオ)
直通バスは時間かかるので、帰路はミニバン乗継作戦で帰る事にしました。
パクセ-ラオス国境(ワンタオ)のミニバンは、ラオス・日本橋の袂から出ています。
料金は100Bahtなり。
ラオス人は基本優しいので、ワンタオ、ワンタオと聞いていけば、快く教えてくれます。
今回の旅路の所感ですが、ワットプーには前からずっと行きたいと思っていたので、
今回念願叶って嬉しさいっぱいです。
あまり遺跡に興味のない人にはおススメできませんが、
ヒンドゥー教の世界観や当時の状況が感じられて、私個人はもう一度行ってみたいと思いました。今度は緑あふれる雨期がいいな。
天気にも恵まれたので、チャンパーサックの神様に感謝です。
おまけ、タイの国境からはミニバンに乗って帰って来たのですが、
タクシーのおやじどもがやたら高い値段でふっかけてきます。
言い値を聞くと、国境‐ウボン空港で1,200Baht!。
何考えてんだ、このタコ助ども。どこを見て1,200Bahtも払う善良な旅人に見えんだよ。
結局ウボン行きのミニバンはターミナルから30分毎、100Bahtでした。
何で国境ってこんな輩ばっかなのかな、と帰りのバスでまったりしながら思ったのでした。
ちゃんちゃん。
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