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この冬は山の積雪が多いと聞いていましたが、どれくらいかを確認するために三重県にある鈴鹿の三池岳(みいけだけ。972m)に登ってきました。<br /> <br />例年積雪期に気軽に登れる山として登っていますが、積雪が多い今年は気軽に登れるかちょっと心配でした。でも登山口までの林道は例年と違い、まったく雪がなく、これは予想に反して積雪が少ないかなと一安心しました。「八風キャンプ場」近くの登山口に車を置いて歩き始めます。するとすぐ20cmぐらいの積雪があり、今までの様子とは大違いです。それでも空は真っ青で気温も高く、気持ちよく歩けます。駐車場には4台の車があったので、すでに何人かが前を歩いているはずで、おかげで足跡ができており、そこを歩くだけで気が楽です。まったくの新雪を歩くのは足が沈んでしまい歩きにくいからです。添付の地図は参考用で、赤線の右端が登山口です。<br /> <br />どんどん進むにしたがって積雪は深くなります。他人の足跡をたどりますが、それでも足を踏み外して深さ50cmぐらいの穴に落ち込むと抜け出すのが大変です。暖かい日だまりの山歩きは最高に気分がいいものです。汗をかきながら一歩ずつ慎重に進みます。いろいろな動物の足跡が雪上に残されていて動物たちもエサを探すのに苦労しているようです。<br /> <br />苦労しながら八方峠分岐まで登りました。ここから、①八風峠まで直接登るルートと、②中峠を経由して八風峠に登るルートに別れます。最近は②のルートが変化があるのでよく歩いていますが難路です。今日②のルートを歩いた足跡はなく、古い消えかかった跡があるだけです。そのため足がズボッズボッと沈んでしまい分速数mののろい歩みしかできません。危険な崖のトラバース(横切ること)は木につかまらないと谷に転落してしまうので細心の注意を払いながら進みます。さて急斜面を登る場所に来ると古い足跡もまったくありません。多分、先人は諦めて戻ったようです。しばらく登ってみましたが、積雪は1mを越えているため、腰まで沈んでしまい歩けません。仕方なく八方峠分岐までもどることにしました。せっかくかなり登ったのにもったいないことです。<br /> <br />八方峠分岐にもどると、①のルートを登ることにしました。こちらもよく歩いた経験があるので多少は安全です。いつもの坂中地蔵の場所まできましたが、深い積雪で地蔵は見えません。雪をかいて探しましたがどうしても見つかりません。参考までに無雪期の地蔵の写真を付けました。その先に進むとやはり急斜面をトラバースする道になります。しかし急斜面からは雪がどんどん転がって落ちてきます。雪崩のようです。積雪は深くなる一方で、暖かい陽気で大規模な雪崩の危険性があります。ここで登山を中止することを決定しました。もうちょっとで八方峠なので惜しいのですが、引き返すのも勇気と割り切りギブアップです。雪の上でランチを済ませました。<br /> <br />下山時は雪がかなり融けてきており、水分を含んだ雪に変わっていました。頭上の木の上からは融けた雪が水となってシャワーのように降ってきて、ずぶ濡れになります。雨具を着ると暑いので、防水のジャンパーに着替えてシャワーをしのぎます。下りも足が沈むので慎重に歩かざるをえません。登りは歩くことだけに全神経を集中させており鳥の声も耳に入りませんでしたが、下りは余裕があるのかウソが遠くで鳴いているのが聞こえてきました。<br /> <br />無事下山しましたが、ズボンは雪がしみてずぶ濡れです。靴の中にも水が入り込み靴下も濡れていました。大変なアルバイト(登山用語。高さをかせぐために登る行為をさす。重荷や急登で多大な労力を消耗するようなときに使われる語。)でしたが、それでも大満足な山行でした。 <br /> <br />今度はもうちょっと雪が少なくなってからの春山を楽しみたいものです。

大雪の鈴鹿を歩く 三池岳登山記

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2015/02/21 - 2015/02/21

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地酒大好きさん

この冬は山の積雪が多いと聞いていましたが、どれくらいかを確認するために三重県にある鈴鹿の三池岳(みいけだけ。972m)に登ってきました。

例年積雪期に気軽に登れる山として登っていますが、積雪が多い今年は気軽に登れるかちょっと心配でした。でも登山口までの林道は例年と違い、まったく雪がなく、これは予想に反して積雪が少ないかなと一安心しました。「八風キャンプ場」近くの登山口に車を置いて歩き始めます。するとすぐ20cmぐらいの積雪があり、今までの様子とは大違いです。それでも空は真っ青で気温も高く、気持ちよく歩けます。駐車場には4台の車があったので、すでに何人かが前を歩いているはずで、おかげで足跡ができており、そこを歩くだけで気が楽です。まったくの新雪を歩くのは足が沈んでしまい歩きにくいからです。添付の地図は参考用で、赤線の右端が登山口です。

どんどん進むにしたがって積雪は深くなります。他人の足跡をたどりますが、それでも足を踏み外して深さ50cmぐらいの穴に落ち込むと抜け出すのが大変です。暖かい日だまりの山歩きは最高に気分がいいものです。汗をかきながら一歩ずつ慎重に進みます。いろいろな動物の足跡が雪上に残されていて動物たちもエサを探すのに苦労しているようです。

苦労しながら八方峠分岐まで登りました。ここから、①八風峠まで直接登るルートと、②中峠を経由して八風峠に登るルートに別れます。最近は②のルートが変化があるのでよく歩いていますが難路です。今日②のルートを歩いた足跡はなく、古い消えかかった跡があるだけです。そのため足がズボッズボッと沈んでしまい分速数mののろい歩みしかできません。危険な崖のトラバース(横切ること)は木につかまらないと谷に転落してしまうので細心の注意を払いながら進みます。さて急斜面を登る場所に来ると古い足跡もまったくありません。多分、先人は諦めて戻ったようです。しばらく登ってみましたが、積雪は1mを越えているため、腰まで沈んでしまい歩けません。仕方なく八方峠分岐までもどることにしました。せっかくかなり登ったのにもったいないことです。

八方峠分岐にもどると、①のルートを登ることにしました。こちらもよく歩いた経験があるので多少は安全です。いつもの坂中地蔵の場所まできましたが、深い積雪で地蔵は見えません。雪をかいて探しましたがどうしても見つかりません。参考までに無雪期の地蔵の写真を付けました。その先に進むとやはり急斜面をトラバースする道になります。しかし急斜面からは雪がどんどん転がって落ちてきます。雪崩のようです。積雪は深くなる一方で、暖かい陽気で大規模な雪崩の危険性があります。ここで登山を中止することを決定しました。もうちょっとで八方峠なので惜しいのですが、引き返すのも勇気と割り切りギブアップです。雪の上でランチを済ませました。

下山時は雪がかなり融けてきており、水分を含んだ雪に変わっていました。頭上の木の上からは融けた雪が水となってシャワーのように降ってきて、ずぶ濡れになります。雨具を着ると暑いので、防水のジャンパーに着替えてシャワーをしのぎます。下りも足が沈むので慎重に歩かざるをえません。登りは歩くことだけに全神経を集中させており鳥の声も耳に入りませんでしたが、下りは余裕があるのかウソが遠くで鳴いているのが聞こえてきました。

無事下山しましたが、ズボンは雪がしみてずぶ濡れです。靴の中にも水が入り込み靴下も濡れていました。大変なアルバイト(登山用語。高さをかせぐために登る行為をさす。重荷や急登で多大な労力を消耗するようなときに使われる語。)でしたが、それでも大満足な山行でした。

今度はもうちょっと雪が少なくなってからの春山を楽しみたいものです。

旅行の満足度
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車 徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • 登山口までは積雪はまったくありませんでしたが、登山口に入るといきなり20cmぐらいの積雪があり驚きました。

    登山口までは積雪はまったくありませんでしたが、登山口に入るといきなり20cmぐらいの積雪があり驚きました。

  • 積雪で道がわからなくなっても、このようなケルン(石積み)が目印になります。本来のこのケルンの高さは1.5mぐらいあるのですが、積雪が多くて上部だけが見えます。

    積雪で道がわからなくなっても、このようなケルン(石積み)が目印になります。本来のこのケルンの高さは1.5mぐらいあるのですが、積雪が多くて上部だけが見えます。

  • しばらく進むと積雪は50cmぐらいにもなります。この先はもっと深くなりそうです。<br />日だまりの山歩きは気分が最高です。

    しばらく進むと積雪は50cmぐらいにもなります。この先はもっと深くなりそうです。
    日だまりの山歩きは気分が最高です。

  • 雪上にはさまざまな動物たちの足跡が見られます。これはどんな動物のものでしょうか。<br />深い雪の中で何を食べているのでしょうか。冬は動物たちも生きるのに大変です。

    雪上にはさまざまな動物たちの足跡が見られます。これはどんな動物のものでしょうか。
    深い雪の中で何を食べているのでしょうか。冬は動物たちも生きるのに大変です。

  • 三池岳には八風峠(はっぷうとうげ)を経て行きます。これは①八風峠へ直接登るルート、②中峠を経由して八風峠へ登るルート、の分岐点にある標識です。

    三池岳には八風峠(はっぷうとうげ)を経て行きます。これは①八風峠へ直接登るルート、②中峠を経由して八風峠へ登るルート、の分岐点にある標識です。

  • やはり八風峠分岐にある標識です。<br />中峠へのルートは難路ですが、最近はこのルートを好んで歩いています。変化があって魅力的ですがちょっと危険です。

    やはり八風峠分岐にある標識です。
    中峠へのルートは難路ですが、最近はこのルートを好んで歩いています。変化があって魅力的ですがちょっと危険です。

  • 登山道脇の雪が茶色く土で汚れています。イノシシが土を掘って、土で汚れた体をこすったようです。<br />食べ物探しに必死になっているようです。

    登山道脇の雪が茶色く土で汚れています。イノシシが土を掘って、土で汚れた体をこすったようです。
    食べ物探しに必死になっているようです。

  • イノシシの足跡を発見。偶蹄目のため、足の指が2本見えます。

    イノシシの足跡を発見。偶蹄目のため、足の指が2本見えます。

  • 坂中地蔵の看板。このあたりに3体の地蔵があるのですが、雪に埋もれてしまっています。雪をかき出してみましたが、見つかりませんでした。

    坂中地蔵の看板。このあたりに3体の地蔵があるのですが、雪に埋もれてしまっています。雪をかき出してみましたが、見つかりませんでした。

  • 参考のために、無雪期に撮った坂中地蔵の写真です。登山者を見守ってくれています。

    参考のために、無雪期に撮った坂中地蔵の写真です。登山者を見守ってくれています。

  • 急斜面を横切る登山道。積雪は1m以上あり足が沈みます。<br />左の急斜面の雪が雪崩のように落ちてきて危険です。

    急斜面を横切る登山道。積雪は1m以上あり足が沈みます。
    左の急斜面の雪が雪崩のように落ちてきて危険です。

  • 急斜面を下からみた写真です。雪崩の跡が見えます。<br />この先、このような急斜面を横切る道が続くため危険を感じ、ここで引き返すことに決定しました。<br />気温が高いのでしかたがありません。

    急斜面を下からみた写真です。雪崩の跡が見えます。
    この先、このような急斜面を横切る道が続くため危険を感じ、ここで引き返すことに決定しました。
    気温が高いのでしかたがありません。

  • 下りは体重が余計にかかるため、深く足を踏み外しやすくなります。これは深さが50cm以上で、抜け出すのに苦労しました。体を支えるものがないからです。

    下りは体重が余計にかかるため、深く足を踏み外しやすくなります。これは深さが50cm以上で、抜け出すのに苦労しました。体を支えるものがないからです。

  • 別のケルンです。<br />下りは気持ちの上でも余裕ができて、鳥の声も聞けました。ウソの声です。でも鳥たちも食べ物探しに苦労していることでしょう。

    別のケルンです。
    下りは気持ちの上でも余裕ができて、鳥の声も聞けました。ウソの声です。でも鳥たちも食べ物探しに苦労していることでしょう。

  • この地図は他のサイトから借用したものですので、概念図としてご覧ください。<br />赤線の右端が「八風キャンプ場」がある登山口です。

    この地図は他のサイトから借用したものですので、概念図としてご覧ください。
    赤線の右端が「八風キャンプ場」がある登山口です。

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