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<br />1961年7月3日フランスは行きたしされど遠かりし8 − パリに文明の匂いを嗅ぐ<br /><br />眺望のよい、アテネの丘。<br />夕日を浴びながらすする、トルコ・コーヒーの香り。<br /><br />軍人の息子を持つ、おばあさんの歓待。<br />私に懐いてくるお孫さんの、快活な明るい笑顔。<br /><br />もうしばらくここに居たかったが、後ろ髪引かれながら、おいとまする。<br />あたりの人に訊ねまくりながら、都心行のバスを見つける。<br /><br />ホテルへの道すがら、小学生の坊が「こんにちは」と、声を掛けてくる。<br />ここの子供は、余程外国人に慣れているのだろうか。<br /><br />「おじさんはどこのファンなの?」<br />プロサッカーのことらしいが、私には皆目知識がない。<br />公園のキオスクまで案内してくれ、彼の勧めてくれるチームのピンバッジを買って、胸に挿す。<br /><br /><br />アテネの夜、ホテルの窓からアクロポリスの丘が見える。<br />パルテノン神殿の柱列が、明るく夜空に輝いている。<br /><br />「アァ、ついにヨーロッパの地を踏んでいるのだ」<br />そうした実感が、しみじみと胸にこみ上げ、感慨に浸る。<br /><br />明日は、憧れのパリと出会える。<br />寝付かれないまま、これからのヨーロッパ生活を、大まかにプランニング。<br /><br />滞在中の行程については、フランス政府からまだ十分に情報を得ていないが、私は四季を通じてのヨーロッパを経験したい。<br /><br />東欧は無理だろうが西ヨーロッパ各国を訪ねたい。<br />そのためにはスカンジナヴィア、イギリス、ベネルクス、スイス・オーストリア、イタリア、イベリアと、少なくとも合計3か月、6回の旅を企画する。<br /><br />だが、フランス政府の条件として、フランス国外に出るときは、給費をカットすることになっている。<br />うまく許可が取れるかなァ〜?<br /><br />西ドイツは訪ねたい場所が多いので、週末を利用して、パリからの小旅行を繰り返したい。<br />残された9カ月は、フランス各地を3カ月かけて巡り、6カ月をパリ滞在に充てる。<br /><br />パリでは滞在費を節減するため、大学都市(シテ・ユニヴェルセール)に住むのが良いようだ。<br />しかし学生の居住希望が多いため、私のような社会人は空室の確保が困難らしい。<br />うまく潜り込めることができるだろうか?<br /><br />いつの間にか、熟睡。<br /><br /><br />翌7月3日は、ローマ経由パリ便に乗り、夕刻近くパリ・オルリー空港に到着する。<br />フランス政府からの案内書通り、アンヴァリッドのエアターミナルに行く。<br /><br />エアターミナルのホテル案内「オテッス・ド・パリ」で部屋を予約。<br />部屋は、広場を隔てて向かい側、重いトランクを提げても歩いてゆける距離だった。<br />中年のおばさんが一人、やさしく迎えてくれた。<br /><br />夜外出し、カルチエラタンで、食事。<br />初めてこの街にやって来たばかりの私が、誰にも訊かずに地下鉄に乗れたことは、驚きだった。<br /><br />「この街は進んでいる。これが文明の進化というものだろうか」<br />パリ最初の印象である。<br /><br />2015.1.27片瀬貴文記<br /><br />注)写真は2006年撮影<br />

1961年7月3日フランスは行きたしされど遠かりし8 − ついにやって来たパリ

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1961/07/02 - 1961/07/03

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ソフィ

ソフィさん


1961年7月3日フランスは行きたしされど遠かりし8 − パリに文明の匂いを嗅ぐ

眺望のよい、アテネの丘。
夕日を浴びながらすする、トルコ・コーヒーの香り。

軍人の息子を持つ、おばあさんの歓待。
私に懐いてくるお孫さんの、快活な明るい笑顔。

もうしばらくここに居たかったが、後ろ髪引かれながら、おいとまする。
あたりの人に訊ねまくりながら、都心行のバスを見つける。

ホテルへの道すがら、小学生の坊が「こんにちは」と、声を掛けてくる。
ここの子供は、余程外国人に慣れているのだろうか。

「おじさんはどこのファンなの?」
プロサッカーのことらしいが、私には皆目知識がない。
公園のキオスクまで案内してくれ、彼の勧めてくれるチームのピンバッジを買って、胸に挿す。


アテネの夜、ホテルの窓からアクロポリスの丘が見える。
パルテノン神殿の柱列が、明るく夜空に輝いている。

「アァ、ついにヨーロッパの地を踏んでいるのだ」
そうした実感が、しみじみと胸にこみ上げ、感慨に浸る。

明日は、憧れのパリと出会える。
寝付かれないまま、これからのヨーロッパ生活を、大まかにプランニング。

滞在中の行程については、フランス政府からまだ十分に情報を得ていないが、私は四季を通じてのヨーロッパを経験したい。

東欧は無理だろうが西ヨーロッパ各国を訪ねたい。
そのためにはスカンジナヴィア、イギリス、ベネルクス、スイス・オーストリア、イタリア、イベリアと、少なくとも合計3か月、6回の旅を企画する。

だが、フランス政府の条件として、フランス国外に出るときは、給費をカットすることになっている。
うまく許可が取れるかなァ〜?

西ドイツは訪ねたい場所が多いので、週末を利用して、パリからの小旅行を繰り返したい。
残された9カ月は、フランス各地を3カ月かけて巡り、6カ月をパリ滞在に充てる。

パリでは滞在費を節減するため、大学都市(シテ・ユニヴェルセール)に住むのが良いようだ。
しかし学生の居住希望が多いため、私のような社会人は空室の確保が困難らしい。
うまく潜り込めることができるだろうか?

いつの間にか、熟睡。


翌7月3日は、ローマ経由パリ便に乗り、夕刻近くパリ・オルリー空港に到着する。
フランス政府からの案内書通り、アンヴァリッドのエアターミナルに行く。

エアターミナルのホテル案内「オテッス・ド・パリ」で部屋を予約。
部屋は、広場を隔てて向かい側、重いトランクを提げても歩いてゆける距離だった。
中年のおばさんが一人、やさしく迎えてくれた。

夜外出し、カルチエラタンで、食事。
初めてこの街にやって来たばかりの私が、誰にも訊かずに地下鉄に乗れたことは、驚きだった。

「この街は進んでいる。これが文明の進化というものだろうか」
パリ最初の印象である。

2015.1.27片瀬貴文記

注)写真は2006年撮影

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
グルメ
4.0
ショッピング
3.5
交通
3.5
交通手段
徒歩
  • アテネの<br />洒落たレストラン

    アテネの
    洒落たレストラン

  • 歴史を感じる風景

    歴史を感じる風景

  • 遺跡に夢見る

    遺跡に夢見る

  • レストランにて

    レストランにて

  • 街のパン屋さん<br />ピレウス

    イチオシ

    街のパン屋さん
    ピレウス

  • アテネの食卓

    アテネの食卓

  • 食卓

    食卓

  • ギリシャ料理

    ギリシャ料理

  • ギリシャの料理

    ギリシャの料理

  • レストランの内装

    レストランの内装

  • レストランに<br />憩うギリシャの人々

    レストランに
    憩うギリシャの人々

  • アテネ<br />市内観光<br />プティトラン

    アテネ
    市内観光
    プティトラン

  • アテネ<br />語り合い

    アテネ
    語り合い

  • アテネの風景

    アテネの風景

  • 可愛い<br />アコーデオンひき

    イチオシ

    可愛い
    アコーデオンひき

  • アテネの皿

    アテネの皿

  • 土産屋のあるじ

    土産屋のあるじ

  • 街角の憩い<br />アテネ

    街角の憩い
    アテネ

  • ランプを売る店

    ランプを売る店

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