2014/10/31 - 2014/11/07
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bunkichiさん
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今回のパリ訪問を機会にフランスのアール・ヌーヴォー建築の代表的建築家、エクトール・ギマールの作品を中心にパリの街をさまよってみました。
アール・ヌーヴォーは19世紀末から20世紀初めに植物模様や流れるような曲線を特徴にしたヨーロッパで流行した美術様式ですが、これらから醸し出される「艶めかしさ」に最近興味を覚え、今回、直に目に触れた事でますます虜になってしまったようです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- 旅工房
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Le Castel Beranger (カステル・ベランジェ)
14, rue La Fontaine et hameau Beranger - Pais 16e
Hector Guimard architecte 1895-1898
エクトール・ギマール(1867〜1942)の出世作となった「カステル・ベランジェ」はジャン・ド・ラ・フォンテーヌ通りの沿いの高級住宅街にあります。
1895年春、28歳のギマールはアール・ヌーヴォー建築が先に開花していたベルギーの第一人者であるオルタと出会い強い影響を受け、「花や葉を捨て、茎をつかめ」とのオルタの助言を胸にこの「カステル・ベランジェ」の設計変更に着手したそうです。 -
内部空間に植物的モチーフを取り入れ(残念ながら見ることはできませんでした)、外観にはアイアンワークの装飾を取り入れ、フランスにおける最初のアール・ヌーヴォー建築が誕生しました。
この建物に対して植物の抽象的曲線とタツノオトシゴや仮面などの具象的装飾、異なる素材の並列を見せている英国風ゴシック風外観が混在する過渡期の建物との見方もあるそうですが、実際に目の当たりにするとスゲー!と叫ばずにはいられません。 -
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正面入口のアイアンワークを「スパゲッティ」とか「さなだ虫」、はたまたそのオリジナルな壁紙のデザインから〈カステル・デランジェ〉(調子の狂った館)と人々は椰楡したそうですが、竣工翌年にはパリ市のファサード賞を獲得しています。
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Ensemble immobilier
17,19 et 21, rue La Fontaine - 8,10, rue Agar - 43, rue Gros
Hector Guimard architecte 1910 - 1912
ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ通り沿いには、この他にもギマールが1910年頃に手がけたふくらみを帯びた曲線を描く外観に、植物をモチーフとした窓枠、入口を持つ住宅が多く残されています。 -
手摺、ドアノブ等のアイアンワークを観るだけでも十分楽しめます。
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Immeuble Tremois
11, rue Francois Millet Paris 16e
Hector Guimard architecte 1909 -
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Hotel Mezzara(メザラ邸)
60, rue La Fontaine Paris 16e
Hector Guimard architecte 1910 -
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Hotel Guimard(ギマール自邸)
122, rue Mozart et villa Fore - Pais 16e
Hector Guimard architecte 1909
ギマールは1909年にアメリカ人アデリーン・オッペンハイマと結婚し、その新居としてこれを建て1938年までここに住んでいました。
しかし妻がユダヤ人だったためナチスの迫害を避けてニューヨークに渡り異国で72歳で生涯を終えてしまいました。 -
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Immeuble Houyvet
120, avenue Mozart et 2 villa Flore - Paris 16e
Hector Guimard architecte 1924 - 1927
この建物は道を挟んでギマール自邸のすぐ隣にあります。
しかし建設されたのは1924年〜1927年。
既に時代はアール・デコの大流行時期です。やはり時代の流れなのか、初期のギマールの作風とはだいぶ違うことがド素人の自分にもすぐわかります。 -
アール・ヌーヴォーとアール・デコの建築の典型的造形的特徴が両隣を見比べるとよくわかります。
隣が曲線的、有機的、非幾何学的、平面的だとすれば、こちらは直線的、無機的、幾何学的、立体的です。 -
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Hotel particulier (ジャスミン通りの住宅)
3, square Jasmin Paris 16e
Hector Guimard architecte 1922
パリでのギマール最後の作品となったものです。 -
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Synagogue
10, rue du Pavee Paris 4e
Hector Guimard architecte 1913 - 1914
ギマールの作品の多くはパリ16区にありますが、このシナゴークはユダヤ人が多く住むマレ地区にあります。 -
雨の中、内部を覗きたくドアが開かないかと待ちましたが.....残念!
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アベス駅/メトロ駅入り口 1899-1905
1900年、第5回パリ万博の新しい乗り物として地下鉄が完成し、ジョルジュ・オスマンのパリ大改造によって均整のとれた美しい街並みに、地下鉄を溶け込ませるためその入口に芸術を取り入れようという事から当時アール・ヌーボー様式で話題を振りまいていた若手建築家、エクトール・ギマールに仕事を任せることに決まりました。
路線の延長が続いたパリのメトロは、ギマールの「メトロスタイル」が170ヶ所にも及びました。
完成を早めるためプレハブ工法を考案し、組み合わせ自由のモジュール化したガラスや鋳鉄の部材を大量生産したそうです。 -
しかし完成したギマールの「メトロの駅」への人々の眼差しは冷淡かつ辛辣で、結局その数年後にはほとんどすべてが取り潰されてしまいました。
しかし時代は移り変わり20世紀後半になると無表情な機能主義的造形への反省からか、「ベルエポック」の象徴として〈アベス駅〉や〈ボルト・ドーフィヌ駅〉など破壊から免れた駅を再評価する機運が高まり、ギマールの名を永遠にとどめることになったそうです。 -
LYON駅
蕾型のランプと甲殻類を連想させる手摺 -
TUILERIES駅
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Immeuble(ラップ通り29のアパート)
29, avenue Rapp Paris 7e
Jules Lavirotte architecte
Ceramiste Alexandre Bigot 1901
ギマールに次ぐパリのアールヌーヴォー建築家と言えば、ジュール・ラヴィロット(1864-1924)を外すわけにはいかないと彼の代表作、ラップ通り29のアパートを訪ねてみました。 -
なんとも派手というかヤバすぎるという印象の建物です。
それもそのはずで、ここには性的モチーフがあふれているのですから。
(⌒◇⌒;) げっ -
そんなヤバイ作品ですがパリの「ファサード賞」を獲得しています。
どうやらデザインというよりはセラミックという新しい素材を大胆な使い方が評価されたとも言われてます。
施主は微妙な色合いのセラミックタイルの技術を完成し提供をしたアレクサンドル・ビゴで、このアパートを自社製品の展示宣伝の場としたそうです。
だから人の目を引きつける派手さ、ヤバさも納得できます。 -
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Immeuble(ラップ広場のアパート)
3, square Rapp Paris 7e
Jules Lavirotte architecte
Ceramiste Alexandre Bigot 1900
ここはラップ通りのアパートの裏手にある小さな広場です。
広場奥にあった手前の建物を取り壊してあらわになったブラインド・ウォールの壁面に木製の桟を打ち付けてだまし絵の仕掛けを作ったもので
\(◎∠◎)/オウ〜ビックリデースと言う他ありません。 -
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Eglise Saint Jean l'Evangeliste(サン・ジャン・レヴァンジェリスト教会)
19 Rue des Abbesses 75018 Paris
Anatole de Baudot architecte 1894 - 1904
外観が赤レンガ造りの教会ですが、実は20世紀初頭に建造されたパリでは最初の鉄筋コンクリート造りの教会です。
当時、コンクリートはそれまで土木構造に使う下等な未知の材料と考えられていたため何度も中止要請を受け、1904年にやっと完成したそうです。 -
被覆材として表面をラップ通りの住宅施主でお馴染みのピゴのセラミックで飾られています。
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内部はネオゴシック様式で鉄骨の柱が立ち並んでます。
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まだまだパリの街には多くの有名、無名の建築家のアール・ヌーヴォー建築が残されてますが、体力も気力もなくそれでも最後にアール・ヌーヴォー工芸品が多く展示されているオルセー美術館に行ってみました。
今年の3月からは6年ぶりに館内での写真撮影を解禁したそうですが、私の行った時は撮らせてもらえませんでした。
ああ取りたかったな.....。 -
各所在地は下のURLをクリックして下さい。
https://www.google.com/maps/d/edit?mid=zehlmjasub74.kT2J1OK5J4ho&usp=sharing
参考資料
アール・ヌーヴォー建築/橋本文隆著
ヨーロッパのアール・ヌーボー建築を巡る/堀本洋一著 他
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この旅行記へのコメント (2)
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- mistralさん 2016/12/30 18:18:27
- アールヌーボーをおいかけて。
- bunkichiさん
初めまして。
mistralと申します。
先日はポーランドの旅行記に投票をいただきまして
ありがとうございました。
いくつかの旅行記、訪問させていただいております。
bunkichiさんも興味を持たれたと言うアールヌーボー建築、
私も以前から気になっておりまして
パリのギマール建築、同じような通りを歩きまわって
来たことを思い出しました。
短い期間とはいえ、特徴的な建築を生み出した時代を
追って旅することは、本当に楽しいですね。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
mistral
- bunkichiさん からの返信 2016/12/31 21:57:30
- RE: アールヌーボーをおいかけて。
- mistralさん
こちらこそ私の拙い旅行記に投票して頂きありがとうございます。
今後もよろしくお願いします。
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