2014/11/16 - 2014/11/27
11位(同エリア34件中)
youさん
1万年の歴史がある地中海東南の島国キプロスを訪れました。キプロス島は、島の南北で国が分断されており、南側がキプロス共和国で、国連、EUに加盟しており、その面積は四国の半分程度、人口約90万人、現地ではサイプラス(Cyprus)と呼ばれています。北側は北キプロス・トルコ共和国となっており、こちら側を国として承認しているのは、トルコだけです。
一時は紛争国としてのイメージがありましたが、今はグリーンラインと呼ばれる国境を越えて自由に行き来でき、旅人には平和で長い歴史を持つのんびりした雰囲気を感じる国に映りました。
日程は下記。
11月16日 21時 成田発 アブダビ経由キプロスのラルナカへ
11月17日 12時 ラルナカ着 街歩き ラルナカ泊
11月18日 ラルナカ→ニコシア 街歩き ニコシア2泊
11月19日 ニコシア⇔北キプロスのギルネ
11月20日 ニコシア→パフォス 街歩き パフォス2泊
11月21日 パフォス観光
■11月22日 パフォス→リマソール 街歩き リマソール3泊
■11月23日 リマソール⇔クリオン遺跡観光
■11月24日 リマソール⇔トロードス・トレッキング
■11月25日 アマサス遺跡観光→ラルナカ ラルナカ泊
11月26日 13時ラルナカ発 アブダビ経由
11月27日 13時 成田着
この旅行記は、キプロスのリマソール、クリオン古代遺跡、トロードス、アマサス古代遺跡編です。
表紙の写真は、クリオン古代遺跡。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
11月22日 パノ・パフォス10時発のインターシティー・バスにて、リマソール(レメソス)に向かいます(4ユーロ)。
11時過ぎにリマソールに到着。この石畳の道を小型スーツケースを転がしながら、予約したホテルに行きます。 -
3泊するMetropole Hotel の部屋(45ユーロ/1泊)。旧市街に建つので建物は古いですが、広さは一人には充分。
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部屋のバルコニーから土産屋さんが並ぶ通りが見下ろせます。
ホテルの先にある観光案内所にて地図やら観光資料など頂くと共に、近郊の遺跡へのアクセスやら路線バスの時刻なども伺います。ここで、トロードスの修道院を巡るツアーを探していただいたのですが、シーズンオフのために成立していないとのこと。街歩きしながら、どこかツアー会社でも探すことにします。 -
聖ナバ教会。堂々とした造りで中はまだ新しい感じの教会です。
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教会の前の通りを進むとグレートモスクのミナレットが見えてきます。旧市街の街並みに溶け込んでいますが、訪れる人は少なくて寂しそう・・・。
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旧市街の西端に建つ聖アントニオス教会。ここはギリシャ系住民の教会ョという意味なのかギリシャの国旗が掲げられています。
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旧港にやってきました。綺麗に整備されたリゾート風の港町です。
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港にあった案内板。この上空写真によれば、港に突出た人工島にブール付きの高級住宅や居住用のお城等があるようです。どのような人が住んでいるのでしょうか、どこのお国にもお金持ちはいるのですネ・・2013年のキプロスの経済危機の影響はどうだったのかな・・。
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旧市街に戻り、レメソス城に行きます。ここは4〜7世紀はバシリカだったところで、そこに、10〜11世紀頃のビザンチン時代に聖堂が創建され、その後、1590年にオスマン・トルコにより砦として再建されました(説明版)。
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内部は現在博物館になっています(3.5ユーロ)。地下や1階は牢獄として使用されたこともありました。
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最上階に来ました。お城なのですが、フラットな屋上になっており一周して市街地を展望できます。こちらは北側市街地の眺望。
将来観光客が上ることを想定して、フラットの屋上を造っていたとしたら、この城の設計者は先見の目があったと言えます。 -
こちらは海側市街地の眺め。
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城の屋上から見えていたカソリキ教会に来ました。
この教会も新しい教会の様です。 -
11月23日 クリオンの古代遺跡と周辺の観光地に行きます。
オールド・ポート前のバス停から、オールド・ホスピタル前バスターミナルに行き、9時30分発の路線バス16番エピスコピ(Episkopi)行きに乗ります(1.5ユーロ) 。
1日数本しか出ていませので、観光案内所やバスのドライバーに発着時刻等を確認しました。
約1時間でバス終点に到着します。帰りのバス時刻15時30分まで約5時間、滞在可能です。
バス停からこの崖が見える方向に右折し、崖手前の道を左折して坂を道なりに上ります。崖面に住居穴か墓穴か何やら遺跡らしきものが見えています。 -
崖上の大地に広がるクリオン遺跡の入口に来ました。終点バス停から遺跡入口まで約10分坂を上ります。
入口で地図と資料を頂きます(入場料4.5ユーロ)。
遺跡は崖沿の劇場(記号1)から更に北西に延びており、広範囲に及んでいるようです。
この遺跡の起源は後期青銅器時代にさかのぼり、集落や墓地が発見されております。また、紀元前14世紀〜12世紀、ギリシャのペロポネソス半島北岸に勢力をもつアカイア人の植民都市として発展しました(遺跡資料)。 -
はじめに、遺跡への導入道路の左手丘上、記号3で示される「地震の家」に行きます。
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この家は紀元1世紀頃に建てられ、365年に起きた地震で崩壊しました。玄関先からこの家に住んでいたご夫婦の骨などが発見されています(説明版)。
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イチオシ
崖上から北西方向の眺めです。素晴らしい風景が広がっています。
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こちらは南方向、地中海が光っています。
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東方向の眺め。左手奥、対岸崖上に野外劇場と遺跡を覆う屋根が見えています。
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北方向。奥の大地に遺跡が広がっています。
この遺跡は、この様な素晴らしい景色が眺められる最高のロケーションにあるのです。 -
地図に記載の番号に沿って巡ります。ここは番号4で示されている、3世紀〜7世紀、初期キリスト教会のバジリカです。
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バシリカの入口につながるアトリウム。中央に六角形の大きな水盤というかプールが配置されています。
水盤にどこから水を引いていたのか??。周囲を見渡しても水を引き込むような水路はないし、多分、アトリウムの屋根に天窓を設け、そこから落ちる雨を貯めていたのかな・・・これは推測ですが・・・。 -
イチオシ
地中海を見下ろす素晴らしい遺跡の風景です。この景色最高〜♪
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イチオシ
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バシリカの床に残るモザイク。
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ローマ時代(紀元前30年〜330年)、街の中心であったアゴラ。
35×70mの広さで、周囲は商店や公共の建物が建っていました。 -
商店が並んでいた場所。当時大理石の列柱が並んでおりました。
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アゴラの敷石の下に、ヘレニズム時代(紀元前325年〜紀元前200年)の基礎がしっかりと残っています。古い時代の石積みの方が良く出来ているみたいですが・・・。
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ローマ時代の公共浴場。
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六角形のプール。深さ1.5mあります。
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公共建物の入口敷石に碑文が残されています。「高貴な司祭により再建された」と・・・控え目な碑文です。
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公共浴場横の木橋を渡り、北西に歩いて「剣士の家」に来ました。3世紀中ごろに建てられた個人の住居です。床のモザイクに剣士が描かれているのでこの家の名前になっています。
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遺跡の北西、一番奥の「アキレスの家」に来ました。ローマ時代に造られたもので、クリオンの街の入口近くにあるので、訪問客用のレセプション・ハウスとして使用されていました。床のモザイクは、アキレスがトロイア戦争を避けるようにと、彼の母親が送った女性と会っているシーンが描かれています。
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遺跡の北西端から東端まで、ぶらぶら歩くこと約20分、遺跡全体が屋根で覆われている「エウストリオスの家」に来ました。
ここはローマ時代の初期にビラとして建てられ、大地震が起きた365年の後の408年〜450年に大規模な公衆浴場及びレクレーションセンターとして改築されました。因みにこの都市は、ローマ時代、AD15年,75年,332年,342年.360年,365年と大きな地震に襲われています。
モザイクに描かれている婦人は、右手にローマ人の足と同じサイズのメジャーを持っており、世界を創造したKtisisです・・モザイクの碑文より(解説版)。 -
土管などの排水設備などが見えています。
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紀元前2世紀後半に造られ、その後何度かの地震で崩壊し4世紀になって再建された劇場に来ました。
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イチオシ
現在見える劇場はモダンな造りで3000人収容可能。訪れた日の午後は、地元の若人らが舞台で演劇の練習をしていました。
客席からは素晴らしい風景が広がっています。 -
15時過ぎにバス停に戻ってきました。バス停前に発掘現場がありました。中を覗いて見ると、大きな石壁のある建造物の様です。
この付近は、掘り起こせばまだまだ古代の遺跡が発見されるのでしょう。
夢とロマンがありますネ。 -
11月24日 リマソールに来れば、トロードスへのツアーが何か出ているものと思いこんで、ホテルのオーナや観光案内所で探して頂きましたが、結局この時期は適当なものが見つからず、路線バスを利用してトロードスに行くことにします。
オールド・ホスピタル前のバスターミナル発9時30分の路線バス64番にて、トロードスに向かいます(1.5ユーロ)。
街並みを抜けると、こんな山岳地帯に入ってきます。 -
路線バスは、途中でガソリンを給油し、山岳地帯の村々を廻って、1時間ほどでパノ・プラトレスに着きます。ここで、10分休憩。
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パノ・プラトレスのバス停広場に面して観光案内所がありましたのでそこに立寄ります。近隣の地図を頂き見どころを伺います。自然を満喫できるトレッキングコースが幾つかあるので、そこを歩いたら♪とのお勧めです。
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バスは更に15分程走って、終点のトロードス・スクェアーに到着です。ここまで来た乗客はyou一人。帰りのバスの時間をドライバーに確認、15時まで4時間は滞在可能です。
周囲は閑散として寂しい〜。その上標高が高い(1900m)ので寒〜い。滞在時間は4時間余り、観光案内所のお姉さんお勧めのトレッキング・・・するしかないのかな・・・。
まずは周囲を散策します。 -
広場で見つけた案内に沿って道を下り修道院まで来ました。しかし入口は鍵がかかっていて入れません。
修道院手前は軍の基地が広がっています。キョロキョロしていたyouを見て、中から銃を構えた若い軍人さんが出てきました。ドッキとしましたが、ここは、純粋な観光客ということをアピールすべく、彼に修道院のカギはどこにあるのか??聞きました。・・・彼は笑いながら首を横に振って、どこから来たの??、日本はどんなとこ??と、逆に興味深く質問してきました。彼はあと1年で兵役が終了するので、その後キプロスを出てどこか海外に行きたいのだ等など親しげに話してくれました。
山を越すと北キプロスとの国境、その前線基地から早く抜け出したという思いが伝わってきた、軍人らしくない一青年との会話でした(笑)。 -
トロードス・スクェアーに戻り、案内娘お勧めのアトランティ・トレイルを歩くことにします。案内地図によれば、チオニストラ山(1952m)を1周する全長14Km、5時間のルートですが、往復3時間をめどに歩くことにします。
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山の斜面にしっかりとした遊歩道ができており、表示も要所要所に出ていて一人でも迷うことはないコースの様です。
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1.5時間歩いて見られた風景。谷間の奥に地中海が見えているのかな??・・そんな気がします。
歩いている途中の山林風景は、奥多摩の山中を歩いているのとさほど変わり映えしないので、割愛します。
というわけで、1日がかりでトロードス山中を歩き、往復しました。 -
11月25日 午前中アマサス古代遺跡に行きます。
リマソールの海岸通りから路線バス30番で、約20分、右手にホテル街がなくなり海が見え出したら次のバス停で下車します。
ここは、紀元前9世紀ころからの古代都市で、現地案内パネルの地図によれば、?で示される丘の上のアクロポリス、?で示されるアゴラ、?で示される旧港等が広がっています。 -
バス停から海岸べりに降りてみます。
紀元前4世紀に造られた旧港の一部。大きな石が並んで防波堤になっています。その先端は絶好の釣り場のようで、釣り人が大勢おりました。 -
バス通りを横切って、アクロポリスのある丘に上ってきました(入場無料)。手前は城壁、奥の海岸線に沿ってリゾートホテルが並んでいます。
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丘の一番上、アクロポリス跡に来ました。神殿や教会の基礎などごろごろしており、現在も発掘中です。丘全体に遺跡が広がっているようです。
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四方に取っ手の様なものがついた石壺が、周囲の遺跡とは不釣り合いに置かれています。何に使ったのか、取っ手の側面に動物のような模様が刻まれています。
周辺に説明がないので分かりませんが、儀式にでも使っていたのでしょうか。 -
丘の上から東方向の眺め。丘の下に広がる台地には、発掘中の遺跡がいくつか見えています。
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こちらは丘の上から見るアゴラ。丘を下ってこの遺跡に向かいます。
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アゴラのある古代遺跡に入ります(2.5ユーロ)。
入口のおばさんに、遺跡の地図や資料は頂けないか聞くも、何もないよ〜。入口左手の説明パネルを見て頂戴〜・・・との返事。キプロスで重要な古代遺跡・・・だったら資料ぐらい用意してほしいネ。
現地説明パネルによれば、丘の裾野に8世紀BC〜4世紀ADにわたって、アゴラ、公衆浴場、水道施設、住宅等が積み重ねられて造られています。 -
丘の裾野から出る水を貯める貯水池。
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貯水池から水を導く水道管。ここは上下水設備が完備されている街の様です。
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アゴラ。正面は神殿が、周囲は商店などが並んでいたのでしょう。
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古代遺跡にはこの列柱がないといけません・・・。
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高台に備えられているベンチからしばし遺跡を眺めます。
先に訪れたクリオン古代遺跡に比べると、劇場やモザイクの床などが見られなくてちょっぴり物足りません、また説明版など未整備でまだ発掘現場といった感じの遺跡です。
これから更に発掘作業が進めば貴重な建造物が多数発見されることでしょう。その時期に再訪したくなる遺跡です。・・・その時期が来るかナァ。
最後までご覧いただき有難うございました。
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