シベニクは、アドリア海に注ぐクルカ川の河口にあり、クロアチア人が築いた最古の町の一つです。<br />15世紀初めから18世紀末までベネチア共和国の支配下に置かれ、またオスマン帝国の侵攻に備えて、16世紀に四つの要塞が築かれました。<br />城壁巡りも観光客に人気がありますが、今回は旧市街の観光を楽しみました。<br /><br />その後は、プリトヴィッツェ国立公園の観光です。<br />この世界遺産は、期待以上の素晴らしさでした。<br />今年は水量が多く、ダイナミックな滝と湖の美しさは格別です。<br /><br />写真は、激しくも美しく流れ落ちる、雨上りのプリトヴィッツェ滝。

旧ユーゴ周遊の旅＜６＞　（クロアチア：シベニク・プリトヴィッツェ）

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2014/11/13 - 2014/11/22

82位(同エリア169件中)

エリア

シベニク(クロアチア)

旅行の満足度: 5.0

観光: 5.0

ホテル: 4.5

グルメ: 4.5

同行者: カップル・夫婦

一人あたり費用: 20万円 - 25万円

交通手段: 観光バス

航空会社: アエロフロート・ロシア航空

旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

利用旅行会社: 阪急交通社

地図を見る

10時過ぎにトロギールを出発して、１時間ほどシベニクに到着。
シベニクは、クルカ川がアドリア海に流れ込むシベニク湾に面した小さな街です。
綺麗なシベニク湾には、沢山の水鳥がノンビリと。
右手には、入江（クルカ川の河口）に架かる橋が見えます。
アドリア海の美しい海にはヨットや・・・
コハクチョウも浮かんでいます。
地元の人達と。
クロアチアの自動販売機・・・水とコーラが６クーナ（120円）、ジュース類が７クーナ（140円）。
クロアチアを繁栄させた、ペタル・クレシミル４世（1058～1074年）の像・・・
旧市街の入り口にあります。
シベニクは、クロアチア人によって築かれた最初の海岸都市で、ヴェネチア共和国やオスマン帝国の脅威から守り切った歴史があります。
「聖フランシスコ教会」・・・14世紀に建てられた、フランシスコ会修道院の付属教会。
このモダンな建物は、城壁を再利用して建てられた市立図書館です。
右側には、シベニクの守護者「聖ジョージ」のレリーフが埋め込まれています。
サングラスの女性は、ガイドのミアさん・・・綺麗な人です。
旧市街に続く石畳の細い路地は、ここで二手に分かれます。
日本の夜店で売っているようなキャンディ。
15世紀に建てられたゴシック様式の「聖イヴァン教会」・・・広場に面している鐘楼の時計は、1648年に設置されたもの。
「聖クルシュバン教会」・・・現在の建物は15世紀のゴシック様式の建築ですが、もともと12世紀にロマネスク様式の教会がありました。
今は、アートギャラリーになっているそうです。
歴史を感じる街並みが続きます。
迷路のような旧市街を歩きます。
とある教会の天井画。
レプブリカ広場に面した市庁舎（ルネッサンス様式の建物）・・・１階は、カフェなどが入っています。
このアーチの下の柱に、罪人を縛り付けて見せしめにしたという「恥の柱」もあります。
レプブリカ広場の近くにある、四つの井戸・・・その昔の水汲み場でした。
市庁舎の向かいにあるカトリックの「聖ヤコブ大聖堂」・・・ブラチ島の大理石を用いた美しい建物で、建設着手（1431年）から完成（1555年）まで、百年以上の歳月が掛かりました。
プラチ島の石灰岩や大理石は上質で、アメリカのホワイトハウスにも使われているそうです。
レプブリカ広場に面する北側には、１対のライオン像が彫られていることから「ライオンのドア」と呼ばれる入り口があります。
ライオンが支える柱の上には、アダムとイブの像。
聖堂の壁面に取り付けられた、様々な表情をした72人の頭部の彫刻も、見どころの一つ・・・聖人ではなく、当時の有力市民をモデルにしたと言われており、一人ひとりがとても特徴的・・・中には、ワンちゃんもありました。
内戦の爆弾で破壊された八角形のドームは、1991年に修復され、2000年に世界遺産に登録されました。
ドームの下には聖ミカエルの像・・・モンサン・ミッシェルの、一番上に金色に輝いている像と同じです。
教会の中は、とても高い天井・・・レンガや木などを全く使わずに石だけで作った教会としては世界で最も大きいのだとか。
西側正面の上にあるステンドグラスのバラ窓・・・西陽が差し込むと綺麗でしょうね。
建物最後部の主祭壇の周りは修復作業中で、チョット残念でした。
キリストや聖人の像が祀られています。
聖堂の奥、南東側にある洗礼所。
３人の天使が支えている洗礼盤は、1473年に造られました。
洗礼盤の上の天井部分・バルダッキーノ（天蓋）も彫刻が素晴らしい・・・天使がキリストと子供達の洗礼を祝福しています。
このレストラン「KAVANA　MEDULIC」で昼食。
ビールは、何故かチェコの『Staropramen』。
メニューは、魚のスープとマグロのステーキと、粉砂糖をまぶした、フォッカチオのようなドーナツのようなデザート。
聖フランシスコ教会を見ながらシベニクを後にして、プリトヴィッツェに向かいます。
途中、丘の上に風力発電の風車が見えました。
EUに加盟したクロアチアは、EUの再生可能エネルギーの利用率20％の基準を満たす必要があるため、積極的に風力発電所を建設しているようです。（現在は数％程度）
クロアチアのダルマチア地方を流れるクルカ川の総延長は73kmで、こんな素晴らしい景観が随所にあります。
美しい風景を見ながら・・・
こんな岩山がある、ディナル・アルプス山脈を越えて、内陸部に進みます。
18時ごろ、プリトヴィッツェのホテル「マコーラ」に到着。
この辺りは多くの野生動物が生息しており、ホテルのオーナーが仕留めた動物の剥製がフロントの周りに飾られています。
猟の腕もさることながら、作品の出来栄えも見事！
夕食のビールは、クロアチアとボスニアの人気ビール「カルロバチョコ」。
メニューは、マッシュルームのスープに・・・
チキングリルのマッシュルームソース。
＜７日目＞

朝食の後・・・
昨夜から雨が降り続いていたので、気になって外に出てみると、もう殆ど止んでいました。
ホテルに隣接してスーパー「KONZUM」があり、とても便利なホテルでした。
９時にホテルを出発して、９時半にプリトヴィッツエ湖畔の駐車場に到着。
この周辺は今年春から雨の日が多く、観光にも支障があったようです。
昨夜からの雨で心配でしたが、何とか予定のコースで素晴らしい自然の景観を満喫することが出来て、大満足でした。
ボスニア・ヘルツェゴビナ国境に近いプリトヴィッツェ湖群国立公園は、２つの山脈に囲まれる切り立った峡谷に、大小16の湖と92の滝が点在し、エメラルドグリーンの幻想的な景観を作り出しています。
中央から右にかけての下湖群が観光コース、左上の奥の方が上湖群・・・ガイドさんと添乗員さんが今日のコースを確認しています。
プリトヴィッツエ湖畔国立公園はクロアチア最大の公園で、1979年に世界遺産に登録されました。
歩き始めてすぐに、高台から公園のシンボル「プリトヴィッツェ滝」が目の前に現れました。
高さは78ｍ・・・ヨーロッパ最大の落差を誇る、この大滝を見たかった！
豊富な水が、プリトヴィッツェ川からコラナ川に勢いよく流れ落ちています。
湖は、まさにエメラルド・グリーン。
16の湖は、標高636ｍから503ｍまで、およそ８kmにわたって山間から流れ出てくる水で作られています。
湖には、マスやチャブ（コイ科の淡水魚）などの魚も見られます。
遊歩道が整備されているので、ハイシーズンには多くの観光客が歩きますが、今日は、私達だけの貸切ツアー（？）です。
普段は穏やかな遊歩道ですが、大雨などの時には遊歩道が冠水してしまうことも・・・
まるで、生きるか死ぬかのサバイバル！
水の音の凄いこと！
足元に気を付けて！
水面スレスレの遊歩道。
湖と湖は、水の流れで結ばれています。
湖のあちこちに、石灰華の付着した倒木が見られます。
石灰華は、コケ・藻・バクテリアなどの光合成が関与して生まれた石灰質堆積物のことで、この堆積物は１年に１ｃｍ位大きくなってゆくそうです。
数百万年前の氷河期から寒暖を繰り返してきたことが石灰華の成長を促し、それが堆積して湖を作る繰り返しにより、長い年月をかけてこの公園は誕生しました。
足元だけでなく・・・
頭上にも注意！
「ミルカ・トルニナ滝」・・・クロアチア出身のソプラノ歌手、ミルカ・トルニナ（1863～1941年）の愛した滝。
この滝は、ミラノヴァツ湖からカヴァノヴァツ湖へ、階段のように段々と流れ落ちる様子が美しい滝です。
ヨーロッパで人気があるMILKAのチョコレートは、ミルカ・トルニナに因んだものです。
水浸しになりながら、ツアー客の安全のためにお手伝いする添乗員さん・・・頭が下がります。
湖畔にある石碑には、グスタフ・ジャネツェックのことが書かれています。
チェコ出身のクロアチア・ザグレブ大学教授（薬学）だった彼は、1893年にプリトヴィッツェ湖の保護団体を設立し、また湖畔にホテルも建設した人物でした。
ミルカ・トルニナも、この湖群の保護と遊歩道の整備に資金を提供しています。
延々と続く自然の驚異に圧倒されます。
美人ガイドのニコリナさんと。
無事に「コジャック（山羊の意）湖」に到着。
コジャク湖は全長2.3キロ、深さ最大46mで、クロアチア最大の湖。
電動ボートで遊覧します。
日本のシジュウカラに似た小鳥がボートから離れません。
ウンチをかけられた人も・・・
ボートに乗っても、美しい景観が続きます。
20分の遊覧を終えて、バスに戻りました。
天気が良かったら、綺麗な湖が楽しめたでしょうが、観光のポイントをすべて回れて、大満足です。
13時過ぎに、レストラン「フェニックス」で昼食。
メニューは、ビーフスープに・・・
プリトヴィッツェの清流で育ったマスのグリル。

この後は、５か国目のスロベニア・ブレッド湖に向かいます。