2014/06/19 - 2014/06/19
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junemayさん
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個人旅行は何度も経験済みですが、海外の一人旅は久々。友人からフランスのトゥールーズから1時間位の距離にあるロット川のクルーズに誘われたのをきっかけに、その前後にイタリア、スペインを旅しようと計画したのが今回のたび。どこを歩くかは余り深く考えないで、大雑把な計画と宿泊先だけを決めていざ出陣です。スーツケースをなるべく持たなくて良いよう、駅近の安いホテルにこだわりました。ガイドブックも必要な分だけコピーして、途中で捨てられるよう準備。衣類も最低限に抑えたつもりでしたが、旅行中毎日快晴に恵まれたため、結果的には無駄な衣類が随分と出ました。昼はともかく、夜一人でレストランに入る勇気がないため、簡易クッカーを購入。スーパーで購入した食料で自炊もしました。好きな場所に好きなだけいたいという希望が叶った1ヶ月のたびとなりました。
日程表
6月3日(火) 羽田→フランクフルト→ベネチア
6月4日(水) ベネチア
6月5日(木) ベネチア
6月6日(金) ベネチア→フレンツェ
6月7日(土) フィレンツェ→シエナ→サンジミニャーノ→フィレンツェ
6月8日(日) フィレンツェ
6月9日(月) フィレンツェ
6月10日(火) フィレンツェ→ルッカ→ピサ→ラスペチア
6月11日(水) ラスペチア→チンクエテッレ→ラスペチア→ポルトベーネレ→ラスペチア
6月12日(木) ラスペチア→サンレモ
6月13日(金) サンレモ→ベンティミッリヤ→サンレモ
6月14日(土) サンレモ→ニース→トゥールーズ
6月15日(日) トゥールーズ→アルビ→コルドシュルシエル→アルビ近郊
6月16日(月) アルビ近郊→カオール→船旅開始(Le Lot)
6月17日(火) 船中泊(Le Lot)
6月18日(水) 船中泊(Le Lot)
6月19日(木) 船中泊(Le Lot)
6月20日(金) 船中泊(Le Lot)
6月21日(土) ラロックデザルクス→フィジャック→ロカマドール
6月22日(日) ロカマドール→フィジャック→カオール
6月23日(月) カオール→トゥールーズ→フィゲレス
6月24日(火) フィゲレス→カダケス→フィゲレス
6月25日(水) フィゲレス→ファルサ→プボル→ジローナ→フィゲレス
6月26日(木) フィゲレス→バルセロナ
6月27日(金) バルセロナ
6月28日(土) バルセロナ→モンセラ→バルセロナ
6月29日(日) バルセロナ
6月30日(月) バルセロナ→フランクフルト→
7月1日(火) →羽田
このクルーズ最大のハイライト、ロット川がもっとも美しい場所に差し掛かりました。朝から皆テンション上がっています。クルーズの終点まであとわずか。折り返し地点が近づいてきています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 船 レンタカー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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今日も快晴のロット河畔です。
ブージエBouziesを過ぎると、昨日からずっと続いている白、灰色やピンクの石灰岩の断崖がますます高く立派になってきました。素晴らしい渓谷が続いています。 -
崖はまっすぐに川に突き刺さり、道はなさそうに見えます。しかし良く見ると、明らかに、人工的に岩を削った痕跡があります。そしてそこに道が長く延びているのがわかります。
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もっと近づいてみると、つるはしやノミなどの道具の跡が残っている箇所もありました。ここは、人工的に人々が岩を削ってできた道だったのです。
水運が盛んだった頃、川でも運河でも物資を運ぶには船が使われましたが、船には今のような動力はついておらず、そのため、フランスでは馬や牛、ミュールなどの動物が岸を歩いて船を曳くのが一般的だったそうです。ブージエから続くこの道は、曳船道Le Chemin de Halageと呼ばれ、今ではハイキングコースとなっています。 -
全長往復10kmほどの道をハイキングする人々を沢山見かけました。
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途中には、トゥールーズ出身の彫刻家ダニエル・モニエによる彫刻があり、ハイキングする人達の目を楽しませてくれます。この作品は浅浮き彫りLe Bas Reliefと呼ばれ、観光船の目玉スポットとなっています。歩く以外には、船からしか見ることの出来ない贅沢な風景です。
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曳船道に沿ってまた水門がありました。この辺りは、石で河岸が補強されています。
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この頃には、閘門の開け閉めもだいぶスムーズに出来るようになって来ました。
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水面に写った「逆さ崖」がとても綺麗です。一体どのくらいの人々が崖を削る作業に従事したのでしょう?削った道の高さは2m位。
この道ははしけや平底船を馬で曳くことが可能となるよう、1845年に作られたそうです。ロット地方の特産物、カオールのワインや木製の樽などを船を使ってボルドーまで運んだのです。1926年、ロット川は荷物運搬水路としては格下げになり、その後は主にレジャー用ボートの水路となりました。ダニエル・モニエが浅浮き彫りを作成したのは1990年のこと。この地にふさわしい花々やアンモナイトなどの化石などがそのモチーフとなっています。 -
対岸は見事なピンク・クリフです。横に幾筋も亀裂が走っているのがわかります。所々に風と水で浸食された穴も見えますね。この辺りにもペシュメルル同様、鍾乳洞が沢山ありそうです。
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崖に寄り添うように民家が1軒建っていました。どこからこの家への道が続いているのでしょう?
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逆光なので、見えにくいのですが、川上右岸にサン・シル・ラポピーが姿を現しました。崖の上に建つのは、サン・シル教会。水面からの崖の高さはおよそ100mです。
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サン・シル・ラポピーが次第に近づいてきます。とはいえ、周りを見渡しても、船を近づけられそうな場所はありません。おまけに、この崖の辺りで、ロット川は大きくカーブしていて、流れが急になっているのです。まさに天然の要塞ですね!
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船が崖を通り過ぎてから振り向いて撮った1枚です。建物が何軒かは見えますが、船からだと、町全体を見ることは不可能なようです。
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サン・シル・ラポピーの町に行くには、ここから更にもう一つ水門を通り、トゥール・ド・フォールTour de Faureの町にある係留地まで行かなくてはなりません。
この辺りからは、先ほどよりだいぶ沢山の建物が見えるようになって来ました。全て同じ色の壁と屋根でまとめられた、本当に可愛らしい町です! -
川上に向かって左岸に、トゥール・ド・フォールの町並みが見え始めましたよ。カオールからバスで来るときは、この町で下りて、ロット川にかかる橋を渡り、山道をうんとこさ歩くことになります。
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トゥール・ド・フォールに着いた私達は、早速車で、サン・シル・ラポピーに向け坂を上ります。すごい車の数!渋滞しています。流石にロット川沿いの一大観光地だけありますね。本当は歩いて上りたかったのですが、車なのであっという間に到着してしまいました。
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駐車場でまたまた吃驚!ずらりと並んだのはシトロエンのクラシックカー達。車にはとんと疎いので、間違っていたらごめんなさい。多分1950年代の車達がお出迎えです。
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どの車もぴかぴかに磨かれて、60歳を過ぎたご老体とはとても思えません。それにしても、どんな人達が乗ってきたんでしょうね。
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まちの地図がありました。この地方の地図がメインで、町の案内図は右に小さく出ているだけで、ちょっと見にくい地図です。
町の歴史は、10世紀にサン・シル子爵のOldoricにより建てられた城から始まります。この地が侵略や攻撃を防ぐのに最適な場所であったからです。13世紀以降は、珍しいことにラポピー、グルドン、カルデラックという3封建領主が要塞を共有するようになります。
ラポピー家の城は村の一番高いところ「ラポピーの岩」と呼ばれている場所に、カルデラックの城は最も低いところにそれぞれ建てられました。グルドンの城はみつかっていませんが、おそらく塔を建てたと言われています。それぞれの城は16世紀以降、領主らによって次々放棄されていきました。
船運が盛んな時代、村は木工職人やろくろによる陶器の生産で大いに賑わったそうです。 -
19世紀になり、ポスト印象派のアンリ・マルタンによって「発見」されたこの村は、大勢の芸術家などに知れ渡るようになり、特にこの村を訪れたシュールレアリストのアンドレ・ブルトンをして、「サン・シル・ラポビーは私にたった一つの魔法をかけた。絶対に解けない魔法を。私は他へ行きたいと思うのをやめた。」と言わせました。
サン・シル・ラポピーは157ある「フランスの最も美しい村」の一つであり、2012年には、フランス人の大好きな村に選ばれています。 -
村の古い建物は、季節の花々や草木で優しく飾られています。村には13世紀から15世紀にかけての建物が多いそうです。
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枝振りが特徴的なこの黄色い花がいたるところで咲いていました。日本では見かけない花ですね。
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屋根が急勾配で、屋根裏部屋のある家を多く見かけました。どの家も個性的です。
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あのラポピー家の城砦跡に行ってみましょう。船からあの城砦跡は見えませんでしたが、村に着いてこの場所に立ってみると、城を作るのに理想的な場所であることがわかります。ラポピーの岩です。
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民家の軒先にあったのは、葡萄を搾る機械です。随分古そうですね。
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おっと、大きなトンボにも遭遇しました。
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ラポピー城砦跡に向かって歩いています。眼下の大きな建物は確か、ツーリストインフォメーションだったような記憶です。
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昨日ペシュメルルでも撮ったフランスの雑草がここでも岩間に沢山咲いていました。つたの緑も美しいですね。
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だいぶ上ってきましたよ。建物が整然とではなく、思い思いの方向に建っているのが印象的です。一つ一つに存在感があります。「私は、ここにいますよ」と控えめながら主張しているみたい。良く見ると石造りだけではなく、木骨の家もありますね。
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城砦跡の一番高いところから見た村の山側部分です。
真下に見えるのが、村で唯一の広場ソンブラル広場Place Sombral。パラソルのないレストランは暑そうですね。もうお腹がすいたのか、男性陣は、レストランを物色中です。 -
ロット川の上流方面を眺めます。水の色が青く滑らかで、まるで湖水のよう。川の左側にTour de Fuareの町が見えます。あそこから歩いたら、40分以上かかるのではないかしら?
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こちらは下流方面です。今日はこの先から川を上ってきました。観光船が見えていますね。
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城砦跡の案内絵です。全部で2、3枚あったような記憶があります。今日は素晴らしいお天気で、空気も澄んでいるので、絵に描かれたものに勝る景色が広がっています。
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午前中に船から見上げたサン・シル教会。ロマネスク様式で建てられましたが、15世紀にゴシックに改修されています。今回は団体で訪れたので行きませんでしたが、美しいステンドグラスがあるそうですよ。
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こちらから見ると、教会の先が断崖絶壁であることを感じさせませんね。教会のある場所が、村で比較的低いところというのも珍しいですね。
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アルビ以来のレストランの品定めに随分と時間をかけてしまいました。決まりきった定食メニューもありましたが、ここでないと食べられないものを求めて、ワイン、フォアグラ、チーズが揃ったお店に入ることが決定です。
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Nちゃんが頼んだのは、メインがオムレツ。
このケルシー地方の特産品Le cabécouというヤギのチーズとにんじんのサラダ、どっさりポテト、サラダ菜は各メニュー共通です。 -
Jappyはフォアグラ・ステーキのサラダです。
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私のは、フォアグラのパテと鴨肉がメイン。美味しかったけれど、どうせならステーキの方が良かったかも。メニューが読めないと損をしますね。チーズは少しくせがあり、塩分がきつかったので、全部食べられませんでした。
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別腹デザートとは言いますが、これは見ただけでお腹が一杯になりそう・・・
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地元のワインを飲みながら優雅に食事をしていたら、あらら何時の間に・・・満員だったお店もお客さんが殆どいなくなっていました。
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狭いけれど、れっきとした村のメインストリートです。シーズン前の平日だというのに、この人出。土日ならもっと混雑するんでしょうね。
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町中の建物が、優しく植物でくるまれている様な、サン・シル・ラポピーです。ケルシー地方は胡桃が有名。こちらは胡桃を使ったワインや化粧品、石鹸などを売るお店でした。
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何気ない花々の間で・・・
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葡萄がすくすくと育っていました。
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珍しく誰もいない小道を見つけました。オレンジの百合の仲間が咲き乱れていました。
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なんて素敵なベランダでしょう!何百年もたった家の中では、確かな日常が今も営まれているんでしょうね。
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あっという間の3時間。食事に時間をかけすぎたきらいがありますが、もう帰る時間になってしまいました。まだ出航まで時間があることを予め知っていたなら、もう少しここに残るんだったなあ・・・
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教会の下のほうにも町並みが続いていたんですね。先ほど、城砦跡から見たときには気がつきませんでした。あそこを歩きたかったなと、またいつもの後ろ髪を引かれる思いが募ります。
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トゥール・ド・フォールからの道路から初めてサン・シル・ラポピーの町が全貌を現す場所で1枚。ここから見ると教会が一番高いところにあるように見えるから不思議。ロット河岸からは見えない位置にある、山懐に抱かれた町の姿はなんともいえない安心感に満ちています。
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刻々と変わる町の表情も、これも見納めです。
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出航までまだ時間があるとわかって、トゥール・ド・フォールの町までお散歩に出かけました。ロット川にかかる緑の橋を渡ります。
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広々とした畑ではスプリンクラーが廻っていました。聞こえるのは水の音だけ。
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ブージエでも見た廃線となった線路を渡ります。ロット渓谷沿いを走るケルシー鉄道は1880年代に開通。カオールから上流のカプドナックまでの70km余りをディ−ゼル機関車が走っていました。しかし、鉄道設備の老朽化、渓谷沿いで見通しが悪い、トンネルが多い等の安全性の問題、乗客の減少などの要因が重なり、2003年末で休止(事実上の廃線)となりました。
この建物はかつての駅舎だったのかなあ。庭の手入れがされているのを見ると、どなたか住んでいるようです。 -
カオールからの鉄道代行バスが留まる停留所です。1日4〜5便あったと思いますが、使い勝手はあまりよくありません。
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トゥール・ド・フォールの地図がありました。ブージエにサン・シル・ラポピー、昨日行ったペシュメルルのあるCabreretsの町の位置関係がよくわかりました。サン・シル・ラポピーを過ぎた辺りでロット川に合流するセレ川Le Celeには、この後フィジャックで再会することになります。
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村のメインストリートを歩きますが、何にもないところです。それが良いのかも。どの村にも1軒はあるパン屋さんを訪ね、夕飯のパンを買いました。道端にあったこの建てもの、非常に天井が低く、地面にめり込んでいるように見えます。
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村役場は立派。少なくとも昨日のブージエよりはフランスのお役所らしい佇まいです。
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夕方出航です。ロット川クルーズの終点あたりまでボートを進ませ、そこからUターンして、ブージエまで戻ります。ロット川の渓谷美をここでも堪能しました。
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ボートの方向を変えて、今度は川下に向かって進みます。同じ景色でも、方向が違うと、別の景色に早変わり。
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流れの速い浅瀬で、釣りをしている人がいました。水深20cm位しかないみたいです。
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サン・シル・ラポピーの手前にある水門の入口には、粉挽き小屋が建っていました。それを抜けると・・・
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再びこんにちは!そしてさようなら!
今度こそサン・シル・ラポピーの見納めです。 -
サン・シル・ラポピーを過ぎて暫く行くと、川面にうっすらと霧がかかり始めました。鏡のように穏やかな川面に、景色と霧が綺麗に写って、それはそれは幻想的でした。
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光線に縁取りされた緑色が素晴らしいでしょう?
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行きに通った曳船道に差し掛かりました。朝は歩かなかったので、今度は上陸します。思ったほど横幅がありません。狭いところではすれ違うのがやっと。広いところでもせいぜい1.5mといったところかなあ。
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手作りならではの味わい深い道ですねえ。
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岩が硬かったのか、この辺りには道具の跡が沢山ついていました。
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ダニエル・モニエ氏 Daniel Monnier の作った浅浮き彫りがある場所までやってきました。それは、海の底の景色のようでした。渦潮あり、アンモナイトあり、植物ありの不思議な世界です。
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ところどころ石が磨かれて表面がつるつるしている部分があって、思わず触ってみたくなりました。この浅浮き彫りが見られるのは、曳船道のほんの一部ですが、どこにも立て札も案内板もないところがいいですね。曳船道の壁にあるこのオブジェは、ロット川の環境を守ろうとする作者の強い信念がこもった作品でもあります。
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朝とは異なった表情で、素晴らしい渓谷が出迎えてくれました。ただいま〜、ブージエ! 昨夜と同じ場所に今夜も停泊します。
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蛇足ながら、今晩の夕食は、ツナとトマトのサラダと・・・
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ローストチキンでした!美味しそう!
明日は私にとってはクルーズ最終日。イタリア、フランス、スペイン勝手気ままな町歩きのたび その46 ル・ロット カオール〜サン・シル・ラポピー(3)で続きをどうぞ!
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