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 10月某日、南紀白浜『むろべ』に宿泊した。ここは和歌山県西牟婁郡白浜町。よって”牟婁の辺”ということで名前が付いたと思われる。和歌山県教育互助会の宿泊施設である。当然のことながら利用者のほとんどは和歌山県の教育関係者である。<br /> 南紀白浜は日本三古湯に数えられる全国有数の温泉地である。町内には百軒近くの温泉宿がひしめいているが、そのなかで『むろべ』を利用する者にとって利便なのは安価であることが第一の理由である。一泊二食付で11、000円から13,000円と16,000円の三段階の料金設定なのである。食事内容により料金が分かれており、ヘルシーコース、基本コース、満腹コースとなっている。しかもこれは一般利用者の料金であって互助会の会員ならこの半額以下で利用することができる。<br /> わが家は現職会員と退職会員と同行一人という設定で合計三人の利用で18,000円の支払いで済んだ。これは一般の温泉旅館の平日の一人分の料金である。皆小食なのでヘルシーコースの食事を注文したが、基本コースの夕食の献立を次に記しておくと、先付(胡桃豆腐)、前菜(三種盛り)、向付(三種盛り)、焚合(鯛カマ煮付け)、焼き物(鱈柚庵焼)、洋皿(帆立と秋刀魚の梅ソース)、焜炉(熊野牛みぞれ煮)、蒸し物(温泉入り茶碗蒸し)、止椀(土瓶蒸し)、香の物(三種盛り)、水菓子(季節の物)となっている。ヘルシーコースはこれより2品少ないだけだが、これでも充分満腹になってしまった。もちろん美味なのは云うまでもない。<br /> 温泉は『甘露の湯』と銘々された源泉かけ流しの食塩重曹泉である。湯質はトロトロ。湯から上がってもいつまでも温かさは消えない。そんな湯に浸かって美味しい食事をいただいて三人で18,000円ならなにも文句はないのである。<br /> 一泊した翌日は白浜観光に向う。南紀白浜は観光名所が多い。<br /> 名勝としては千畳敷、三段壁、円月島がある。アミューズメントパークとしてはアドベンチャーワールドとエネルギーランドであろうか。文化施設は南方熊楠記念館と京都大学水族館である。この中で以外と知られていない二つについてここで記しておきたい。アドベンチャーワールドで飼育しているパンダと南方熊楠記念館についてである。<br /> パンダといえば上野公園のパンダが有名であるが、南紀白浜のパンダは知られていないのである。パンダの頭数は上野公園のパンダよりも多いのにもかかわらずである。<br /> アドベンチャーワールドへパンダがやってきたのは1994年(平成6年)。このパンダは永明と名付けられる。この永明のお嫁さんとして2000年に梅梅が中国よりやってきた。この2頭の繁殖をはかったアドベンチャーワールドで良浜と雄浜という赤ちゃんが2年に渡り相次いで生まれる。さらに2003年には双子のパンダ、隆浜と秋浜が生まれたのである。さらに2005年には幸浜が生まれ、翌年にはまた双子の赤ちゃん愛浜と明浜が生まれるのである。良浜は成長の後、2008年に梅浜と永浜という双子の赤ちゃんを親を真似るように産んでいる。2010年にはまた海浜、陽浜という双子を出産し、さらに2012年には優浜というメスのパンダまで産んだのである。このようにアドベンチャーワールドでは絶滅危惧種に指定されているパンダの繁殖に多く成功している。上野のパンダだけが注目を浴びているが南紀白浜はパンダの宝庫なのである。<br /> 亡くなったパンダや中国に里帰りしたパンダもいるが、現在5頭が飼育されており縫いぐるみのような可愛い姿を見ることができるのである。<br /><br /> 次に行ってみたいのは南方熊楠記念館である。<br /> 南方熊楠(みなかたくまぐす)は一部の知識人には知られた人物であるが、一般的にはあまり知られていないのが残念でならない。民俗学者・柳田国男と並ぶ『知の巨人』なのである。<br /> 小保方晴子氏のSTAP細胞問題で英国科学誌『ネイチャー』に論文が掲載されたことが話題になったが、南方熊楠は明治時代にこの『ネイチャー』に論文が載った先駆的な科学者なのである。<br /> 綾瀬はるか主演のドラマ『JINー仁ー』の主人公・南方先生はこの南方熊楠の苗字を採ったものである。<br /> 1867年(明治維新の前年)、和歌山市に生まれた南方熊楠は幼少の頃より俊才の誉れ高く、和歌山中学から現在の開成高校に進み東京大学へと進学している。東京大学での同級生には夏目漱石、正岡子規、秋山真之等がいた。その後アメリカ及びイギリスへ留学し、帰国後は故郷和歌山の田辺市に居住し、在野において研究に邁進した。豊かな熊野や南紀の海を愛し環境保護運動にも力を入れた。日本にエコロジーという考え方を広めたのは南方熊楠に始まると云われている。明治の時代にエコロジーを唱えたのである。平成の時代のエコロジーではないところが、いかに南方熊楠が凄いかが分かるというものである。<br /> 言語は19言語を操ったといわれており民俗学の分野においても博学であり柳田国男との論争はあまりにも有名である。<br /> そんな南方熊楠を知るためにもぜひ南方熊楠記念館を訪ねてみることをお薦めする。<br /> 番所岬(ばんしょみさき)の山の上に建つ記念館からは南紀の海や熊野の山々を遥か仰ぎ見ることができる。そんな自然の中に身を置くと、南方熊楠が自然を愛した理由が身に染みて分かるのである。<br /> 南紀とは、そういう土地だと多くの人に知ってもらいたいのである。<br /> <br /> ”熊楠”。その名にあるように、クマとクスノキ。これは取りも直さず、動物と植物、を意味し、自然そのものを意味した”名前”ではないだろうか。<br /> 稀代の博物学者、南方熊楠は南紀だけにとどまらず、世界的な歴史に残る碩学なのである。<br /><br /><br />

南紀白浜観光案内

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2014/10/18 - 2014/10/19

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nakaohideki

nakaohidekiさん

 10月某日、南紀白浜『むろべ』に宿泊した。ここは和歌山県西牟婁郡白浜町。よって”牟婁の辺”ということで名前が付いたと思われる。和歌山県教育互助会の宿泊施設である。当然のことながら利用者のほとんどは和歌山県の教育関係者である。
 南紀白浜は日本三古湯に数えられる全国有数の温泉地である。町内には百軒近くの温泉宿がひしめいているが、そのなかで『むろべ』を利用する者にとって利便なのは安価であることが第一の理由である。一泊二食付で11、000円から13,000円と16,000円の三段階の料金設定なのである。食事内容により料金が分かれており、ヘルシーコース、基本コース、満腹コースとなっている。しかもこれは一般利用者の料金であって互助会の会員ならこの半額以下で利用することができる。
 わが家は現職会員と退職会員と同行一人という設定で合計三人の利用で18,000円の支払いで済んだ。これは一般の温泉旅館の平日の一人分の料金である。皆小食なのでヘルシーコースの食事を注文したが、基本コースの夕食の献立を次に記しておくと、先付(胡桃豆腐)、前菜(三種盛り)、向付(三種盛り)、焚合(鯛カマ煮付け)、焼き物(鱈柚庵焼)、洋皿(帆立と秋刀魚の梅ソース)、焜炉(熊野牛みぞれ煮)、蒸し物(温泉入り茶碗蒸し)、止椀(土瓶蒸し)、香の物(三種盛り)、水菓子(季節の物)となっている。ヘルシーコースはこれより2品少ないだけだが、これでも充分満腹になってしまった。もちろん美味なのは云うまでもない。
 温泉は『甘露の湯』と銘々された源泉かけ流しの食塩重曹泉である。湯質はトロトロ。湯から上がってもいつまでも温かさは消えない。そんな湯に浸かって美味しい食事をいただいて三人で18,000円ならなにも文句はないのである。
 一泊した翌日は白浜観光に向う。南紀白浜は観光名所が多い。
 名勝としては千畳敷、三段壁、円月島がある。アミューズメントパークとしてはアドベンチャーワールドとエネルギーランドであろうか。文化施設は南方熊楠記念館と京都大学水族館である。この中で以外と知られていない二つについてここで記しておきたい。アドベンチャーワールドで飼育しているパンダと南方熊楠記念館についてである。
 パンダといえば上野公園のパンダが有名であるが、南紀白浜のパンダは知られていないのである。パンダの頭数は上野公園のパンダよりも多いのにもかかわらずである。
 アドベンチャーワールドへパンダがやってきたのは1994年(平成6年)。このパンダは永明と名付けられる。この永明のお嫁さんとして2000年に梅梅が中国よりやってきた。この2頭の繁殖をはかったアドベンチャーワールドで良浜と雄浜という赤ちゃんが2年に渡り相次いで生まれる。さらに2003年には双子のパンダ、隆浜と秋浜が生まれたのである。さらに2005年には幸浜が生まれ、翌年にはまた双子の赤ちゃん愛浜と明浜が生まれるのである。良浜は成長の後、2008年に梅浜と永浜という双子の赤ちゃんを親を真似るように産んでいる。2010年にはまた海浜、陽浜という双子を出産し、さらに2012年には優浜というメスのパンダまで産んだのである。このようにアドベンチャーワールドでは絶滅危惧種に指定されているパンダの繁殖に多く成功している。上野のパンダだけが注目を浴びているが南紀白浜はパンダの宝庫なのである。
 亡くなったパンダや中国に里帰りしたパンダもいるが、現在5頭が飼育されており縫いぐるみのような可愛い姿を見ることができるのである。

 次に行ってみたいのは南方熊楠記念館である。
 南方熊楠(みなかたくまぐす)は一部の知識人には知られた人物であるが、一般的にはあまり知られていないのが残念でならない。民俗学者・柳田国男と並ぶ『知の巨人』なのである。
 小保方晴子氏のSTAP細胞問題で英国科学誌『ネイチャー』に論文が掲載されたことが話題になったが、南方熊楠は明治時代にこの『ネイチャー』に論文が載った先駆的な科学者なのである。
 綾瀬はるか主演のドラマ『JINー仁ー』の主人公・南方先生はこの南方熊楠の苗字を採ったものである。
 1867年(明治維新の前年)、和歌山市に生まれた南方熊楠は幼少の頃より俊才の誉れ高く、和歌山中学から現在の開成高校に進み東京大学へと進学している。東京大学での同級生には夏目漱石、正岡子規、秋山真之等がいた。その後アメリカ及びイギリスへ留学し、帰国後は故郷和歌山の田辺市に居住し、在野において研究に邁進した。豊かな熊野や南紀の海を愛し環境保護運動にも力を入れた。日本にエコロジーという考え方を広めたのは南方熊楠に始まると云われている。明治の時代にエコロジーを唱えたのである。平成の時代のエコロジーではないところが、いかに南方熊楠が凄いかが分かるというものである。
 言語は19言語を操ったといわれており民俗学の分野においても博学であり柳田国男との論争はあまりにも有名である。
 そんな南方熊楠を知るためにもぜひ南方熊楠記念館を訪ねてみることをお薦めする。
 番所岬(ばんしょみさき)の山の上に建つ記念館からは南紀の海や熊野の山々を遥か仰ぎ見ることができる。そんな自然の中に身を置くと、南方熊楠が自然を愛した理由が身に染みて分かるのである。
 南紀とは、そういう土地だと多くの人に知ってもらいたいのである。
 
 ”熊楠”。その名にあるように、クマとクスノキ。これは取りも直さず、動物と植物、を意味し、自然そのものを意味した”名前”ではないだろうか。
 稀代の博物学者、南方熊楠は南紀だけにとどまらず、世界的な歴史に残る碩学なのである。


旅行の満足度
5.0
観光
4.0
ホテル
4.0
同行者
家族旅行
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車
  • むろべの客室

    むろべの客室

  • フロントロビー

    フロントロビー

  • 大浴場『甘露の湯』入口

    大浴場『甘露の湯』入口

  • ヘルシーコースの夕食。まだ全部出揃っていない。途中経過である。

    ヘルシーコースの夕食。まだ全部出揃っていない。途中経過である。

  • 部屋の窓からの眺望。全室オーシャンビューである。

    部屋の窓からの眺望。全室オーシャンビューである。

  • 名勝・円月島

    名勝・円月島

  • 名勝・三段壁

    名勝・三段壁

  • 名勝・千畳敷

    名勝・千畳敷

  • アドベンチャーワールドのパンダ。現在5頭が飼育されている。

    アドベンチャーワールドのパンダ。現在5頭が飼育されている。

  • 番所岬の山の上に建つ「南方熊楠記念館」入り口。

    番所岬の山の上に建つ「南方熊楠記念館」入り口。

  • 南方熊楠記念館で売られている書籍の一部。

    南方熊楠記念館で売られている書籍の一部。

  • 南方熊楠の写真。

    南方熊楠の写真。

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