2014/10/28 - 2014/10/28
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ペコちゃんさん
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一度は行ってみたかった西沢渓谷・・・シャクナゲの花が咲く新緑の頃も良いのですが、紅葉の時期は最高・・・今回のハイキングで、念願が叶いました。
快晴の秋の一日、トレッキング仲間の10名と車2台で出発し、国道140号で秩父から滝沢ダムを通り、出会いの丘で休憩した後、雁坂トンネルを通って西沢渓谷へ。
滝や淵が続く渓谷だけでも十分楽しめますが、紅葉の時期は、本当に見事!・・好天に恵まれ、山々を彩る紅葉を見ていると、身体まで染まりそうでした。
写真は、西沢渓谷「三重の滝」の渓流と美しい紅葉。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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6時に地元を出発して秩父に向かい、7時44分に三峰神社の鳥居横を通過・・・この国道140号は、熊谷から秩父を経由して、山梨県南巨摩郡富士川町に至る一般国道です。
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鳥居から10分で、ループ橋まで来ました。
平成10年に竣工し、正式名は「雷電廿六木橋(らいでんとどろきばし)」。
橋の先にある滝沢ダム建設に伴い、国道140号の付け替えで造られた橋です。 -
「雷電」の名称は、秩父地方に伝わる「でえだんぼう」伝説に由来し、「廿六木」の名称は、道路付け替えで移転を余儀なくされた集落の名に因むものです。
滝沢ダムの堰堤から見ると、ループ橋の形がよく分かります。 -
滝沢ダムは秩父を流れる荒川水系・中津川に建設されたダム・・・ダム湖の名前は一般公募で命名された「奥秩父もみじ湖」で、ダムの堰堤は高さが132m、長さが424m。
この多目的ダムは、荒川の治水と東京都・埼玉県への利水を目的に造られ、ダムの規模としては埼玉県内最大で、平成20年から運用されています。 -
平成10年にダム湖を横切るように架設された「中津川大橋(207m)」を渡ると、大峰トンネルへ入ります。
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水車がある、のどかな風景。
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8時14分に、彩甲斐街道・「出会いの丘」に到着。
駐車場脇には「あらかわ1」墜落事故殉職者慰霊碑と、その奥にヘリポートがあります。
平成22年に、乗員7名の防災航空隊ヘリコプターが、滝つぼに滑落した女性を救助中に墜落して5人が亡くなり、それを取材に向かったヘリコプターが墜落して記者2人が亡くなる、という記憶に新しい悲しい出来事でした。
慰霊碑の前には、埼玉県の地図が描かれています。 -
ここの紅葉も見事です。
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折角なので、少し下まで歩いて来ました。
これは、長さが220mの豆焼橋。 -
橋のたもとにある、お地蔵さん。
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豆焼橋から、長さが248.mの「雁坂大橋」も見えます。
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慰霊碑に戻る途中の、紅葉と青空のコントラストが素晴らしい!
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標高2,082mの雁坂峠は、埼玉県秩父市と山梨県山梨市の境にある奥秩父山域の峠で、北アルプス越えの「針ノ木峠」(2,541m)、南アルプス越えの「三伏峠」(2,580m)と共に、日本三大峠の一つになっています。
現在は、平成10年に開通した「雁坂トンネル」で峠の真下を通過出来ますが、それまでは、この峠を自動車では通行することは出来ず、「開かずの国道」と言われ、峠を越えるハイキングルートが国道140号に指定されていました。 -
一般国道の山岳トンネルとしては、日本一の長さ(6,625m)。
トンネルの中間に県境があり、5分以上かかって雁坂トンネルを抜け、山梨県側の石楠花橋を渡ると、料金所があります。 -
雁坂トンネルは有料区間で、山梨県が料金の徴収を行っています。
730円は、チョット高い(? ) -
その先は、大きくヘアピンカーブを描き、紅葉と共に広瀬ダムのダム湖が見えてきます。
富士川水系・笛吹川の広瀬ダムは、昭和50年に竣工した山梨県営のダム。 -
9時前に、広い駐車場がある「西沢渓谷 蒟蒻館」に到着。
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駐車場からは、美しい紅葉と共に、鶏冠山(とさかやま)が望めます。
第一岩峰(1,986m)、第二岩峰(2,115m)、第三岩峰(2,177m)があり、山頂がニワトリのトサカのように見えることから、この名前が付けられ、山梨百名山のうちでも最も険しく、手つかずの自然が残されているようです。
また、甲州市(旧塩山市)に同じ漢字の鶏冠山(標高1,716m)がありますが、山名は「けいかんざん」です。鶏冠山 自然・景勝地
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駐車場の見事な紅葉。
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9時にハイキングのスタート。
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ハイキングコースは、危険防止のため、反時計回りの一方通行が推奨されています。
渓谷の滝や淵を見ながら笛吹川の右ルートを歩き、最奥部からの折り返しからは、レールが残っている反対側の森林鉄道跡の緩やかな道を辿り、西沢渓谷の入口に戻ってきます。 -
西沢渓谷は、秩父多摩甲斐国立公園内にあって、原生林を流れる渓流が、巨大な花崗岩を浸食して、いくつもの滝や淵を作っており、国内屈指の渓谷美を誇る景勝地です。
これは、秋を告げるナナカマドの実。西沢渓谷 自然・景勝地
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渓谷入口にある「西沢渓谷 開拓者」の碑。
西沢渓谷の開発は、昭和37年に西沢と東沢の接点に近い「ナレイ沢」から始まりました。
当時、ここからは道がなかったので、ノミで岩に穴を掘ったり、橋をかけたりして、完成までには大変な苦労がありましたが、そのお蔭で、現在では遊歩道も整備され、ハイキングが容易になりました。 -
美しい紅葉を見ながら・・・
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先ほど車で通った西沢大橋をくぐり・・・
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右側の「なれいの滝」を見ながら進んで・・・
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9時半に「ネトリ広場」に到着。
ユニークな形の建物は、トイレ。
ハイキングコースを1周すると、帰りに再びここで合流します。 -
鳥瞰図にある左側の西沢渓谷は有名ですが、右側の東沢渓谷は知りませんでした。
東沢渓谷への入口には「立入禁止」の警告があり、沢登りの技術や経験のない人は、遭難の危険があるそうです。西沢渓谷 自然・景勝地
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西沢渓谷は、三重の滝・竜神の滝・恋糸の滝・貞泉の滝などの名をもつ滝が続き、圧巻は、この看板写真の七ツ釜五段の滝です。
西沢渓谷 自然・景勝地
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広場の一角に、山の神の祠があるので、お詣りして出発。
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右の道は、甲武信ヶ岳に続いています。
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田部重治(たなべ じゅうじ)文学碑。
富山県出身の英文学者・登山家の田部重治(明治17年~昭和47年)は、登山家として日本アルプスや秩父山地を歩き、昭和5年に『山と渓谷』を出版し、笛吹川の渓谷美を世に紹介しました。 -
文学碑には『笛吹川を遡る』の一節が刻まれています。
” 見よ 笛吹川の渓谷は 狭り合って上流の方へ 見上ぐるかぎりの峭壁をなし
其間に湛へる流れの紺碧の色は 汲めども盡きぬ深い色をもって 上へ上へと続いて居る 流れはいつまで斯の如き峭壁に さしはさまれてゐるだろうか ” -
” あ~痛い 痛みも怪我も 自己責任 ” ・・・分かりやすい言葉ですね。
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ネトリ広場の合流地点を直進して10分程歩いて行くと、長さ15mの二俣吊橋があります・・・まるで、紅葉のトンネル!
沢はこの辺りで、右の東沢と左の西沢に別れます。西沢渓谷 自然・景勝地
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二俣吊橋から上流を望むと、険しい山容の鶏冠山が見えます。
鶏冠山 自然・景勝地
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ここまでは平坦な道でしたが、二俣吊橋を渡ると道が険しくなります。
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そして、いよいよここから、本格的な渓谷美が始まります。
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吊橋を渡り、少し歩くと大久保の滝があります。
木々の間から少しだけ見える地味な滝ですが、ここが西沢渓谷最初のビューポイント。
ここから先に、見どころが次々と現れます。西沢渓谷 自然・景勝地
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滝見台から見る渓流は、まさにエメラルド・グリーン。
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幅広の川が三段に流れ落ちる「三重の滝」。
三重の滝 自然・景勝地
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流れを見ていると、その迫力に引き込まれそう。
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渓流歩きは寒いので、皆さん手袋を着用。
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紅葉と渓谷の美しさが、何とも言えません。
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清流のマイナスイオンを浴びながら進みます。
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「フグ岩」
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「ウナギの床」
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「人面洞」は、岩肌に自然が刻んだ模様が、人の顔に見えるところから、その名が付いた様です。
目を凝らしてじっと岩肌を見つめていると、色々な所から人面が見えて来そうです。・・・心霊写真みたいで、ちょっと不気味? -
滑り落ちそうな所には、鎖が設けられています。
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上を見上げれば、ご覧のような紅葉。
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落差約7mの「竜神の滝」。
往路の大半は、渓流を左手に見ながら歩いたり登ったりですが、素晴らしい景色や見どころが一杯で、写真愛好家は休む暇がありません。竜神の滝 自然・景勝地
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こんな険しい道も多く、ハイキングというより、アドベンチャー(?)
通行禁止期間(12月1日~翌年4月28日)でもやって来る人が多く、毎年、数名が滑落して亡くなっています。 -
足場の悪い場所には、この注意書きが何か所も鎖に付けられています。
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対岸の山から流れ落ちる「恋糸の滝」・・・渓流の滝も見事ですが、こんな静かな滝も惹かれます。
恋糸の滝 自然・景勝地
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大きな音を立てて激しく流れ落ちる滝は「貞泉の滝」・・・迫力のある滝つぼは、このハイキングのハイライトの一つです。
貞泉の滝 自然・景勝地
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ダイナミックな西沢の流れ。
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小さな滝と淵。
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「母胎渕」は、西沢の浸食によって作り上げられた、沢の中のほら穴(歐穴)です。
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左右の山から、このような流れが渓流に注いでいます・・・冬の雪と保水力がある自然林のおかげで、渓流が潤っているのですね。
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3匹の親子ガエルが、重なっている様に見える「カエル岩」・・・今にもゲコゲコと、鳴き声が聞こえてきそうです。
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カエル岩を過ぎると、すぐ先に「方丈橋」があります。
橋を渡り、西沢を今度は右手に見ながら進むと、いよいよ一番の絶景が待っています。 -
「七ツ釜五段の滝」は、名前の通り、5段に分かれた滝が轟音と共に、豪快な水しぶきを上げながら流れ落ちる圧巻の滝で、日本の滝百選にも選ばれています。
滝全体は一直線でないため、5つの滝を同時に眺める事は出来ませんが、滝の周りに沿ったハイキングコースからは、場所によって滝の上流部と下流部をそれぞれ眺めることが出来ます。
これは下流部・・・その力強く美しい滝の姿に、時間を忘れて見入ってしまいます。七ツ釜五段の滝 自然・景勝地
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こちらは上流部。
今年2月の記録的な豪雪で、ここの滝見橋が破損しましたが、7月から全面通行可能になりました。七ツ釜五段の滝 自然・景勝地
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「不動の滝」は、ハイキングコースの最後の滝。
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不動の滝を過ぎて、急な斜面の長い階段を登って行くと、もうすぐ終点。
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階段を登りきって、11時20分に折り返し地点に到着。
昔のトロッコ軌道跡が残る山道が、帰りのルートになります。
ここには、テーブルやベンチもあって、既にお弁当を広げて楽しむハイカーで賑わっています。
私達も、ベンチに座って昼食タイム。 -
テーブルの先にある左の道は、黒金山(2,231m)の登山道入口。
この辺りには、沢山のシャクナゲが自生しています・・・初夏には綺麗な花を咲かすことでしょう。 -
12時になり、折り返し地点から旧森林軌道のフラットな道を、緩やかに下って行きます。
これは「さわぐるみ橋」。 -
橋から望む紅葉と鶏冠山の絶景。
鶏冠山 自然・景勝地
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これがサワグルミの木・・・名前の通り、沢など山間の湿った場所に生え、樹高は30mほどになります。
クルミと名が付いても、食用にはならず、建材・パルプ・下駄・マッチの軸などに利用されています。 -
少し行くと「しゃくなげ橋」があり・・・
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ここからも、七ツ釜五段の滝が見えました。
七ツ釜五段の滝 自然・景勝地
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道が狭くなり、注意しながら歩きます。
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素晴らしい紅葉の世界が続きます。
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紅葉の先に聳える鶏冠山。
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途中の道端に、「いこりころばし」や「ひこいっちゃんころばし」の看板があります。
猪虎狸さんはトロッコと、彦一さんは馬と共に沢に転落したそうですが、いずれもケガで済んだそうです。 -
「めがね岩」・・・眼鏡にみえるような、みえないような・・・
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大展望台に着きました。
ここからの展望は、雄大です。
左が鶏冠山(2,115m)、中央は木賊山(とくさやま:2,468m)、右に少し写っているのは破風山(はふさん:2,318m)。鶏冠山 自然・景勝地
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錦のような木々・・・まさに錦秋です。
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県有林の木材搬出のため、旧三富村とJR塩山駅を結んだトロッコ軌道は三塩(さんえん)軌道と呼ばれ、全長は30kmありました。
昭和8年から昭和43年まで、馬に引かれたトロッコが行き来し、木材だけでなく、炭・薪・繭の搬出や米など生活物資の搬入、黒金山の鉱石・鶏冠山の硅石の運搬にも利用されました。
その軌道のレールが、登山道になっている今でも、かなり残っています。西沢渓谷 自然・景勝地
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これは、栂(つが)の大木。
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スタート地点と同じように、西沢渓谷・山の神の祠がありました。
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この場所は三塩軌道の時代に、災害など常に修復が必要だったために、付いた名前が「奥悪沢」。
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ネトリ大橋まで下りて来ました。
この橋を渡ると、朝の合流点・ネトリ広場は、すぐです。 -
ネトリ大橋から望む上流の景色・・・朝、渡った二俣吊橋と鶏冠山が、紅葉と共にクッキリと・・・
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ネトリ大橋からの下流の景色。
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レールが残る山道を下って、折り返し地点から1時間半でここまで来ました。
今日は、雲一つない好天・・・そして、見頃の紅葉と西沢渓谷の美しい滝や沢・・・本当に素晴らしい秋の一日を楽しむことが出来ました。
そして、いつもの仲間に感謝!
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