2014/08/18 - 2014/08/23
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Takashiさん
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今年の夏の旅行としてポーランド、アイルランド、北イタリア、22日間を計画した。まとまりのない旅行先であるが、行きたくて残った場所を集めたらこうなってしまった。
ポーランド王国は14世紀から16世紀にかけて北ヨーロッパの大国であった。盛んな時期の首都はクラクフ。その後国勢は衰え、領土を分割されて消滅した時期もあった。第二次世界大戦ではナチに蹂躙され、反撃したワルシャワ蜂起も鎮圧され大きな犠牲を出した。
ポーランドでは古都クラクフでポーランド王国の栄光を偲ぶことを主目的とした。期待は満たされ、聖マリア教会の祭壇の美しさに酔った。ポーランド王国を支えた柱の一つヴィエリチカ岩塩抗も良かった。ワルシャワではキュリー夫人とショパンの生涯に思いをはせた。さらに、別に記すが、アウシュヴィッツ強制収容所で虐殺の悲劇におののいた。
ポーランドは経費も安く、費用対効果の点でも素晴らしい旅行先であった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- ショッピング
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 観光バス タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ルフトハンザドイツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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8月18日。中部空港を朝9時35分、ルフトハンザで出発、午後3時にフランクフルトに着いた。すぐにシェラトン空港ホテルにチェックイン。ここを旅の拠点とした。クラブフロアーを選んだので、午後5時からの軽食と飲み物を利用でき好都合であった。
不要な荷物を預けて、19日、朝7時45分発のルフトハンザでワルシャワへ飛んだ。9時30分着である。依頼していたホテルの車でマリオットホテルへ向かった。費用は2000円ほど。ポーランドの物価は安い。マリオットホテルはワルシャワ中央駅の隣だという便利さがある。
荷物を預けてすぐに観光に出発した。ホテルの前にいたタクシーに乗ってキュリーの博物館といった。ところが運転手はよく知らない。城壁の近くといって、やっと着くことができた。建物の壁にキュリー夫人が見つけたラジウムとポロニウムの漫画が描いてある。 -
マリ・キュリーはポーランド生まれ。苦学したのちに24歳で渡仏し、ソルボンヌ大学で学んだ。夫ピエール・キュリーらと共に放射能に関する研究でノーベル物理学賞を受賞した。さらに夫君の死去後、ラジウムとポロニウムの発見などでノーベル化学賞を受賞した。マリ・キュリーの仕事は原子核物理学の誕生に極めて重要な役を果たした。写真はマリとピエール。
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ポーランド時代のマリ。開花する前だが、ひたむきな意志力は読み取れる。
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マリ・キュリーが使った器具も展示されている。
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マリ・キュリーと娘のイレーヌ。イレーヌは夫君フレデリックと共に人工放射性元素の研究でノーベル化学賞を受賞している。マリ・キュリーは母親としても優れていたのだろう。
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博物館を出て旧市街に向かった。まずは旧市街を取り囲んだ城壁を見物。
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旧市街は第2次世界大戦で破壊されたが忠実に復旧され世界遺産となった。広場に剣を抜く人魚像がある。近くの王宮に入って一通り観光した。
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ホテルに帰り、部屋に入った。部屋は眺めの良い位置にあり、ワルシャワが見渡せた。近くの大きな建物は文化科学宮殿。
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8月20日、朝8時35分発の列車でクラクフへ。到着は11時51分。車窓には田園風景が広がった。
クラクフ駅からタクシーでシェラトンホテルに向かった。ポーランドではたまに悪質なタクシーがいるというので、ここでは用心していた。いかにもタクシーらしい、すなわち車体に会社の名前や電話番号が書いてある車を選べば大丈夫という記事を読んだのでそれに従った。実際、何の問題も起きなかった。ホテルはヴァヴェル城の近くにある。 -
荷物を預けてタクシーで旧市街へ。目標は聖マリア教会である。13世紀の終わりから15世紀の初めに建てられたゴシック式建築でポーランド王国の栄光を今日に伝えている。2つの塔があり高いほうの塔は82メートル。1時間ごとにラッパが吹き鳴らされる。
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正面から眺めた。
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中に入ると想像以上の荘重さで驚いた。
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上を見上げた。
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内陣に名高いヴィト・ストフォシュ作の祭壇がある。1477−1489年の間に作られた。ゴシック後期から北方ルネサンスへの転換期の作品だ。
11 X 13メートルと巨大な木彫りの彫刻である。彩色は深い青と金を基調としていて美しく神秘的だ。
中央にマリアの眠り、被昇天、戴冠が彫られ、左には受胎告知、キリストの誕生、東方3博士の礼拝、そして右にはキリストの復活、昇天、精霊の降臨がある。 -
イチオシ
マリアの眠り。
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イチオシ
マリアの被昇天。
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マリアの戴冠。
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受胎告知。
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キリストの誕生。
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東方三博士の来訪。
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精霊の降臨。
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十分に満足してホテルへ帰った。大した距離ではないので歩いて行った。
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夕方になっても天気は晴れ。明日からは天候が悪化するというので、今日のうちにヴァヴェル城の外観を見ることにした。ここには王宮と大聖堂がある。見事な景色だ。
ついでに大聖堂も見学した。王様の墓所は迫力があった。残念ながら撮影禁止。 -
イチオシ
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8月21日 アウシュヴィッツとヴィエリチカ岩塩抗、2つの世界遺産を一日で見る日である。
Krakow Shuttleのツアーは順調にアウシュヴィッツを見せてくれた。しかし、客たちは沈み込んだ。アウシュヴィッツについては別に記す(http://4travel.jp/travelogue/10939807)。 -
口数の少ない客たちを乗せて、バスはひた走った。第二の目的地、ヴィエリチカ岩塩抗へ急ぐのだ。お弁当は車内で食べるといったように、所要時間軽減が徹底している。ヴィエリチカはアウシュヴィッツ以上に混んでいた。どうなるかと思ったが、またもやそれほど待つこともなく入場できた。
この岩塩抗は13世紀ごろから本格的に採掘がはじまった。最盛期にはポーランド王国の収入の30%を生み出したという壮大なものである。
階段まで岩塩でできている。 -
地下300メートルまで坑道が張り巡らされている。観光客が行くのは130メートルほどまで。気温14度で寒さ対策が必要と書かれている。
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岩塩が自然のままに露出している。
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ツララのように塩が垂れ下がっているところもある。濃度の濃い塩水が蒸発してできたそうだ。
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見ものなのは坑夫たちが作ったさまざまな像である。これはコペルニクス。地動説を唱えた学者で、彼もポーランド人である。
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王様の像。
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イチオシ
地下の礼拝堂。
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イチオシ
岩塩で飾られたシャンデリア。
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聖母マリアとキリスト。
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幼いキリストを連れてのエルサレム脱出。
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最後の晩餐。
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ゲーテ。
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法王パウロ2世。ポーランド出身の法王である。これは芸術家が作った。
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お土産物屋。岩塩を使った手頃なお土産がある。
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8月21日。ヴァヴェル城の見学。切符は一定数しか発売されないので、開場時刻9時の20分前に切符売り場に行った。すでに数人が並んでいる。9時になったら長蛇の列。9時に切符を売り出したがなかなか私たちの所にならない。10分ほどしてやっと順番。希望を伝えて切符を入手した。
切符売り場を離れてよく見ると城の中心部分の英語ツアーは12時からとなっている。まさか、そんなに遅いとは思わなかった。失敗だ。ごたごたしていたのは、希望と違うチケットを断って変えてもらう人が多かったためだろう。もう一度並び直すと、どれだけ時間がかかるか分からない。どうもポーランドは公的なものが不親切だ。
とりあえず、それ以外の所を周った。白テンを抱く貴婦人の特別展示は、日本で見ているのだが、空いていてよかった。それ以外はまずまず。12時まで待つと、ホテルのチェックアウト時間を過ぎてしまう。ホテルに帰ってチェックアウトして引き返すことは可能であるが、ぎりぎりだ。所詮大したことはないだろうと中心部の展示をパスすることにした。
2時7分発の列車でクラクフを去り5時15分にワルシャワに着いた。宿はやはりマリオット。
良く考えればこの旅程は無駄なことをしている。ルフトハンザ利用なのでクラクフからそのままフランクフルトに帰ればよかった。クラクフとフランクフルトの間の飛行機便が良いことを知らなかったためだ。こうなると中程度の失敗である。 -
8月22日。朝11時に開くショパン博物館を見に行った。場合によっては予約が必要というのでメールで予約を取っていたが、不必要であった。もう観光のピークシーズンは終わったのだろうか。クラクフでは混んだ印象だったけれど。
この博物館はショパンに関する様々な資料を集めている。ショパンは1810年にポーランドで生まれ、パリで音楽家として大成した。1849年に没している。 -
若いころの肖像。繊細な芸術家の素顔だ。
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パリのサロンでピアノを弾くショパン。すっかり優雅になっている。
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ホテルに帰り、昼食代わりに美味しそうなベリーの乗ったワッフルを食べた。
6時31分発のルフトハンザで8時20分にフランクフルトに帰った。宿はシェラトン空港ホテル。預けた荷物を受け取り、詰め替えてまた預ける荷物を作った。明日からアイルランドである。
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