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伊東豊雄氏設計の多摩美術大学の図書館を見に行って来ました。一般の人は、土曜日に開放されています。以前から本で良く目にしていましたが、現地で、細かいところを納得のいくまで見ることができました。モスクのアーチを思わせる内部は柱がなく、広い館内を見渡すと斜面に建っているので、スロープを生かした面白い空間になっています。担当は伊東事務所の中山英之さん、庵原義隆さんです。<br /> 少し先ですが、毎年恒例のTDW (Tokyo Designers Week ) が、神宮外苑で10月25日〜11月3日迄行われます。建築に関するものでは、「天才建築家13組による建築模型とその提案書展」があります。伊東豊雄、隈研吾、石上純也、o+h、シーラカンス&アソシエイツ、妹島和世、谷尻誠、SANDWICH、マウントフジ・アーキテクツ・スタジオ、藤本壮介、藤森照信、平田晃久、山本理顕各氏が予定されています。27、28日は、建築家フォーラムで1対1、20分のトークセッションがあります。興味のある方は、東京デザイナーズウィークで検索すると詳細が分かります。2年前の模型展示は面白かったですよ。<br /> 現在、乃木坂のギャラリー「間」で12月20日まで展示してある『伊東豊雄展・台中メトロポリタンオペラハウスの軌跡2005-2014』は、なかなか見応えがありました。2階の展示室では、ビデオを放映していますが、工事の進行具合が見られます。今までに例のない三次元の曲面からなるチューブ状のオペラハウスです。この講演会が10月29日夕方から読売ホールで開催される予定でしたが、伊東先生の体調不良のため、中止となりました。TDWでのトークイベントも中止だったので、早いご回復をお祈りします。

伊東豊雄氏設計の多摩美術大学図書館へ

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2014/10/04 - 2014/10/04

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belledune

belleduneさん

伊東豊雄氏設計の多摩美術大学の図書館を見に行って来ました。一般の人は、土曜日に開放されています。以前から本で良く目にしていましたが、現地で、細かいところを納得のいくまで見ることができました。モスクのアーチを思わせる内部は柱がなく、広い館内を見渡すと斜面に建っているので、スロープを生かした面白い空間になっています。担当は伊東事務所の中山英之さん、庵原義隆さんです。
 少し先ですが、毎年恒例のTDW (Tokyo Designers Week ) が、神宮外苑で10月25日〜11月3日迄行われます。建築に関するものでは、「天才建築家13組による建築模型とその提案書展」があります。伊東豊雄、隈研吾、石上純也、o+h、シーラカンス&アソシエイツ、妹島和世、谷尻誠、SANDWICH、マウントフジ・アーキテクツ・スタジオ、藤本壮介、藤森照信、平田晃久、山本理顕各氏が予定されています。27、28日は、建築家フォーラムで1対1、20分のトークセッションがあります。興味のある方は、東京デザイナーズウィークで検索すると詳細が分かります。2年前の模型展示は面白かったですよ。
 現在、乃木坂のギャラリー「間」で12月20日まで展示してある『伊東豊雄展・台中メトロポリタンオペラハウスの軌跡2005-2014』は、なかなか見応えがありました。2階の展示室では、ビデオを放映していますが、工事の進行具合が見られます。今までに例のない三次元の曲面からなるチューブ状のオペラハウスです。この講演会が10月29日夕方から読売ホールで開催される予定でしたが、伊東先生の体調不良のため、中止となりました。TDWでのトークイベントも中止だったので、早いご回復をお祈りします。

旅行の満足度
4.5
同行者
友人
交通手段
高速・路線バス 私鉄

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  • 京王線橋本駅からバスで多摩美術大学に到着しました。都心からだと50分程です。<br />敷地内は広くて、自然環境に恵まれていますが、どんどん宅地開発が進んでいるので、今後どうなるか分かりません。キャンパスマップの26が図書館です。既存の図書館は、アーティストや建築家の作品や資料を保存するアーカイブとして、メディアセンター(23)と共に、メディアテークを形成する構想でした。1,2階を見学した後、丁度お昼だったので、学食でランチを食べる事にしました。

    京王線橋本駅からバスで多摩美術大学に到着しました。都心からだと50分程です。
    敷地内は広くて、自然環境に恵まれていますが、どんどん宅地開発が進んでいるので、今後どうなるか分かりません。キャンパスマップの26が図書館です。既存の図書館は、アーティストや建築家の作品や資料を保存するアーカイブとして、メディアセンター(23)と共に、メディアテークを形成する構想でした。1,2階を見学した後、丁度お昼だったので、学食でランチを食べる事にしました。

  • 正門から緩やかな傾斜を上ると直ぐに図書館があります。伊東豊雄さんは周囲の環境を考えて、大学側から提案のあった4階建てということではなく、最初は、図書館全体を地下に埋めてしまおうと考えたそうです。結局、地下1階、地上2階ということになりました。テーマは、アーチであって、アーチでないものを作るという。そして、如何にアーチを薄く作るかが課題となりました。全てスパンの違うアーチが色んな角度で交差して、二層の空間を作るという計画でした。

    正門から緩やかな傾斜を上ると直ぐに図書館があります。伊東豊雄さんは周囲の環境を考えて、大学側から提案のあった4階建てということではなく、最初は、図書館全体を地下に埋めてしまおうと考えたそうです。結局、地下1階、地上2階ということになりました。テーマは、アーチであって、アーチでないものを作るという。そして、如何にアーチを薄く作るかが課題となりました。全てスパンの違うアーチが色んな角度で交差して、二層の空間を作るという計画でした。

  • 構造設計は佐々木睦朗氏。彼からの提案で、MIKIMOTO GINZA 2で使った銅板コンクリートとは逆に、芯にスチールプレートを入れて、その両面にコンクリートを打つという方法が採用されました。

    構造設計は佐々木睦朗氏。彼からの提案で、MIKIMOTO GINZA 2で使った銅板コンクリートとは逆に、芯にスチールプレートを入れて、その両面にコンクリートを打つという方法が採用されました。

  • 建物の2面が扇形になっていて、湾曲しています。上空から見ると、本を広げたような形かもしれません。<br />この傾斜を生かし、1階の床にはそのまま続いて入って来る計画で、そのスロープをコンクリートの土間のまま仕上げてあります。

    建物の2面が扇形になっていて、湾曲しています。上空から見ると、本を広げたような形かもしれません。
    この傾斜を生かし、1階の床にはそのまま続いて入って来る計画で、そのスロープをコンクリートの土間のまま仕上げてあります。

  • 出入り口は、奥にあるもう一つの出入り口の通路にもなっていますが、単なる通路ではなく、大きな空間は、アーケイドギャラリー、コーヒーショップのあるカフェや小さなレクチャーができるスペースになっているという。単なる通り抜けの通路ではなく、人が溜まる場所にしようとしたとのことです。

    出入り口は、奥にあるもう一つの出入り口の通路にもなっていますが、単なる通路ではなく、大きな空間は、アーケイドギャラリー、コーヒーショップのあるカフェや小さなレクチャーができるスペースになっているという。単なる通り抜けの通路ではなく、人が溜まる場所にしようとしたとのことです。

  • 湾曲になった側面は、ガラス面が3パターンになっていて、ガラス面を嵌め込む時の苦労が分かるようです。

    湾曲になった側面は、ガラス面が3パターンになっていて、ガラス面を嵌め込む時の苦労が分かるようです。

  • 入口は、大きなアーチで、その中にドアがあるガラス面を支えるアーチが柱と梁となっています。

    入口は、大きなアーチで、その中にドアがあるガラス面を支えるアーチが柱と梁となっています。

  • 入り口のガラス戸を開けて、内部に入ると、広い空間が広がっています。ここも撮影禁止とは知らず、エントランス付近だけ撮ってしまいました。伊東先生、ごうかお許しください。

    入り口のガラス戸を開けて、内部に入ると、広い空間が広がっています。ここも撮影禁止とは知らず、エントランス付近だけ撮ってしまいました。伊東先生、ごうかお許しください。

  • 黒い丸いクッションと丸いテーブルのあるあたりは、小さなレクチャーができるスペース。右手はカフェと正面がコーヒーショップでしょう。

    黒い丸いクッションと丸いテーブルのあるあたりは、小さなレクチャーができるスペース。右手はカフェと正面がコーヒーショップでしょう。

  • 広い空間のアーケード・ギャラリーです。

    広い空間のアーケード・ギャラリーです。

  • 本当にアーチが直角で交差していませんね。施工業者の苦労がひしひしと伝わって来ます。

    本当にアーチが直角で交差していませんね。施工業者の苦労がひしひしと伝わって来ます。

  • イスラムのモスクは、違う角度で交差していませんから、何とも不思議な空間です。このアーチの中には、スチールプレートの芯があり、コンクリートで打ってあるのですね。フムフム...

    イスラムのモスクは、違う角度で交差していませんから、何とも不思議な空間です。このアーチの中には、スチールプレートの芯があり、コンクリートで打ってあるのですね。フムフム...

  • 向こう側にも出入り口への緩やかな傾斜は、コンクリート仕上げの土間風。こういう難しい仕事は、現場の職人本当に業者泣かせでしょう。

    向こう側にも出入り口への緩やかな傾斜は、コンクリート仕上げの土間風。こういう難しい仕事は、現場の職人本当に業者泣かせでしょう。

  • ガラスのパーテションの中へ入るには、証明書を見せて、札を貰います。ガラス板の向こうには、芸術・美術・建築などの雑誌が、マグテーブルや棚に並んでいます。内部の家具等のデザインは、同校の藤江和子さんです。撮影禁止なので、写真がありませんが、メディアバーと言ってPCが使えるコーナーやメディアシートというDVDやビデオを個別に見れる深いバックシート・チェア、ラウンジでは、10人程が寝転べる凸凹のある広いシートやAVブースなどがあります。2階へ往くと、ガラス面に個人閲覧席が並んでおり、内部にも閲覧デスクが並んでいます。このデスクや椅子は、全て合板材で出来ています。2階の大型本シェルフは湾曲していますが、約半分の面積では、一般書が所謂、図書館の本棚です。カウンターの奥は閉架書庫になっています。<br />照明器具が天井から吊るされています。床面が水平ではないので、一番高いところで7m位あるようです。柔らかい間接光を拡散させています。

    ガラスのパーテションの中へ入るには、証明書を見せて、札を貰います。ガラス板の向こうには、芸術・美術・建築などの雑誌が、マグテーブルや棚に並んでいます。内部の家具等のデザインは、同校の藤江和子さんです。撮影禁止なので、写真がありませんが、メディアバーと言ってPCが使えるコーナーやメディアシートというDVDやビデオを個別に見れる深いバックシート・チェア、ラウンジでは、10人程が寝転べる凸凹のある広いシートやAVブースなどがあります。2階へ往くと、ガラス面に個人閲覧席が並んでおり、内部にも閲覧デスクが並んでいます。このデスクや椅子は、全て合板材で出来ています。2階の大型本シェルフは湾曲していますが、約半分の面積では、一般書が所謂、図書館の本棚です。カウンターの奥は閉架書庫になっています。
    照明器具が天井から吊るされています。床面が水平ではないので、一番高いところで7m位あるようです。柔らかい間接光を拡散させています。

  • 1階左端に、寝転がれる大きな凸凹のある床上50cmほどの大きなスペースがあります。マットが敷いてありますが、私が行った時は、数人が寝ていました。

    1階左端に、寝転がれる大きな凸凹のある床上50cmほどの大きなスペースがあります。マットが敷いてありますが、私が行った時は、数人が寝ていました。

  • 既存の図書館には11万冊の蔵書があり、それらは、新しいこの図書館に移され、30万冊の書籍が収蔵されています。10万冊が開架、10万冊が閉架、残りが地下の機械式書架に収蔵されているそうです。先程、2階で、ユニークな湾曲した書棚や開架書庫を見て来ました。

    既存の図書館には11万冊の蔵書があり、それらは、新しいこの図書館に移され、30万冊の書籍が収蔵されています。10万冊が開架、10万冊が閉架、残りが地下の機械式書架に収蔵されているそうです。先程、2階で、ユニークな湾曲した書棚や開架書庫を見て来ました。

  • こんな風に湾曲しています。薄い200mm厚の壁です。

    こんな風に湾曲しています。薄い200mm厚の壁です。

  • 外から見た入り口近くのカフェスペース、奥にレクチャースペースが見えます。

    外から見た入り口近くのカフェスペース、奥にレクチャースペースが見えます。

  • 曲面ガラスは、一枚のガラス端部と中央部との最大差が4mmほどだったそうです。結果として美しい曲面ガラスが誕生したという。

    曲面ガラスは、一枚のガラス端部と中央部との最大差が4mmほどだったそうです。結果として美しい曲面ガラスが誕生したという。

  • 右手を上って行くと、こちら側もやはり湾曲しています。

    右手を上って行くと、こちら側もやはり湾曲しています。

  • スロープを上って、反対側の出入り口が右側面にあります。右側面は平面です。

    スロープを上って、反対側の出入り口が右側面にあります。右側面は平面です。

  • 奥から右側面を見たところです。奥に見えるのが、23番のメディアセンターです。

    奥から右側面を見たところです。奥に見えるのが、23番のメディアセンターです。

  • ここは、両面とも平面です。

    ここは、両面とも平面です。

  • こちらも平面です。コンクリート面に皹が見えます。

    こちらも平面です。コンクリート面に皹が見えます。

  • こちらは、正門から近い出入り口の奥に見えたところです。

    こちらは、正門から近い出入り口の奥に見えたところです。

  • 1階の窓ガラスは3パターンのアーチ形の一つですが、成形、サッシに嵌め込む作業など大変だったでしょう。こちら側は平面ですが、湾曲した面のガラスは想像を絶するものだと思います。

    1階の窓ガラスは3パターンのアーチ形の一つですが、成形、サッシに嵌め込む作業など大変だったでしょう。こちら側は平面ですが、湾曲した面のガラスは想像を絶するものだと思います。

  • ガラス面上部

    ガラス面上部

  • ガラス面下部

    ガラス面下部

  • 2番の絵画東棟に学食があります。そこから奥に図書館が見えます。上空から見たかったです。

    2番の絵画東棟に学食があります。そこから奥に図書館が見えます。上空から見たかったです。

  • 25番の3階建て、情報デザイン棟・芸術学棟に属している流線型の建物がありました。

    25番の3階建て、情報デザイン棟・芸術学棟に属している流線型の建物がありました。

  • 道路側から見るとこんな感じです。左のガラス部分がカフェになっています。

    道路側から見るとこんな感じです。左のガラス部分がカフェになっています。

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