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今日は久しぶりに伊吹山の北尾根ルートを歩いてきました。このルートは今までに20回ぐらい歩いています。<br /> <br /> <br />ルートは地図にあるとおり岐阜県揖斐川町の国見峠から登り始めるのですが、ここまでの林道が数年前の豪雨で崩れたため車でのアプローチが不可能です。少しは工事が進んで通行ができるようになったとたん、先月の台風でまた大きく崩れて完全に通行が不可能になりました。仕方なく林道入口に車を置いて、1.5kmの林道を歩きます。崩れた現場は完全に林道が寸断されていて、徒歩でも渡ることができません。そのため急な山を登って大きく迂回するしかありません。なんとか向こう側に渡ることができました。ふと道端を見ると、早くもヤマジノホトトギスの花が咲いていました。ツリフネソウやキツリフネはもう花が終わりかけていました。途中の工事現場では重機を使って林道を直していましたが、働く男女は高齢者で親切にこちらに声をかけてくれました。「一人で歩いてクマは怖くないか」とか「あんなに長いルートをよく歩けるね」とか、本当は激励してくれているのですね。<br /> <br />40分かかって国見峠の登山口に到着。当然のことですが、駐車場には車は一台もありません。実は自宅を出るときには小雨が降ったりどんよりと曇ったりで今日の天気が心配でしたが、木曽川を越えて岐阜県に入るととたんに青空が広がり今日の晴天を約束してくれているようでした。ですから国見峠に来ると遠くの伊吹山が大きくはっきりと望まれました。<br /> <br />登山を開始しましたが、連日の雨で登山道は滑りやすくなっていますし、石や岩はコケが生えて(ということは、湿っている)これも乗ると滑ります。ゆっくり慎重に歩を進めます。ミツバフウロの可憐なピンクの花がたくさん咲いています。今回一番多く目にした花です。国見岳(1129m)に着くとススキが一面に咲いていて秋を感じさせます。このころからガスが掛かり始め、展望が利きません。道路状況のせいで登山者が激減しているせいか、イノシシの天国になっていて足跡だらけです。イブキトリカブトの紫が強烈です。サラシナショウマの白い大きな花は甘い匂いがするせいか昆虫がたくさん蜜を吸いに集まっています。ジャコウソウが2株だけ咲いていましたが、麝香(じゃこう)というだけあっていい匂いがするかと鼻を近づけてみましたが匂いません。(帰宅して図鑑で確認すると、茎葉をゆすると匂いがすると書いてありました)<br /> <br />このルートは写真にもあるとおり、石や岩だらけの部分が多く歩きにくい登山道です。一歩一歩足の置き場を考えながら歩くので、なかなかはかどりません。でも大禿山(おおはげやま。1083m)と次の御座峰(ござみね。1070m)の間の尾根道は、滋賀県側から岐阜県側に涼しい風が吹き渡っているうえ、展望もよく大好きなコースです。あいにくガスがかかって琵琶湖は見えませんでした。御座峰に着いたのが正午ちょうどでしたので、ここでランチです。今日はだれも登ってこないみたいで、ひとりでの食事です。すぐ近くのハシリドコロの群落は今は跡形もなく消えています。猛毒の植物ですが、春に花を咲かせた後は枯れて消えてしまうという不思議な春植物です。今日はここまでで、これから引き返します。また大禿山、国見岳と起伏のあるルートを帰ります。<br /> <br />ガスが消えたのでタカの渡りが見えないか目をこらしたのですが、午後からでは飛ばないかもしれません。国見峠に下りると、滋賀県から来たという若い男性が望遠鏡で空を見ています。高いところをタカが渡ったそうですが、午後からはさっぱり飛ばないとぼやいていました。例年わたしも北尾根上空の低い位置をタカがどんどん渡るのを経験しています。これからそれが見られるでしょうね。<br /> <br />車にもどって100mぐらい走ると瓜坊(イノシシの子供)が道路の真ん中に立っていました。写真を撮ろうとカメラを準備しているうちに逃げられてしまいました。残念でした。<br /> <br />帰りは揖斐川町の街中で地酒を売る店に行き、地元の「房島屋」を一升買いました。これは入手困難な銘柄で、飲めるお店も少ないというレアものです。今夜は山を回顧しながらこれを飲みました。楽しい一日でした。<br />

伊吹山 北尾根登山記

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2014/09/07 - 2014/09/07

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地酒大好きさん

今日は久しぶりに伊吹山の北尾根ルートを歩いてきました。このルートは今までに20回ぐらい歩いています。


ルートは地図にあるとおり岐阜県揖斐川町の国見峠から登り始めるのですが、ここまでの林道が数年前の豪雨で崩れたため車でのアプローチが不可能です。少しは工事が進んで通行ができるようになったとたん、先月の台風でまた大きく崩れて完全に通行が不可能になりました。仕方なく林道入口に車を置いて、1.5kmの林道を歩きます。崩れた現場は完全に林道が寸断されていて、徒歩でも渡ることができません。そのため急な山を登って大きく迂回するしかありません。なんとか向こう側に渡ることができました。ふと道端を見ると、早くもヤマジノホトトギスの花が咲いていました。ツリフネソウやキツリフネはもう花が終わりかけていました。途中の工事現場では重機を使って林道を直していましたが、働く男女は高齢者で親切にこちらに声をかけてくれました。「一人で歩いてクマは怖くないか」とか「あんなに長いルートをよく歩けるね」とか、本当は激励してくれているのですね。

40分かかって国見峠の登山口に到着。当然のことですが、駐車場には車は一台もありません。実は自宅を出るときには小雨が降ったりどんよりと曇ったりで今日の天気が心配でしたが、木曽川を越えて岐阜県に入るととたんに青空が広がり今日の晴天を約束してくれているようでした。ですから国見峠に来ると遠くの伊吹山が大きくはっきりと望まれました。

登山を開始しましたが、連日の雨で登山道は滑りやすくなっていますし、石や岩はコケが生えて(ということは、湿っている)これも乗ると滑ります。ゆっくり慎重に歩を進めます。ミツバフウロの可憐なピンクの花がたくさん咲いています。今回一番多く目にした花です。国見岳(1129m)に着くとススキが一面に咲いていて秋を感じさせます。このころからガスが掛かり始め、展望が利きません。道路状況のせいで登山者が激減しているせいか、イノシシの天国になっていて足跡だらけです。イブキトリカブトの紫が強烈です。サラシナショウマの白い大きな花は甘い匂いがするせいか昆虫がたくさん蜜を吸いに集まっています。ジャコウソウが2株だけ咲いていましたが、麝香(じゃこう)というだけあっていい匂いがするかと鼻を近づけてみましたが匂いません。(帰宅して図鑑で確認すると、茎葉をゆすると匂いがすると書いてありました)

このルートは写真にもあるとおり、石や岩だらけの部分が多く歩きにくい登山道です。一歩一歩足の置き場を考えながら歩くので、なかなかはかどりません。でも大禿山(おおはげやま。1083m)と次の御座峰(ござみね。1070m)の間の尾根道は、滋賀県側から岐阜県側に涼しい風が吹き渡っているうえ、展望もよく大好きなコースです。あいにくガスがかかって琵琶湖は見えませんでした。御座峰に着いたのが正午ちょうどでしたので、ここでランチです。今日はだれも登ってこないみたいで、ひとりでの食事です。すぐ近くのハシリドコロの群落は今は跡形もなく消えています。猛毒の植物ですが、春に花を咲かせた後は枯れて消えてしまうという不思議な春植物です。今日はここまでで、これから引き返します。また大禿山、国見岳と起伏のあるルートを帰ります。

ガスが消えたのでタカの渡りが見えないか目をこらしたのですが、午後からでは飛ばないかもしれません。国見峠に下りると、滋賀県から来たという若い男性が望遠鏡で空を見ています。高いところをタカが渡ったそうですが、午後からはさっぱり飛ばないとぼやいていました。例年わたしも北尾根上空の低い位置をタカがどんどん渡るのを経験しています。これからそれが見られるでしょうね。

車にもどって100mぐらい走ると瓜坊(イノシシの子供)が道路の真ん中に立っていました。写真を撮ろうとカメラを準備しているうちに逃げられてしまいました。残念でした。

帰りは揖斐川町の街中で地酒を売る店に行き、地元の「房島屋」を一升買いました。これは入手困難な銘柄で、飲めるお店も少ないというレアものです。今夜は山を回顧しながらこれを飲みました。楽しい一日でした。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車
旅行の手配内容
個別手配

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  • 数年前から、登山口のある国見峠への林道は豪雨で壊れたままですが、今年の夏にさらに林道が流されてしまいました。渡る方法はなく、山に登って迂回して谷の細い部分を渡るしかありません。

    数年前から、登山口のある国見峠への林道は豪雨で壊れたままですが、今年の夏にさらに林道が流されてしまいました。渡る方法はなく、山に登って迂回して谷の細い部分を渡るしかありません。

  • 早くもヤマジノホトトギスが咲いていました。秋ですね。

    早くもヤマジノホトトギスが咲いていました。秋ですね。

  • 伊吹山に多いミツバフウロ。かれんなピンクの花がきれいです。

    伊吹山に多いミツバフウロ。かれんなピンクの花がきれいです。

  • 国見岳頂上の広場(昔のアンテナの敷地跡)にはススキがたくさん咲いています。秋ですね。

    国見岳頂上の広場(昔のアンテナの敷地跡)にはススキがたくさん咲いています。秋ですね。

  • 伊吹山で最初に発見されたトリカブト。紫の色が強烈です。写真では薄くなってしまいました。毒がある植物です。

    伊吹山で最初に発見されたトリカブト。紫の色が強烈です。写真では薄くなってしまいました。毒がある植物です。

  • 白い大きなサラシナショウマの花は甘い匂いがします。この匂いにひかれて多くの昆虫が集まります。<br />

    白い大きなサラシナショウマの花は甘い匂いがします。この匂いにひかれて多くの昆虫が集まります。

  • ジャコウソウ。名前の由来は麝香(じゃこう)のようないい匂いがするからだそうです。でも花の匂いをかいでも匂いません。茎葉をゆすると匂うと図鑑には書かれていますが、真偽のほどは?

    ジャコウソウ。名前の由来は麝香(じゃこう)のようないい匂いがするからだそうです。でも花の匂いをかいでも匂いません。茎葉をゆすると匂うと図鑑には書かれていますが、真偽のほどは?

  • このルートはこのように岩がごろごろした場所が多く、歩きにくい登山道です。岩が濡れていると滑りやすく危険です。

    このルートはこのように岩がごろごろした場所が多く、歩きにくい登山道です。岩が濡れていると滑りやすく危険です。

  • でも、このように気持ちのいい登山道もあります。滋賀県側から岐阜県側に涼しい風が吹き渡り、汗ばんだ体には快適です。一番好きな場所です。ここ(大禿山と御座峰の間の縦走路)を歩くために、御座峰まで行くのです。

    でも、このように気持ちのいい登山道もあります。滋賀県側から岐阜県側に涼しい風が吹き渡り、汗ばんだ体には快適です。一番好きな場所です。ここ(大禿山と御座峰の間の縦走路)を歩くために、御座峰まで行くのです。

  • 夏はアブも多いので要注意です。これはウシアブで人間にも害を与えます。

    夏はアブも多いので要注意です。これはウシアブで人間にも害を与えます。

  • 伊吹山い登るにはいくつかのルートがありますが、今回のルートは、北尾根ルートです。岐阜県と滋賀県の境にある国見峠から昇ります。

    伊吹山い登るにはいくつかのルートがありますが、今回のルートは、北尾根ルートです。岐阜県と滋賀県の境にある国見峠から昇ります。

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