★南米、時には徒歩で （２４）ペリト・モレノ氷河展望台を巡る

2014/04/09 - 2014/04/09

前編では、ロス・グラシアレス国立公園に入ったあと、モレノ港から出るクルーズ・ボートでペリト・モレノ氷河の末端に接近。
お次は場所を移動して、ペリト・モレノ氷河展望台へと行ってみます。

ペリト・モレノ氷河展望台は、展望台がポツリと一つだけある訳ではなく、遊歩道を兼ねた展望台がいくつも続いている場所。
氷河の末端がさまざまな角度から見学できてお勧めです。

その日の天候、体力、体調や持ち時間に合わせて、行く場所や歩く距離を調節できるのがうれしい場所。
足腰の弱い方用に、エレベーターや車椅子用のスロープ通路もありました。


表紙の画像は、ペリト・モレノ氷河の先端部分。
その氷壁の高さと、画像手前の展望台にいる人影とを比べると、この氷河の規模が分かると思います。

エリア ロス・グラシアレス国立公園周辺(アルゼンチン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 3.5
• 交通: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

これは、氷河クルーズ・ボートが出るモレノ港にあったペリト・モレノ氷河周辺地図。

●注：　この地図だと、右手が北です。
赤い＊が、モレノ港、黄色い＊がペリト・モレノ氷河展望台。
画像下方のピンクの矢印は、SURSHANGHAIたちがエル・カラファテからやって来た１１号線の道筋です。１１号線はペリト・モレノ氷河展望台で行き止まり。

この地図は、画像上方（西）から流れて来るペリト・モレノ氷河が、画像下方（東）のリコ水道と画像右手（北）のロス・テンパノス水道の角にぶつかっている様子。
リコ水道は出口がありませんが、ロス・テンパノス水道はこのあと更に北へと流れ、アルヘンティーノ湖に注ぐ川になっています。

前編では、モレノ港からボートに乗り、リコ水道に面した部分のペリト・モレノ氷河の末端を見に行きました。
その様子を見てみたい方は、下記の旅行記をご参照ください。
★南米、時にはクルーズ・ボートで（２３） ?ペリト・モレノ氷河末端に接近
http://4travel.jp/travelogue/10910348

この編ではペリト・モレノ氷河展望台に移動して、別の角度から氷河の景観を楽しんでみます。

モレノ港からペリト・モレノ氷河展望台への距離は１１号線で７ｋｍほど。

これは、レンタカーで移動中に見たリコ水道とペリト・モレノ氷河の末端。

さっきは、あの氷の壁のすぐ下までボートで行ったなんて信じられないね。

ここは、ペリト・モレノ氷河展望台手前の駐車場＋食堂や売店、お土産屋さん、トイレなどが入ったビジターセンター的施設。
１１号線の終着点にもなっています。

前編で見たように、ここに来るまでの道筋でロス・グラシアレス国立公園のチケットは買ってあるので、駐車場や展望台の追加チケットは無し。
車を降りたら、あとは自由に遊歩道を伝って氷河を見に行けます。

上掲の画像の駐車場とは別に、更に大きい駐車場がその手前にもあり、無料シャトル・バスで結ばれていました。
どちらの駐車場に停めるかは、交通整理のおにいちゃんの指示に従いましょう。

●注：　この無料シャトルの運行は、２０１４年４月上旬現在では１０：００〜１８：００になっていましたが、季節によって変動があるかも。
最新情報をお確かめください。

駐車場で車を降りたら、あとはペリト・モレノ氷河展望台の遊歩道を伝って氷河を見に行くわけですが、その前にビジターセンターで飲み物を買ったり、トイレの用足しを済ませましょう。
遊歩道は何本にも枝分かれしていて、隅から隅まで全部回ろうと思ったら結構大変。
気付いた限りでは、途中に売店やトイレは見かけませんでした。

遊歩道を回る時の注意書きもこんな看板になって出ています。
目を通して行きましょう。

ペリト・モレノ氷河展望台遊歩道の歩き始め。

手前に遊歩道があるマガジャネス半島の斜面、そしてその奥にペリト・モレノ氷河がドーン！！　（◎◇◎）

全長は３５km、末端部分の幅は５ｋｍほどという堂々とした姿が目前に広がります。

駐車場からペリト・モレノ氷河展望台の遊歩道を下り始めたばかりはこんな感じ。
立て札には≪遊歩道にいるのは２１：００までにしてください。≫の注意書きが。

月夜の氷河もきれいでしょうが、エル・カラファテに泊まる方はお帰りはお早目に。
ペリト・モレノ氷河展望台の駐車場からエル・カラファテの町までは、車で１時間半かかる心積もりで行動するといいかもです。
SUR SHANGHAIたちは、このあたりの事情もよく分からないので、暗くなる前にエル・カラファテに着くようにしました。

ペリト・モレノ氷河展望台の遊歩道と一口に言っても、道は一本だけではなく、あちこちで枝分かれしています。

標識や絵地図を見て、気候・天候、体調・体力に合わせて取捨選択しつつ歩いて行くといいですよ。
標識には距離数も出ているものもあって親切。
遊歩道は、階段とスロープが混在していて、メジャーな展望台へは緩やかな道筋。
足腰の弱い方用にはエレベーターや車椅子用スロープ通路もありました。

今朝、エル・カラファテを出て来た時には心配していた天候も好転して、ペリト・モレノ氷河が流れ出てくる方向もよく見える。

ペリト・モレノ氷河の源は、チリとの国境にあるピエトロベッリ（２９５０ｍ）という山。
この画像だと、中央奥の雲をかぶったあたりがそうみたい。

この画像で見えているペリト・モレノ氷河の末端は、ロス・テンパノス水道側のもの。
前編のクルーズ・ボートで見に行ったのは、リコ水道側の末端。
この旅行記の始めに出した地図でもご確認ください。

テーブルランド状の氷河の末端を右へと目で追うと…、

…見事なほどにすっぱりと氷の壁になっているペリト・モレノ氷河の末端部。

静寂の中、時折パーン！　パーン！と響く乾いた音は、氷河に亀裂が入る時のもの。

氷壁の一部が崩落するガラガラドシャーン！と言う音もこだまして来ますが、幅が５ｋｍもあると、どこが崩れたのか分からなかったり。ｷｮﾛ( ｢･ω･ )ｷｮﾛ( ｢･ω･)ｷｮﾛ
それに崩落は一瞬の出来事なので、なかなか決定的瞬間は撮れません。(；＾ω＾)

今度はちょっと場所を移動して、リコ水道側のペリト・モレノ氷河の末端を見に行こうと思います。

これは、ペリト・モレノ氷河展望台遊歩道から見た氷河の先端近く。
遊歩道があるマガジャネス半島にずいぶん接近してるのね。

内部の蒼さが透けて見えるこの氷の壁の高さは６０ｍ。
遊歩道の下の段にいる人たちと比べるとその大きさがよく分かると思います。

リコ水道方向へも続くペリト・モレノ氷河の末端。

向こうに見えるツンと尖った山はモレノ山（１６４０ｍ）。

ペリト・モレノ氷河の先端が、遊歩道のあるマガジャネス半島と接するあたり。

ここから右手がロス・テンパノス水道、左手がリコ水道。

磯のような岩場があるし、氷壁が迫って水路も狭い。
前編で乗ったクルーズ・ボートがここを通れない訳が一目瞭然。

ペリト・モレノ氷河の末端のうちでも、このあたりが一番先端の氷壁。
長い旅の間に雪が圧縮された氷の層と、山から崩れた土砂の層が折り重なって出来た青い大理石模様が美しい。

ここまでたどり着くのに、一体どれだけの時間、この氷河は旅をしてきたんだろう。

ここで終わりを迎える氷河も、また雪になって山に戻る旅を繰り返すのかと思うと、その時間の果てしない長さに呆然とする。

上掲の画像と同じく、ペリト・モレノ氷河の先端部分。

この時にはこのあたりの崩落が多いようだったのでちょっと待ってみたSUR SHANGHAI。

上段の画像では、小さなかけらがポチャンと落下。
それに続いてザーーガラガラドシャーン！

ﾔﾀ───v(-∀-)v───♪　氷河崩落の写真が撮れたっ！！

崩落の規模は決して大きくはなかったんですが、静まり返った谷間に響く音はびっくりするほど。

ペリト・モレノ氷河展望台遊歩道は、木立の向こうに氷河の末端が見える場所も。

ロス・テンパノス水道方向のペリト・モレノ氷河を振り返る。

不思議な蒼さを秘めた氷と土砂の層が大理石模様になっている。

前編ではクルーズ・ボートで行ってみたリコ水道が見えて来た。
向こうに見えるツンと尖った山はモレノ山（１６４０ｍ）。

あれ？　まだボートが走ってる。
モレノ港から出るボートは、さっきSUR SHANGHAIたちが乗った１４：３０のが最終だと思ったけど。
エル・カラファテの旅行会社が手配したツアー用ボートだよね、きっと。
それとも、氷河を監視するためのボートかも？

リコ水道側のペリト・モレノ氷河の末端。

さっきはあの氷壁の角を曲がったあたりをボートから見ていたのよね。

一つの氷河の始まりと終わりが一つの画像の中に同居。

画像奥の雲をかぶったあたりがペリト・モレノ氷河の源のピエトロベッリ（２９５０ｍ）という山。
そして、このリコ水道やロス・テンパノス水道の末端までの距離は３５ｋｍ。
これだけ大きい氷河は、遊覧飛行で見下ろすのも迫力ありそう。
でも、２０１４年４月上旬現在には、この氷河の遊覧飛行サービスは無いようなのが残念。
これからの運行計画とかはあるのかな？

ヘリコプターで氷河の上空を飛んだのは、ニュージーランドのフランツ・ジョセフ氷河とフォックス氷河だったなあ。
その様子と見比べてみたい方は、下記の旅行記でどうぞ。
★NZ車旅（２） ?南島　フランツ・ジョセフ氷河とフォックス氷河遊覧飛行
http://4travel.jp/travelogue/10381502

また戻って来たロス・テンパノス水道側の氷河の末端が見えるペリト・モレノ氷河展望台遊歩道。

同じ氷壁でも高さや角度によって、雰囲気が違って見えます。
この氷河の遊歩道は、出来るだけあちこち歩いてみるのがお勧めです。

…というSUR SHANGHAIたちは、リコ水道側が見える遊歩道は下の方まで行かず途中で戻って来たんですけどね。(；＾ω＾)

ペリト・モレノ氷河展望台遊歩道から見たロス・テンパノス水道側の氷河の末端。
晴れ上がった空に映える氷河や水の色が印象的。

リコ水道側と違って、こちら側は崩落した氷塊が多い。
遊歩道があるマガジャネス半島の岸辺にもたくさん漂着しているし。

ロス・テンパノス水道側のクルーズが出ていない理由はこれかな。

これも、ペリト・モレノ氷河展望台遊歩道から見たロス・テンパノス水道側の氷河の末端。

静まり返った青緑色の水面に、氷塊の蒼い影が落ちる。

なんだか現実の光景とは思えない。

小刻みにジリジリとロス・テンパノス水道に前進してくるペリト・モレノ氷河の末端。

どこかでまた、氷河に亀裂の入るパーン！という乾いた音が響いてくる。

ロス・テンパノス水道側のペリト・モレノ氷河を見渡す展望台遊歩道。

氷河にカメラを向ける人がシルエットになる午後。

ちょっと日が傾いて来た感じ。

事情がよく分からない土地の帰り道で暗くなるのは嫌だから、そろそろ駐車場の方向へ移動。

出来たら、このまま夜になるまで眺めていたいペリト・モレノ氷河。

夕焼けや月夜の眺めもいいだろうな、と思うと後ろ髪を引かれる気分。

立ち去りがたくて、もう１枚、もう１枚と撮るペリト・モレノ氷河の写真。

ほんと、晴れてよかった！　(*^。^*)

駐車場に戻る前、最後に見下ろしたペリト・モレノ氷河。

下の遊歩道に佇んでいる人も、氷河をずっと見ていたいと思っているような風情。
分かる、分かる、その気持ち。
でも、お帰りには気をつけて。

SUR SHANGHAIたちは、このあとは元来た１１号線を辿ってエル・カラファテへ。
次編では、エル・カラファテに戻る前に見た見事な夕景をご紹介しようと思います。

この旅行記へのコメント （4）

• belleduneさん 2014/08/04 16:28:43

  お天気が良くて...

  SUR SHANGHAIさん、お天気が良くて、素晴らしい眺めでしたね。私がトレッキングをした日は、雨でずぶ濡れになってしまいました。当時はまだゴアテックスのレインウエアを持っていませんでした。同じトレッキングに参加していた20代の女性グループは私以上に濡れていましたが、若さでしょうか、わいわい騒いではしゃいでいました。休憩室で、着替えた後、展望台へ行くということでしたが、視界が悪かったので、行きませんでした。その上、その室で財布を取られてしまい、それ以外にお金を持ってこなかったので、温かいコーヒーも飲めず、二人で震えながら、帰りの船を待っていました。トレッキングだけだったので、それほどの金額ではなかったのですが、こういうことは初めてだったので、ちょっと落ち込みました。二人だと、気が緩んでしまうんですね。いつもは一人旅なので、気を付けているのですが...　　友人は旅慣れていないので、自分では一切お金を持たず、全て私任せというお気楽なものでした。これ以後、旅をする時の注意事項が一つ増えました。
  いつか、ビザまで取って、行けなかったブラジルへ行きたいです。ボン・ジーア！

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2014/08/05 20:52:24

  RE: お天気が良くて...

  > SUR SHANGHAIさん、お天気が良くて、素晴らしい眺めでしたね。私がトレッキングをした日は、雨でずぶ濡れになってしまいました。
  
  お天気ばかりはどうにも出来ないのがもどかしいです。
  ペリト・モレノ氷河ではラッキーだった私たちも、その翌日のエル・チャルテンでは敗北。ｱﾁｬｰ(´･ω･｀)
  まさに、『禍福はあざなえる縄の如し』です。
  この後も、各地で同じような出来事がありました。(；＾ω＾)
  
  
  ブラジルも、そのうち３ヶ月以内の観光目的ならビザ無し！になるといいですね。
  シンガポールだと１日で取れましたが、日本では１週間はかかるようで大変そうです。
  リオデジャネイロは、独特の風景の中にちりばめられた見所の風情がよかったですよ〜。
  次に行く機会があれば、アマゾンにも行ってみたいです。

• tamaemonさん 2014/08/01 19:51:07

  写真でも、凄い迫力！

  　　SUR SHANGHAIさん、こんにちは！
  
  　南米の氷河は一度見に行きたいところ、凄い迫力と聞いていましたが、旅行記見ているだけでもワクワクしてきますね。
  　氷河の崩れる音！ニュージーランドのマウントクックで聞いたことありますが、目の前で巨大なビルのような氷が崩れたら、それはもっと凄まじいでしょうね・・・色々想像していたら、近くで雷が鳴り出した！？
  
  　地球の裏側！中々行けないところなので、SUR SHANGHAIさん旅行記だけでも、拝まさせて頂いております。
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　tamaemon

  SUR SHANGHAIさん からの返信 2014/08/04 09:59:37

  RE: 写真でも、凄い迫力！

  お返事が遅れて失礼しました〜。<（_ _）>
  
  私たちにとっても地球の裏側の南米は遠く、これまで未踏の地になっていました。
  で、「どうせ行くならドーンとまとめて行ってみよう！」と決まったんですが、行きたい所を数え上げるとキリが無く、今回は南米の中でも南半分を訪れるプランになりました。
  
  ペリト・モレノ氷河は、写真では人を寄せ付けぬ大秘境のようにも見えますが、実際には観光の拠点になっているエル・カラファテの町からも近く、楽に日帰りできるのが魅力。
  お天気さえよければ誰でも楽しめるので、自然探訪に興味がある方なら南米旅行計画にいれてもいい場所だと思いますよ。
  
  tamaemonさんの南米旅行も、その内に実現しますように。(＾人＾)