夏のレッサーパンダ紀行【１】 野毛山動物園＆上野動物園　ありがとう、さようなら海君＠野毛山　今年はピカピカの毛並だねアンアンちゃん＠上野

2014/07/10 - 2014/07/10

ここ数年、毎年の様に恋のシーズンになるとキンタちゃんとの仲睦ましい姿がＴＶニュースや新聞で報じられてきた野毛山動物園の海（ウミ）君が６月２９日に１２歳で天国に旅立ってしまいました。
東武動物公園での華々しい繁殖実績を引っ提げて、中国生まれの貴重な血統であるキンタちゃんのお婿さんに抜擢されて野毛山にやってきた海君、結果的には野毛山では子宝には恵まれませんでしたが、キンタちゃんとのペアはそれ以上の輝きと思い出を残してくれました。
なんの根拠もありませんが「海君はきっとキンタちゃんと一緒に長生きするだろう」と当たり前のように思い込んでいたので、海外出張中に聞いた突然の訃報にずいぶん落ち込みました・・・海外出張明けの今日は何はともあれ海君に「さよなら」と「ありがとう」を言いに野毛山に行こうと思います。

そして、時間があればちょっと気になる上野動物園にも・・・。


これまでのレッサーパンダ旅行記はこちらからどうぞ→http://4travel.jp/travelogue/10652280

エリア 東神奈川・保土ヶ谷・弘明寺(神奈川)

今日はあまり時間が取れないのですが首都圏の動物園を２園ほど回りたいと思っています。
まず、午前中朝一番でやってきたのは横浜市立野毛山動物園です。

ここはレッサーパンダで有名な動物園ですが、先日、日本を代表する男子パンダと言っても過言ではない海（ウミ）君が１２歳の若さで急逝していまい、今日は献花と言いますか献林檎をしに来た次第です。

海君のいないレッサーパンダ舎にやってきました。

海君が天国に旅立ってももちろんレッサーパンダの展示は続きます。

午前中は海君の跡を継ぐ存在となった賢健君が元気に展示場に出ていました。

海君は東武動物公園での繁殖実績が評価され、中国生まれで貴重な血統のキンタちゃんのお婿さんとしてここ野毛山にやって来ました・・・、そして、この賢健君も周南市徳山動物園での繁殖実績が評価されキンタちゃんのお婿さんとして野毛山にやって来ました。

賢健君は２００６年７月１８日生まれ、徳山動物園ではあの千葉市動物公園の風太君の長女の風花ちゃんとペアを組み５匹のパパになりました。
優しい性格のお父さんパンダで、子供との同居展示も出来るお父さんです。

海君の名前が消えたメンバー表・・・。

なんででしょうね・・・なんの根拠もないのですが、海君はキンタちゃんと一緒に長生きしてくれると勝手に思い込んでいました。

海君が亡くなったのは６月２９日、その日の１５時のリンゴタイムでは元気にリンゴを食べていたそうですが、閉園後に、呼んでも戻ってこない海君を心配したキーパーさんによって繁みの中で発見されたようです・・・前触れのない突然のお別れでした。

まだ１２歳、もちろんけして若いパンダではないですが１５歳と言われるレッサーパンダの平均年齢までは元気に生きて欲しかったです。

今日は平日でしたが、僕の前にも花束を持った女性の方がおられて長く天国の海君との会話を楽しんでおられました。
僕は出張明けで気の利いたものを持って来られなかったのが残念でしたが、駅前のスーパーで買ったフジリンゴをお供えしました。

キンタちゃんと海君のペアは子宝には恵まれませんでしたが日本を代表するレッサー・ペアでした。
野毛山を訪れた多くのお客さん、そして、レッサーパンダ・ファンの心の中にはあの仲睦ましい姿が今も、これからも残ると思います。

ほんと、海君、急に逝くなんて・・・びっくりさせてくれて！！
ありがとうね、君のことは忘れないよ。
天国からキンタちゃん、賢健君、そして、野毛山パンダの新しい展開を見守ってくださいね。
でも・・・、キンタちゃんと海君が仲良く老後を迎える姿を是非見たかったです・・・、ほんと、ありがとう。

東屋で毛繕いをする賢健君、

キンタちゃんと海君が数々の名場面を繰り広げたこの東屋・・・つい先日なのでとても懐かしい記憶が瞼に鮮明に蘇ります。
キンタちゃんと海君の同居は楽しい記憶でいっぱいです。

これからは賢健君が新しい野毛山レッサーを引っ張っていかなくてはなりませんね。

常に繁殖のプレッシャーに晒されたキンタちゃんも今年１４歳、繁殖の重圧から解き放して悠々自適の生活に入って欲しいです、で、どこからか適齢期の女の子を移動させて賢健君とペアを組んで、野毛山レッサーの未来を切り拓いて欲しいと思います・・・到津の森から愛妻・風花ちゃんを野毛山に呼ぶのも素敵ですね・・・夢物語だけど・・・。

この日の午後は小一時間ほど上野動物園にも足を運びました。

平日なのでジャイアントパンダ舎も空いています。

お食事中のシンシンちゃん・・・たまにカメラ目線。

こちらもお食事中のリーリー君。

ジャイアントパンダはレッサーと違い年に何度か発情の波があるそうなので、今年も期待したいですね。

”ホッキョクグマとアザラシの海”の土の放飼場には２年ぶりに釧路市動物園から帰ってきたユキオ君がいました。
２６歳と高齢なユキオ君だけに久しぶりの暑い東京の夏は心配ですが元気に暮らしているようです・・・熱中症には気を付けて長生きして欲しいです。

ユキオ君はお隣のプールの放飼場にいるデアちゃんが気になって仕方ない様子・・・ぺたりと地面に腰をおろしてガラスの向こうを覗いていました。

釧路ではツヨシちゃんと仲は良かったものの繁殖には至りませんでしたが、ここ上野ではどうでしょうか？
出来ればデアちゃんとの同居で、ユキオ君にはもう一花咲かせて欲しいと心から願っています。

そんなユキオ君の気持ちを知ってか知らずか、デアちゃんは気持ちよくプールで泳いでいました。
他の方の動物園ブログを拝見するとデアちゃんもユキオ君を気にしているような感じですので、デアちゃんとユキオ君の同居を是非前向きに検討して頂ければと思います。
↑のユキオ君の姿を見ていると心からお願いしたくなります（笑）

６歳のデアちゃんは遊びたい盛り、何とかして柵の中のポリタンクを撮りたいようです。

しかし、これは至難の技・・・、

「あの〜、誰かこのポリタンク取って頂けませんか〜」とお客さんに訴えかけるデアちゃんなのです・・・可愛い。

小一時間しか時間がないのでジャイアントパンダ、ホッキョクグマの次は急ぎ足でイソップ橋下のレッサーパンダ舎へ。

途中でいつもこの看板の前で立ち止まってしまいます。
この子は２年前に８歳で天国に旅立った茶臼山生まれのチャオ君ですよね？
可愛らしい男の子でした。

イソップ橋に到着、橋の下にレッサーパンダ舎があります。
橋の陰になっている放飼場で東屋には冷風扇が装備されていますがバックヤードがなくパンダは夜間も含め常時放飼場で暮らす全国的にも類を見ない不可思議なコンセプトの放飼場です・・・レッサーパンダが日本の夏を乗り切るのにはいささか心許ない放飼場です。
実際、昨夏は猛暑のためレッサーパンダの展示を秋まで休止した経緯もあります・・・今夏も猛暑となれば出来る限り早く展示休止の措置を取って欲しいと思っています。

イソップ橋から見下ろすと木の上でお昼寝しているアンアンちゃんを見ることができました。

アンアンちゃんは２００５年７月７日秋田市大森山動物園生まれ、黒色の毛色を持つ日本を代表する焦げパンちゃんです。

例年この時期は激しい換毛のために可愛そうなくらいボロボロの毛並をしていたアンアンちゃんですが、今年は尻尾も含めてピカピカの毛並をしています。

昨夏の展示休止の措置が功を奏したのか、あるいは昨秋から新しくペアを組んでいる黄太郎君の存在がいい効果となっているのか・・・いずれにせよ嬉しい事です。

現在、上野動物園で暮らしているレッサーパンダは２匹。

ご紹介済のアンアンちゃんと、
２００３年６月２６日多摩動物公園生まれの黄太郎君です、黄太郎君は長らくオカピ舎横の屋内スペースに従弟のテンテン君（現・天王寺動物園）と幽閉されていましたが、昨秋のアンアンちゃんの放飼場復帰に合わせて黄太郎君もイソップ橋下の放飼場にデビュー、予想以上に相性のいいペアで晩冬から初春に掛けての恋のシーズンには交尾も確認されました。
これでアンアンちゃん出産となれば万々歳なのですが、この季節にアンアンちゃんが展示されているところを見るとその可能性は薄そうです。
でも、黄太郎君とアンアンちゃんのペアを見ているととても幸せそうで、こちらも嬉しくなってしまいます。

その黄太郎君ですが、姿が見えません・・・。

放飼場をくまなく探してみると・・・東屋の扉の奥にキタロウ君を見つけました！！
黄太郎の名の通り他のパンダ（特に焦げパンのアンアンちゃん）と比べると黄色っぽい黄太郎君です・・・ちなみに彼には双子の兄弟がいて名前は茶太郎君（現・甲府市遊亀公園附属動物園）です。

何としても黄太郎君のお顔を見たくて粘っていると・・・黄太郎君が東屋の中で動いてくれました！！

帰り際にイソップ橋の上からもう一度アンアンちゃんを覗いてみると寝相が可愛らしく変わっていました。

アップで・・・この姿勢だともしお腹が張っていても分かりませんね・・・アンアンちゃんも今年９歳なので無理は禁物ですが、アンアンちゃんのお母さん姿を是非見てみたいです。

ほんとここ数年に比べると劇的に毛並みがいいですね！！
そして思ったてたほど焦げパンじゃない！！・・・初めて会った時（旅行記→http://4travel.jp/travelogue/10582546）には「真黒な子だなぁ」と思ったものですが・・・。

お休みアンアンちゃん。
放飼場が暑く感じたり、お腹に違和感感じたらすぐキーパーさんに言うんだよ。

キーパーさん、暑い夏、この子達をどうぞよろしくお願いします。