トスカーナ州旅行記(ブログ) 一覧に戻る
【3月7日(金)】<br />今回は空飛ぶドクター手作りツアー第三弾です。第一弾はイタリア、ナポリ近郊でした。第二弾はアメリカ、ニューヨーク州とニューメキシコ州でした。今回は、イタリア、トスカーナ地方中心の温泉とアグリツーリズモ(農家民宿)滞在が目玉です。<br /><br />第一弾は全部で4人だけでしたが、今回は第二弾と同じく6人でレンタカー(ミニバン)での移動です。前回と同じメンバーは84歳女性のOさんと私の2人だけです。今回は私の三男を連れて来ました。福岡からはあと二人、私の泌尿器科の恩師I先生とパートナーのSさんです。福岡空港を7時50分に出発し、関西空港へ着き、待っていたOさんと合流します。Oさんはいつもビジネスクラスです。おかげで残りの4人分もビジネスクラス優先窓口で一緒に手続して、KLMオランダ航空に乗り込みます。目的地はローマですが、アムステルダムで乗り換えです。シェンゲン条約のおかげで、EUの多くの欧州の国は同一国扱いです。ですから、今回のようにイタリアが目的地でもパスポートの記録上は出入国ともオランダになります。少し違和感がありますが・・・<br /><br />アムステルダムのスキポール空港には最近縁がありますが、かなり広く歩く距離の長いターミナルです。1時間10分の乗り換え時間は結構厳しく入国審査や手荷物チェックを受けているとほとんどギリギリの時間でした。しかも、エスカレーターでは、I先生がよろけて転び、尻もちをつきました。幸い、後ろに大柄な外国人がいたので事なきを得ました。考えてみると、I先生ももう74歳、だいぶ歳を取られました。要注意です。<br /><br />16時半にアムステルダムを出発し、19時にはローマ・フィウミチーノ空港へ到着しました。ここでは、前もってローマに来ている今回共同主催者、旅行会社のYさんがレンタカーで迎えに来てくれています。私も国際免許証は準備していましたが、レンタカーの手続き上現物の免許証提示が必要で、今回はYさんが全て運転するようになりました。<br /><br />宿泊だけなので、空港近くの Golden Tulip というイタリアらしくない名前のホテルに行きました。時間的にもホテルでそのまま最初の食事を取りました。これが嬉しい誤算で、ホテルにしては結構おいしい食事でした。前菜として生ハムとモッツァレラチーズ、私の好物・野菜の(オリーブオイル)グリル、シーフード盛り合わせなどを豪華に注文します。料理はいつも私が責任を持って注文し、みんなでシェアします。実質、食べ放題です。人数でバランスを考えて注文します。イタリア人はあまりこういうシェアはしないようですが、注文すれば嫌な顔をせずシェア用の皿をたくさん持ってきてもらえます。大体において、みなさん満足してもらえます。ビステッカ(ビーフステーキ)800gも注文しました。これは、今回の旅先トスカーナ州のフィレンツェの名物料理です。今回の旅行は有名な都会には一切行かないので、フィレンツェ自体には行きませんが。このように、いきなりおいしいイタリア料理に満足し床についてもらいました。<br /><br /><br />【3月8日(土)】<br />私の企画するツアーですから、すべてゆっくり、ゆったりです。朝は7時半ころからみんなでホテルでの最初のイタリア式朝食です。最近は外国人を意識しているらしく、イタリアでもゆで卵があったり、フルーツジュースやヨーグルトとふんだんで、以前のようなパンとコーヒーだけというコンチネンタル・ブレックファストは見かけなくなりました。国際化の一環でしょう。<br /><br />9時半にはホテルを出発しました。2時間ちょっとで最初の目的地、今回の旅行一番のハイライトでもあるサトゥルニア天然温泉に到着しました。真正面に天然温泉が見える少し小高い丘でYさんが車を停めてくれました。ここからは真正面に川から流れ、滝になって4〜5層の浴槽になった天然温泉の全体像がよく見えます。前回、この天然温泉を視察に来た私は反対側から来たので気が付きませんでした。<br /><br />私にとっては懐かしい無料駐車場の前で我々は車を降ります。今朝は着替えないでいいように、みんな水着を身に着け、その上に服を着ています。ですから、準備万端です。Yさんが一人で車を駐車する間に我々は天然温泉まで歩き、他の人々と同様に服を脱ぎ、まとめて置きます。野外の天然温泉ですから無料です。まだ3月で外は少し肌寒いのですが、思ったより人が多く70〜80人くらいはいます。子供から老人までいます。まだ穴場で、どこにでもいる日本人や中国人は全くいません。黄色人種は我々だけで、後は全て白人(たぶんイタリア人と周辺のヨーロッパ人)です。<br /><br />トスカーナ州最高峰のアミアータ火山からの源泉が小川になって流れています。3メートルほどの滝になって温泉水が勢いよく落下し、石灰沈殿岩が4〜5段くらいの棚状になって、ちょうどよい天然浴場になっているのです。匂いがあるので硫黄分も含んでいるようです。温度もちょうど38℃くらいです。慣れない日本人には少しぬるく感じますが、医学的にはちょうど適温で、湯のぼせしません。かなり長時間浸かっていても快適で、副交感神経が刺激され、α波が出ます。つまり、ストレスから解放されリラックスできるのです。まさに健康増進作用があります。<br /><br />三男やI先生、Sさんも滝の下に座りしぶきを浴びて楽しんでいました。打たせ湯になります。高齢のOさんには足元が悪く転ぶといけないので、近場で楽しんでもらいました。私も浸かって楽しんではいますが、同時にいつものように写真もたくさん撮ります。動画も撮ります。なかなか広いので、1枚や2枚の写真でこの温泉の良さを表現するのはむつかしいのです。Yさんは入らずに写真やビデオを撮ってくれています。<br /><br />入浴している間はいいのですが、出てからはこの季節は少し肌寒いです。ですから予定通り、バスタオルを羽織ってすぐに車に乗り込み、5分もかからない Terme di Saturnia という名の温浴施設へ行きます。ここは有料ですが、屋外のプール型温泉のほかにシャワーやロッカーがあり、後で着替えたりするのが楽です。荷物を置いて中へ入ります。<br /><br />時間的に、まず内部のレストランで昼食を取ります。セルフサービス方式ですが、さすがイタリアでこういう場所でもちゃんとした料理を出します。モッツァレラチーズの入った野菜サラダや牛肉料理、鶏料理、ラザニア、パスタ、三男がおいしそうと見つけたハム入りパニーニなどつい食べ過ぎました。<br /><br />腹ごしらえした後、広い温泉水プールへみんなで入ります。ここにも打たせ湯やジェット浴、ジャクジーがあります。ここも温度が38℃程度なので、移動する時が少し寒いです。みんなそれぞれ好きなところで過ごします。実質初日の今日、いきなり天然温泉と温浴施設でのんびりします。普通のツアーにはない、「空飛ぶドクターのツアー」ならではの特色です。<br /><br />ゆっくり温泉を楽しんでから、車で宿泊地の Suvereto のアグリツーリズモ(農場経営型宿泊施設、要するに農家民宿)へ移動します。午後3時半にはブリケッラ農園(民宿)へ到着しました。移動時間が短いように、つまり近場で見どころを訪ねるように工夫しているのが「空飛ぶドクターのツアー」の特徴です。この経営者は日本人、70歳過ぎの宮川秀之さんです。亡くなったイタリア人の奥さんの後のパートナー・陽子さん、娘のマリア・志づ子さんなどが出迎えてくれました。マーシャ・クラカワー(元NHKの英語講師)似の美人である娘さんは普段はトリノへ住んでいるようですが、我々のためにわざわざやって来てくれたようです。いわゆるハーフになりますが、日本に留学したりしてほとんど普通に日本語を喋ります。<br /><br />夜の食事は、民宿のみなさんと日本語で歓談しながらの楽しいものでした。でも、せっかくでしたが、我々はお昼に少し食べ過ぎたので残す人が多かったです。ラザニア、肉料理、豆料理と悪くはなかったのですが、料理人の女性(使用人)がトルコ人で少し普通のイタリア料理と違ったせいもあるかもしれません。<br /><br /><br />【3月9日(日)】<br />翌朝もゆっくりです。民宿で、まずパンとコーヒーだけに近い質素な朝食をすませ、9時半過ぎにのんびり出発しました。<br /><br />1時間もせずに目的地の Massa Marittima(マッサ・マリッティマ)へ到着します。トスカーナ州マレンマ地方にある自治都市で、10世紀くらいからの歴史が残っているようです。旧市街の中心にはガリバルディ広場があり、美しいドゥオーモ(聖堂)、鐘楼があります。狭いモンチーニ通りを歩くと、少し上り坂の階段になります。石のアーチでできたスィリーチ門をくぐると新市街(?、13世紀にできたものです!)に出ます。高台にシエナ城塞があります。<br /><br />急な階段があるので、高齢のОさんはYさんと下でのんびりと待ってもらいます。残り4人で要塞に上がると、先ほどの鐘楼が高くそびえ、背後にはトスカーナ地方らしい絶景が広がっています。ところが、狭い高いところを歩くので、I先生が高所恐怖症で急に足がすくんだようでした。自分でもビックリしていました。<br /><br />そうこうするうちに昼食の時間です。私の出番です。モンチーニ通りを歩いて来る時に、右側の奥にかすかにレストランの看板が見えました。直感で、おいしそうなレストランと目を付けていたので、そこに入ることにしました。大正解で、非常に満足できるレストランでした。スープが2種類、野菜スープとミネストローネ。正直、どちらがどちらか混乱します。どちらも野菜たっぷりのスープですが、ミネストローネの方は汁が多く、小さいパスタが入っています。でも、イタリア北部や中部では必ずしもトマト、トマトソースは入っていないので、赤くありません。肉料理やパスタ(トスカーナ特有のやや太麺スパゲッティ・ピチやフッシリ)もおいしかったです。みなさんも満足してくれました。<br /><br />私のツアーらしくゆっくり二時間ほどかけ食事を楽しんで民宿へ帰りました。まだ14時過ぎです。2時間ほど民宿でのんびりです。私は巨大な敷地の農場を歩きました。片側にはぶどう畑、反対側にはオリーブ畑が延々と続いています。ぶどうは季節的につるだけで枯れた状態ですが、その畝の間に明らかに何か葉物野菜を植えているようです。雑草ではなさそうです。後で聞くと、有機栽培のために、豆類を植えてそのまま刈って肥料にするようです。見えてはいましたが、1kmほど先まで歩きました。ここにも2階建ての家があり、8組くらいは宿泊できそうです。引き返す途中で、犬の散歩中の陽子さんに会い、いろいろ雑談しました。慌ただしいツアーに慣れた日本人には退屈すぎるかもしれませんが、こんなのんびりした旅もいいものです。<br /><br />約束通り、全員再集合して午後4時半から民宿のマリア・志づ子さんから農場の説明が始まりました。先ほどのオリーブ畑やぶどう畑の説明です。それから、建物の半地下に行き、ワイン製造の過程を見せてもらいます。カンティーナ(ワイン貯蔵室)なども案内してもらううちに、オーナーの宮川さん(志づ子さんのお父さん)も加わり、詳しく説明してくれます。結構有名なワイナリーのようで、地元の賞を取ったりしているようです。Hideという名前のワインもあります。そうです、あの中田英寿選手の名前です。息子さんがペルージャに来た当時から中田選手の世話をした関係のようです。途中で、元々の宮川さんの仕事(カーデザイナー)の関係で所有しているクラシックカーも見せてもらえました。もちろん、ワインの販売もしているので、私もお土産用に一番高い50ユーロの「マリア志づ子」を買いました。<br /><br />オーナーの宮川秀之さんはかなり有名な人のようで、日本のテレビに取材されたこともあるようです。自著「新・われら地球家族―自動車の街・トリノから故国へ」(澤田出版)をいただき、帰国後ゆっくり読みました。息子さんが私と同じAFSでアメリカへ高校留学したり、実子が4人もいるのに別に3人も養子を取ったりと共感できる点が多々ありました。<br /><br />午後5時45分頃慌てて出発して夕陽を見に西海岸リグリア海のポプロニアまで車で行きましたが、6時20分に到着した時はもう太陽は隠れていました。3月はまだ夏時間ではなく、日暮れも早いのです。小さな村ですが、お店が並んで観光地のようでした。途中で夕陽が沈んでいくのは見えてはいましたが。それと、左側にナポレオンの流刑で有名なエルバ島も見えました。<br /><br />それから引き返し、志づ子さんに紹介してもらったスヴェレートの街のレストランへ行きます。イタリアらしく、城壁の中に街があり、車は城壁外の路上駐車場へ置きます。我々は先に入口の門のところで降ろしてもらい、Yさんが一人で駐車しに行ったのですが、青い顔をして私に来て欲しいと呼びに来ました。何と隣の車のバンパーにぶつかり傷を付けたようです。レンタカーのミニバンの傷は見えない程度ですが。どうしようかと一瞬躊躇していたら、車の持ち主の70代の女性が現れたようです。<br /><br />上品な感じの女性でした。でも、片言の私のイタリア語ではらちがあきません。わぁわぁやっているうちに、近くにいるらしいその女性の娘さんがやって来ました。娘さんも上品な感じで悪い人ではなさそうです。でも、一方的にぶつけたこちらが悪いはずだし、相手の車はアルファ・ロメオで、車に詳しくない私でも高級車とわかります。フィアットの普通車なら、イタリアではバンパー程度では問題にもならないのでしょうが。でも、二人とも英語はわからないようで、会話になりません。助けを求めて民宿へ電話しましたが、誰も出ません。志づ子さんにもらった名刺がありますが、ご主人の携帯電話しかなく、そこにかけ、事情を説明して志づ子さんの携帯電話番号を教えてもらい、ようやく志づ子さんに直接繋がりました。<br /><br />7時半と遅くなったので、細かい交渉はYさんに任せ、残りの5人で先に Tre Briganti へ行き、いつものように私が責任を持って前菜、パスタ、メイン料理を注文します。意外なことに、シーフード料理も一部ありました。よく考えると、先ほど海岸まで行ったので意外と海が近いのでした。トスカーナ地方というとフィレンツェなどの内陸のイメージが強いのですが、ここスヴェレートはリグリア海が近いのです。<br /><br />一度だけYさんも合流して少し食事をしましたが、やはり志づ子さんに電話で間に入ってもらい、交渉で忙しくしていました。半分ほど食事が進んだ頃、Yさんがニコニコして帰って来ました。商談成立だそうです。示談にして350ユーロで勘弁してもらったそうです。最初、志づ子さんが間に入って400ユーロの示談になったのを、300ユーロと何と値切ったそうです! そして間を取って、350ユーロで決着したそうです。しかも、別れ際に相手の女性と娘さんとにそれぞれイタリア式挨拶、つまり頬をくっつけてキスの音をたてる挨拶までして別れたそうです。さすがの私もあきれました。大した度胸です。いずれにせよ、大事件にならず穏便にすませたのでよかったです。これで、明日からも予定通り旅行が続けられます。<br /><br /><br />【3月10日(月)】<br />みんな勢揃いして写真を撮った後、2泊したスヴェレートの民宿をチェックアウトし9時半ころゆっくり出発しました。1時間半ほどで、東方向内陸部の Montalcino へ到着します。町のはずれの城塞にやって来ます。下戸の私にはあまり関係ないのですが、ここはワインで有名らしくブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどの世界的に有名な銘柄があるそうです。エノテカ(酒屋)があり、5ユーロくらいで有名なワインを試飲できます。ここも城塞らしくやや高台にありますから、当然の如くトスカーナの田園風景が楽しめます。<br /><br />昼食はYさんの知っている京都出身の日本人シェフがいる近くの Buoncovento のレストランへ行き、珍しいウサギの肉などを食べました。途中でシェフを呼んでもらい色々話をしました。こんな田舎まで来る日本人は少ないので喜んでもらえたようです。<br /><br />それからラポラーノ・テルメ(温泉)の近くのアパート形式のホテルへ行きました。ここからは歩いて Terme Antica Querciolaia へ行けます。でも、以前視察に来た私の記憶ではもう一つある San Giovanni Terme の方がよかったので、車で10分ほどのサン・ジョヴァンニ温泉へ行きました。何とか午後4時半ころには着きました。<br /><br />中に入ると懐かしい温泉で、まず室内風呂があり、そこを通過するといくつかの広い温泉プールが広がります。そして、この温泉の目玉は回りのトスカーナの絶景を楽しみながら風呂に入れることです。今日は少し時間があるので、マッサージの予約を入口で先にしました。残念ながら、二人だけ、それも30分だけしか空いていませんでした。ですから、女性二人にマッサージは譲りました。<br /><br />この温泉も石灰岩成分が多く、すくって顔に塗りパックしている女性がいます。今日はこの温泉プールからゆっくりと太陽がトスカーナの大地に沈んでいくのを鑑賞できました。反対側の建物も赤く反射した夕焼けが楽しめました。<br /><br />夕方7時ころこの温泉を後にして、アパートにはレストランはないし、翌朝の朝食もないのでスーパーに買い物に行こうとしました。でも、田舎でほとんど店もありません。かろうじて co-op の店を見つけると7時29分で店じまい寸前でしたが、親切に入れてくれました。文字通りみんなで走り回ってチーズやトマトやパンなどを買いました。<br /><br />ところが、今度は夕食のレストランがないのです。アパート・ホテルの大家さんに聞いたレストランは2軒閉まっていました。もう一軒あるはずですが、どうしても見つかりません。かなりやばい状況です。私が半分冗談、半分本気で、いざとなれば(30kmほど離れた)都会のシエナまで行かないとレストランがないかもしれないと言うと、みんなビビッています。Yさんが煙草を買いにかろうじて開いている tabaccheria(タバコ屋さん)へ入ります。ダメもとでイタリア語で近くにレストランがないかと尋ねると、あるといいます。先ほどまでうろちょろした通りの近くですが、少し狭い路地に入ったところのようで見落としたのかもしれません。半信半疑でその路地に入るとありました。La parola(言葉という意味)というレストランがありました。もう8時15分です。<br /><br />中に入ると地元の警察官らのグループなど結構賑わっています。メニューを読むと、田舎だけあって明らかに今までの相場より半額近くで安いのです。いつも以上に意図的に前菜盛り合わせから、パスタ、肉料理とじゃんじゃん頼みました。予想通り、シーフード料理はここにはありませんが。会計もたくさん頼んだ割には単価が安いのでいつもの通りでした。スーパーの買い出しといい、レストランといいギリギリでしたが、結果オーライで無事に満腹になってアパート・ホテルへ帰り、広いベッドで寝ました。<br /><br /><br />【3月11日(火】<br />朝はみんなで昨夜買った材料で朝食を作ります。と偉そうに言いますが、女性陣が作ってくれていました。たまには、こういうアパート形式もいいものです。私は懐かしい近くの L’antica Querciolaia の温泉施設周辺を散歩しました。1年半前に視察に来た懐かしい温泉です。ここも広くて中々いいのですが、中からの眺めは昨日の San Giovanni の方がいいという判断でした。<br /><br />10時20分過ぎに、今日最初の目的地 Chiusure(キウズーレ)と言う小高い丘の村へ到着しました。Yさんが詳しく、ここにあるバルのおばちゃんはBS日本テレビの「小さな村の物語 イタリア」に出演したそうです。Yさんは再会を喜んでハグしていました(帰国してすぐ偶然にも再放送があり、確かにこのおばちゃんが出ていました)。 <br /><br />この村の丘からは、眼下にこれから訪れるモンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院がきれいに見れるのです。ですから、すぐそばにあるレストランの名前は il paradiso、つまり「天国」です。修道院を見下ろす素晴らしい立地という意味のようです。<br /><br />すぐ下に見えたモンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院へ行きます。ベネディクト派に属するオリヴェート会らしく、レンガ造りの建物の門をくぐり中へ入ると鐘楼とともに修道院の建物が見えてきます。Yさんの言う通り、一連のフレスコ画で飾られた大回廊があります。しかも、入場無料です。「聖ベネディクトの生涯」の一連のフレスコ画のようで、すごい迫力です。確かに、写真も撮れるし穴場です。<br /><br />次に、Pienzaへ向かいます。ピエンツァは人口約2000人、東西400メートルほどの小さな美しい町です。ゆっくり歩いて回れます。まず、ジェラットリア(アイスクリーム屋)を見つけて、おいしいジェラートをみんなで食べます。<br /><br />1459年に当時のローマ法王ピウス2世が自分の生まれ故郷であるピエンツァを「思い通りの町」「理想の街」とするべく、建築家ベルナルド・ロッセリーノに町の改造を命じたというユニークなエピソードで生まれました。町の中心にある美しいピウス2世広場は、ルネッサンスの教会や宮殿で囲まれ、大聖堂の内部はドイツ風ゴシックが採用されています。ルネッサンス期の人間的な都市設計思想や透視図法を最初に採用した街として貴重な存在となっています。町の周囲に広がるオルチャ渓谷の眺めもすばらしいです。ちなみに、このピエンツァの街とオルチャ渓谷はともに世界遺産に指定されています。<br /><br />シエナの南東部に広がるこの一帯は14-15世紀にはシエナの領土となり、絵のような美しい景観づくりが大切にされたようです。なだらかな丘に並ぶ糸杉といった風景はルネッサンスの時代も今も数多くの芸術家達に愛され創作意欲をおおいに刺激しているそうです。私も一昨年温泉を調査しに来て、レンタカーでドライブして、糸杉の綺麗さの虜になりました。のどかな美しい牧歌的自然が農家や集落、街道や沿道の修道院や宿などとも融合し保護された景観は見事です。日本ではトスカーナ地方の都市、フィレンツェのみ有名であまりこのトスカーナ地方の景色は知られていないようですが、外国ではこの田園風景の美はもっと知られているようです。<br /><br />昼食は珍しくYさんが知っている店があるということで、そこへ行きました。日本人にはあまり馴染みのないアーティチョークの料理や太麺スパゲッティ(ピチ)などいつものように満足しました。<br /><br />午後5時ころには、Civita di Bagnoregio(チヴィタ・ディ・バニョレージョ)に着きました。これは最高です。まさに「天空の街」です。切り立った崖の上にある小さな町で、まるで一つのお城のようで、細い橋で登って行けるのです。「死にゆく町(il paese che muore)」と言われているようで、風雨による浸食でそのうち自然消滅するだろうと言われているようです。アニメ映画「天空の城ラピュタ」のモデルではないかとも言われているようです。ここは他のみなさんも気に入っていましたが、時間もなく橋を渡って街の中には行きませんでした。でも、この町は遠くから見るだけで十分価値があります。<br /><br />今晩の宿泊地はアグリツーリズモで、アメーリアという町ですが、着いた頃には暗くなり、しかも民宿はかなり田舎にあるらしく、日本人妻(麻衣子さん)が車で先導するために途中の角まで迎えに来てくれました。夜のせいもありますが、隣の家が見えません。San Cristoforo というのが民宿の名前です。<br /><br />スヴェレートの農家民宿と同じで、麻衣子さんたちを囲んでの楽しい夕食です。麻衣子さんのご主人、オーナーも友人と同席していますが、日本語が喋れないので遠慮しています。麻衣子さん曰く、本来はお喋りでいろいろな話をしたいそうなのですが、何せ日本語ができないので仕方がありません。日本人客の時は我慢しているようです。<br /><br />ここの夕食はものすごく豪華でした。女性料理長エリザベッタの家庭料理といったところでしょうか? 最初にレストランのように本日のメニュー表を見せてくれました。緑の野菜のスープに始まり、前菜に珍しい野菜のフライ、パスタはタリオリーニでブロッコリー・ソース、ローストポークなど、種類も豊富でボリュームもたっぷりでした。これぞイタリアのマンマの味というところでしょうか? みんな大満足です。<br /><br /><br />【3月12日(水)】<br />朝食後、ゆっくり8時40分頃出発です。今日は今回の旅行訪問地で唯一ある程度有名な Assisi です。ここが3か所目の世界遺産です。イタリアにはあちこちに世界遺産があります。全部で49か所もあるようです。調べてみると、私はそのうち1/3は行ったことがあるようです。別にそんなに世界遺産を有難がっている訳ではありませんが、今回のツアーのようにむしろ日本人にはあまり知られていない場所を訪問しても、勝手に3つも世界遺産を訪問することになりました。途中にBS日テレの番組「小さな村の物語 イタリア」に出そうな絵になる丘の上の村がありました。名前は Montecastrilli のようです。ちなみに、モンテは mountain(山)で、多くの地名にあります。<br /><br />しばらくするとアッシジの街が見えてきました。いつのまにかトスカーナ州からウンブリア州に来ています。ここも小高い丘の上にあり、遠くから見えます。左端に有名な San Francesco(サンフランチェスコ聖堂)が見えます。昨日のピエンツァと違って、それなりの大きさの街です。<br /><br />アッシジは聖フランチェスコゆかりのキリスト教信者の巡礼地。荘厳なる聖フランチェスコ聖堂内部を飾る巨匠ジオット、チマブーエ、マルティーニ、ロレンツェッティらのフレスコ画の数々は中世美術史上でも重要だそうです。確かに壁から天井までフレスコ画だらけです。古代ローマ時代からの歴史あるこの街は、ウンブリア州の美しい自然と、聖人が説いた平和の教え、そして後世の建築・美術の基礎ともなった宗教建築物群とが一体化した精神的、芸術的な美しさを秘めた場所だそうです。このサンフランチェスコ聖堂の写真は絵になります。小高い丘で西端に位置するので、バックにアッシジの街並みが映えます。<br /><br />それはともかく、少し斜面になった道路をしばらく歩きます。1kmまではないけど、かなり歩きます。ちょうどいいことに途中でジェラットリアを見つけ、休憩を兼ねて美味しいジェラートをみんなで食べます。ローマ時代の遺構の残るコムーネ広場にやって来ます。ミネルヴァ神殿があり、並んで少し高いポポロの塔があります。<br /><br />午後1時前になりました。いつもの私の出番です。コムーネ広場でミネルヴァ神殿などのある反対側の裏通りに目を付けると、やはり目立たないところによさそうなリストランテがあります。やはりここも美味しいのです。ラポラーノ・テルメのレストランのようにパンのスライスにパテ状の前菜や生ハムなどの盛り合わせ(ウンブリア前菜として注文)。スパゲティは無難なトマトソースとポルチーニ茸の二種類。ミラノで有名な仔牛のカツレツ(トンカツに似ています)、牛のステーキなどいつものように私が取り仕切ってバランスよく注文します。<br /><br />空飛ぶドクターのツアーらしく今日も5時前には民宿へ戻り、夕方をのんびり過ごします。三男も人懐っこい大きな白い犬と戯れています。そのまま、ゆっくり夕焼けを楽しみます。<br /><br />二晩目のこの日の夕食は前日よりももっとすごかったです。麻衣子さんが説明してくれていましたが、我々日本人の客のために週に2回の市場で魚を仕入れてくれています。白豆スープに始まり、緑の野菜のオリーブ炒め、イワシのフライ、スパゲッティはトマトソースとボンゴレ、Orata(クロダイ)の焼き魚、もうお腹一杯です。ところが、最後に巨大なステーキ2枚が焼き上がります。三男は大喜びで、ほとんど一人で一枚平らげます。私も一切れもらいましたが、いい肉で美味しい。でも、もうお腹一杯でパンクしそうです。実質最後の食事をイタリアの家庭料理で楽しく終わりました。<br /><br /><br />【3月13日(木)】<br />ゆったりした日程の空飛ぶドクターのツアーですが、この朝だけはフライトの関係で朝早く5時45分にさっと朝食を取り、6時過ぎには民宿を出発します。念のために、途中まで麻衣子さんが先導してくれます。スムーズに行き7時50分にはローマ・フィウミチーノ空港へ着きました。帰りもYさんは別便ですので、我々5人を出発口で降ろしてくれます。日本ではOさんのビジネスクラスのおかげで全員一緒に搭乗手続きができましたが、イタリアはさすがに融通がきかず、残りの4人分は普通にエコノミークラス手続きに並ばされました。10時15分発のKLMオランダ航空便です。期待通り、飛び立ってしばらくすると眼下にアルプス山脈の雪景色です。窓際に座っているSさんにも教えてあげます。当然、帰りもアムステルダム経由です。チューリップの苗を売っているのがオランダらしいです。<br /><br />翌朝14日(金)無事に関西空港へ到着します。高齢のOさんはいつものように娘さんが迎えに来てくれています。我々福岡の4人は日本航空や全日空のいい乗継便がなく、LCCのジェットスター便を予約しています。それでも、14時45分の便なので時間を潰す必要がありました。16時頃福岡空港に着き解散です。<br /><br /><br />空飛ぶドクター(登録商標)<br /><br />2014年9月に同様の「空飛ぶドクター・ツアー、南イタリア」を企画しています。<br /><br />

ツアー風イタリア・トスカーナ旅行、温泉とアグリツーリズモ(農家民宿)

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2014/03/07 - 2014/03/14

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空飛ぶドクター

空飛ぶドクターさん

【3月7日(金)】
今回は空飛ぶドクター手作りツアー第三弾です。第一弾はイタリア、ナポリ近郊でした。第二弾はアメリカ、ニューヨーク州とニューメキシコ州でした。今回は、イタリア、トスカーナ地方中心の温泉とアグリツーリズモ(農家民宿)滞在が目玉です。

第一弾は全部で4人だけでしたが、今回は第二弾と同じく6人でレンタカー(ミニバン)での移動です。前回と同じメンバーは84歳女性のOさんと私の2人だけです。今回は私の三男を連れて来ました。福岡からはあと二人、私の泌尿器科の恩師I先生とパートナーのSさんです。福岡空港を7時50分に出発し、関西空港へ着き、待っていたOさんと合流します。Oさんはいつもビジネスクラスです。おかげで残りの4人分もビジネスクラス優先窓口で一緒に手続して、KLMオランダ航空に乗り込みます。目的地はローマですが、アムステルダムで乗り換えです。シェンゲン条約のおかげで、EUの多くの欧州の国は同一国扱いです。ですから、今回のようにイタリアが目的地でもパスポートの記録上は出入国ともオランダになります。少し違和感がありますが・・・

アムステルダムのスキポール空港には最近縁がありますが、かなり広く歩く距離の長いターミナルです。1時間10分の乗り換え時間は結構厳しく入国審査や手荷物チェックを受けているとほとんどギリギリの時間でした。しかも、エスカレーターでは、I先生がよろけて転び、尻もちをつきました。幸い、後ろに大柄な外国人がいたので事なきを得ました。考えてみると、I先生ももう74歳、だいぶ歳を取られました。要注意です。

16時半にアムステルダムを出発し、19時にはローマ・フィウミチーノ空港へ到着しました。ここでは、前もってローマに来ている今回共同主催者、旅行会社のYさんがレンタカーで迎えに来てくれています。私も国際免許証は準備していましたが、レンタカーの手続き上現物の免許証提示が必要で、今回はYさんが全て運転するようになりました。

宿泊だけなので、空港近くの Golden Tulip というイタリアらしくない名前のホテルに行きました。時間的にもホテルでそのまま最初の食事を取りました。これが嬉しい誤算で、ホテルにしては結構おいしい食事でした。前菜として生ハムとモッツァレラチーズ、私の好物・野菜の(オリーブオイル)グリル、シーフード盛り合わせなどを豪華に注文します。料理はいつも私が責任を持って注文し、みんなでシェアします。実質、食べ放題です。人数でバランスを考えて注文します。イタリア人はあまりこういうシェアはしないようですが、注文すれば嫌な顔をせずシェア用の皿をたくさん持ってきてもらえます。大体において、みなさん満足してもらえます。ビステッカ(ビーフステーキ)800gも注文しました。これは、今回の旅先トスカーナ州のフィレンツェの名物料理です。今回の旅行は有名な都会には一切行かないので、フィレンツェ自体には行きませんが。このように、いきなりおいしいイタリア料理に満足し床についてもらいました。


【3月8日(土)】
私の企画するツアーですから、すべてゆっくり、ゆったりです。朝は7時半ころからみんなでホテルでの最初のイタリア式朝食です。最近は外国人を意識しているらしく、イタリアでもゆで卵があったり、フルーツジュースやヨーグルトとふんだんで、以前のようなパンとコーヒーだけというコンチネンタル・ブレックファストは見かけなくなりました。国際化の一環でしょう。

9時半にはホテルを出発しました。2時間ちょっとで最初の目的地、今回の旅行一番のハイライトでもあるサトゥルニア天然温泉に到着しました。真正面に天然温泉が見える少し小高い丘でYさんが車を停めてくれました。ここからは真正面に川から流れ、滝になって4〜5層の浴槽になった天然温泉の全体像がよく見えます。前回、この天然温泉を視察に来た私は反対側から来たので気が付きませんでした。

私にとっては懐かしい無料駐車場の前で我々は車を降ります。今朝は着替えないでいいように、みんな水着を身に着け、その上に服を着ています。ですから、準備万端です。Yさんが一人で車を駐車する間に我々は天然温泉まで歩き、他の人々と同様に服を脱ぎ、まとめて置きます。野外の天然温泉ですから無料です。まだ3月で外は少し肌寒いのですが、思ったより人が多く70〜80人くらいはいます。子供から老人までいます。まだ穴場で、どこにでもいる日本人や中国人は全くいません。黄色人種は我々だけで、後は全て白人(たぶんイタリア人と周辺のヨーロッパ人)です。

トスカーナ州最高峰のアミアータ火山からの源泉が小川になって流れています。3メートルほどの滝になって温泉水が勢いよく落下し、石灰沈殿岩が4〜5段くらいの棚状になって、ちょうどよい天然浴場になっているのです。匂いがあるので硫黄分も含んでいるようです。温度もちょうど38℃くらいです。慣れない日本人には少しぬるく感じますが、医学的にはちょうど適温で、湯のぼせしません。かなり長時間浸かっていても快適で、副交感神経が刺激され、α波が出ます。つまり、ストレスから解放されリラックスできるのです。まさに健康増進作用があります。

三男やI先生、Sさんも滝の下に座りしぶきを浴びて楽しんでいました。打たせ湯になります。高齢のOさんには足元が悪く転ぶといけないので、近場で楽しんでもらいました。私も浸かって楽しんではいますが、同時にいつものように写真もたくさん撮ります。動画も撮ります。なかなか広いので、1枚や2枚の写真でこの温泉の良さを表現するのはむつかしいのです。Yさんは入らずに写真やビデオを撮ってくれています。

入浴している間はいいのですが、出てからはこの季節は少し肌寒いです。ですから予定通り、バスタオルを羽織ってすぐに車に乗り込み、5分もかからない Terme di Saturnia という名の温浴施設へ行きます。ここは有料ですが、屋外のプール型温泉のほかにシャワーやロッカーがあり、後で着替えたりするのが楽です。荷物を置いて中へ入ります。

時間的に、まず内部のレストランで昼食を取ります。セルフサービス方式ですが、さすがイタリアでこういう場所でもちゃんとした料理を出します。モッツァレラチーズの入った野菜サラダや牛肉料理、鶏料理、ラザニア、パスタ、三男がおいしそうと見つけたハム入りパニーニなどつい食べ過ぎました。

腹ごしらえした後、広い温泉水プールへみんなで入ります。ここにも打たせ湯やジェット浴、ジャクジーがあります。ここも温度が38℃程度なので、移動する時が少し寒いです。みんなそれぞれ好きなところで過ごします。実質初日の今日、いきなり天然温泉と温浴施設でのんびりします。普通のツアーにはない、「空飛ぶドクターのツアー」ならではの特色です。

ゆっくり温泉を楽しんでから、車で宿泊地の Suvereto のアグリツーリズモ(農場経営型宿泊施設、要するに農家民宿)へ移動します。午後3時半にはブリケッラ農園(民宿)へ到着しました。移動時間が短いように、つまり近場で見どころを訪ねるように工夫しているのが「空飛ぶドクターのツアー」の特徴です。この経営者は日本人、70歳過ぎの宮川秀之さんです。亡くなったイタリア人の奥さんの後のパートナー・陽子さん、娘のマリア・志づ子さんなどが出迎えてくれました。マーシャ・クラカワー(元NHKの英語講師)似の美人である娘さんは普段はトリノへ住んでいるようですが、我々のためにわざわざやって来てくれたようです。いわゆるハーフになりますが、日本に留学したりしてほとんど普通に日本語を喋ります。

夜の食事は、民宿のみなさんと日本語で歓談しながらの楽しいものでした。でも、せっかくでしたが、我々はお昼に少し食べ過ぎたので残す人が多かったです。ラザニア、肉料理、豆料理と悪くはなかったのですが、料理人の女性(使用人)がトルコ人で少し普通のイタリア料理と違ったせいもあるかもしれません。


【3月9日(日)】
翌朝もゆっくりです。民宿で、まずパンとコーヒーだけに近い質素な朝食をすませ、9時半過ぎにのんびり出発しました。

1時間もせずに目的地の Massa Marittima(マッサ・マリッティマ)へ到着します。トスカーナ州マレンマ地方にある自治都市で、10世紀くらいからの歴史が残っているようです。旧市街の中心にはガリバルディ広場があり、美しいドゥオーモ(聖堂)、鐘楼があります。狭いモンチーニ通りを歩くと、少し上り坂の階段になります。石のアーチでできたスィリーチ門をくぐると新市街(?、13世紀にできたものです!)に出ます。高台にシエナ城塞があります。

急な階段があるので、高齢のОさんはYさんと下でのんびりと待ってもらいます。残り4人で要塞に上がると、先ほどの鐘楼が高くそびえ、背後にはトスカーナ地方らしい絶景が広がっています。ところが、狭い高いところを歩くので、I先生が高所恐怖症で急に足がすくんだようでした。自分でもビックリしていました。

そうこうするうちに昼食の時間です。私の出番です。モンチーニ通りを歩いて来る時に、右側の奥にかすかにレストランの看板が見えました。直感で、おいしそうなレストランと目を付けていたので、そこに入ることにしました。大正解で、非常に満足できるレストランでした。スープが2種類、野菜スープとミネストローネ。正直、どちらがどちらか混乱します。どちらも野菜たっぷりのスープですが、ミネストローネの方は汁が多く、小さいパスタが入っています。でも、イタリア北部や中部では必ずしもトマト、トマトソースは入っていないので、赤くありません。肉料理やパスタ(トスカーナ特有のやや太麺スパゲッティ・ピチやフッシリ)もおいしかったです。みなさんも満足してくれました。

私のツアーらしくゆっくり二時間ほどかけ食事を楽しんで民宿へ帰りました。まだ14時過ぎです。2時間ほど民宿でのんびりです。私は巨大な敷地の農場を歩きました。片側にはぶどう畑、反対側にはオリーブ畑が延々と続いています。ぶどうは季節的につるだけで枯れた状態ですが、その畝の間に明らかに何か葉物野菜を植えているようです。雑草ではなさそうです。後で聞くと、有機栽培のために、豆類を植えてそのまま刈って肥料にするようです。見えてはいましたが、1kmほど先まで歩きました。ここにも2階建ての家があり、8組くらいは宿泊できそうです。引き返す途中で、犬の散歩中の陽子さんに会い、いろいろ雑談しました。慌ただしいツアーに慣れた日本人には退屈すぎるかもしれませんが、こんなのんびりした旅もいいものです。

約束通り、全員再集合して午後4時半から民宿のマリア・志づ子さんから農場の説明が始まりました。先ほどのオリーブ畑やぶどう畑の説明です。それから、建物の半地下に行き、ワイン製造の過程を見せてもらいます。カンティーナ(ワイン貯蔵室)なども案内してもらううちに、オーナーの宮川さん(志づ子さんのお父さん)も加わり、詳しく説明してくれます。結構有名なワイナリーのようで、地元の賞を取ったりしているようです。Hideという名前のワインもあります。そうです、あの中田英寿選手の名前です。息子さんがペルージャに来た当時から中田選手の世話をした関係のようです。途中で、元々の宮川さんの仕事(カーデザイナー)の関係で所有しているクラシックカーも見せてもらえました。もちろん、ワインの販売もしているので、私もお土産用に一番高い50ユーロの「マリア志づ子」を買いました。

オーナーの宮川秀之さんはかなり有名な人のようで、日本のテレビに取材されたこともあるようです。自著「新・われら地球家族―自動車の街・トリノから故国へ」(澤田出版)をいただき、帰国後ゆっくり読みました。息子さんが私と同じAFSでアメリカへ高校留学したり、実子が4人もいるのに別に3人も養子を取ったりと共感できる点が多々ありました。

午後5時45分頃慌てて出発して夕陽を見に西海岸リグリア海のポプロニアまで車で行きましたが、6時20分に到着した時はもう太陽は隠れていました。3月はまだ夏時間ではなく、日暮れも早いのです。小さな村ですが、お店が並んで観光地のようでした。途中で夕陽が沈んでいくのは見えてはいましたが。それと、左側にナポレオンの流刑で有名なエルバ島も見えました。

それから引き返し、志づ子さんに紹介してもらったスヴェレートの街のレストランへ行きます。イタリアらしく、城壁の中に街があり、車は城壁外の路上駐車場へ置きます。我々は先に入口の門のところで降ろしてもらい、Yさんが一人で駐車しに行ったのですが、青い顔をして私に来て欲しいと呼びに来ました。何と隣の車のバンパーにぶつかり傷を付けたようです。レンタカーのミニバンの傷は見えない程度ですが。どうしようかと一瞬躊躇していたら、車の持ち主の70代の女性が現れたようです。

上品な感じの女性でした。でも、片言の私のイタリア語ではらちがあきません。わぁわぁやっているうちに、近くにいるらしいその女性の娘さんがやって来ました。娘さんも上品な感じで悪い人ではなさそうです。でも、一方的にぶつけたこちらが悪いはずだし、相手の車はアルファ・ロメオで、車に詳しくない私でも高級車とわかります。フィアットの普通車なら、イタリアではバンパー程度では問題にもならないのでしょうが。でも、二人とも英語はわからないようで、会話になりません。助けを求めて民宿へ電話しましたが、誰も出ません。志づ子さんにもらった名刺がありますが、ご主人の携帯電話しかなく、そこにかけ、事情を説明して志づ子さんの携帯電話番号を教えてもらい、ようやく志づ子さんに直接繋がりました。

7時半と遅くなったので、細かい交渉はYさんに任せ、残りの5人で先に Tre Briganti へ行き、いつものように私が責任を持って前菜、パスタ、メイン料理を注文します。意外なことに、シーフード料理も一部ありました。よく考えると、先ほど海岸まで行ったので意外と海が近いのでした。トスカーナ地方というとフィレンツェなどの内陸のイメージが強いのですが、ここスヴェレートはリグリア海が近いのです。

一度だけYさんも合流して少し食事をしましたが、やはり志づ子さんに電話で間に入ってもらい、交渉で忙しくしていました。半分ほど食事が進んだ頃、Yさんがニコニコして帰って来ました。商談成立だそうです。示談にして350ユーロで勘弁してもらったそうです。最初、志づ子さんが間に入って400ユーロの示談になったのを、300ユーロと何と値切ったそうです! そして間を取って、350ユーロで決着したそうです。しかも、別れ際に相手の女性と娘さんとにそれぞれイタリア式挨拶、つまり頬をくっつけてキスの音をたてる挨拶までして別れたそうです。さすがの私もあきれました。大した度胸です。いずれにせよ、大事件にならず穏便にすませたのでよかったです。これで、明日からも予定通り旅行が続けられます。


【3月10日(月)】
みんな勢揃いして写真を撮った後、2泊したスヴェレートの民宿をチェックアウトし9時半ころゆっくり出発しました。1時間半ほどで、東方向内陸部の Montalcino へ到着します。町のはずれの城塞にやって来ます。下戸の私にはあまり関係ないのですが、ここはワインで有名らしくブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどの世界的に有名な銘柄があるそうです。エノテカ(酒屋)があり、5ユーロくらいで有名なワインを試飲できます。ここも城塞らしくやや高台にありますから、当然の如くトスカーナの田園風景が楽しめます。

昼食はYさんの知っている京都出身の日本人シェフがいる近くの Buoncovento のレストランへ行き、珍しいウサギの肉などを食べました。途中でシェフを呼んでもらい色々話をしました。こんな田舎まで来る日本人は少ないので喜んでもらえたようです。

それからラポラーノ・テルメ(温泉)の近くのアパート形式のホテルへ行きました。ここからは歩いて Terme Antica Querciolaia へ行けます。でも、以前視察に来た私の記憶ではもう一つある San Giovanni Terme の方がよかったので、車で10分ほどのサン・ジョヴァンニ温泉へ行きました。何とか午後4時半ころには着きました。

中に入ると懐かしい温泉で、まず室内風呂があり、そこを通過するといくつかの広い温泉プールが広がります。そして、この温泉の目玉は回りのトスカーナの絶景を楽しみながら風呂に入れることです。今日は少し時間があるので、マッサージの予約を入口で先にしました。残念ながら、二人だけ、それも30分だけしか空いていませんでした。ですから、女性二人にマッサージは譲りました。

この温泉も石灰岩成分が多く、すくって顔に塗りパックしている女性がいます。今日はこの温泉プールからゆっくりと太陽がトスカーナの大地に沈んでいくのを鑑賞できました。反対側の建物も赤く反射した夕焼けが楽しめました。

夕方7時ころこの温泉を後にして、アパートにはレストランはないし、翌朝の朝食もないのでスーパーに買い物に行こうとしました。でも、田舎でほとんど店もありません。かろうじて co-op の店を見つけると7時29分で店じまい寸前でしたが、親切に入れてくれました。文字通りみんなで走り回ってチーズやトマトやパンなどを買いました。

ところが、今度は夕食のレストランがないのです。アパート・ホテルの大家さんに聞いたレストランは2軒閉まっていました。もう一軒あるはずですが、どうしても見つかりません。かなりやばい状況です。私が半分冗談、半分本気で、いざとなれば(30kmほど離れた)都会のシエナまで行かないとレストランがないかもしれないと言うと、みんなビビッています。Yさんが煙草を買いにかろうじて開いている tabaccheria(タバコ屋さん)へ入ります。ダメもとでイタリア語で近くにレストランがないかと尋ねると、あるといいます。先ほどまでうろちょろした通りの近くですが、少し狭い路地に入ったところのようで見落としたのかもしれません。半信半疑でその路地に入るとありました。La parola(言葉という意味)というレストランがありました。もう8時15分です。

中に入ると地元の警察官らのグループなど結構賑わっています。メニューを読むと、田舎だけあって明らかに今までの相場より半額近くで安いのです。いつも以上に意図的に前菜盛り合わせから、パスタ、肉料理とじゃんじゃん頼みました。予想通り、シーフード料理はここにはありませんが。会計もたくさん頼んだ割には単価が安いのでいつもの通りでした。スーパーの買い出しといい、レストランといいギリギリでしたが、結果オーライで無事に満腹になってアパート・ホテルへ帰り、広いベッドで寝ました。


【3月11日(火】
朝はみんなで昨夜買った材料で朝食を作ります。と偉そうに言いますが、女性陣が作ってくれていました。たまには、こういうアパート形式もいいものです。私は懐かしい近くの L’antica Querciolaia の温泉施設周辺を散歩しました。1年半前に視察に来た懐かしい温泉です。ここも広くて中々いいのですが、中からの眺めは昨日の San Giovanni の方がいいという判断でした。

10時20分過ぎに、今日最初の目的地 Chiusure(キウズーレ)と言う小高い丘の村へ到着しました。Yさんが詳しく、ここにあるバルのおばちゃんはBS日本テレビの「小さな村の物語 イタリア」に出演したそうです。Yさんは再会を喜んでハグしていました(帰国してすぐ偶然にも再放送があり、確かにこのおばちゃんが出ていました)。 

この村の丘からは、眼下にこれから訪れるモンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院がきれいに見れるのです。ですから、すぐそばにあるレストランの名前は il paradiso、つまり「天国」です。修道院を見下ろす素晴らしい立地という意味のようです。

すぐ下に見えたモンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院へ行きます。ベネディクト派に属するオリヴェート会らしく、レンガ造りの建物の門をくぐり中へ入ると鐘楼とともに修道院の建物が見えてきます。Yさんの言う通り、一連のフレスコ画で飾られた大回廊があります。しかも、入場無料です。「聖ベネディクトの生涯」の一連のフレスコ画のようで、すごい迫力です。確かに、写真も撮れるし穴場です。

次に、Pienzaへ向かいます。ピエンツァは人口約2000人、東西400メートルほどの小さな美しい町です。ゆっくり歩いて回れます。まず、ジェラットリア(アイスクリーム屋)を見つけて、おいしいジェラートをみんなで食べます。

1459年に当時のローマ法王ピウス2世が自分の生まれ故郷であるピエンツァを「思い通りの町」「理想の街」とするべく、建築家ベルナルド・ロッセリーノに町の改造を命じたというユニークなエピソードで生まれました。町の中心にある美しいピウス2世広場は、ルネッサンスの教会や宮殿で囲まれ、大聖堂の内部はドイツ風ゴシックが採用されています。ルネッサンス期の人間的な都市設計思想や透視図法を最初に採用した街として貴重な存在となっています。町の周囲に広がるオルチャ渓谷の眺めもすばらしいです。ちなみに、このピエンツァの街とオルチャ渓谷はともに世界遺産に指定されています。

シエナの南東部に広がるこの一帯は14-15世紀にはシエナの領土となり、絵のような美しい景観づくりが大切にされたようです。なだらかな丘に並ぶ糸杉といった風景はルネッサンスの時代も今も数多くの芸術家達に愛され創作意欲をおおいに刺激しているそうです。私も一昨年温泉を調査しに来て、レンタカーでドライブして、糸杉の綺麗さの虜になりました。のどかな美しい牧歌的自然が農家や集落、街道や沿道の修道院や宿などとも融合し保護された景観は見事です。日本ではトスカーナ地方の都市、フィレンツェのみ有名であまりこのトスカーナ地方の景色は知られていないようですが、外国ではこの田園風景の美はもっと知られているようです。

昼食は珍しくYさんが知っている店があるということで、そこへ行きました。日本人にはあまり馴染みのないアーティチョークの料理や太麺スパゲッティ(ピチ)などいつものように満足しました。

午後5時ころには、Civita di Bagnoregio(チヴィタ・ディ・バニョレージョ)に着きました。これは最高です。まさに「天空の街」です。切り立った崖の上にある小さな町で、まるで一つのお城のようで、細い橋で登って行けるのです。「死にゆく町(il paese che muore)」と言われているようで、風雨による浸食でそのうち自然消滅するだろうと言われているようです。アニメ映画「天空の城ラピュタ」のモデルではないかとも言われているようです。ここは他のみなさんも気に入っていましたが、時間もなく橋を渡って街の中には行きませんでした。でも、この町は遠くから見るだけで十分価値があります。

今晩の宿泊地はアグリツーリズモで、アメーリアという町ですが、着いた頃には暗くなり、しかも民宿はかなり田舎にあるらしく、日本人妻(麻衣子さん)が車で先導するために途中の角まで迎えに来てくれました。夜のせいもありますが、隣の家が見えません。San Cristoforo というのが民宿の名前です。

スヴェレートの農家民宿と同じで、麻衣子さんたちを囲んでの楽しい夕食です。麻衣子さんのご主人、オーナーも友人と同席していますが、日本語が喋れないので遠慮しています。麻衣子さん曰く、本来はお喋りでいろいろな話をしたいそうなのですが、何せ日本語ができないので仕方がありません。日本人客の時は我慢しているようです。

ここの夕食はものすごく豪華でした。女性料理長エリザベッタの家庭料理といったところでしょうか? 最初にレストランのように本日のメニュー表を見せてくれました。緑の野菜のスープに始まり、前菜に珍しい野菜のフライ、パスタはタリオリーニでブロッコリー・ソース、ローストポークなど、種類も豊富でボリュームもたっぷりでした。これぞイタリアのマンマの味というところでしょうか? みんな大満足です。


【3月12日(水)】
朝食後、ゆっくり8時40分頃出発です。今日は今回の旅行訪問地で唯一ある程度有名な Assisi です。ここが3か所目の世界遺産です。イタリアにはあちこちに世界遺産があります。全部で49か所もあるようです。調べてみると、私はそのうち1/3は行ったことがあるようです。別にそんなに世界遺産を有難がっている訳ではありませんが、今回のツアーのようにむしろ日本人にはあまり知られていない場所を訪問しても、勝手に3つも世界遺産を訪問することになりました。途中にBS日テレの番組「小さな村の物語 イタリア」に出そうな絵になる丘の上の村がありました。名前は Montecastrilli のようです。ちなみに、モンテは mountain(山)で、多くの地名にあります。

しばらくするとアッシジの街が見えてきました。いつのまにかトスカーナ州からウンブリア州に来ています。ここも小高い丘の上にあり、遠くから見えます。左端に有名な San Francesco(サンフランチェスコ聖堂)が見えます。昨日のピエンツァと違って、それなりの大きさの街です。

アッシジは聖フランチェスコゆかりのキリスト教信者の巡礼地。荘厳なる聖フランチェスコ聖堂内部を飾る巨匠ジオット、チマブーエ、マルティーニ、ロレンツェッティらのフレスコ画の数々は中世美術史上でも重要だそうです。確かに壁から天井までフレスコ画だらけです。古代ローマ時代からの歴史あるこの街は、ウンブリア州の美しい自然と、聖人が説いた平和の教え、そして後世の建築・美術の基礎ともなった宗教建築物群とが一体化した精神的、芸術的な美しさを秘めた場所だそうです。このサンフランチェスコ聖堂の写真は絵になります。小高い丘で西端に位置するので、バックにアッシジの街並みが映えます。

それはともかく、少し斜面になった道路をしばらく歩きます。1kmまではないけど、かなり歩きます。ちょうどいいことに途中でジェラットリアを見つけ、休憩を兼ねて美味しいジェラートをみんなで食べます。ローマ時代の遺構の残るコムーネ広場にやって来ます。ミネルヴァ神殿があり、並んで少し高いポポロの塔があります。

午後1時前になりました。いつもの私の出番です。コムーネ広場でミネルヴァ神殿などのある反対側の裏通りに目を付けると、やはり目立たないところによさそうなリストランテがあります。やはりここも美味しいのです。ラポラーノ・テルメのレストランのようにパンのスライスにパテ状の前菜や生ハムなどの盛り合わせ(ウンブリア前菜として注文)。スパゲティは無難なトマトソースとポルチーニ茸の二種類。ミラノで有名な仔牛のカツレツ(トンカツに似ています)、牛のステーキなどいつものように私が取り仕切ってバランスよく注文します。

空飛ぶドクターのツアーらしく今日も5時前には民宿へ戻り、夕方をのんびり過ごします。三男も人懐っこい大きな白い犬と戯れています。そのまま、ゆっくり夕焼けを楽しみます。

二晩目のこの日の夕食は前日よりももっとすごかったです。麻衣子さんが説明してくれていましたが、我々日本人の客のために週に2回の市場で魚を仕入れてくれています。白豆スープに始まり、緑の野菜のオリーブ炒め、イワシのフライ、スパゲッティはトマトソースとボンゴレ、Orata(クロダイ)の焼き魚、もうお腹一杯です。ところが、最後に巨大なステーキ2枚が焼き上がります。三男は大喜びで、ほとんど一人で一枚平らげます。私も一切れもらいましたが、いい肉で美味しい。でも、もうお腹一杯でパンクしそうです。実質最後の食事をイタリアの家庭料理で楽しく終わりました。


【3月13日(木)】
ゆったりした日程の空飛ぶドクターのツアーですが、この朝だけはフライトの関係で朝早く5時45分にさっと朝食を取り、6時過ぎには民宿を出発します。念のために、途中まで麻衣子さんが先導してくれます。スムーズに行き7時50分にはローマ・フィウミチーノ空港へ着きました。帰りもYさんは別便ですので、我々5人を出発口で降ろしてくれます。日本ではOさんのビジネスクラスのおかげで全員一緒に搭乗手続きができましたが、イタリアはさすがに融通がきかず、残りの4人分は普通にエコノミークラス手続きに並ばされました。10時15分発のKLMオランダ航空便です。期待通り、飛び立ってしばらくすると眼下にアルプス山脈の雪景色です。窓際に座っているSさんにも教えてあげます。当然、帰りもアムステルダム経由です。チューリップの苗を売っているのがオランダらしいです。

翌朝14日(金)無事に関西空港へ到着します。高齢のOさんはいつものように娘さんが迎えに来てくれています。我々福岡の4人は日本航空や全日空のいい乗継便がなく、LCCのジェットスター便を予約しています。それでも、14時45分の便なので時間を潰す必要がありました。16時頃福岡空港に着き解散です。


空飛ぶドクター(登録商標)

2014年9月に同様の「空飛ぶドクター・ツアー、南イタリア」を企画しています。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
5.0
同行者
その他
交通手段
レンタカー
航空会社
KLMオランダ航空
旅行の手配内容
個別手配

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  • いきなり美味しいローマ料理

    いきなり美味しいローマ料理

  • 生ハムとモッツァレラチーズ

    生ハムとモッツァレラチーズ

  • 最初から満足の食事<br />(ローマ空港近郊のホテル)

    最初から満足の食事
    (ローマ空港近郊のホテル)

  • 遠景のサトゥルニア天然温泉

    遠景のサトゥルニア天然温泉

  • 5層になったサトゥルニア天然温泉

    5層になったサトゥルニア天然温泉

  • サトゥルニア天然温泉

    サトゥルニア天然温泉

  • 滝もある

    滝もある

  • サトゥルニア天然温泉の回りの風景

    サトゥルニア天然温泉の回りの風景

  • 回りの景色も最高

    回りの景色も最高

  • 顔パックの女性も

    顔パックの女性も

  • Terme di Saturnia<br />こちらは天然温泉でなく、近くにある温浴施設

    Terme di Saturnia
    こちらは天然温泉でなく、近くにある温浴施設

  • Terme di Saturnia<br />

    Terme di Saturnia

  • Terme di Saturnia<br />回りの絶景

    Terme di Saturnia
    回りの絶景

  • ブリケッラ農園の人々と<br />宮川オーナーと

    ブリケッラ農園の人々と
    宮川オーナーと

  • ブリケッラ農園入口にて

    ブリケッラ農園入口にて

  • マッサ・マリッティマ

    マッサ・マリッティマ

  • マッサ・マリッティマ<br />シエナ城塞

    マッサ・マリッティマ
    シエナ城塞

  • シエナ城塞からの景色

    シエナ城塞からの景色

  • 広大なブリケッラ農園

    広大なブリケッラ農園

  • 絵になる糸杉のある風景<br />ブリケッラ農園

    絵になる糸杉のある風景
    ブリケッラ農園

  • ブリケッラ農園内<br />カンティーナ

    ブリケッラ農園内
    カンティーナ

  • 宮川氏のクラシックカーと

    宮川氏のクラシックカーと

  • HIDEの名前のワイン

    HIDEの名前のワイン

  • ポプロニア

    ポプロニア

  • 全員集合、ブリケッラ農園<br />犬と猫も

    全員集合、ブリケッラ農園
    犬と猫も

  • ワインで有名なモンタルチーノ

    ワインで有名なモンタルチーノ

  • ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ<br />値札は500ユーロ!

    ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
    値札は500ユーロ!

  • モンタルチーノからの眺め

    モンタルチーノからの眺め

  • モンタルチーノからの景色

    モンタルチーノからの景色

  • ブオンコベントの街並み

    ブオンコベントの街並み

  • ラポラーノ温泉<br />サン・ジョヴァンニ温泉

    ラポラーノ温泉
    サン・ジョヴァンニ温泉

  • 顔に温泉泥でパックを

    顔に温泉泥でパックを

  • ラポラーノ温泉<br />サン・ジョヴァンニ温泉

    ラポラーノ温泉
    サン・ジョヴァンニ温泉

  • 温泉水プールからの日没風景

    温泉水プールからの日没風景

  • 夕陽に照らされた温泉水プールからの眺め

    夕陽に照らされた温泉水プールからの眺め

  • キウズーレの村から見下ろす<br />モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院

    キウズーレの村から見下ろす
    モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院

  • バルのマンマと

    バルのマンマと

  • モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院入口

    モンテ・オリヴェート・マッジョーレ修道院入口

  • 廊下に並ぶフレスコ壁画

    廊下に並ぶフレスコ壁画

  • ピエンツァへ向かう途中の絶景<br />典型的な糸杉のある景色

    ピエンツァへ向かう途中の絶景
    典型的な糸杉のある景色

  • ピエンツァ<br />ピウス2世広場

    ピエンツァ
    ピウス2世広場

  • ピエンツァからの風景

    ピエンツァからの風景

  • 天空の街<br />チヴィタ・ディ・バニョレージョ

    天空の街
    チヴィタ・ディ・バニョレージョ

  • 天空の街<br />チヴィタ・ディ・バニョレージョ

    天空の街
    チヴィタ・ディ・バニョレージョ

  • アメーリアのアグリツーリズモ<br />サン・クリストフォーロ<br />夕食風景

    アメーリアのアグリツーリズモ
    サン・クリストフォーロ
    夕食風景

  • 丘の上の小さな村<br />モンテカストリッリ

    丘の上の小さな村
    モンテカストリッリ

  • アッシジ<br />サンフランチェスコ聖堂

    アッシジ
    サンフランチェスコ聖堂

  • アッシジ<br />サンフランチェスコ聖堂<br />背景に雄大な景色が

    アッシジ
    サンフランチェスコ聖堂
    背景に雄大な景色が

  • アッシジ<br />ジェラート!

    アッシジ
    ジェラート!

  • コムーネ広場<br />ミネルヴァ神殿とポポロの塔

    コムーネ広場
    ミネルヴァ神殿とポポロの塔

  • ソーラーパネルのある<br />サン・クリストフォーロ農園

    ソーラーパネルのある
    サン・クリストフォーロ農園

  • 犬とくつろぐ三男

    犬とくつろぐ三男

  • サン・クリストフォーロ農園<br />豪華な夕食<br />オラータ(クロダイ)

    サン・クリストフォーロ農園
    豪華な夕食
    オラータ(クロダイ)

  • 豪快なステーキ2枚

    豪快なステーキ2枚

  • 最後に豪快なステーキをほうばり<br />満足気な三男

    最後に豪快なステーキをほうばり
    満足気な三男

  • 空からのアルプス山脈

    空からのアルプス山脈

  • オランダ、スキポール空港<br />チューリップの球根を売っている

    オランダ、スキポール空港
    チューリップの球根を売っている

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