2014/04/26 - 2014/04/26
27位(同エリア133件中)
naoさん
鈴鹿山脈の東麓にある関宿は、古くから往還の分岐点として交通の要衝だった所で、かつて鈴鹿の関が置かれていたことに由来してその名が付けられました。
中世、近在の人々や往還を行き交う旅人の信仰を集めた、地蔵院の門前町として形成された町を中心に次第に宿場町としての姿が整い、1601年、徳川幕府による宿駅の制度化により、東海道五十三次の内、江戸日本橋から数えて47番目にあたる関宿が誕生、参勤交代や伊勢参りなどの人々で繁栄します。
関宿は、木崎、本陣と脇本陣が置かれた中町、新所の三町で構成され、東は東海道と伊勢別街道の追分から、西は鈴鹿峠越えの東海道と加太峠越えの大和街道の追分まで、延約1.8kmにもわたっており、東海道屈指の宿場町であったことがうかがわれます。
旧東海道の宿場町の殆どが旧態をとどめない状態になってしまった現在、関宿には今なお当時そのままの宿場町の面影を伝える町並みが残っており、大変貴重な存在となっています。
町並みに連なる町家は、最も古いもので18世紀中頃の建築とみられ、19世紀初頭から明治中頃にかけての建物が大半を占めているようです。
町家の特徴としては、漆喰塗り込めの虫籠窓を持つ中二階建て又は二階建ての平入り建物がほとんどで、ほんの一部ですが妻入りの建物も見受けられます。
歴史や伝統に培われた江戸時代そのままの姿を残す町並みには、電柱や客寄せ目当ての土産物屋は見当たらず、人々が普通に日常生活を送る場としての、生きた町並みを楽しむことができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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関宿にやって来ました。
町の東端にある、東の追分の駐車場に車を停めて町歩きを始めます。関宿 名所・史跡
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東側の町並みを一目見ただけで、この宿場町の持つ素晴らしさが伝わってくるような気がします。
この感覚は、以前中山道の奈良井宿を訪れた時に感じたものと全く同じもので、その時も決して裏切られませんでした。 -
町並みは、緩やかに上りながら続いています。
あの先にどんな景観が待っているんだろうと思うと、惑々します。 -
軒下に付けられた幕板は、風雨から建物を守る役割を担っています。
他の古い町並みではあまり見かけないので、この町特有のものかも知れません。 -
窓の形や格子の意匠は、町家それぞれに個性的ですが、いずれも伝統様式に則って造られています。
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旅籠時代の看板を掲げる町家があります。
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窓格子がきれいに拭き込まれています。
この建物を愛しておられる気持が伝わって来ます。 -
本当に落ち着いた、良い町並みです。
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郵便ポストの意匠にも、町並みの景観に配慮する気持が現れています。
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1階屋根のナマコ模様に、一工夫凝らしておられます。
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この町並みでは、注連縄を付けている町家をよく見かけます。
伊勢地方では、新年に付けた注連縄を1年間そのまま付けておき、伊勢神宮の大晦日のとんど火で焼いて、新しい注連縄に付け替える風習があるそうです。 -
2階に、白漆喰塗りの虫籠窓のある町家です。
幕板の意匠も、他とは少し異なっています。 -
この町家は、2階に三つある窓格子の意匠が全て異なっています。
ご主人が相当こだわったんでしょうね。 -
西日に向かって歩いているので、空を大きく入れると極端な逆光になってしまいます。
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町家の前に取り付けられた「ばったり」と呼ばれる折り畳み式の棚。
昔はこの棚に商品を並べたり、通行人が腰かけたりするのに使ったそうです。 -
この町家の前には、板石が並んでいます。
側溝の蓋にして、コンクリートを見えなくしているんだと思いますが、この町並みには石の方がよく似合います。 -
この格子の意匠は秀逸ですね〜!
一見不規則なように見えますが、ちゃんと規則性を持っています。 -
町並みの中ほどには百五銀行関支店が店を構えています。
百五銀行は、津市に本店のある地方銀行です。 -
今まで歩いてきた東側を振り返って見たところです。
西日が長く影を落としています。 -
かつて芸妓の置屋を営んでいた頃の屋号が入った看板を掲げる町家。
建物も置屋当時の姿に改修されたそうです。 -
カフェの前にアクセントとして置かれたクラシック自転車。
「Bridgestone」の文字が読み取れます。而今禾 グルメ・レストラン
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十字路に建っているので、ウナギの寝床のような奥の深い敷地であることがよく判ります。
おそらく他の町家もそうなんでしょうね。 -
この町では、古い町家をそのまま店舗として使っておられます。
客寄せのための土産物屋ではなく、あるのは八百屋さんや雑貨屋さんと云った、日常生活に必要な物を扱っておられるお店ばかりです。 -
馬つなぎの金物が残っている町家があります。
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この町並みの多くの町家は銅製の樋を使っています。
この町並みに塩ビの樋じゃね〜・・・。 -
「自然薯ふりかけ」とはいかに・・・。
自然薯のあのネバネバが美味しいのに、乾燥してふりかけにするのはどうなんでしょう・・・。 -
「関まちなみ資料館」です。
この資料館は江戸時代の町家を復元したもので、内部には帳場、箱階段、かまどなどをしつらえ、かつての商家のたたずまいを再現しているそうです。関まちなみ資料館 美術館・博物館
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この町家は屋根を受ける持ち送りの意匠に工夫を凝らしています。
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関宿には二軒の本陣があったそうですが、伊藤本陣跡はその一つです。
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関宿には珍しい妻入りの橋爪家住宅です。
むくりのある大屋根が雄大です。 -
関宿を代表する大旅籠のひとつ「玉屋」さんです。
現在は「関宿旅籠玉屋歴史資料館」として運営されています。
二階の壁面には、「玉屋」さんを象徴する紋様が浮き出ています。関宿旅籠玉屋歴史資料館 美術館・博物館
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立派な庵看板が目を引くこのお店は、関宿を代表する菓子司の深川屋さんです。
深川屋 陸奥大掾 グルメ・レストラン
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庵看板とは、瓦屋根のある看板のことで、深川屋さんの庵看板はことのほか立派です。
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『関の戸』は深川屋さん渾身の銘菓です。
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関郵便局の前には、高札場跡があります。
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町家の屋根で打ち出の小槌を振る大黒様が居ました。
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突き当たりに地蔵院が見えてきました。
関宿は、地蔵院の門前町として形成された町を礎に、徳川幕府の宿駅制度化の追い風とも相まって、このような大規模な宿場町にまで成長しました。 -
この町並みを歩きながら、ずっと探していたものをここにきて見つけました。
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そう、ツバメさんです。
この時期、ツバメは巣作りのために飛び回っているんですが、やっと止まっているところを見つけました。 -
この辺りのお店も、生活用品を扱っておられるお店ばかりです。
古い町並みを歩いていつも思うのは、その町の人々が普通に生活しているということです。
「決して観光地じゃないんだぞ」と云うことを肝に銘じて行動するようにしています。 -
店先に藤の鉢植えを置いているお店があります。
そろそろ藤の花も見頃を迎えます。 -
町並みはまだまだ続きますが、決して飽きさせませんね。
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軒先の瓦には、菊の御紋の細工が施されています。
ここ関宿では、いろんな意匠の細工瓦が見られるそうです。 -
白壁に羽目板の塀を持つ町家があります。
亀山市の指定文化財の「旧田中家住宅」です。 -
段違いに架けた屋根のある町家。
軒下の幕板の意匠にも一工夫見られます。 -
かわいい鯉のぼりが町並みを見つめています。
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この辺りから、町並みは徐々に上って行きます。
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いろんな意匠の細工瓦とともに、町家を飾るのが漆喰の彫り物です。
これは牡丹の花でしょうか・・・。 -
こちらでは、瓦の上で鍾馗さまが「どや!」顔です。
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お日さまはだいぶ西に傾いてきました。
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重厚な虫籠窓のある町家です。
2階の外壁には、縁起の良い鶴亀の彫り物が見えます。 -
そろそろ町はずれと云う所までやって来ましたが、この町並みには電柱が一本も見当たりません。
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町家の庭で見かけた井戸のポンプ。
さすがに、今はもう使っていないようです。 -
関宿の汚水枡の蓋。
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とうとう西の追分まで歩いてきました。
東の追分から、ここまでで1.8?あるそうですが、素晴らしい町並みを眺めながらの散策だったので、全然疲れを覚えませんでした。 -
では、来る時とは違う表情を見せてくれることに期待しながら、来た道を引き返します。
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さすがに、西日を受ける妻面には窓がありません。
夏場の西日があたる部屋は暑くて居られないので、西側に窓を作らないのが鉄則です。 -
左手の町家は、先ほどの鶴亀の彫り物のある町家で、こちら側には亀が浮き出ています。
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こちらの町家も重厚な虫籠窓を持っています。
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町並みに彩りを添えるモミジと・・・
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こでまり。
こでまりは、小さな花が集まって白い手毬を作ります。 -
間口の広さと云い、奥行きの深さと云い、相当大きな町家です。
建物の奥行きが深いので、とても大きな屋根が架かっています。 -
それぞれに趣のある屋根が連なっています。
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これは魔除けでしょうか、鬼が牙をむいています。
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先ほどの、菊の御紋の瓦のある町家です。
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この辺りの道は軽くあて曲げになっているので、見通しが効きません。
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2階にバルコニーのようなスペースがある、とても珍しい町家です。
ここはお菓子屋さんのようですね。 -
お日さまが相当西に傾いてきたので・・・
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暮色がだんだんと濃くなってきました。
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暮色に彩られた町並みも風情があります。
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伊藤本陣跡まで戻って来ました。
この辺りで、やっと町並みの中間地点です。 -
露地から見た町家。
町家の中に車が見えるあたりは現代風ですね。 -
町並みに同化した私です。
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面白い玄関の町家が隣り合っています。
左手の町家は、左右で建具の意匠が異なっているし、右隣の町家は、2重になっているようです。 -
左手に脇本陣だった町家が見えてきました。
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2階には、虫籠窓と並んで、破風が付けられています。
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「自然薯ふりかけ」の岩田商店さん。
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町並みは陽が陰ってきたので・・・
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町家が飴色になって、良い味を出しています。
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店先に置かれていたクラシック自転車がしまわれています。
カフェも店じまいしたようです。 -
百五銀行さんの店先に、「現金自動取扱所」と書いてあります。
察するに、ATMなんでしょうね・・・。 -
看板。
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「村田屋」と書いた幕をおろしているのは骨董屋さんです。
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段違いになって連なる屋根が・・・
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夕焼けにあわせて、綺麗なアンサンブルを奏でています。
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この破風の意匠は、この町並みの特徴的なものの一つです。
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チューリップと町並み。
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町家の屋根があんなに下に見えるので、すごい落差です。
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坂道の途中にある町家を過ぎると・・・
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徐々に視野が開け・・・
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ラストスパートに入ります。
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「いっぷく亭」と書かれた看板が立っている町家は、関宿散策拠点のカフェです。
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今来た町並みを振り返ります。
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むくり屋根が特徴的な岩間家住宅。
築200年以上は経っているそうです。 -
やっと東の追分まで戻って来ました。
歩き応え十分な町並みでしたが、いろんな発見があり、楽しく歩くことができました。 -
頑ななまでに歴史や伝統を守る関宿の町並みは、この町を愛する人々が居るからこそ成し得ることで、いつまでもこの姿を守り続けていただくよう、切に願うばかりです。
再訪したい町が、またひとつ増えました。
さて、陽もすっかり暮れてしまったので、この辺りで家路につくことにします。
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