2008/08/15 - 2008/08/17
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nakaohidekiさん
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作家、渡辺淳一が亡くなった。八十歳だという。
僕は数年前、札幌を訪れたとき渡辺淳一文学館へ行ったことがある。
渡辺淳一の特にファンだという訳ではない。小説好きというだけで札幌にこんなものがあるんだなあ、と思い出かけただけである。
僕が高校の頃、渡辺淳一は文壇にデビュー(直木賞受賞)し、そのころからいくつかの作品は読んできていた。しかし、好きな作品も特に気になった作品もなかった。直木賞受賞作の『光と影』から話題になった『失楽園』も『愛の流刑地』もいうなれば単にエンターテイメント小説なんだと思うだけでそれほどの感慨はなかった。しかし、ここ、渡辺淳一文学館を訪れて考えが変わったといってもよかった。それは、作品の数行から、ときには一行だけの文章が書かれた展示を見たときからである。
小説というものは長編であれば数百ページにもわたり、またそれが何巻にもなるものがあるということは誰でも知っているところであるが、ここに展示されていたのは、その小説のたった数行、ときには一行だけを取り出して展示していたのである。この数行、または一行だけを読んで僕の考えが変わっってしまったのである。文章の横には、その小説が映画やドラマになったシーンの写真が添えられている。
本で読むなら、一週間か数週間はかかってしまう小説の、映画やドラマなら2時間か3時間はかかってしまうものが、そこにはたった数行だけ、または、一行が展示されていて、これを見ることにより、これが『文学』なんだ、と教えられたのである。けっして長い文章の表現が文学になるのではないということに気付かされたのである。
それはとりもなおさず、”文学とは文章により表現される芸術”だということを、改めて教えられてしまったのである。
そんな渡辺淳一は、直木賞の選考委員を長年に渡り務めていた。その選評は極めて厳しく、めったに直木賞候補作を褒めることはなかった。他の選考委員が推薦した直木賞受賞作とてそれは同じであった。渡辺淳一は文学と厳しく向かい合っていた人だと思う。
僕はこの文学館を訪問した記念に、売店で売っていたエッセイ『マイセンチメンタルジャーニー』を買って帰った。自分のことを書いたこの作品を読んで、渡辺淳一が『愛』を表現し続けた原点を知ることができたのである。そして、渡辺文学の原点が、自身の足跡にあることに気付かされたのである。
そんなことを教えられた渡辺淳一であった。
4月30日に前立せん癌で亡くなっていたという。
こころより、ご冥福をお祈りいたします。
合掌。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JALグループ JR特急
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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この旅行記へのコメント (2)
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- 吉備津彦さん 2014/09/17 20:36:06
- 私もファンで何度か講演を聴き、本にサインしてもらっています。
- 私もチャンスがあれば是非訪問したいと思いました。
- nakaohidekiさん からの返信 2014/09/18 13:30:59
- RE: 私もファンで何度か講演を聴き、本にサインしてもらっています。
- 吉備津彦さんへ
感想有難うございました。
nakaohidekiより
> 私もチャンスがあれば是非訪問したいと思いました。
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ホテルモントレ札幌
4.17
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