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かねてから訪ねてみたいと思っていた「旧古河邸」をやっと訪問することができた。その上、通常は内部の見学はできないが、この日は特別公開日となっていて、いつもとは異なる別料金で建物の内部に入ることが可能だった。<br /><br />武蔵野台地の斜面と低地という特徴を生かし、北側の小高い丘には洋館を配し、斜面には洋風庭園、そして低地には和風庭園を配しているのが旧古河邸の特徴である。<br /><br />元々は明治の元勲・陸奥宗光(1844〜1897)の別宅であったが、次男・潤吉(1869〜1905)が古河家の養子になった時に足尾銅山で知られる大財閥古河家の所有となった。しかし、当時の建物は現在はない。<br /><br />その後、三代目当主虎之助(1887〜1940) の依頼で、ジョサィア・コンドル (1852〜1920) によって1917年(大正6) 5月に竣工され、しかも彼の最晩年の作である。壁は真鶴産の新小松石 (安山岩) で造られ、屋根は天然スレート葺き、地上2階、地下1階となっている。<br /><br />* 内部の写真の内何枚かは邸内で販売されていた絵葉書を用いたことをお断りしておきます。

冬の旧古河邸を訪ねて

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2014/03/14 - 2014/03/14

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Weiwojing

Weiwojingさん

かねてから訪ねてみたいと思っていた「旧古河邸」をやっと訪問することができた。その上、通常は内部の見学はできないが、この日は特別公開日となっていて、いつもとは異なる別料金で建物の内部に入ることが可能だった。

武蔵野台地の斜面と低地という特徴を生かし、北側の小高い丘には洋館を配し、斜面には洋風庭園、そして低地には和風庭園を配しているのが旧古河邸の特徴である。

元々は明治の元勲・陸奥宗光(1844〜1897)の別宅であったが、次男・潤吉(1869〜1905)が古河家の養子になった時に足尾銅山で知られる大財閥古河家の所有となった。しかし、当時の建物は現在はない。

その後、三代目当主虎之助(1887〜1940) の依頼で、ジョサィア・コンドル (1852〜1920) によって1917年(大正6) 5月に竣工され、しかも彼の最晩年の作である。壁は真鶴産の新小松石 (安山岩) で造られ、屋根は天然スレート葺き、地上2階、地下1階となっている。

* 内部の写真の内何枚かは邸内で販売されていた絵葉書を用いたことをお断りしておきます。

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  • 冬の旧古河邸は殺風景で、バラの花も他の花も何も咲いておらず、しかもこの日は雨が降り、見学するにはあまりふさわしくない日であった。ただ見学者は他に誰もいなかったので、学芸員の説明によく耳を傾けて、この邸宅の様子を十分見ることが出来たことが最大の収穫である。

    冬の旧古河邸は殺風景で、バラの花も他の花も何も咲いておらず、しかもこの日は雨が降り、見学するにはあまりふさわしくない日であった。ただ見学者は他に誰もいなかったので、学芸員の説明によく耳を傾けて、この邸宅の様子を十分見ることが出来たことが最大の収穫である。

  • この写真は建物の南側部分で、左右対称となっている建物部分である。外壁は安山岩で出来ていて、雨に濡れたりすると色が変わりするのが特徴である。

    この写真は建物の南側部分で、左右対称となっている建物部分である。外壁は安山岩で出来ていて、雨に濡れたりすると色が変わりするのが特徴である。

  • 少し角度を変えて撮ってみた。手前に広がる洋風の庭園はコンドルによるもので、一方和風庭園は京都の庭師・七代目小川治兵衛 (1860〜1933) の手によるものである。

    少し角度を変えて撮ってみた。手前に広がる洋風の庭園はコンドルによるもので、一方和風庭園は京都の庭師・七代目小川治兵衛 (1860〜1933) の手によるものである。

  • 玄関から建物の内部に入る。玄関部分は入り口のガラスにステンドグラスがはめ込まれていること以外は特記すべきことはない。

    玄関から建物の内部に入る。玄関部分は入り口のガラスにステンドグラスがはめ込まれていること以外は特記すべきことはない。

  • 玄関を入ると大きなホールがあり、その右側に階段があって、2階につながっている。2階はプライベートな空間で、家族の部屋や来客用の部屋がある。

    玄関を入ると大きなホールがあり、その右側に階段があって、2階につながっている。2階はプライベートな空間で、家族の部屋や来客用の部屋がある。

  • 格天井のある玄関ホールは多くのゲストを迎え、夜な夜な晩餐会やパーティが行われた賑わいを見てきたものと思われる。

    格天井のある玄関ホールは多くのゲストを迎え、夜な夜な晩餐会やパーティが行われた賑わいを見てきたものと思われる。

  • 玄関ホールの左側には大食堂のある部屋に通じる通路がある。しかし、ここはゲスト用の入り口ではなさそうである。

    玄関ホールの左側には大食堂のある部屋に通じる通路がある。しかし、ここはゲスト用の入り口ではなさそうである。

  • 廊下の突き当たりのところにステンドグラスが施された窓ガラスがある。

    廊下の突き当たりのところにステンドグラスが施された窓ガラスがある。

  • この部屋は現在は喫茶室になっていて、コーヒー、紅茶、ケーキなどをいただくことが出来るが、かってはサロンとなっていて、多くの客が集っていたものと思われる。

    この部屋は現在は喫茶室になっていて、コーヒー、紅茶、ケーキなどをいただくことが出来るが、かってはサロンとなっていて、多くの客が集っていたものと思われる。

  • 小生も見学の後は、この部屋で紅茶とケーキをいただいた。

    小生も見学の後は、この部屋で紅茶とケーキをいただいた。

  • 天井の照明器具が素晴らしい。

    天井の照明器具が素晴らしい。

  • サロンの隣には大食堂がある。サロンとは雰囲気が異なり、こちらの方が明るい感じがする。この部屋でも今はお茶を楽しむことが出来るようだ。<br /><br />こんな豪華な雰囲気の中でお茶やケーキなどを楽しむことが出来るのは興味深いが、ただ味の方はと言うとそれほどのことはないような気がする。

    サロンの隣には大食堂がある。サロンとは雰囲気が異なり、こちらの方が明るい感じがする。この部屋でも今はお茶を楽しむことが出来るようだ。

    こんな豪華な雰囲気の中でお茶やケーキなどを楽しむことが出来るのは興味深いが、ただ味の方はと言うとそれほどのことはないような気がする。

  • 大食堂には暖炉の上に大きな鏡があり、部屋を大きく見せている。

    大食堂には暖炉の上に大きな鏡があり、部屋を大きく見せている。

  • 暖炉の上の飾りで、バラの花が描かれている。

    暖炉の上の飾りで、バラの花が描かれている。

  • 1階テラスに出るドアで、天気の良い日には外に出られるようだ。

    1階テラスに出るドアで、天気の良い日には外に出られるようだ。

  • 部屋の中からテラスの部分を見てみた。

    部屋の中からテラスの部分を見てみた。

  • 屋根裏の部分へ案内していただいた。ここにはガラスで出来た明かり採りがあり、ちょうど2階のところにあたるように造られている。

    屋根裏の部分へ案内していただいた。ここにはガラスで出来た明かり採りがあり、ちょうど2階のところにあたるように造られている。

  • 2階は和室が中心で、洋室は寝室が一つあるに過ぎない。建物の外から見ると、和室があるとはとても思えない。洋室は当主ご夫妻の寝室と浴室で、和室はゲスト用の大きな部屋が2つある。

    2階は和室が中心で、洋室は寝室が一つあるに過ぎない。建物の外から見ると、和室があるとはとても思えない。洋室は当主ご夫妻の寝室と浴室で、和室はゲスト用の大きな部屋が2つある。

  • 邸内を歩いていると、洋風庭園の奥の方に日本庭園もあり、少々足を延ばしてみた。木立の中に茶室がありました。ひっそりしていて、あまり訪れる人がいないようである。

    邸内を歩いていると、洋風庭園の奥の方に日本庭園もあり、少々足を延ばしてみた。木立の中に茶室がありました。ひっそりしていて、あまり訪れる人がいないようである。

  • 部屋の中央に炉が切ってあって、茶会に利用できるようになっている。

    部屋の中央に炉が切ってあって、茶会に利用できるようになっている。

  • 茶室で興味を覚えたのは障子の上にはめられている欄間のデザインで、これまで見たことのないような意匠となっている。

    茶室で興味を覚えたのは障子の上にはめられている欄間のデザインで、これまで見たことのないような意匠となっている。

  • 茶室の入口のところに照明器具が吊り下げられていて、これまた古風な作りである。<br /><br />2時間余りの見学ですっかり建物の内部や庭園を見て回ることが出来、至福のひと時だったと言ってもよいだろう。再訪を期したい。<br /><br />* 「旧古河邸」<br /> 東京都北区西ヶ原 1-27-39 ( TEL. 03-3910-0394 )

    茶室の入口のところに照明器具が吊り下げられていて、これまた古風な作りである。

    2時間余りの見学ですっかり建物の内部や庭園を見て回ることが出来、至福のひと時だったと言ってもよいだろう。再訪を期したい。

    * 「旧古河邸」
     東京都北区西ヶ原 1-27-39 ( TEL. 03-3910-0394 )

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