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今回の南ア共和国への出張はキャセイパシフィック航空で香港経由となった。乗り継ぎ時間は約10時間あり、久々にマカオを訪れることにした。先回の訪問は1998年であるから16年ぶり、時が過ぎ去る早さを感じざるを得ない。もっとも先回はほとんど観光する時間はなかったので、実質初めてと言うべきである。今改めて調べてみると、マカオが中国に返還されたのは1999年であるから、先回の訪問とは別の国なのである。しかし現在もマカオへの入国管理があり、通貨もマカオ固有のパタカ(1パタカ=13円)を使用している。香港ドルとほぼ同じレートであり香港ドルでの支払いも可能だが、香港ではパタカは使えないそうだ。<br /><br />マカオへのアクセスは、香港国際空港フェリーターミナルから3社の高速船がほぼ毎時運行されている。今回乗船したターボジェットのフェリーは、行きは246香港ドル、帰りは246パタカ、約1時間でマカオの外港フェリーターミナルに到着した。先回の訪問時は非常に海が荒れていて、小生としては初めて船酔いを経験した記憶があるが、今回はさほどではなかった。なおこの日は小雨が降り気温は9度、コートをスーツケースに入れてしまったことを後悔するほど肌寒い日だった。<br /><br />さて、現在のマカオは中華人民共和国の特別行政区の一つ。香港の西約30kmにあるマカオ半島と、タイパ、コロアネ島の面積約30km、人口は55万人である。1513年に当時の海洋大国であったポルトガル船がマカオに初渡来し、明王朝との交易を開始した。1557年にポルトガルが明から居留権を得、中国大陸における唯一のヨーロッパ人居留地となった。この頃、カトリック教会、イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが、ポルトガル政府の支援の下、マカオを拠点に東南アジア各地でキリスト教の布教活動を行っていた。<br /><br />第二次世界大戦終結後、1949年に中華人民共和国が設立されたが、イギリスが統治を続けた香港同様、マカオも依然としてポルトガルの統治が続いた。その後、1979年にポルトガルは中華人民共和国と国交樹立、1984年に行われたイギリスと中華人民共和国の香港返還交渉に続いて、1987年にポルトガルと中華人民共和国がマカオ返還の共同声明に調印し、マカオの行政管理権は1999年に中華人民共和国へ返還され、マカオは特別行政区となっている。返還後50年間は現状の保全が取り決められ、現在もポルトガル語が公用語として使用されるなどの自由が保障されているが、近年その自由はかなり制限されてきたという。<br /><br />世界遺産に登録されたマカオ歴史地区は、かつてのポルトガルの植民地であったマカオにおける東西文化のユニークな同化と共存を窺い知ることができる、20以上の建築や広場などの古跡を含む地区である。限られた時間の中で、まずマカオのシンボルである聖ポール天主堂跡を訪れた。インドのゴアで見たポルトガル植民地時代の教会建築と共通する壮麗な教会だ。ただし聖ポール天主堂は1835年の火災で大部分を消失し、正面の壁面しか現存していない。また天主堂跡の地下には、納骨堂と博物館が建設されており必見である。ローマのスペイン広場を思い出させる階段状の教会前の広場を下って、歴史地区の中心部であるセナド広場へ向かう。この周辺には、聖ドミニコ教会、仁慈堂大楼、民生総署、中央郵便局などの歴史的建築があり、日が暮れる前に急いでカメラに収めた。そして現在のマカオを象徴するカジノ街へ向かう。<br /><br />マカオでは2002年にカジノ経営権の国際入札を実施、アメリカなど外国企業にも解放された。「グランド・リスボア」、「リズボア」、「ウィン・マカオ」など33のカジノに加え、コタイ・ストリップに多くのカジノホテルが建設中である。最近中国からの個人旅行が可能となり、香港、台湾、日本などから年間2000万人を越える観光客がマカオを訪れた。ラスヴェガスを越える世界最大のカジノ設備が集客に貢献し、2010年にはマカオの財政源の85%を占めているという。この町の住民にとって喜ばしいことかどうか疑問ではある。今やアメリカを超える影響力を持つ中国マネー、余り愉快なことではないが、無視することはできない。複雑な思いで真っ暗となったカジノホテル街を通り過ぎ、再びフェリーターミナルに歩き、香港空港からヨハネスブルク行きの深夜便に乗り込んだ。

中国の世界遺産No.1 : マカオの歴史地区とラスヴェガスを超えたカジノ産業

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2014/02/19 - 2014/02/20

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ハンク

ハンクさん

今回の南ア共和国への出張はキャセイパシフィック航空で香港経由となった。乗り継ぎ時間は約10時間あり、久々にマカオを訪れることにした。先回の訪問は1998年であるから16年ぶり、時が過ぎ去る早さを感じざるを得ない。もっとも先回はほとんど観光する時間はなかったので、実質初めてと言うべきである。今改めて調べてみると、マカオが中国に返還されたのは1999年であるから、先回の訪問とは別の国なのである。しかし現在もマカオへの入国管理があり、通貨もマカオ固有のパタカ(1パタカ=13円)を使用している。香港ドルとほぼ同じレートであり香港ドルでの支払いも可能だが、香港ではパタカは使えないそうだ。

マカオへのアクセスは、香港国際空港フェリーターミナルから3社の高速船がほぼ毎時運行されている。今回乗船したターボジェットのフェリーは、行きは246香港ドル、帰りは246パタカ、約1時間でマカオの外港フェリーターミナルに到着した。先回の訪問時は非常に海が荒れていて、小生としては初めて船酔いを経験した記憶があるが、今回はさほどではなかった。なおこの日は小雨が降り気温は9度、コートをスーツケースに入れてしまったことを後悔するほど肌寒い日だった。

さて、現在のマカオは中華人民共和国の特別行政区の一つ。香港の西約30kmにあるマカオ半島と、タイパ、コロアネ島の面積約30km、人口は55万人である。1513年に当時の海洋大国であったポルトガル船がマカオに初渡来し、明王朝との交易を開始した。1557年にポルトガルが明から居留権を得、中国大陸における唯一のヨーロッパ人居留地となった。この頃、カトリック教会、イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルが、ポルトガル政府の支援の下、マカオを拠点に東南アジア各地でキリスト教の布教活動を行っていた。

第二次世界大戦終結後、1949年に中華人民共和国が設立されたが、イギリスが統治を続けた香港同様、マカオも依然としてポルトガルの統治が続いた。その後、1979年にポルトガルは中華人民共和国と国交樹立、1984年に行われたイギリスと中華人民共和国の香港返還交渉に続いて、1987年にポルトガルと中華人民共和国がマカオ返還の共同声明に調印し、マカオの行政管理権は1999年に中華人民共和国へ返還され、マカオは特別行政区となっている。返還後50年間は現状の保全が取り決められ、現在もポルトガル語が公用語として使用されるなどの自由が保障されているが、近年その自由はかなり制限されてきたという。

世界遺産に登録されたマカオ歴史地区は、かつてのポルトガルの植民地であったマカオにおける東西文化のユニークな同化と共存を窺い知ることができる、20以上の建築や広場などの古跡を含む地区である。限られた時間の中で、まずマカオのシンボルである聖ポール天主堂跡を訪れた。インドのゴアで見たポルトガル植民地時代の教会建築と共通する壮麗な教会だ。ただし聖ポール天主堂は1835年の火災で大部分を消失し、正面の壁面しか現存していない。また天主堂跡の地下には、納骨堂と博物館が建設されており必見である。ローマのスペイン広場を思い出させる階段状の教会前の広場を下って、歴史地区の中心部であるセナド広場へ向かう。この周辺には、聖ドミニコ教会、仁慈堂大楼、民生総署、中央郵便局などの歴史的建築があり、日が暮れる前に急いでカメラに収めた。そして現在のマカオを象徴するカジノ街へ向かう。

マカオでは2002年にカジノ経営権の国際入札を実施、アメリカなど外国企業にも解放された。「グランド・リスボア」、「リズボア」、「ウィン・マカオ」など33のカジノに加え、コタイ・ストリップに多くのカジノホテルが建設中である。最近中国からの個人旅行が可能となり、香港、台湾、日本などから年間2000万人を越える観光客がマカオを訪れた。ラスヴェガスを越える世界最大のカジノ設備が集客に貢献し、2010年にはマカオの財政源の85%を占めているという。この町の住民にとって喜ばしいことかどうか疑問ではある。今やアメリカを超える影響力を持つ中国マネー、余り愉快なことではないが、無視することはできない。複雑な思いで真っ暗となったカジノホテル街を通り過ぎ、再びフェリーターミナルに歩き、香港空港からヨハネスブルク行きの深夜便に乗り込んだ。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
グルメ
4.0
交通
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
高速・路線バス 徒歩 飛行機
航空会社
キャセイパシフィック航空
旅行の手配内容
個別手配
  • キャセイパシフィック航空のビジネスクラスは窓から少し斜めに向かっておりユニーク、モニターは大画面だ

    キャセイパシフィック航空のビジネスクラスは窓から少し斜めに向かっておりユニーク、モニターは大画面だ

  • 香港国際空港のフェリーターミナルに向かうエスカレーター

    香港国際空港のフェリーターミナルに向かうエスカレーター

  • 香港からマカオに向かうターボジェットの船内

    香港からマカオに向かうターボジェットの船内

  • マカオ外港フェリーターミナルに到着した高速船

    マカオ外港フェリーターミナルに到着した高速船

  • 中国的混沌の街並み

    中国的混沌の街並み

  • 聖ポール天主堂前の風景

    聖ポール天主堂前の風景

  • 聖ポール天主堂のファサード

    イチオシ

    聖ポール天主堂のファサード

  • 聖ポール天主堂を横から見る、正面の壁面しか現存していない

    聖ポール天主堂を横から見る、正面の壁面しか現存していない

  • 聖ポール天主堂の近景

    聖ポール天主堂の近景

  • 聖ポール天主堂の遠景

    聖ポール天主堂の遠景

  • 聖ポール天主堂を裏から見る

    聖ポール天主堂を裏から見る

  • 地下博物館の展示物

    地下博物館の展示物

  • 地下博物館のキリスト像など

    地下博物館のキリスト像など

  • 地下博物館の聖人像

    地下博物館の聖人像

  • 聖ポール天主堂で撮影するカップル、寒い中撮影しているモデルなのか?

    聖ポール天主堂で撮影するカップル、寒い中撮影しているモデルなのか?

  • 聖ポール天主堂から眺める風景

    聖ポール天主堂から眺める風景

  • 道端で売られている肉餅

    道端で売られている肉餅

  • 提灯で装飾されたセナド広場の周辺

    イチオシ

    提灯で装飾されたセナド広場の周辺

  • 聖ドミニコ教会のファサード

    聖ドミニコ教会のファサード

  • 聖ドミニコ教会の内部

    聖ドミニコ教会の内部

  • 聖ドミニコ教会の内部の聖母子像

    聖ドミニコ教会の内部の聖母子像

  • セナド広場に面する歴史的建築物

    セナド広場に面する歴史的建築物

  • セナド広場の電飾

    セナド広場の電飾

  • 仁慈堂大楼のファサード

    仁慈堂大楼のファサード

  • 民政総署のファサード

    民政総署のファサード

  • カジノ街に向かう股皇子大馬路のネオン

    カジノ街に向かう股皇子大馬路のネオン

  • カジノ・リスボアホテル

    カジノ・リスボアホテル

  • 同上

    同上

  • グランド・リスボアホテル

    グランド・リスボアホテル

  • マカオの夜景

    マカオの夜景

  • リスボアホテル

    リスボアホテル

  • カジノ・リオ

    カジノ・リオ

  • マカオの外港フェリーターミナルから見るマカオ半島とタイパ島を繋ぐ橋の夜景

    マカオの外港フェリーターミナルから見るマカオ半島とタイパ島を繋ぐ橋の夜景

  • 香港国際空港ラウンジの売りは食べ放題のラーメン、4種類から選べる

    香港国際空港ラウンジの売りは食べ放題のラーメン、4種類から選べる

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