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自他共に認める奈良好きの私。<br />三が日のうちに新幹線日帰りで奈良を訪れ古寺を巡るのが、新春の恒例行事になっている。<br />今年は念願の【薬園寺】を初拝観。数え切れないほど奈良に通っているが、薬園寺は未訪の寺である。どんなお寺か、どんなほとけ様が待っているか、胸を躍らせながら訪れた。<br /><br /><br />行程:<br />東大寺大仏殿〜般若寺〜近鉄奈良駅〜近鉄郡山駅から薬園寺へ〜西ノ京駅から(薬師寺)、唐招提寺へ。<br />この旅行記は、薬園寺拝観の記録

アイラブ仏像めぐり 2014年奈良初詣は、定番の東大寺から般若寺へ、そして薬園寺、唐招提寺(2)

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2014/01/02 - 2014/01/02

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ゆうこママ

ゆうこママさん

自他共に認める奈良好きの私。
三が日のうちに新幹線日帰りで奈良を訪れ古寺を巡るのが、新春の恒例行事になっている。
今年は念願の【薬園寺】を初拝観。数え切れないほど奈良に通っているが、薬園寺は未訪の寺である。どんなお寺か、どんなほとけ様が待っているか、胸を躍らせながら訪れた。


行程:
東大寺大仏殿〜般若寺〜近鉄奈良駅〜近鉄郡山駅から薬園寺へ〜西ノ京駅から(薬師寺)、唐招提寺へ。
この旅行記は、薬園寺拝観の記録

旅行の満足度
4.0
  • 東大寺、般若寺と廻って近鉄奈良駅に戻り昼食。<br />そして、向かった先は、大和郡山の薬園寺(やくおんじ)だ。<br />初めて訪れる寺である。<br />

    東大寺、般若寺と廻って近鉄奈良駅に戻り昼食。
    そして、向かった先は、大和郡山の薬園寺(やくおんじ)だ。
    初めて訪れる寺である。

  • 拝観が可能かどうか、近鉄奈良駅前の観光案内所にて尋ねたのだが、場所や名称を逆に聞かれるほどの無名のお寺。<br />結局、拝観の可否は案内所では分からず、とりあえず行ってみることに。<br /><br />近鉄郡山駅で手に入れた周辺マップを見ると「薬園八幡神社」というのが、駅前商店街をまっすぐ東へ行った先にある。おそらくその周辺だろう・・・と探索開始。

    拝観が可能かどうか、近鉄奈良駅前の観光案内所にて尋ねたのだが、場所や名称を逆に聞かれるほどの無名のお寺。
    結局、拝観の可否は案内所では分からず、とりあえず行ってみることに。

    近鉄郡山駅で手に入れた周辺マップを見ると「薬園八幡神社」というのが、駅前商店街をまっすぐ東へ行った先にある。おそらくその周辺だろう・・・と探索開始。

  • 駅から10分ほどで、薬園八幡神社。<br />そして、そのお隣にお寺の気配・・・ワクワク。<br />明治の神仏分離で分けられたのだろう。

    駅から10分ほどで、薬園八幡神社。
    そして、そのお隣にお寺の気配・・・ワクワク。
    明治の神仏分離で分けられたのだろう。

  • アリマシター!<br />念願の薬園寺。想像どおりのちっちゃさ。<br /><br />真言宗 医王山薬園寺。おおーっ、いかにも薬師如来のおうち!

    アリマシター!
    念願の薬園寺。想像どおりのちっちゃさ。

    真言宗 医王山薬園寺。おおーっ、いかにも薬師如来のおうち!

  • 小さな小さな山門をくぐり、「ごめんくださ〜い」と声を掛けながら奥へ。本堂から何やら賑やかな話し声が聞こえてくる。先客がいらっしゃるようだ。

    小さな小さな山門をくぐり、「ごめんくださ〜い」と声を掛けながら奥へ。本堂から何やら賑やかな話し声が聞こえてくる。先客がいらっしゃるようだ。

  • どうぞどうぞと声を掛けていただき堂内へ。<br />気さくで優しいお庫裏さんから、それはそれは丁寧なご説明をいただいた。<br /><br />今から400年ほど前に、大和郡山藩の初代藩主、柳沢吉里(柳沢吉保の長男)により創建されたそうだ。<br />郡山の金魚は、柳沢家が甲府から移ってきた際にもたらしたものだとも。<br /><br />

    どうぞどうぞと声を掛けていただき堂内へ。
    気さくで優しいお庫裏さんから、それはそれは丁寧なご説明をいただいた。

    今から400年ほど前に、大和郡山藩の初代藩主、柳沢吉里(柳沢吉保の長男)により創建されたそうだ。
    郡山の金魚は、柳沢家が甲府から移ってきた際にもたらしたものだとも。

  • 現本堂は、300年ほど前に火災で焼失し、その後再建されたもの。<br />史料が残っておらず、謎の多い寺院だそうだ。<br /><br />本尊は薬師如来で平安時代のものらしい。本堂内の立派な厨子に脇侍とともに収められている。<br />

    現本堂は、300年ほど前に火災で焼失し、その後再建されたもの。
    史料が残っておらず、謎の多い寺院だそうだ。

    本尊は薬師如来で平安時代のものらしい。本堂内の立派な厨子に脇侍とともに収められている。

  • 厨子の扉は閉まっており、ご本尊の拝観はできなかったが、周りの十二神将は手の届くほど近くで拝観させていただいた。<br /><br />【写真は、洞泉寺町の元遊郭だった3階建ての木造建築。近鉄郡山駅と薬園寺の中間くらいに位置する。花街の色っぽい雰囲気が残る。】

    厨子の扉は閉まっており、ご本尊の拝観はできなかったが、周りの十二神将は手の届くほど近くで拝観させていただいた。

    【写真は、洞泉寺町の元遊郭だった3階建ての木造建築。近鉄郡山駅と薬園寺の中間くらいに位置する。花街の色っぽい雰囲気が残る。】

  • 魚籃観音(ぎょらんかんのん)、十一面観音、歓喜天、如意輪観音などもいらっしゃるそうだが、これらもそれぞれの厨子の中で拝観かなわず。<br />大日如来など一部仏像を拝観。<br />

    魚籃観音(ぎょらんかんのん)、十一面観音、歓喜天、如意輪観音などもいらっしゃるそうだが、これらもそれぞれの厨子の中で拝観かなわず。
    大日如来など一部仏像を拝観。

  • 近年は衰退著しく無住の時代もあったそうで、荒れ果て修復もままならず、本堂は見事に傾いてきて、いよいよ倒壊しそうなほどになってきたそうだ。倒壊して近隣に迷惑をかけてはならないからと、住職が本堂の解体を決意。<br /><br />【写真は、洞泉寺町の元遊郭だった3階建ての木造建築。ハートの窓は、女性のお尻をあらわしているのだとか。】

    近年は衰退著しく無住の時代もあったそうで、荒れ果て修復もままならず、本堂は見事に傾いてきて、いよいよ倒壊しそうなほどになってきたそうだ。倒壊して近隣に迷惑をかけてはならないからと、住職が本堂の解体を決意。

    【写真は、洞泉寺町の元遊郭だった3階建ての木造建築。ハートの窓は、女性のお尻をあらわしているのだとか。】

  • そこへ保存修復の話が起こり、話はとんとん拍子に進んで、近年再建修理が成ったそうだ。<br />その際の苦労話もお庫裏さんから伺ったが、よくぞここまで頑張ってくださったと心から頭が下がる。<br /><br />【写真は、洞泉寺町】

    そこへ保存修復の話が起こり、話はとんとん拍子に進んで、近年再建修理が成ったそうだ。
    その際の苦労話もお庫裏さんから伺ったが、よくぞここまで頑張ってくださったと心から頭が下がる。

    【写真は、洞泉寺町】

  • お隣の薬園八幡神社は、奈良時代の創建。<br />一帯は昔、薬草園であったそうで、なるほどの名である。<br /><br />大きな神社ではないが、歴史は古く、東大寺と縁が深い。(午前に訪れた般若寺も東大寺との縁が深い。奈良の寺社を歩くと、どこかで東大寺につながっているから面白い)<br /><br /><br />

    お隣の薬園八幡神社は、奈良時代の創建。
    一帯は昔、薬草園であったそうで、なるほどの名である。

    大きな神社ではないが、歴史は古く、東大寺と縁が深い。(午前に訪れた般若寺も東大寺との縁が深い。奈良の寺社を歩くと、どこかで東大寺につながっているから面白い)


  • 東大寺は創建される際、宇佐八幡神を勧請する。<br />九州宇佐から招かれた八幡神は、大和郡山市のあたりを経由して東大寺に入ったそうだ。<br />都入りする前に休んだのが薬園八幡神社なんだとか。そして、東大寺に着いて守護神として鎮まった場所が手向山八幡宮。749年(天平勝宝元年)のこと。<br /><br />【写真は、洞泉寺町】

    東大寺は創建される際、宇佐八幡神を勧請する。
    九州宇佐から招かれた八幡神は、大和郡山市のあたりを経由して東大寺に入ったそうだ。
    都入りする前に休んだのが薬園八幡神社なんだとか。そして、東大寺に着いて守護神として鎮まった場所が手向山八幡宮。749年(天平勝宝元年)のこと。

    【写真は、洞泉寺町】

  • ほかにも、工事後、堂内での護摩ができなくなってしまったこと、改修の手法、地質調査のことなどいろいろと教えていただいたのだが、メモを取ってこなかったので忘れてしまった。不覚。<br /><br />いろいろお話を伺ったうえに、供物のアメまでいただいてしまった。<br /><br />念願の薬園寺。もっと仏像にお会いしたかったけれど、またいつかチャンスがあるだろう。<br /><br />とにかく良いお寺であった。<br /><br />さっ、次は、唐招提寺だ。

    ほかにも、工事後、堂内での護摩ができなくなってしまったこと、改修の手法、地質調査のことなどいろいろと教えていただいたのだが、メモを取ってこなかったので忘れてしまった。不覚。

    いろいろお話を伺ったうえに、供物のアメまでいただいてしまった。

    念願の薬園寺。もっと仏像にお会いしたかったけれど、またいつかチャンスがあるだろう。

    とにかく良いお寺であった。

    さっ、次は、唐招提寺だ。

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この旅行記へのコメント (8)

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  • 前日光さん 2014/05/05 23:06:05
    いつか拝観できる日がくるといいですね。
    ゆうこママさん、こんばんは。

    奈良の小さな小さな観光マップにも載っていないようなお寺、よく探し当てて行かれましたね。

    こういう寺だからこそ、お庫裏さんが懇切丁寧に説明してくださったのですね。
    柳沢吉保の息子さんが創建されたのですか。

    初詣に良い寺に行かれましたね。

    仏像も良いお顔をされている予感がありますね。
    いつの日か、拝観できる日が来るといいですね。

    ゆうこママさんの熱意が伝わる旅行記でした。


    前日光

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2014/05/06 09:44:04
    RE: いつか拝観できる日がくるといいですね。
    前日光さん、おはようございます。
    ようこそお越しくださいました。
    >
    > 奈良の小さな小さな観光マップにも載っていないようなお寺、よく探し当てて行かれましたね。
    >

    ⇒奈良には他にもこういった寺がたくさんあるのだと思います。
    小さな寺にもびっくりするような長い歴史があるので、あなどれません。

    > こういう寺だからこそ、お庫裏さんが懇切丁寧に説明してくださったのですね。
    > 柳沢吉保の息子さんが創建されたのですか。
    >
    > 初詣に良い寺に行かれましたね。

    ⇒お庫裏さんが気さくな気取らないお方で、生き生きとしてらして、お話を伺っていると元気になってくるんです。
    本当は想像を絶するご苦労があったろうと思われるのですが、そんなことを楽しげにお話されるのですよ。
    自分よりもうんとお若いお庫裏さんでしたが、見習わなくちゃと思いました。
    >
    > 仏像も良いお顔をされている予感がありますね。
    > いつの日か、拝観できる日が来るといいですね。
    >
    > ゆうこママさんの熱意が伝わる旅行記でした。

    ⇒ありがとうございます。
    独りよがりの旅行記で恐縮です。
    いつか厨子の扉の開く日に、もう一度・・・です。
  • 義臣さん 2014/01/17 17:07:05
    薬園寺さんも立派になられて

     嬉しい、、

    若い住職さんご家族御元気なのですね

     もう一度 もう一度と思いながらまだ行けずにいます

      お子さんも大きく成られたでしょうね、

                  義臣

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2014/01/17 20:24:54
    RE: 涙
    こんばんは、ようこそお越しくださいました。

    > 薬園寺さんも立派になられて
    >
    >  嬉しい、、

    ⇒もともとの材を使って、出来る限り元通りになるように修復されたようですよ。
    修復方法を決めるにあたっては、文化財保護関係の先生方のいろいろな議論もあったようです。
    >
    > 若い住職さんご家族御元気なのですね

    ⇒ご住職は不在でしたが、お忙しくされているようです。
    お子さんの姿も見えませんでしたが、庫裏の方に幼い子どもが暮らす気配がありました。
    奥様は大変にこやかで、おそらくあの方が、薬園寺の元気の源なのではと思いました。

    >  もう一度 もう一度と思いながらまだ行けずにいます
    >
    >   お子さんも大きく成られたでしょうね、

    ⇒いつかチャンスが訪れるとよいですね。

    義臣

    義臣さん からの返信 2014/01/18 06:37:54
    RE: 涙
    > 薬園寺さんも立派になられて
    >
    >  嬉しい、、
    >
    > 若い住職さんご家族御元気なのですね
    >
    >  もう一度 もう一度と思いながらまだ行けずにいます
    >
    >   お子さんも大きく成られたでしょうね、
    >
    >               義臣

    その後のお話が聞こえて有り難い

    私が訪れたのが 無住の薬園寺さんに若いご住職さんが赴任して

    まだ間もない頃とお聞きしました、

    そんなことも知らずに、、ふらり飛び込んできた夫婦に

    快く向えてくださって色々なお話を聞かせてくださいました。

    あげくにお正月でしたので 嬉しい御供物まで頂いて

        小さいお子さんが住職さんの法衣の袖をつかんで

    甘えていました。。

      あちらではお忘れでしょうが、、

    良い思い出で此方では忘れる事が出来ません。

                       義臣

    >

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2014/01/18 21:43:20
    RE: RE: 涙
    義臣さん、良い出会いをたくさんお持ちですね。
    以前からそう思っていました。
    良い出会いを引き寄せる特別な力をお持ちなのでは。
  • morino296さん 2014/01/16 23:10:07
    厨子の扉が開くといいですね
    ゆうこママさん

    こんばんは。

    薬園寺、観光案内所の方も知らないほどなんですね。
    よく探して行かれましたね。

    廃寺になっても不思議でないようなところ、
    保存修復となって良かったですね。

    興味津々の仏像の数々、厨子の扉が開くことがあるといいですね。

    morino296

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2014/01/17 20:06:16
    RE: 厨子の扉が開くといいですね
    こんばんは、morino296さん。
    いつもありがとうございます。

    薬園寺さんにはいつか行きたいとずっと願っていました。
    それがやっと叶いました。
    >
    > 薬園寺、観光案内所の方も知らないほどなんですね。
    > よく探して行かれましたね。

    ⇒お隣の神社の方が有名なようでして、地図にもちゃんと載っていました。
    たぶんその近くだろうとあたりを付けていって、正解。
    ちょっとした探検気分で楽しかったですよ。

    >
    > 廃寺になっても不思議でないようなところ、
    > 保存修復となって良かったですね。
    ⇒ご住職夫妻の大変なご苦労があったようです。
    奥様はとっても若い方なのに、というか、若いからでしょうね、目がキラキラしてお寺のことをお話しして下さいました。
    >
    > 興味津々の仏像の数々、厨子の扉が開くことがあるといいですね。
    >
    ⇒本尊の縁日にはご開帳するそうです。
    また機会を作って訪れてみたいです。
    それ以外の仏さまの厨子も開かないかなあ・・・

    このたびの訪問は、お庫裏さんとお話しできたのが、一番の幸せでした。

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