2014/01/02 - 2014/01/02
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ゆうこママさん
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自他共に認める奈良好きの私。
三が日のうちに新幹線日帰りで奈良を訪れ古寺を巡るのが、新春の恒例行事になっている。
今年は念願の【薬園寺】を初拝観。数え切れないほど奈良に通っているが、薬園寺は未訪の寺である。どんなお寺か、どんなほとけ様が待っているか、胸を躍らせながら訪れた。
行程:
東大寺大仏殿〜般若寺〜近鉄奈良駅〜近鉄郡山駅から薬園寺へ〜西ノ京駅から(薬師寺)、唐招提寺へ。
この旅行記は、薬園寺拝観の記録
- 旅行の満足度
- 4.0
-
東大寺、般若寺と廻って近鉄奈良駅に戻り昼食。
そして、向かった先は、大和郡山の薬園寺(やくおんじ)だ。
初めて訪れる寺である。 -
拝観が可能かどうか、近鉄奈良駅前の観光案内所にて尋ねたのだが、場所や名称を逆に聞かれるほどの無名のお寺。
結局、拝観の可否は案内所では分からず、とりあえず行ってみることに。
近鉄郡山駅で手に入れた周辺マップを見ると「薬園八幡神社」というのが、駅前商店街をまっすぐ東へ行った先にある。おそらくその周辺だろう・・・と探索開始。 -
駅から10分ほどで、薬園八幡神社。
そして、そのお隣にお寺の気配・・・ワクワク。
明治の神仏分離で分けられたのだろう。 -
アリマシター!
念願の薬園寺。想像どおりのちっちゃさ。
真言宗 医王山薬園寺。おおーっ、いかにも薬師如来のおうち! -
小さな小さな山門をくぐり、「ごめんくださ〜い」と声を掛けながら奥へ。本堂から何やら賑やかな話し声が聞こえてくる。先客がいらっしゃるようだ。
-
どうぞどうぞと声を掛けていただき堂内へ。
気さくで優しいお庫裏さんから、それはそれは丁寧なご説明をいただいた。
今から400年ほど前に、大和郡山藩の初代藩主、柳沢吉里(柳沢吉保の長男)により創建されたそうだ。
郡山の金魚は、柳沢家が甲府から移ってきた際にもたらしたものだとも。 -
現本堂は、300年ほど前に火災で焼失し、その後再建されたもの。
史料が残っておらず、謎の多い寺院だそうだ。
本尊は薬師如来で平安時代のものらしい。本堂内の立派な厨子に脇侍とともに収められている。 -
厨子の扉は閉まっており、ご本尊の拝観はできなかったが、周りの十二神将は手の届くほど近くで拝観させていただいた。
【写真は、洞泉寺町の元遊郭だった3階建ての木造建築。近鉄郡山駅と薬園寺の中間くらいに位置する。花街の色っぽい雰囲気が残る。】 -
魚籃観音(ぎょらんかんのん)、十一面観音、歓喜天、如意輪観音などもいらっしゃるそうだが、これらもそれぞれの厨子の中で拝観かなわず。
大日如来など一部仏像を拝観。 -
近年は衰退著しく無住の時代もあったそうで、荒れ果て修復もままならず、本堂は見事に傾いてきて、いよいよ倒壊しそうなほどになってきたそうだ。倒壊して近隣に迷惑をかけてはならないからと、住職が本堂の解体を決意。
【写真は、洞泉寺町の元遊郭だった3階建ての木造建築。ハートの窓は、女性のお尻をあらわしているのだとか。】 -
そこへ保存修復の話が起こり、話はとんとん拍子に進んで、近年再建修理が成ったそうだ。
その際の苦労話もお庫裏さんから伺ったが、よくぞここまで頑張ってくださったと心から頭が下がる。
【写真は、洞泉寺町】 -
お隣の薬園八幡神社は、奈良時代の創建。
一帯は昔、薬草園であったそうで、なるほどの名である。
大きな神社ではないが、歴史は古く、東大寺と縁が深い。(午前に訪れた般若寺も東大寺との縁が深い。奈良の寺社を歩くと、どこかで東大寺につながっているから面白い) -
東大寺は創建される際、宇佐八幡神を勧請する。
九州宇佐から招かれた八幡神は、大和郡山市のあたりを経由して東大寺に入ったそうだ。
都入りする前に休んだのが薬園八幡神社なんだとか。そして、東大寺に着いて守護神として鎮まった場所が手向山八幡宮。749年(天平勝宝元年)のこと。
【写真は、洞泉寺町】 -
ほかにも、工事後、堂内での護摩ができなくなってしまったこと、改修の手法、地質調査のことなどいろいろと教えていただいたのだが、メモを取ってこなかったので忘れてしまった。不覚。
いろいろお話を伺ったうえに、供物のアメまでいただいてしまった。
念願の薬園寺。もっと仏像にお会いしたかったけれど、またいつかチャンスがあるだろう。
とにかく良いお寺であった。
さっ、次は、唐招提寺だ。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- 前日光さん 2014/05/05 23:06:05
- いつか拝観できる日がくるといいですね。
- ゆうこママさん、こんばんは。
奈良の小さな小さな観光マップにも載っていないようなお寺、よく探し当てて行かれましたね。
こういう寺だからこそ、お庫裏さんが懇切丁寧に説明してくださったのですね。
柳沢吉保の息子さんが創建されたのですか。
初詣に良い寺に行かれましたね。
仏像も良いお顔をされている予感がありますね。
いつの日か、拝観できる日が来るといいですね。
ゆうこママさんの熱意が伝わる旅行記でした。
前日光
- ゆうこママさん からの返信 2014/05/06 09:44:04
- RE: いつか拝観できる日がくるといいですね。
- 前日光さん、おはようございます。
ようこそお越しくださいました。
>
> 奈良の小さな小さな観光マップにも載っていないようなお寺、よく探し当てて行かれましたね。
>
⇒奈良には他にもこういった寺がたくさんあるのだと思います。
小さな寺にもびっくりするような長い歴史があるので、あなどれません。
> こういう寺だからこそ、お庫裏さんが懇切丁寧に説明してくださったのですね。
> 柳沢吉保の息子さんが創建されたのですか。
>
> 初詣に良い寺に行かれましたね。
⇒お庫裏さんが気さくな気取らないお方で、生き生きとしてらして、お話を伺っていると元気になってくるんです。
本当は想像を絶するご苦労があったろうと思われるのですが、そんなことを楽しげにお話されるのですよ。
自分よりもうんとお若いお庫裏さんでしたが、見習わなくちゃと思いました。
>
> 仏像も良いお顔をされている予感がありますね。
> いつの日か、拝観できる日が来るといいですね。
>
> ゆうこママさんの熱意が伝わる旅行記でした。
⇒ありがとうございます。
独りよがりの旅行記で恐縮です。
いつか厨子の扉の開く日に、もう一度・・・です。
-
- 義臣さん 2014/01/17 17:07:05
- 涙
- 薬園寺さんも立派になられて
嬉しい、、
若い住職さんご家族御元気なのですね
もう一度 もう一度と思いながらまだ行けずにいます
お子さんも大きく成られたでしょうね、
義臣
- ゆうこママさん からの返信 2014/01/17 20:24:54
- RE: 涙
- こんばんは、ようこそお越しくださいました。
> 薬園寺さんも立派になられて
>
> 嬉しい、、
⇒もともとの材を使って、出来る限り元通りになるように修復されたようですよ。
修復方法を決めるにあたっては、文化財保護関係の先生方のいろいろな議論もあったようです。
>
> 若い住職さんご家族御元気なのですね
⇒ご住職は不在でしたが、お忙しくされているようです。
お子さんの姿も見えませんでしたが、庫裏の方に幼い子どもが暮らす気配がありました。
奥様は大変にこやかで、おそらくあの方が、薬園寺の元気の源なのではと思いました。
> もう一度 もう一度と思いながらまだ行けずにいます
>
> お子さんも大きく成られたでしょうね、
⇒いつかチャンスが訪れるとよいですね。
- 義臣さん からの返信 2014/01/18 06:37:54
- RE: 涙
- > 薬園寺さんも立派になられて
>
> 嬉しい、、
>
> 若い住職さんご家族御元気なのですね
>
> もう一度 もう一度と思いながらまだ行けずにいます
>
> お子さんも大きく成られたでしょうね、
>
> 義臣
その後のお話が聞こえて有り難い
私が訪れたのが 無住の薬園寺さんに若いご住職さんが赴任して
まだ間もない頃とお聞きしました、
そんなことも知らずに、、ふらり飛び込んできた夫婦に
快く向えてくださって色々なお話を聞かせてくださいました。
あげくにお正月でしたので 嬉しい御供物まで頂いて
小さいお子さんが住職さんの法衣の袖をつかんで
甘えていました。。
あちらではお忘れでしょうが、、
良い思い出で此方では忘れる事が出来ません。
義臣
>
- ゆうこママさん からの返信 2014/01/18 21:43:20
- RE: RE: 涙
- 義臣さん、良い出会いをたくさんお持ちですね。
以前からそう思っていました。
良い出会いを引き寄せる特別な力をお持ちなのでは。
-
- morino296さん 2014/01/16 23:10:07
- 厨子の扉が開くといいですね
- ゆうこママさん
こんばんは。
薬園寺、観光案内所の方も知らないほどなんですね。
よく探して行かれましたね。
廃寺になっても不思議でないようなところ、
保存修復となって良かったですね。
興味津々の仏像の数々、厨子の扉が開くことがあるといいですね。
morino296
- ゆうこママさん からの返信 2014/01/17 20:06:16
- RE: 厨子の扉が開くといいですね
- こんばんは、morino296さん。
いつもありがとうございます。
薬園寺さんにはいつか行きたいとずっと願っていました。
それがやっと叶いました。
>
> 薬園寺、観光案内所の方も知らないほどなんですね。
> よく探して行かれましたね。
⇒お隣の神社の方が有名なようでして、地図にもちゃんと載っていました。
たぶんその近くだろうとあたりを付けていって、正解。
ちょっとした探検気分で楽しかったですよ。
>
> 廃寺になっても不思議でないようなところ、
> 保存修復となって良かったですね。
⇒ご住職夫妻の大変なご苦労があったようです。
奥様はとっても若い方なのに、というか、若いからでしょうね、目がキラキラしてお寺のことをお話しして下さいました。
>
> 興味津々の仏像の数々、厨子の扉が開くことがあるといいですね。
>
⇒本尊の縁日にはご開帳するそうです。
また機会を作って訪れてみたいです。
それ以外の仏さまの厨子も開かないかなあ・・・
このたびの訪問は、お庫裏さんとお話しできたのが、一番の幸せでした。
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