2013/11/16 - 2013/11/16
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MILFLORESさん
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マドリード市から南東45km に位置するチンチョン。 名産はアニス酒とニンニク。
そして、中世の面影そのままの独特な風情のマヨール広場が有名です。
17世紀の修道院を改装したパラドール(国営ホテル)があり、そこのレストラン 「エル ボデゴン」 の季節限定のコシードを食べる目的で、チンチョンに日帰り遠足をしました。
大満足のコシード旅行記はこちら → http://4travel.jp/travelogue/10833774
マヨール広場から見える、チンチョンの町のシルエットになってるアスンシオン聖母教会には、ゴヤの絵があるのですが、今まで入ったがことない! いつ行っても閉まってるんです。
今回も行く前にネットで訪問時間を調べたのですが、ミサの時間しか見当たらない。
うーん、午前中に行って観光案内所で聞けば分かるだろう。
久し振りに行くチンチョン、運転は今回は私。
こんな田舎道&山道行ったっけ? と思いながらも、なんとか到着。
まずは、町を見下ろす見晴し台に向かったら、ガイド付きのグループがいた。ほどなく、ガイドさんが鍵を開けて近くにある ロペ デ ベガ 劇場に入って行く。「これは多分、この後アスンシオン教会にも入るはず!」と思い、ガイドさんに「途中からでも参加させてくれる?」と聞いたら、「後はここと教会だけだから1人2ユーロでいい」と OK してくれた。なんと運が良いこと♪ ガイド付きで、初めて入るチンチョンの観光スポット2ヶ所を見学することができました。
2007年のチンチョン旅行記もご参照ください。 → http://4travel.jp/travelogue/10190820
表紙の写真: チンチョンの町並が描かれたロペ デ ベガ劇場の緞帳
- 旅行の満足度
- 4.0
- グルメ
- 4.5
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まずは、町を見下ろす見晴し台に向かいました。
ここは Plaza de Palacio 宮殿広場と呼ばれています。
スペイン継承戦争(1701-1714)で破壊されるまで、この場所にはチンチョン伯爵邸がありました。
(夫撮影) -
時計塔 Torre del Reloj
ここには14世紀に建設されたグラシア聖母教会がありましたが、スペイン独立戦争(1808-1814)で教会は破壊され、鐘楼塔のみが残りました。
時計は18世紀に取り付けられたものです。 -
イチオシ
見晴し台からの眺め。
中央に見えるのが有名なマヨール広場です。 後ほど行きます。 -
特徴あるバルコニーに囲まれたマヨール広場。
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教会と城が見えます。
この辺りには石器時代から集落があり、イベロ族、ローマ時代、イスラム時代の発掘品も出ています。
チンチョンの名が初めて文献に登場するのは、カスティージャ王国統治の15世紀のことです。
エンリケ4世(1425-1474、イサベル1世の異母兄)によって Villa (町)に定められました。
(夫撮影) -
イサベル1世は、チンチョンの町を荘園として Andres Cabrera アンドレス カブレラに与えます。この人は先代エンリケ4世からカスティージャ王国に仕えた貴族で、妻 Beatriz de Bobadilla ベアトリス デ ボバディジャはイサベルの侍女であり親友だった人です。
イサベル1世の孫に当たるカルロス1世によって 1520年に「チンチョン伯爵」の爵位が定められ、アンドレス カブレラの息子 Fernando de Cabrera y Bobadilla が初代チンチョン伯爵となります。
家系は何度か代わっていますが、「チンチョン伯爵」の位は現在でも存在しています。
最初の城はアンドレス カブレラが建てましたが、この初期の城は1520-1521年のコムネロス乱で破壊します。(コムネロス乱=カルロス1世の横暴な税金取り立て及び、その金をドイツ帝国に横流ししたことに対するカスティージャ諸国の反乱)
残骸後に、今見られる城を建設したのは第3代チンチョン伯爵でした。
18世紀-19世紀に再び戦火に見舞われ、城は破壊します。
20世紀にはアニス酒工場として利用されたこともあります。 -
赤い瓦屋根が続きます。
マドリード州にいることを忘れさせてくれるような田舎町です。
(夫撮影) -
第4代チンチョン伯爵夫人 Francisca Enriquez de Rivera
ペルー副王に命名された夫チンチョン伯爵に伴ってペルーに行った夫人は、マラリアにかかりますが、原住民から与えられた薬草によって快復します。西欧社会がアカキナノキ(キニーネ)に出会った最初の例とされています。
この像には「キニーネの発見者」と書かれていますが、実際には上記のような訳だったようです。 -
Teatro Lope de Vega ロペ デ ベガ劇場 (1891年)
スペイン継承戦争(1701-1714)で破壊されたチンチョン伯爵邸跡に建てられました。
ロペ デ ベガ(1562-1635)はスペインの劇作家で、伯爵邸がまだ存在していた時代に、伯爵邸である作品を書き上げたことから、劇場にロペの名前が付けられました。
展望台にいたグループが劇場に入って行きます。ガイドさんに途中参加の許可をもらって、我々も合流させてもらうことにしました。 -
400人収容の劇場は、当然今でも利用されています。
ちょうど行った日の夜にも公演があったようで、舞台道具が並んでいました。
(夫撮影) -
ガイドさんが緞帳を降ろしました。
それは、チンチョンの町並を描いた素晴らしい絵でした。(本当に布に描かれた絵画です)
(夫撮影) -
マヨール広場向こう側のバルコニーからこちら側を見た図です。
大きなアスンシオン聖母教会と、その左隣の劇場も描かれています。 -
劇場を建てたのは、その当時チンチョンで経済的に力を持っていた Sociedad de Cosecheros (生産者組合)でした。頭文字の「S.C.」が緞帳の上部に書かれています。
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絵の左隅に描かれている人物で、劇場建設に出資したのが誰だか分かるようになっています。
右側のブドウやワイングラスを持った天使達でチンチョンの生産者組合を表し、中央の地図を持った女性はフランスを表しています。 -
舞台脇の壁には建設当時に人気だった男優の肖像画が描かれています。
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イチオシ
こんな素晴らしい緞帳がある劇場とは知りませんでした。
何かの公演でもないと入れない劇場なので、こうしてガイド付きで入れて幸運でした。
(夫撮影) -
そして、ガイドさんが鍵を開けて中に入れたヌエストラ セニョーラ デ アスンシオン教会。
Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción
この教会はミサのある時しか開きません。平日は19時、日曜祭日は11時、12時、18時。
土曜日の午前中だったので、このガイドツアーに出会わなかったら入れないところでした。
(夫撮影)ヌエストラ セニョーラ デ アスンシオン教会 寺院・教会
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1534年に建設開始、途中48年間の中断を経て、第3代チンチョン伯爵の時代1626年に完成しました。
チンチョン伯爵は、エル エスコリアル宮殿建設に携わった利き腕の建築家たちを呼びました。 -
主祭壇上部にある、ゴヤによって描かれた「聖母被昇天」(1812年)
この教会の司祭だったゴヤの弟カミーロが、自分の兄に注文したものです。 -
イチオシ
教会の主祭壇上部に飾られているのでそうは見えませんが、高さ3m以上ある大きな絵です。
主祭壇もなかなか豪華で美しい造りです。 -
Asuncion de La Virgen 聖母被昇天
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主祭壇のアップ
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主祭壇の右下にあるこの柵の中には、初代チンチョン伯爵夫婦の柩が納まっています。
(夫撮影) -
こちらは、伯爵夫妻の席。
(夫撮影) -
綺麗に色付けされています。 中央に見えるのはチンチョン伯爵家の紋章。
(夫撮影) -
脇の礼拝堂
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優しそうなお顔のマリア様
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内部はゴシック、プラテレスコ、ルネッサンス、バロックと様々な時代の様式が混ざっています。
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やっと、ここのゴヤを見ることができました。
教会自体はシンプルですが、主祭壇の立派さに驚きました。 -
マヨール広場から見える教会の正面入り口です。
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石畳の細い道をマヨール広場へ向かって下ります。
(夫撮影) -
柱の向こう側がマヨール広場です。
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チンチョンはマヨール広場を中心に、すり鉢状になっている町で、坂道が多いです。
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アスンシオン教会へ上がる坂道がタイル絵になっています。
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イチオシ
マヨール広場には、お天気が余りよくないのに、レストランのテラス席が出ていました。
(夫撮影) -
広場からアスンシオン聖母教会を見上げます。
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マヨール広場を囲む建物のバルコニーは、昔から、広場で行なわれる様々な催し物の特等席となっていました。
(夫撮影) -
イチオシ
これらの建物は15世紀のもので、計234 ある緑の柵のバルコニーは claros クラロスと呼ばれ、必ずしもバルコニーの所有者が家主と一緒というわけではありません。
催し物があると、バルコニーの所有者は家主に許可を取らずとも、バルコニーを利用することができます。(現在でも!)
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ちょっと変わったパンを売っている店。 チンチョンの名物店です。
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土産店を数店冷やかして・・・
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パラドールでコシードを食べました。
http://4travel.jp/travelogue/10833774レストラン ボデゴン 地元の料理
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いつか、マヨール広場の闘牛興行に来てみたい。
この後、今年初めての雪がマドリードに降りました。
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