2013/11/17 - 2013/11/18
152位(同エリア464件中)
コタさん
台北滞在の3日目は期待していた通りの青空が広がっていました。
当初は九イ分・金瓜石・水氵南洞を歩いてこようと思っていましたが、お天気も良いので海、ということで急遽野柳にも行くことに。野柳はメジャーな観光地であるにも関わらず、公共交通で行こうとすると少々面倒な思いをします。金瓜石・水氵南洞は戦前の日本と深い関係がある、というか日本人が開発した鉱山を中心とした街です。日清戦争後の下関条約で台湾が日本に割譲されたその翌年には操業を開始、数年で世界有数の金鉱山になっています。当時は田中組(薩摩閥)が運営しており、この会社は最終的に日本鉱業、現在のジャパンエナジーとなっています。明治から昭和終戦までの50年間で金銀銅を掘り尽くした訳です。因みに基隆山から西は藤田組(こちらは長州閥、現在ではホテルフジタにその名を留めています。)が鉱山を運営していました。今でも日帝時代の産業遺産がありますので、その遺跡を重点的に見てきました。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- エバー航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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基隆行きの区間車(普通列車)に乗るために中山地下街を通って台北駅へ向かいます。台北駅はやはり立派な駅です。建物がほぼ空洞になっており壮大な空間です。
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基隆行きの区間車は本数もまずまずで空いてました。基隆駅前で金山行きのバス乗場を探したのですが見つからず(歩道橋を越えないといけなかった)、駅前の観光案内所(日本語バッチリかと思ってましたが、そうでもなくて拙い中文の登場です。)で聞いたところ、何と観光案内所の前にミニバスが停まっており、これが野柳に行くとのこと。このバスは観光路線用で、淡水と基隆間の海岸線を1時間に1本位で走っているものでした。この路線用の乗り放題チケット(100ドル)もあって、車内でこのチケットを買って野柳に行くことにしました。この路線はずっと海沿いを走ってゆき、一日この路線沿いで遊ぶのも良いかと思います。
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個人で行こうとするとハードルの高い野柳ですが、観光バスは鬼のように停まっております。よって女王様の岩あたりはとってもな人だかり(それも大陸方面からの方々、その状況はご想像通りです。)なので、スルーパスです。
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自然が造形した不思議な岩も興味があったのですが、その先の絶壁系岬にとっても惹かれて岬の先っぽ目指して坂を登ってゆきます。
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坂の途中で振り返ってみますと、これも絶景です。しかし、この半島の付け根の右側に「原発(台湾第二原発)」があります。ここで何かあると沖縄はおろか我が国全体までもが危うくなりそうです。クワバラクワバラ。
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坂の上から奇岩のあるあたりを見下ろします。奇岩は一定の地層に溶岩が入り込み周りの柔らかい部分が海水に流されて、残った部分が侵食されてできたものでしょう。
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岬の先端は崖っぷちになっており、これはいわゆる自殺の名所と言われるところかなと思いました。北海道のような雄大な景観ですが、この海のずっと北側に石垣島やら沖縄やらの南国の島があるんですよ。海流の影響とか、いろいろあるんでしょうが、台湾と沖縄の位置関係ほど理解に苦しむものはありません。
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岬の高台から降りて女王頭岩へと向かいます。やはりこれを見ないと。だいぶ人は減りましたが、記念写真を撮ろうとする人の列ができていました。この女王様の頭ですが何十年後かには侵食されて落ちてしまうのだそうで。それまでに見に行かないといけませんね。
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カリフラワーのような岩がニョキニョキ、こりゃ絵になります。
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野柳のバス停近くにあった「原発で何かあったらこんなサイレンを鳴らすぞ」の看板。お願いだからサイレンを鳴らさないで、とこれは切実な願いです。この後、基隆に帰るバスがなかなか来なくて、何だかんだで1時間弱待ちました。金山行きのメインルートのバスはもっと手前のトンネル経由でショートカットしてしまっているようです。
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1時間に1本の基隆に戻るバスを捕まえてほうほうの体で基隆に帰ってきました。このバスの運転手さんがなかなかの話し好きで、中文・英文時折日文混じりで基隆駅に着くまでずっとおしゃべりをしていました。台湾で英文の勉強もできたって、何なんでしょうか。で、基隆港はさすがに良港そうな佇まいでした。
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基隆からは九イ分経由の金瓜石行バスで終点金瓜石の黄金公園を目指します。九イ分手前で大渋滞に巻き込まれやっとの思いで九イ分に着きますと台北方面へ帰る人でバス停が大混雑、これで道が混んでいたのです。
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やっとの思いで金瓜石に到着です。ここは九イ分ほどには混雑しておりません。ここは一帯が黄金区公園になっています。昔の採掘用トロッコの軌道も復元してあります。日本家屋や皇太子(昭和天皇)を迎える太子賓館まで残っています。
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昔の金山の坑道がそのまま観光施設となっていて、ヘルメットをかぶって中に入りことができます。ここだけ有料となっており50ドルでした。
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昔の坑道そのままです。一応ガイドさんもいましたが、自由に見て回れます。
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ところどころに人形が置いてあります。一人っきりで周りに誰もいないとちょっと「ヒヤッ」とします。
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黄金博物館では金のインゴット(世界最大らしいです)も展示してあり、実物に触ることもできます。爪を立てても金は削れませんね。思い切りナデナデしてあげましょう。
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山にへばり付くようにして佇む金瓜石の街です。昔は日本人村だったのです。谷の向こうには基隆山が聳えています。
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巨大な関帝廟である勧済堂の連なる屋根です。極彩色の飾りが何層にも連なって見える様は絵になります。
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巨大な関羽様の銅像。関羽様は武の人なんですが、ここの銅像は書物を読んでいるんですな。
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勧済堂から坂道を登ると大きい駐車場があり、その傍らに小さいトンネルがあります。これは昔のトロッコ軌道のトンネルだと思われます。このトンネルこそが「千と千尋の神隠し」にモチーフとして使われたという噂のトンネルです。宮崎監督は九イ分がモチーフに使われたということを否定していますので、このトンネルもそうではないということなんでしょうが、やはりあの映画に出てくる不思議な雰囲気はあります。
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トンネルは大人の背丈くらいの小さいものですが、このトンネルを抜けると大パノラマが広がっています。
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そのパノラマがこれ、山の中腹から海が見渡せます。その海の海岸線よりには茶色く濁った部分があって丸くなっています。これが陰陽海ですね。夕刻に近いのであまり綺麗に見えませんが。
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山の下の方には水南洞(南はサンズイ偏)の街と、十三層遺址(銅の製錬所跡)が見えます。予定ではこの十三層遺址を目指してこの山の斜面を降りてゆこうとしておりましたが野柳で時間を取られたのと、降りてゆく道はあるのですが途中からはすすきがすごいことになっていて通れそうにもないことから水南洞へ降りてゆくのは断念。金瓜石まで来たのは十三層遺址を見ようと思っていたのに残念です。(上からは見えましたが。)代わりに山の中腹にも遺構はあります。
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どうもこの山の斜面ですが、今は何もなくてすすきの原となっていますが戦前には鉱山・精錬関係の施設がたくさんあったようで、レンガ造りの石垣やコンクリート製の建物の残骸が点在しております。その中でも特に目立つ建造物がこの地面を這う煙突です。
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このコンクリート製のトンネルのような地を這う煙突は十三層遺址から山の頂上辺りまで伸びています。銅の精錬を行うと有毒ガスが発生しますのでこのような巨大な煙突を作る必要があったようです。まるで龍の如くの煙突には驚きです。
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この煙突は高さが2メートル位はあり、中は人が通れる大きさです。山の斜面に沿って頂上方面に伸びています。この上を歩いてみましたがずっと上まで行けそうでしたが夕刻になってきたため止めておきました。
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砦のような遺構もあります。昔は何の施設だったのでしょうか。
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日没が迫ってきました。電柱が1本だけ建っている遺構もありましたが今ではすすきの原になっています。
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金瓜石方面に戻り、勧済堂から祈堂老街に降りてゆきます。
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九イ分とは違って人は居ませんが趣きのある階段に赤い提灯、これぞ老街です。
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黄金園区の方にまで戻ってきました。レンガ造りの塀に囲まれた階段。レンガの塀の向こうは空き地です。昔は日本人が住んでいた社宅跡なんでしょう。金瓜石のバス停に向かい、バスで峠を超えて九イ分に向かいます。
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九イ分のバス停は台北方面に帰る人で溢れかえっておりました。バスを待つ人の列は基山街の入口近くまで伸びております。帰りまでこんな状態が続いていたらと思うとゾッとしましたが、もうバスを降りてしまったので空くまで九イ分の街を散策することにします。夕闇が迫る基隆方面です。
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暗くなってもまだ基山街はお祭りのような人ごみです。メインの通りを外れて夜景を見ることにしました。
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夜の五番坑です。この辺りに人はいません。
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基山街に戻って買い食いします。ソーセージやらお餅やら食べていると、冷蔵ケースにフルーツ味ビールが並んでいました。このビールは超市で買って自宅まで持ち帰り、最近飲んでみました。ビールというよりもファンタ(特にグレープ味)です。でもしっかりと酔いました。(アルコールは2.8%)
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8時前になるとさすがの九イ分も人が少なくなってきて基隆行のバスですと座れて帰れました。夜の基隆港散策と廟口夜市です。
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廟口夜市は黄色い提灯がずらっと並んでおり、人ごみも適度です。
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ここの夜市は座って食べることができます。蟹みぞれスープと油飯、牡蠣お好み焼を食べました。蟹スープは大きい爪が入っていて、しっかりと蟹の味がします。帰りは基隆駅に向かわずに、坂を登って三坑駅に向かいました。檳榔屋さんが集中している、ちょっと怪しいところを抜けると三坑駅までは線路沿いに歩道があります。台鉄は夜遅くまで走ってまして、台北に帰ると11時を過ぎていました。
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翌日も快晴です。もう帰る日なんですが15時のエバーなので午前中台北市内をウロウロです。あまりいろいろ行けないので総統府に行ってみました。平日午前中は総統府の1階部分だけ見学できますので、ちょっとだけ並んで結構厳しいセキュリティチェックを受けた上で見学です。日本語のガイドさんがいろいろ説明してくれて1時間強、これは歴史の勉強になります。
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帰りは歩いて中山まで帰ります。林森公園横にある欣欣百貨の地下の頂好超市で最後のお買い物(ビールやら調味料やら)を買ってホテルに戻り、荷物ピックアップの後台北駅隣の国光バスターミナルから桃園に向かいました。このバスは三重から高速を空港まで走ります、やはり早いです。
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桃園空港で見つけたキティジェット専用のチェックインマシン。メルヘンチック過ぎませんかね、まるで○ブホの色使い。幸い成田便はここではチェックインできず普通のカウンターでした。帰りのエバーはキティジェットはおろかパーソナルモニターもない少々くたびれた機材でした。でもまぁ定刻に着いたのでよしとしましょう。
今回の旅行も結局別働隊の面々とは初日の夕食だけ、あとはずっと一人旅になってしまいました。
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