アイルランド・ゴールウェイからモハーの断崖とコネマラ国立公園

2013/10/21 - 2013/10/31

アイルランド西部の中心都市ゴールウェイから出発する２つのツアーで、バレン高原、モハーの断崖、コネマラ国立公園等を巡りました。豊かな自然に恵まれたアイルランドらしい風景に出会うことができました。表紙の写真は、海面から２００mの断崖絶壁が続くモハーの断崖です。

エリア バレン高原周辺(アイルランド)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

１０月２６日　予定していたアラン諸島へのツアーが海が荒れていてフェリーが運航していないとかで中止となり、急遽バレン高原とモハーの断崖へのツアーに参加します。

ツアーへの参加申し込みは、当日ゴールウェイのコーチステーションで行いました(１５ユーロ)。
最終的にバスはツアー客１５名を乗せて１０時に出発、この地図のコースに従い湾岸沿いに南下します。

ゴールウェイ湾を右側に眺めながら小雨の中を進みます。ドライバーはガイドも兼任していて、外の天候とは関係なく、湾の先にアラン諸島が私には見えていま〜す・・とテンポよく、ユーモアを交えて説明してくれます。

やがて海岸沿いから離れて、丘陵地の牧草地帯に入ってきました。

アーウィーの洞窟(Aillwee Cave)に来ました。ここはバレン高原のカルスト台地にある洞窟です。

７ユーロの入場料(ツアー料金には含まれていません)を支払って、洞窟専任ガイドの案内で中に入ります。洞窟の途中にクマの遺骨が残されています。かって熊が洞窟を寝床にしていたとのこと。

約４０分洞窟内を一周します。一番の見どころはこの地底の滝。暗闇の中でライトアップされた滝だけが幻想的に浮かび上がっていました。

youが度々訪れる東京都奥多摩にある日原鍾乳洞と比べると、この洞窟はそれよりも規模が小さく、鍾乳石も少なくて入場料７ユーロは少し高いのでは・・・と思いました。ですがツアー参加なので他に選択肢はありません。

巨石墳墓(Poulnabrone Dolmen)のある露出した石灰石で埋め尽くされたカルスト台地に来ました。幸いに雨は止んでいて、先に見える巨人のテーブルと呼ばれている墓石まで歩きます。

高さ２mほどの四枚の立石とその上の巨大な天井石からなる５０００年前の墓石です。天井石は５トンもあるとのことで、昔の人たちは苦労して積み上げたのでしょう。
　

石積みのフェンスで囲まれた農場を左右に見ながらこの道を下ります。

幹線道路との交差点付近にある１４８０年に建てられ、現在は廃墟となったリーマナー城（Leamaneh Castle）を車窓から眺めます。

モハーの断崖のビジターセンター。周囲の環境に配慮したのか、丘陵地の脇をくり抜いた地中に造られています。
ここで２時間のフリータイムとなります。雨は完全に止んで青空が見えだしました。

小高い丘陵地の坂を期待に胸を膨らませながら登って展望台まで来ました。

平らな自然石を並べた塀から乗り出して見る迫力ある絶景で〜す。
モハーの断崖は、海面からの高さが２００m以上の断崖絶壁が８Kmにわたって続いております。大自然が造るこの壮大な造形美にただただ圧倒されます。

断崖が見える展望台から右側方向の眺めです。こちら側は絶壁の下は見えませんが、更に先の断崖突端付近にオブライアン塔が見えていますので、そちらに向かいます。

オブライエン塔を階段下から眺めています。屋上に展望台を持つこの塔は、かっての領主オブライエンさんが客人を楽しませるために、１８世紀に建造したものです。訪れたときは入口は閉まっており、最高のロケーションにある展望台には登れませんでした。。。

塔の下にある展望台から断崖絶壁を眺めます。手前に土手がありますが、丘陵地の一番先端から絶壁を見ることができます。う〜ん　これも凄い眺めです。。

塔から更に先にある崖沿いに沿って先に進みます。こちら側は絶壁に陽があたっていて断層もしっかりと見えています。海底が隆起して出来上がった絶壁・・自然は凄いことをしてくれます。

塔のある展望台に戻り、そこから坂を下り、再び丘陵地の坂を登り断崖に沿ったこの様な遊歩道を更に先へ行きます。
　平板石の塀で仕切られた右側にも小道が見えており、そこを歩く観光客もいます。でも小道は滑りやすく直ぐ右側は絶壁、滑って落ちても助けられません。歩く方は自己責任です。

絶壁とは反対側の眺めです。なだらかな牧草地帯が奥の海岸線まで続いています。

海面を見下ろす高台の遊歩道からのショット。塀を乗り越えた崖淵から覗きこんで撮れば、海面も撮れそうですが危険を冒したくないのでよしとしますww。

更に先まで歩きたいのですが、この時点で既に１．５時間経過しているので急いで引き返すことにします。

この絶景を目に焼き付けます。

はるか沖合いに、海が荒れていなければ今頃は訪れているはずのアラン諸島の島影が見えています。そのうちに絶対に行くからね〜・・・・そのうちが果たしてあるかどうか・・・・。

崖から吹き上げる風や雨にも負けず、たんほぽがしっかりと咲いています。愛おしくなります。

違った角度からの断崖絶壁。
ビジターセンター内に掲げられていた写真を複写。

ビジターセンター内にも各種の展示物がありましたが、時間切れでバスに戻ります。

モハーの断崖のある丘陵地帯を下ってしばらくドライブし、ドゥーラン（Doolin）という街にてランチタイム、約１時間休憩します。
　一緒のツアー客は、それぞれ街角に数件あるパブに入って行きました。youはゴールウェイの朝市で仕入れたバナナとリンゴ、それにサンドウィッチを店先のベンチで食します。

食後のあとはドゥーランの街周辺を散策します。石橋を渡るとアイルランドらしい村落が広がっています。

田舎の１本道。。人影は見えませんがこの先どんな風景に出会えるか胸をワクワクさせながら歩きます。

どこまでも続く牧草地やなだらかな丘陵地帯が広がっています。連日適当に降る雨で豊富に牧草が育つのでしょう。

小川の向こうに集落が見えます。農家と言うよりも高級住宅かB&Bかといった感じの家々です。日本の農村風景とは少し違うようです。

海岸線に沿ってドライブし、黒い岩礁地帯が広がる展望台で小休止します。静かな海の沖合にアラン諸島が見えています。今朝は海が荒れていた・・・というのに。
アイルランドの天気はコロコロと変わるのです。。。

海沿いの道をしばらくドライブし、やがて来た時と同じ湾岸の道(N６７)を走ってゴールウェイに向かいます。途中、海沿いに佇む１６世紀に造られたデューングラ城(Dunguaire Castle)が見えます。
　ここで小休止。城の近くまで行きましたが、写真の出来は手前に海辺を入れた方がいいみたいです。
ゴールウェイには１８時前に帰着します。

１０月２７日
ゴールウェイから自然が豊かなコネマラ国立公園(Connemara National Park)を巡る現地ツアーに参加します(１５ユーロ)。
　コーチステーションからミニバスにて１０時に出発、乗客はベトナムから留学中の学生ら全部で１０名。

元はコネマラにある米国映画製作会社でエキストラをしていたという、ドライバー兼ガイドのジェイムスさん、美声で丁寧なガイドをしてくれます。

最初はゴールウェイ湾に沿って、大西洋の美しく青い海を眺めながら快適なドライブです。

ロサヴィール(Rossaveal)という漁港に立寄ります。この港からアラン諸島へのフェリーが出ています。

ほとんど車も人も通らない平坦な田舎道を進みます。家も時々しか見られません。この付近はゲール語(アイルランド語)を使っている集落が残っているそうです。

アイルランドらしい風景の中に入ってきました。

規模の小さな滝が見えるところで写真ストップ。この程度の滝だったら日本にはいくつでもありますが、この地では観光スポットなのです。

山と湖の見える絶景ポイントで写真ストップします。

素晴らしい風景を堪能した後、しばらくドライブし、マムクロス(Maam Cross)という村でミニバスに乗ってきた私達１０名は、そこで待っていた大型バスに乗り換えます。
　大型バスには既に２０名以上が乗っていて、開いていた席に座らせてもらいます。隣のベトナム人学生に聞けば、大型バスはゴールウェイを１１時３０分に出発したツアーとのことで、合流して満席状態となります。

このツアー１番の見どころであるカイルモア修道院(Kylemore Abbey)が湖越しに見えてきました。

バスの中でドライバーから修道院への入場チケットを購入します(７ユーロ)。ツアー料金には入っていないのです。修道院に入らないで、湖周辺のハイキングをする選択肢もありますが、ほとんどのツアー客はチケットを購入します。ここで２時間のフリータイムとなります。

入口に続く歩道から見た美しいカイルモア修道院です。

カイルモア修道院の正面から見上げていますが、湖越しに見るほうが美しいようです。
この修道院は、アイルランドで最もロマンティックな建物として知られており、英国マンチェスターの大富豪ミッシェル・ヘンリーが妻のために１８世紀に建てさせたお城・マナーハウスでした。しかし妻や娘に先立たれたため、彼はこの城を持つことを断念し、その後、修道院になったとのことです。

修道院前のテラスから湖側を見ています。山並みが続く雄大な景色が広がっています。景色は確かに良いのですが、英国から行き来するにはちょっと遠過ぎる気がします。

建物の中に入ります。
こちらは居間、次の部屋は食堂。当時の貴族の生活ぶりを垣間見ることができます。

修道院の先にはゴシック調の教会があります。

湖沿いに続く城内の落ち葉で色付いた遊歩道です。

修道院から１Km以上離れた場所にビクトリア調の庭園(Victorian walled garden)があります。このシャトル・バスでその庭園まで移動します。

庭園まで来ました。城が建てられたと同じ１８６７年〜１８７１年にこちらの庭も造られました。
庭の半分は花壇になっていますが、残りの半分は家庭菜園で野菜等が作られています。

ゴールウェイへの帰路は、途中、左手にアイルランドで唯一のキラリーフィヨルド(Killary Fjord)が眺められるルートを通ります。海面に点々とムール貝や鮭の養殖筏が浮いています。
　風光明媚で平和なエリアです。

妖精が宿っている木だとか、幾つかの映画が撮影された村だとかを通過し、５時過ぎにゴールウェイに戻りました。

１０月２８日
ゴールウェイ９時３０分発のバスでダブリンに戻ります。
このバス内で、一昨日モハーの断崖へのツアーで一緒だったニュージャージからの旅人ナンシーさんと再会します。知らない土地で、１日前に出会った方ですが再び出会えて親しくなり、楽しい会話ができてあっという間にダブリンに到着しました。　　

アイルランド・ゴールウェイからモハーの断崖とコネマラ国立公園---おわり

最後までご覧いただき有難うございました。

この旅行記へのコメント （5）

• kiyoさん 2017/04/17 19:58:13

  いきなり質問をお送りしてすみませんが…

  youさん、こんにちは。
  私は5月にアイルランドへの旅行を計画していて、
  コマネラ国立公園への現地発ツアーに参加するか悩んでいたのですが、
  youさんの旅行記、大変参考になりました。
  ありがとうございます。
  ところで、ひとつ質問があるのですが、
  ビクトリア調の庭園というのは、
  カイルモア修道院へ入場しないと行けない場所なのでしょうか？
  それとも、修道院へ入場しなくても
  庭園へのシャトルバス乗り場には行けるのでしょうか？
  お忙しいところ申し訳ありませんが、
  もし、ご存知でしたら教えていただけると助かります。
  kiyo
  

  youさん からの返信 2017/04/18 20:31:54

  RE: いきなり質問をお送りしてすみませんが…

  kiyoさん
  
  旅行記が参考になったみたいで光栄に存じます。
  ご質問の件ですが、ビクトリア調の庭園に行くには、カイルモア修道院へ入場する必要があります。
  修道院の敷地は広大でして、庭園は敷地の入口から左手方向１Km以上先にあります。無料のシャトルバスは入口付近に発着所があり、庭園との間を往復しています。
  修道院は右手方向に建っていますが、更にその先には教会等もあり、そこも見学できます。
  
  妖精の宿るアイルランドの旅、楽しんできて下さい。
  
  you

  kiyoさん からの返信 2017/04/19 20:05:06

  RE: RE: いきなり質問をお送りしてすみませんが…

  youさん、こんにちは
  
  お忙しい中、返信ありがとうございます。
  カイルモア修道院が広大な敷地にあるとお聞きして、
  いったいどんな場所なのか。ますます興味が湧いてきました。
  それから、旅先でスケッチというコミュニティがあることも知りませんでした。
  情報ありがとうございます<(_ _)>。
  
  kiyo
  
  

• pedaruさん 2013/12/01 06:34:26

  モハーの断崖

  youさん　お早うございます。
  
  突然現れた断崖絶壁、度肝を抜かれました。写真でさえ、こうですから、実際にその場に立ったら感動でしょうね。
  よくある断崖ではなくて、ひとかたまりという岩壁、しかも２００メートルの高さの大迫力、これがいくつも続く・・・イチオシですね〜
  
  落ち葉で色づいた遊歩道、周りの木はそうでもないのに、道はしっかりきれいな落ち葉とは・・・素敵な風景です。
  
  ナンシーさんとの楽しい会話、これも旅の醍醐味ですね。pedaruにとっては、話に花を咲かせるのは大変なこと、英語ではね・・・
  
  pedaru

  youさん からの返信 2013/12/01 22:51:55

  RE: モハーの断崖

  pedaruさん
  
  コメント有難うございます。
  モハーの断崖は、緩やかな丘陵地が急にストーンと海に落ちたかのような、地の果てを感じる断崖なんです。
  　youの人生・・何度も崖縁に立たされ、そこを歩いてきましたので、がけは慣れているはずですが(笑)・・・この自然に創られたスケールの大きな崖にはビビリました。