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 あいにくの雨である。<br /> 京都競馬場は、ウスバカゲロウのように煙って揺れていた。<br /> 11月10日、エリザベス女王杯のために京都競馬場へ出向いたのである。このレースは牝馬の頂点を決めるレースなのである。1着賞金は9000万円。牡馬の頂点よりは賞金額は下がるがそれでも頂点は頂点。ダービーなどは1億5千万円の賞金であるが。<br /> JRAの発表によると、今年のグレードワンのレ−スは入場者も売上も共に低調であるという。確かに京都競馬場に着いてみると、いつになく人が少ないようである。僕の10年来の競馬場通いからいってもこれはやけに少ないと思った。僕が到着したのは11時過ぎである。<br /> 雨のせいか、パドックなどには人がいない。馬も見ないで馬券を買うのかと思わず訝ってしまうが、実を言うと、僕も馬を見ないで馬券を買うので偉そうなことは言えない。馬を見ても良しあしがよく分からないからである。また生来のうるさがりやから、あまり競馬場をウロウロするのも好きではないという理由もある。モノグサもここまで徹底していればたいしたものだと思ったりもする。自慢することではないが。<br /> パドックを見ないとなると頼りにするのが競馬新聞である。愛用の新聞といえば『競馬エイト』。理由はお気に入りの競馬記者がいるからである。<br /> 京都競馬場は京阪電車淀駅から徒歩で10分ほどである。以前は秀吉の側室茶々の居城跡の駅から踏切を渡り、街中を歩かなければならなかった。今は近隣住民に迷惑が掛からないようにと駅の改札口から歩道橋ができている。競馬場の二階まで直通である。しかもアーケードが付いているので雨の日でも濡れない。有難い限りである。<br /> 人混みの少ない競馬場に入ると空いている席を見付けて第五レースから勝負を始めた。<br /> お目当ての競馬記者の推奨馬を第五レースから連続で買うことにした。するとこれが面白いように当たったのである。<br /> 競馬のレースというのは、朝の10時から最終レースまで12レ−スほど行われるがその全てのレースを買っても当たるものではない。レースを絞り馬券を購入することとなるが、この日は僕の競馬記者の予想はことごとく当たったのである。四レース立て続けの大当たりである。エリザベス女王杯の出走までに僕はかなり儲けてしまっていた。ここで、いったん一息付くことにした。<br /> 昼食時間は12時からの1時間である。僕は遅く着いたので遅めの昼食を摂るためにレストランに入った。レストランのテレビがイベント会場の様子を映し出している。今日のゲストはタレントの”真鍋かをり”。これはなんたることか。こんな美女を見る機会はめったにないではないか。慌てて昼食のステーキを平らげるとイベント会場へ直行したのである。<br /> 汗を拭き拭き会場に着くと黒山の人だかりである。どうにか二階に上がり群衆の肩越しに”真鍋かをり”を覗き見する。しかし、その芸能人オーラたるや、半端ないものがあった。一流の芸能人はこのようにキラキラと輝いていると驚かされてしまった。それはもう輝きっぱなしなのである。司会はというと関西テレビの石巻ゆうすけアナウンサー。こちらも中々の輝きである。やはりテレビに出ている人は違うなあと感心するばかりである。<br /> さて、真鍋かをりを堪能したあとはスタンドに赴き、エリザベス女王杯の検討に入った。一番人気はヴィクトリアマイル1着のヴィルシーナである。二番人気はオークスと秋華賞の二つを獲ったメイショウマンボである。競馬記者の予想はディアドレマドレとなっている。これはなんと8番人気である。おいおい、大丈夫かよと思った。<br /> 確かにここ二戦は、二連勝と勝ち続けている。昇り馬といってもいい。しかしこのレースは格下のレースでグレード戦ではないのである。こんな馬を推奨しても大丈夫かよと思った。とはいっても今日のレースはこの競馬記者の予想は当たりまくりんおである。もう一度言うが、僕は結構大儲けしていたのである。ここでもし、ディアドレマドレが勝てば僕は大金持ちになることは間違いない。僕の耳元でそんな声が聞こえてきたのである。そんないつものスケベ心が動いてきたのである。僕は今日の儲けのすべてをディアデラマドレに賭けることを決めていた。<br /> 雨はなお、止む気配無く京都競馬場に降り続いていた。<br /><br /> エリザベス女王杯の出走時間になると雨は激しさを増していた。土砂降りで前が見えないくらいである。雨の中、ゲートが開いた。<br /> きれいなスタートであった。出遅れた馬はいない。僕の大金を賭けたディアデラマドレも遅れることなくスタートを切っていた。慌てることなく前半は抑え気味にゆっくり進んだ。この馬は追込み馬である。その後徐々に後ろへとさがって、後方待機である。ところが今日は不良馬場。このまま後ろから行って追いつくのか?。そんな疑問が頭をよぎった。先頭集団はかたまって第三コーナーから第四コーナへとかかっていく。このとき後ろから行くディアデラマドレには早くも鞭が入った。よっし行け。ここから追い込むのだ。第四コーナーを回り直線に入ると先頭集団はなおも団子状態を続けている。後ろから追いすがるディアデラマドレにはここどとばかりに強烈な鞭が入っている。先頭集団に追いつくのか。その瞬間、先頭集団から、一頭、すうっと、抜け出した馬がいた。二番人気のメイショウマンボ。一気に一頭だけ抜け出したのである。雨を引き裂くように一頭だけ駆け抜ける。その速いこと速いことといったらない。そのままさらに後続を引き離したのだ。ディアデラマドレは、追いすがっていくが、先頭集団からは離されていく。ずるずる引き下がるばかりである。そしてさらに先頭集団は遠い彼方へと・・・・。<br /> メショウマンボは他を寄せ付けぬはやさで、疾風のようにゴール板を駆け抜けたのである。<br /> 嗚呼、終わってみればディアデラマドレは掲示板にも載らない惨敗。9着と沈んだのである。<br /> 無理な勝負をしなければよかったと、このときは思ったが、後の祭りであった。<br /> こうして僕の京都競馬場のエリザベス女王杯は、雨とともに涙と消えたのである。<br /> <br /> 帰りも、京阪淀駅までは大雨にもかかわらずアーケードのおかげでまったく濡れなかったが、こころは悲しく濡れていたのである。<br /> 雨の日の追込み馬は買うなという、教訓だけを残して・・・・・・。<br />

京都競馬場・エリザベス女王杯

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2013/11/10 - 2013/11/10

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nakaohideki

nakaohidekiさん

 あいにくの雨である。
 京都競馬場は、ウスバカゲロウのように煙って揺れていた。
 11月10日、エリザベス女王杯のために京都競馬場へ出向いたのである。このレースは牝馬の頂点を決めるレースなのである。1着賞金は9000万円。牡馬の頂点よりは賞金額は下がるがそれでも頂点は頂点。ダービーなどは1億5千万円の賞金であるが。
 JRAの発表によると、今年のグレードワンのレ−スは入場者も売上も共に低調であるという。確かに京都競馬場に着いてみると、いつになく人が少ないようである。僕の10年来の競馬場通いからいってもこれはやけに少ないと思った。僕が到着したのは11時過ぎである。
 雨のせいか、パドックなどには人がいない。馬も見ないで馬券を買うのかと思わず訝ってしまうが、実を言うと、僕も馬を見ないで馬券を買うので偉そうなことは言えない。馬を見ても良しあしがよく分からないからである。また生来のうるさがりやから、あまり競馬場をウロウロするのも好きではないという理由もある。モノグサもここまで徹底していればたいしたものだと思ったりもする。自慢することではないが。
 パドックを見ないとなると頼りにするのが競馬新聞である。愛用の新聞といえば『競馬エイト』。理由はお気に入りの競馬記者がいるからである。
 京都競馬場は京阪電車淀駅から徒歩で10分ほどである。以前は秀吉の側室茶々の居城跡の駅から踏切を渡り、街中を歩かなければならなかった。今は近隣住民に迷惑が掛からないようにと駅の改札口から歩道橋ができている。競馬場の二階まで直通である。しかもアーケードが付いているので雨の日でも濡れない。有難い限りである。
 人混みの少ない競馬場に入ると空いている席を見付けて第五レースから勝負を始めた。
 お目当ての競馬記者の推奨馬を第五レースから連続で買うことにした。するとこれが面白いように当たったのである。
 競馬のレースというのは、朝の10時から最終レースまで12レ−スほど行われるがその全てのレースを買っても当たるものではない。レースを絞り馬券を購入することとなるが、この日は僕の競馬記者の予想はことごとく当たったのである。四レース立て続けの大当たりである。エリザベス女王杯の出走までに僕はかなり儲けてしまっていた。ここで、いったん一息付くことにした。
 昼食時間は12時からの1時間である。僕は遅く着いたので遅めの昼食を摂るためにレストランに入った。レストランのテレビがイベント会場の様子を映し出している。今日のゲストはタレントの”真鍋かをり”。これはなんたることか。こんな美女を見る機会はめったにないではないか。慌てて昼食のステーキを平らげるとイベント会場へ直行したのである。
 汗を拭き拭き会場に着くと黒山の人だかりである。どうにか二階に上がり群衆の肩越しに”真鍋かをり”を覗き見する。しかし、その芸能人オーラたるや、半端ないものがあった。一流の芸能人はこのようにキラキラと輝いていると驚かされてしまった。それはもう輝きっぱなしなのである。司会はというと関西テレビの石巻ゆうすけアナウンサー。こちらも中々の輝きである。やはりテレビに出ている人は違うなあと感心するばかりである。
 さて、真鍋かをりを堪能したあとはスタンドに赴き、エリザベス女王杯の検討に入った。一番人気はヴィクトリアマイル1着のヴィルシーナである。二番人気はオークスと秋華賞の二つを獲ったメイショウマンボである。競馬記者の予想はディアドレマドレとなっている。これはなんと8番人気である。おいおい、大丈夫かよと思った。
 確かにここ二戦は、二連勝と勝ち続けている。昇り馬といってもいい。しかしこのレースは格下のレースでグレード戦ではないのである。こんな馬を推奨しても大丈夫かよと思った。とはいっても今日のレースはこの競馬記者の予想は当たりまくりんおである。もう一度言うが、僕は結構大儲けしていたのである。ここでもし、ディアドレマドレが勝てば僕は大金持ちになることは間違いない。僕の耳元でそんな声が聞こえてきたのである。そんないつものスケベ心が動いてきたのである。僕は今日の儲けのすべてをディアデラマドレに賭けることを決めていた。
 雨はなお、止む気配無く京都競馬場に降り続いていた。

 エリザベス女王杯の出走時間になると雨は激しさを増していた。土砂降りで前が見えないくらいである。雨の中、ゲートが開いた。
 きれいなスタートであった。出遅れた馬はいない。僕の大金を賭けたディアデラマドレも遅れることなくスタートを切っていた。慌てることなく前半は抑え気味にゆっくり進んだ。この馬は追込み馬である。その後徐々に後ろへとさがって、後方待機である。ところが今日は不良馬場。このまま後ろから行って追いつくのか?。そんな疑問が頭をよぎった。先頭集団はかたまって第三コーナーから第四コーナへとかかっていく。このとき後ろから行くディアデラマドレには早くも鞭が入った。よっし行け。ここから追い込むのだ。第四コーナーを回り直線に入ると先頭集団はなおも団子状態を続けている。後ろから追いすがるディアデラマドレにはここどとばかりに強烈な鞭が入っている。先頭集団に追いつくのか。その瞬間、先頭集団から、一頭、すうっと、抜け出した馬がいた。二番人気のメイショウマンボ。一気に一頭だけ抜け出したのである。雨を引き裂くように一頭だけ駆け抜ける。その速いこと速いことといったらない。そのままさらに後続を引き離したのだ。ディアデラマドレは、追いすがっていくが、先頭集団からは離されていく。ずるずる引き下がるばかりである。そしてさらに先頭集団は遠い彼方へと・・・・。
 メショウマンボは他を寄せ付けぬはやさで、疾風のようにゴール板を駆け抜けたのである。
 嗚呼、終わってみればディアデラマドレは掲示板にも載らない惨敗。9着と沈んだのである。
 無理な勝負をしなければよかったと、このときは思ったが、後の祭りであった。
 こうして僕の京都競馬場のエリザベス女王杯は、雨とともに涙と消えたのである。
 
 帰りも、京阪淀駅までは大雨にもかかわらずアーケードのおかげでまったく濡れなかったが、こころは悲しく濡れていたのである。
 雨の日の追込み馬は買うなという、教訓だけを残して・・・・・・。

旅行の満足度
5.0
観光
4.5
交通
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
JR特急 私鉄
  • イベントに登場の真鍋かをり

    イベントに登場の真鍋かをり

  • エリザベス女王杯、ゴール前

    エリザベス女王杯、ゴール前

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