2004/08/01 - 2004/08/10
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kazimさん
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中欧の目立たない小国かもしれないスロヴァキアだが、古き良きヨーロッパの雰囲気が残り、人々は穏やかで、自然は変化に富み、そして奥深い歴史がある。2001年についでのように訪れたこの国で、その一端を感じ、「ブラチスラヴァとセメロヴォ」編にまとめたが、さらにこの旅行では、アントーニアというお嬢さんとたまたま知り合い、彼女に呼ばれてバルデヨフに出かけたことも懐かしい思い出だ。ここでは、彼女と彼女が住むバルデヨフについて、最後に少しだけコシツェについて振り返る。
〈写真 アントーニアとブラチスラヴァ旧市庁舎〉
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- オーストリア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2001年の1度目の訪問でのこと、ウィーンの空港でブラチスラヴァ行きのバスを待っていると、ベンチの隣に清楚な女の子が座った。ウィーン市内やオーストリア各地への車が頻発する中、目的のバスは本数が少なく、女の子もベンチから動かない。目が合って彼女の方から声をかけてきた。「もしかしてブラチスラヴァですか?」「そうですが、なかなか来ないねぇ」と会話が始まった。
〈写真 アントーニアとおばあちゃん〉 -
彼女は「アントーニア」と名のり、アメリカでの医学の短期留学を終え帰国するところだった。車内でも話を続けるうち、彼女が「私の街に来ませんか?」と提案した。「パルデヨフという街で、世界遺産になっています。是非来てください」。清楚な女の子の誘いに、「本当にいいの?」と何度も確かめる私は、その時点で、セメロヴォでの日程を調節して、この娘の住むバルデヨフに行こう、いや行かねばならないと心を決めた。
〈写真 バルデヨフ郊外から街を望む〉 -
ブラチスラヴァは国の西端、対してバルデヨフは北東の隅にある。小さい国とはいえ、400キロ以上の道のりだ。セメロヴォを朝方に発ちブラチスラヴァに出て、東に向かう急行列車に乗り4時間ほどでポプラド・タトリに着いた。ここからバルデヨフ行きのバスが出ていると、アントーニアに教えられている。だいぶバスを待って3時間ほど、100キロ近く乗っただろうか、途中ポーランド国境に近い道も通り、夕刻パルデヨフに着いた。
〈写真 ポプラド・タトリへの車窓から〉 -
イチオシ
着いて電話をすると、アントーニアが同棲中の彼氏を伴って現れた。留学から帰って間もない時間であり、本当に来てよかったのかと、嫉妬心半分で思うが、彼女は遠来の客に我が街を見せたいらしく、すぐに旧市街を案内された。城壁に囲まれこぢんまりした旧市街は、中世の趣がそのまま残り、確かに素晴らしい。特に、旧市庁舎を囲む中心の広場は、本当に時代を遡ったようだ。ここが世界遺産に登録されている。
〈写真 バルデヨフ旧市街の広場と旧市庁舎〉バルデヨフ市街保護区 旧市街・古い町並み
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人口3万ほどの小都市バルデヨフの広場を囲む店々は、同じ高さと似たデザインで統一感がある。素晴らしい景観を保ちながら、観光ズレをしていない落ち着きを感じさせた。アントーニアは、建築デザイナーを目指す彼氏と、旧市街の一角に部屋を借りており、彼氏は日本の建築家の安藤忠雄に憧れているそうだ。「アンドーはクールだ」とは彼の言だが、私は「バルデヨフこそクール」と返した。
〈写真 広場を囲む商店〉 -
イチオシ
夕食は広場を囲む店で地元の料理をごちそうになった。メインはグヤーシュにダンプリングを付け合わせたもの。グヤーシュはハンガリーの料理と思っていたが、「スロヴァキアでもよく食べますよ」とのこと。パプリカの辛さが独特の味だ。ロマの人たちが陽気な生演奏をしている店は、レストランというより酒場の雰囲気だった。ポプラド・タトリからのバスでも、ロマの人を多く見かけている。
〈写真 ダンプリングとグヤーシュ〉 -
彼女たちの部屋に泊めてもらい、翌日はアントーニアが近郊の見所を案内してくれた。彼氏は忙しいそうで、思わずラッキーと小さくつぶやいてしまう私だ。まず、バスで15分ほど北にある木造の教会を見た。16世紀に建てられたらしい素朴な建築で、一帯は緑に囲まれてよく整備されており、とても気持ちの良い場所だった。
〈写真 バルデヨフ郊外の木造教会〉 -
内部も昔のままに保存されていて、聖職者たちの質素な生活がしのばれる。黒くて太い梁と白い壁の対照も素敵だ。後で調べれば、このあたりにはこうした木造教会が点在し、世界遺産に登録されているものもあるようだ。南欧のような石の文化ではなく、森の文化、木の文化がこのあたりの本来の姿だとわかる。
〈写真 木造教会の内部〉 -
さらにバスでしばらく行き、温泉保養所に行った。広い敷地が公園として整備されており、滞在者用の施設や治療院が点在している。その建物の1つ1つが趣を感じさせるもので、実際に保養で滞在している人たちがかなりいる。当地では温泉は入浴ではなく飲用にするのが通常らしい。
〈写真 バルデヨフ郊外の温泉保養所〉 -
最後にはおばあちゃんの家におじゃまをして食事をごちそうになった。アントーニアは両親ともに医師だそうで、「忙しくてあなたに会えない」と申し訳なさそうにするが、とんでもない、おばあちゃんの手料理もおいしかった。
〈写真 おばあちゃんと一緒に〉 -
居心地の良いこの街でさらに数泊したかったが、帰国が2日後に迫っていた。コシツェで1泊した後、ブラチスラヴァに戻ることにする。バス・ターミナルまで案内してくれたアントーニアとは再会を期して手を振った。その後、会う機会はないが、今では彼女は心臓外科医として活躍している。「まごころ」こめた治療をする良いお医者さんになっているだろう。
〈写真 温泉保養所でアントーニア〉 -
バルデヨフからのバスはプレショフを経由して、1時間半ほどでコシツェに着いた。人口23万で、スロヴァキア第2の都市であり、東部スロヴァキアの中心の街である。人通りに従って歩いていくと、路面電車の走る大通りに出た。
〈写真 コシツェの街並み〉 -
フラヴナー通りというようで、通りの先には大聖堂が望まれる。聖ミハエル礼拝堂と、聖アルジュベタ聖堂であり、ここも美しい街だ。この通りを数往復してコシツェを見たつもりになり、翌日ブラチスラヴァに戻った。
〈写真 コシツェの聖アルジュベタ聖堂〉
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