2013/07/28 - 2013/08/04
20位(同エリア53件中)
井守岩さん
アバチャ湾クルーズ、ゴレールイ山への登山、らくだ山ハイキング、ビィストラヤ川下り等。
カムチャッカには温泉がたくさんあると聞いていた。「カムチャッカのスイス」と呼ばれるエッソに行きたかったのだが、いきなり一人で初めての地は荷が重い。とりあえず温泉地訪問を含むパッケージツアーに参加させてもらった。
写真はクルーズでの、アバチャ湾入り口付近にある「おばあさん岩」。この奇妙な自然の芸術ともいえる岩を、天気のいい時に撮影できただけでも幸運であった。
ロシアと日本の共同経済活動がクナシリかエトロフで行われる見通しができたようだが、あまり進展は見られない。そこに日本人向けのスキー・温泉、美味しい魚料理を組み合わせたリゾートが建設されてカムチャッカの先行モデルが出来ることを期待している。
とにかくロシア人だけでは日本人向けの温泉開発は現状では無理であり、共同開発運営が必須である。
将来的にそのノウハウがカムチャッカで活かされて、本格的な温泉リゾートができ、日本では季節外れのスキーが出来る時期に、日本人観光客が増えることを願っている。
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- ユーラシア旅行社
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最初に半島中部のキャンプ地に行き、その南にあるマルキ温泉、(コリャーク山とアバチャ山の間にある)らくだ山、アバチャ湾クルーズ、ゴレールイ山、最後に市内観光の順。
左の地図には載っていないが、半島中央を走る幹線道路の先にエッソがある。下調べでは、一日に一本エッソ行きの路線バスが走っていて朝早く出ると夕方には着くことになっていた。キャンプ地入り口までの道路は一応舗装されていたので、バス旅も大丈夫。ガイドさんも問題なく行けると言っていた。 -
キャンプに向かう途中に寄った、開拓地風で素朴なドライブイン。ビール、クワス、ペリメニなどの看板が目に入る。地元通訳ガイドさんによると現地の人に人気だというピロシキを買って食べる。まさにおすすめに違わない味。
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カムチャッカといえば火山、そんな印象が強かった(噴煙と溶岩の黒っぽい大地を想像)が、実際には緑豊かなところも多くて日本とよく似た風景がたくさんある。火山が多いのも事実で、今回の訪問中に活動中の火山が噴煙を上げているのを何カ所も見かけた。しかしただそれだけではない、風光明媚も強調されるべきである。写真はビィストラヤ川のキャンプ地。すぐそばを川が流れる。黄色いテントは食堂で、水洗用の水を貯める青いタンクが手前に二つ設置されている。夜、放し飼いにしている犬がさかんに吠え、翌朝聞いてみると熊が出没したとのこと。熊が近くに居た実感はなかったが、翌日川下りを終えて帰りになにげなく川を見ると熊が泳いでいて驚いた。たしかにいる。
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ビィストラヤ川の川下り。大きなヒメマスが釣れた人も。前日食事に出たイワナのなんと大きかったことか。そして日本でイメージする川魚特有の臭いがない。産卵期には紅ザケ、銀ザケ、マス、キングサーモンも。
この川の名前は日本語風に言うと「早川」である。カムチャッカにはいくつかのビィストラヤ川があり(例えばエッソを流れる川も同名)、私たちが下った川はマルキのビィストラヤ川。 -
アバチャ湾クルーズでよく紹介される岩「三人兄弟」(写真はそのうちのふたつ)である。実際に見るとその大きさに圧倒される。同じアバチャ湾口でも冒頭の写真にある「おばあさん岩」はこの岩の反対側。
海鳥の大きさと比較するとその大きさがわかる。鳥の排泄物が岩をまだらに白く染め、より印象的なものにしていた。 -
コインを投げて当たると願いが叶うという「シャーマンの指」。繰り返しになるが、とにかく意外であったのは美しい風景。カムチャッカに来る前は、火山の半島という印象を強くうえつけられていた。だが実際には、全体的に日本と非常によく似ている風景がいたるところにある。(火山のカムチャッカ)をあまりに強調するのは適当でないのではないか。エメラルドグリーンの海に癒やされる。
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宴の様子。水揚げしてすぐに茹でてくれた新鮮な花咲蟹。
クルーズ船のメンバーは船長、潜水夫。一回目の潜水で(馬糞)ウニ、二回目に(花咲)蟹を引き上げる演出。ロシア人(西洋人)には、たしかウニを食べる習慣がない。おそらく海底には腐るほどウニがいる、でも日本人がそれを美味と感じることが彼らには理解できない。要望すれば山ほど獲ってくれるのではないか。
また、カレイも簡単な釣りなので、日本人ツアー客は素人ながらかなり釣り上げた。船長が「誰か刺身にできないか?」と日本人の我々に問いかけたが、誰も出来ない。しかたなく船長自身が刺身にしてくれた。それを添乗員さん持参の醤油でいただく。最後に下船の際「釣ったカレイを持って行って」と言われたが、そう言われても。料理(魚をさばく)に自信のある方、このクルーズに参加される折は心構えを。たらふくカレイの刺身を食べられます。 -
海が荒れるとダイバーが潜れないそうだ。海底に沈めてあるのを水揚げした直後の写真。これをすぐに食べるのは新鮮で価値がある。クルーズ船の料金はロシア人にとってもかなり高い額というが、日本でこれを生で食べたらきっと高くつく。サハリン沖の別の船上でタラバガニの刺身を一度食べたことがある。足の中から抜いた身が開いてとても綺麗だった。でもこのクルーズ船にそれを頼むのは無理かな?それに花咲ガニでは小さすぎて難しいかもしれない。
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道の先にヴィリュチンスク峠。南に向かう道はこれしかなく、それもヴィリュチンスク高原のちょっと先で終わる。日本の国土より広いのに。しかも道路沿いに人家は一軒もなかった。現代版「奥の細道」以上のカムチャッカ。
ただ厳密に言うならば、西海岸のオクチャブリスキーから南端のオゼルノフスキーにかけて自動車冬期道というのがある。凍結することで例の六輪駆動車で走れるのか。日本では一度も紹介された事のないであろうカムチャッカ西海岸、興味津々。 -
ヴィリュチンスク峠からのヴィリュチンスク山。ゴレールイ山に行く途中、昼頃に撮ったもの。カムチャッカの空港に着陸態勢に入るとき太平洋側から左旋回していく。そのとき飛行機の左窓(出来たら左の席に座りたい)にこの山の美しい姿が目に飛び込んできて、いかにもカムチャッカに来たと実感できる。みんなが歓声をあげていた。カムチャッカの名峰の一つである。
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ヴィリュチンスク峠から撮ったヴィリュチンスク高原。奥に見えるのがゴレールイ山。高原の中央を走る道を少し左に入ったところにヴィリュチンスク温泉があると、帰国後地図を見て知った。夕暮れの温泉から景色を眺めるときっと美しいことだろう。ただツアーにさえ組み込まれなかったということは、マルキ温泉同様かそれ以上に未開な状態なのではないか。
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ゴレールイ山から見えるヴィリュチンスク高原と火山群。コリャーク山とアバチャ山がヴィリュチンスク山のはるか左奥から並んで見える。ヴィリュチンスク峠から赤線の高原道路を縦断して、登山の起点迄。
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山でよく見かけたイワギキョウ。向こうに噴煙がのぼる。そこを目指して登っていく。
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ゴレールイ山の火口の淵を歩く。左の噴火口から煙りが上がる。発生間もない噴煙は無色に近く、たいしたことはなさそうに見える。だが、まるでジェット機のエンジン音のようなごう音が周囲にとどろいていた。
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ゴレールイ山頂上からのカルデラ湖と噴煙。火口には溶岩が赤くのぞき、ガスが充満しているはず。滑落したら死ぬ、そう考えると足がすくんだ。
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全般に天気に恵まれた。ヴィリュチンスク山の美しさは言葉では言い表せない。ゴレールイ山の登山からの帰り途、夕日に映える高原の背後、雪渓に彩られたヴィリュチンスク山がそびえる景色にはとりわけ感動した。実は色々あって登山に時間がかかり、この帰り道はかなり時間的に遅れていた。宿泊先のスノーバレーに着いたのが21時過ぎだったので、この場所の通過時間は19時頃ではないか。しかし、そのことが幸いして、このような美しい光景にめぐり合うことが偶然できた。このツアー以降、登山は早めの時間に変更されているようなので、もしかしたらこの夕景に出会うことは、以降このツアーではもうないかもしれない。
六輪駆動車は運転席と客室が分離されていて、容易には車を停めてもらえない。ヴィリュチンスク高原から、夕日を受ける景色をきちんと撮影したかった。しかしやむなく、(でこぼこ道に揺れる)車内から汚れた窓ガラス越しに、画質の悪さ覚悟で撮った。車の影が道路に映っている。 -
らくだ山。右のアバチャ山と左のコリャーク山の間にありハイキングで登る。
山の右裾にアバチャ山への登山基地が見える。 -
らくだ山の頂上付近。らくだのこぶが二つ背後に見える。
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マルキ温泉。ただ日本で思い浮かべる温泉とは違い、ほとんど管理していない。未開発の源泉ありのままと考えてもらいたい。写真は川湯で、ちょっと穴を掘っているだけのもの。カムチャッカには温泉という未開の資源は豊富にある。だがダイヤもカットされなければ本来の商品価値がないように、現状ではただのお湯が湧く場所でしかない。日本が長年育んできた温泉文化をとりいれて初めて、その価値は脚光を浴びることになるのではないか。カムチャッカのお役人は日本の温泉視察などをして、真剣にカムチャッカの観光にとり入れるべきだと思う。
また、不思議なことに、あちこちで悩まされた蚊がこのマルキ温泉ではほとんどいなかった。水着に着替えたので襲われて当然だが、あまり記憶が無い。温泉の何かがそうさせているのか。夏でも蚊のいない露天風呂の可能性がある。付近に活動中の大きな火山はないようであるし、川の増水にさえ注意すれば、ここに本格的な温泉施設をつくるのは有望。比較的ペトロパブロフスクに近く、そこまで舗装された道路があることも有利な条件である。 -
一番熱めで大きな湯の中から撮った風景。親切なロシアの婦人から日本人ツアー客が鮭の燻製をごちそうしてもらった。その味が忘れられなくて、帰国間際に寄った市場では、みんな鮭の燻製をお土産として買っていた。
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「スノーバレー」(パラトゥンカ温泉域内)。露天風呂と思いきや、実は日本の庭園の池を温泉のぬるま湯が流れているような感じ。温度が低すぎて誰も入らなかった。
日本人観光客もまだ少なく、カムチャッカには日本人向けの温泉はまだない。需要がないからつくらない、裏を返せば今後の発展の可能性があるということ。近くで真夏なのにスキーの競技をやっていた。雪は運んでくるという。日本と違い四月でもスキーを十分楽しめる。直通なら日本から3時間ほどの場所で季節外れの秋や春のスキーが楽しめ、温泉があり、魚はうまい。今後の観光開発、大いに期待していいのではないか。 -
「庭園」の上部にある温泉プール。温泉水はここから下へ流れていて、このプールに入った人はそれほどぬるくなかったと、言っていた。どうやらロシアでは温泉プールが人気で、日本の様な温泉スタイルは、あえて言えばバーニャ(ロシア式サウナ)がそれにあたるのだろうか。
パラトゥンカ温泉は上、中、下の三つに分けられ、この「スノーバレー」のある上パラトゥンカには温泉滝があると、ガイドブックに書かれている。それほど湯量が豊富なら、ミニプール付の部屋もみかけたので、日本風露天風呂付部屋もつくれそうに思う。今後に期待。 -
「スノーバレー」は観光業者が名付けたロシア語の英訳。入り口に看板ООО СНЕЖНАЯ ДОЛИНА(有限会社スネージュナヤ ドリナ)とあった。ネットで検索可能(我々が宿泊した部屋は二段ベッド二つの4人部屋で、価格は日本円で約12000円、デラックスツインなら17000円ぐらい)。写真に写っているのはレストラン。訪問中もここの施設はあちこち工事が進行中。バーニャは入れなかった。価格が手頃なので、今後も日本の旅行会社が利用する可能性あり。
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前方にレーニン広場、右にはカムチャッカ地方政府庁舎。広場の先を左に進むとアバチャ湾の海岸。前方に見える山の左方斜面に、市内から一番近いスキー場がある。
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日本語に訳されたカムチャッカ半島観光地図が売られていた。
半島全体地図の他、市内を絵文字等で案内したものが両方掲載されている。写真はペトロパブロフスクカムチャツキー市内地図の抜粋。例えばAの絵文字はバス停、バスのマークはバスステーションを表し、ここからエッソ行きの定期バスも出ているはず。写真左端の方がレーニン広場。それほど高くなかったので、この地図、観光におすすめ。 -
ペトロパブロフスクカムチャツキ市内、レーニン広場脇の海岸で散歩を楽しむ人々。
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ロシア人のほか、カムチャッカには先住民(コリャーク人、イテリメン人、エヴェン人など)が住んでいる。郷土博物館に展示されていた絵には、犬などに喰わせる「獣葬」と、自殺したい人にはその意思が尊重され、近しい人が自殺幇助として認められたという状況が描かれていた。指し示す棒の先にひもで首を絞め引っ張る様子が。話の聞き間違えであってほしい。ショック。
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カムチャッカナンバー1という地ビールの裏。ラベルの一部が破れているのかと思いきや、製造日の印(2013年7月30日)。このビール。同行したツアー客に好評であった。あとで調べると、防腐剤無添加で熱処理をしていないから保存期間は数日とか。宣伝文句が「大陸(ロシア本土)に帰った者は、カムチャッカのビールをなつかしく思い出す」。ここでしか飲めない正真正銘の生ビール。確かに旨い。モナコ王子が非公式に来たとき、一番気に入ったのが熊とカムチャッカビールであったという。ペットボトル入りなのでお土産としてスーツケースに入れても大丈夫。最初にホテルで買った時95ルーブルだったのが、ホテル向かいの食料品店では60ルーブル。「ギーペルマーケット」という巨大スーパーでは53ルーブルであったという。
またキュウリ魚という、北の方でしか獲れない魚の干物を市場の店員に薦められた。試食すると悪くなかったので、ひとつ買って帰る。焼いて食べるといっそう良い。お土産としてはビールとともにおすすめ。(買い物はルーブルしか基本的に使えない。日本で両替していく際の手数料より、現地のATMで必要な額だけカードキャッシングした方がお得。ロシア語のほか英語でも案内表示され、最低1000ルーブルから引き出せる。VISAかMastercardならどのATMでもOK)
キャンプ地の食事で出た大きなイワナといい、ホテルや機内食(帰路カムチャッカ積み込み)の魚料理は、いずれもとても美味しかった。さすが魚の産地と言うべきか。いままで経験したロシアの他のどの地域より、カムチャッカは魚の本場である。
最後にカムチャッカの青年達は美男美女揃い。ちょっと街を歩いて観察したが平均レベルが高い。ロシアでは一番美人度の高い地域ではないか。
ウラジオストックが開放されて間もない頃、そこで知り合いになったアメリカ人が、ウラジオストクは美人が多いと言っていた。重要な軍港であったところが開放されて間もないという、そこに何か共通の秘密があるのだろうか。
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