2013/05/03 - 2013/05/07
22位(同エリア34件中)
mickさん
ディーキルヒ(Diekirch)は、ルクセンブルク最大のビール生産地で、地名がそのまま銘柄名になっているので、ルクセンブルクの繁華街を歩いていれば必ずその名前を目にすることになりますが、実際にディーキルヒの町を訪れたという人はあまりいないのではないかと思います。今回の旅行でも、単に列車からバスに乗り換えるだけの場所としか思っていませんでしたが、そこで待っていたのは、全く予想していなかった、素晴らしい風景でした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- KLMオランダ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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今回の旅行では列車を多く利用しましたが、車窓からの眺めで、ルクセンブルク国内に入ってから特に目立ったのが、牧草地に群生するタンポポです。若草の緑の中に鮮やかな黄色が散りばめられた風景はとてもきれいですが、写真に収めようとしても、列車の中なので滅多に上手くいきません。確かディーキルヒの駅は川沿いにあったので、河川敷にでもこんな風にタンポポが咲いていたらいいなぁ・・・、などとぼんやり考えつつ、車窓を流れていく景色を眺めます。後から考えればこれも、感動の伏線だったように思います。
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ルクセンブルク駅から、途中1回乗り換え、30分位でディーキルヒ駅に到着しました。どこからが駅でどこからが道なのかよく分からない、いかにも海外の駅っぽい感じです。
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駅前にバス乗り場があり、その先の道路の向こうは川になっています。道路を横断するために車の列が途切れるのを待っている間、木立の合間から垣間見えるだけの川沿いの風景が、すでに圧倒的な輝きを放っているように見えて、これは思わぬところでとんでもない大物を捕まえたんじゃないかという予感に胸が高鳴ります。
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ようやく道路を渡り、川沿いに到達することができました。そこで待っていたのは、まさに「春の日の風景」の最上級、とでも言えるような、あまりにも美しく、心癒される風景でした。青い川面は日光を浴びて眩しく輝き、緑の牧草地にはタンポポが斑模様を描き、それらを深緑の森林が包み込み、さらに全てを覆う青空・・・。
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もしかすると、この風景は何も特別なものではなくて、どこでも見られる、ありふれた春の風景なんじゃないか、と思ったりもします。でも、今まで名前も知らなかったこの見知らぬ町で、訪れた季節、時間帯、そして天気などの色々な条件によって作り出されたこの瞬間だけの風景が、その時の自分の心境、求めていたものと完全にシンクロするという、ちょっとした奇跡によって、これだけ感動することができたんじゃないか、と思っています。
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やはり美しい風景が作られるうえで「水」の力は大きいです。緩やかな川の流れは、堰の手前で一層緩やかになり、液体とは思えないような質感を見せています。
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今まで車窓から眺めるだけだったタンポポの群生は、今はすぐ足元に広がっています。白い小さな花も咲いていて、彩りをより豊かにしています。
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辺りでは馬(小さい方はロバ?)も飼われています。大きな馬の毛並みは美しく、この美しい風景に溶け込んでいる感じです。ロバ?の方は人懐っこく、近づくと寄ってきたりします。
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川にかかった橋の上を、散歩やサイクリングで休日を楽しむ地元の人々が行き交います。こんなきれいな所に住めるなんて羨ましい、と思ったりもしますが、住んでいる人達にとっては、普通の風景なのかもしれません。
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次の目的地、ラロシェットへ向かうバスに乗るまでの待ち時間は35分しかないので、時間ギリギリまで川沿いの散歩道を歩いてみます。せせらぎの音が聞こえ、川がすぐ身近に感じられます。
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そろそろ出発の時間になりました。帰りはいくつかのルートが選択できたんですが、絶対に帰りもディーキルヒを経由して帰ろう、と心に決めました。というわけでディーキルヒとはしばしのお別れです。
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ラロシェットの観光を終え、再びディーキルヒに戻ってきました。今度は乗換の待ち時間が50分あるので、街の方にも行ってみることにしました。駅から街への道の途中には、壁が全面ピンク色の派手な建物がありました。看板をみると、リセ(学校)のようですが・・・。
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街に到着しました。街は特に珍しいところは無く、どこにでもあるようなヨーロッパの田舎町、という感じです。ディーキルヒ・ビールの看板は、もちろん至る所で見られます。
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街の中心部の広場です。カフェやレストランのテラス席が並び、ビールや食事を楽しむ人々で賑わっています。
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街の教会です。それほど大きくはありませんが、2本の尖塔を持つ立派な姿をしています。街にはもう1つ大きな教会がありますが、改修工事中でした。
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街でビール、も良いですが、私にとってはやっぱり、川沿いの景色の方が好きです。というわけで、また川の方に戻ってきました。こちらは川沿いにある公園です。ただの広場かと思いきや、噴水があったりして、意外と手が込んでいます。
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川にはいくつかの橋が架かっているのが見えますが、この橋は真っ赤な支柱が印象的で、特に目立っています。
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夕方になって、辺りの風景も、最初に見たときとは微妙に表情を変えています。元から穏やかな雰囲気でしたが、日差しが柔らかくなることによって、風景もより一層穏やかになり、眺めているだけで旅の疲れが一気に癒される心地がします。
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帰りの列車の時間が近付いてきました。雲間から覗く太陽が川面をキラキラと輝かせ、最後まで美しい景色を見せてくれます。
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今回のディーキルヒの風景は、私にとって、今までの旅行歴の中でも間違いなく五指に入るほどの素晴らしいものでした。すべての人が同じように感動できるという保証はできませんが、それでも、もし春にルクセンブルクに滞在する機会があるならば、このディーキルヒを訪れてみることをお勧めします。ルクセンブルク駅から30分程度で行けますし、もし風景が心に響かなくても、ビール1杯ひっかけて帰るだけでも充分に話の種にはなると思いますし・・・。
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