2013/03/24 - 2013/03/24
2536位(同エリア4173件中)
naoさん
大阪北の繁華街、梅田からほど近い所にある中崎町界隈は、再開発の波にさらされなかったこともあって、昭和初期の古い町家が残るレトロな町が広がっています。
天五中崎通商店街にある「青空書房」という古本屋さんの89歳になるご主人・坂本健一さんは、毎週土曜日の閉店後、店のシャッターに「ほんじつ休ませて戴きます」の手描きのポスターを貼り出します。
坂本さんは、戦後間もなく結婚した和美さんと二人で「青空書房」を開店し、以来、半世紀にわたって年中無休で働いてこられましたが、9年前に脳梗塞で倒れたのを機に、毎週日曜日を定休日にしました。
ところが、年中無休時代の名残で、定休日と知らずに訪ねてくれるお客さんに申し訳ないと、「ほんじつ休ませて戴きます」のあいさつとともに、四季折々の風物誌や大阪の町の様子を描いた絵と、ちょっぴり風刺の効いた中にも、心温かい坂本さんの言葉が添えられたポスターを貼るようになります。
時に読書の素晴らしさを説き、時に人の温もりや人情の機微を失いつつある現代社会を憂おう坂本さんの言葉の底流には、「人は優しさに支えられてこそ大きな苦しみを乗り越えることができるんだ」という、心温まる想いが流れています。
平成22年2月5日、和美さんが80歳でお亡くなりになられたのですが、ポスターに添えられる言葉には、実は和美さんへの想いと、ご自分への激励の意味も込められていて、多くの人々の共感を呼んでいます。
毎週日曜日になると、わざわざ遠方から見に来る人を含め、多くの道行く人々がこのポスターに見入っています。
また、坂本さんのポスターにまつわる逸話は、NHKのテレビ番組をはじめ、いろんなメディアでも取り上げられています。
追伸
先日、坂本健一さん手描きのポスター100点を集めた展示会が開催され、その模様を『2013 「ほんじつ休ませて戴きます」 青空書房ポスター展』と題して、別の旅行記にアップしていますので、興味のある方はご覧になってください。
追追伸
今年の12月31日で閉店を決めた「青空書房」の坂本健一さん。
その坂本さん手描きのポスター約200点を集めた展示会が開催されたので、その模様を『2013 師走で閉店! 「ずっと休ませて戴きます」 青空書房』と題して、別の旅行記をアップしました。
興味のある方はご覧になってください。
中崎町界隈は、元々個人住宅や長屋などが密集する住宅地でしたが、近年、センスある若い人たちが路地裏の古い町家を再生した、個性的なお店を次々とオープンさせていて、レトロなおしゃれゾーンとして若者たちの人気を集めています。
町屋の屋根越しに梅田の高層ビル群が顔をのぞかせるこの町は、こんな路地裏に・・・、と思うような所におしゃれなカフェがあったり、こんな長屋の2階に・・・、と思うような所にかわいい雑貨屋さんが店を構えていたりと、とにかく歩いているだけでも楽しさが伝わってきます。
2010年にオープンした「チャスカ茶屋町」は、店舗、集合住宅、ホテルからなる地上23階建ての複合ビルで、地下1階から8階には店舗、10階から23階にはホテル、12階から21階には集合住宅が配置されています。
設計は安藤忠雄氏で、各階の水平なスラブとバットレス状のコンクリート斜材がクロスする低層部と、鋭角な三角形の平面形状を持つ高層部の外観が特徴となっています。
この日は、お客さんを大切に思う昔気質のお店や、熱い息吹があふれる路地裏のショップが交錯する昭和レトロな町歩きと、梅田のモダン建築を楽しみました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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自宅を出て、延長約2.6kmの日本一の長さを誇る天神橋筋商店街を抜けて、天五中崎通商店街を目指します。
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天神橋筋商店街を抜けると、堺筋を挟んで天五中崎通商店街の東側入口が見えてきました。
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天五中崎通商店街は、愛称を「おいでやす通り」と言います。
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この商店街は、東は堺筋の天神橋5丁目から、西は中崎町まで続いています。
ここも町家を再生したお店が増えていて、最近は若い人達も集まるようになりました。 -
商店街を一歩外れると、そこには人々の生活の場が広がっています。
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この汚水桝の蓋は、絵柄自体は他と変わりませんが、「北区」の文字が入っています。
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商店街の中ほどには「青空書房」があります。
店のシャッターには、この日も手描きのポスターが貼られています。 -
このポスターは、定休日と知らずに訪ねてくれるお客さんに申し訳ないとの意味を込めて貼られるもので、「ほんじつ休ませて戴きます」のあいさつとともに、四季折々の風物誌や大阪の町の鼓動を描いた絵と、ちょっぴり風刺の効いた中にも、心暖かい坂本さんの言葉が添えられます。
時に読書の素晴らしさを説き、時に人の温もりや人情の機微を失いつつある現代社会を憂おう坂本さんの言葉は、多くの人々の共感を呼び、毎週日曜日には道行く人々がポスターに見入っています。
追伸
興味がある方は、『2013 「ほんじつ休ませて戴きます」 青空書房ポスター展』の旅行記もご覧になってください。 -
さすが「粉もん」文化が浸透する大阪です、バーでも「お好み焼」を焼いているようです。
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ここにも、人々の生活が息づいています。
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この商店街には、こんなおしゃれな看板のヘアーデザインのお店や・・・
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こんなかわいい看板のパン屋さんがあるかと思えば・・・
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こんな人気店もあるのが楽しいところです。
まさに、老若男女を問わず楽しめる商店街です。 -
商店街の西の端、中崎町までやって来ました。
商店街に入ってすぐのところに、地下鉄谷町線・中崎町駅の入口が見えています。 -
商店街を抜け、昭和の香りが残るエリアに入ると浄方寺というお寺がありました。
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今年の冬はあんなに寒かったというのに、浄方寺の桜はもう咲きかけています。
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この分では、今年のお花見は例年より早くなりそうです。
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この町家には、昔懐かしい煙突が立っています。
まだ使っておられるんでしょうね。 -
レトロな町並みの向こうに、梅田の高層ビルが見えています。
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「和風雑貨とキリンのお店」のマスコット。
今日は起きていますが、時々寝ていることもあります。 -
このお店は古着屋さんです。
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昭和が色濃く残る町並みを抜けると・・・
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長屋を再生した、雑貨屋さんなどのショップが並んでいます。
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その中の町家カフェ。
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こちらはレトロビルの1階にあるカフェです。
店ののぼりにある「和紅茶」って、何なんでしょうか・・・。 -
こちらの長屋には、カラフルな洋服から小物まで扱うショップとカフェが並んでいます。
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一目見て「それ」とわかる看板です。
フライパンを振る楽しそうなシェフがデザインされています。 -
中崎町の中でも、草分け的存在の町家カフェ。
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経営者が何代か変わっているそうですが、ずっと使われている看板がその歴史を物語っています。
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こちらは古本屋さんを併設するカフェ。
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本とコーヒーの、どちらがメインなんでしょうか・・・。
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この路地にも何かありそうな予感がします。
早速入ってみましょう。 -
案の定、蔦の絡まる良い雰囲気のカフェがありました。
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カフェを過ぎた先の、長屋が建ち並ぶ路地の奥には、レディスウェアのショップなどがあります。
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この路地にも、レディスウェアのセレクトショップがオープンしています。
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この路地からは、ここに生きる人々の生活臭が漂ってきます。
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梅田がすぐそこに見えるところまでやって来ました。
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この堂々とした町家は、カットハウスとして使われています。
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カットハウスのお向かいにある、化粧筆を扱うお店。
この建物も堂々とした造りの町家です。 -
レトロな町に、違和感なくすんなり溶け込んでいるロードバイク。
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この辺りの町並みは、平成モダンと昭和レトロが混在しています。
これを先に進むと・・・ -
メンズウェアのお店とカフェが隣り合った長屋があります。
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ここは、数ある中崎町のカフェの中でも・・・
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一二を争う人気カフェです。
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懐かしい看板がかかっているこの町家は・・・
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ベトナム料理店です。
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和服を扱うお店の前では、菜の花が咲いていす。
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ハイツはハイツでも、賃貸住宅のことではなく、店舗を開きたいと思っている人のための月極めのレンタルスペースだそうです。
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先ほど前を通った平成モダンの不動産会社のビル。
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このビルは、一見すると不規則に見えるよう、窓の位置がデザインされています。
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ここは、レディスウェアから小物まで扱うショップです。
では、中崎町はこのくらいにして、梅田のモダン建築へ向かいます。 -
梅田へ向かう途中のマンションでは、コブシの花が咲いています。
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そのマンションを過ぎると、三角屋根が特徴の毎日放送(MBS)のビルがすぐ目の前にあります。
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その毎日放送の南側に、話題のモダン建築があります。
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2010年にオープンした「チャスカ茶屋町」は、店舗、集合住宅、ホテルからなる地上23階建ての複合ビルで・・・
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地下1階から8階には店舗、10階から23階にはホテル、12階から21階には集合住宅が配置されています。
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設計は安藤忠雄氏で、各階の水平なスラブとバットレス状のコンクリート斜材がクロスする低層部や・・・
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鋭角な三角形の平面形状を持つ高層部の外観が特徴になっています。
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この鋭い三角形を見ていると、まるで斧の刃先のようで・・・
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今にも振り下ろされるのではないかという錯覚に襲われ、何とも不気味な気がします。
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地下1階から地上7階は、約200万冊の蔵書数を誇る日本最大級の書店「MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店」が入っています。
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書店の玄関ホールは・・・
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4層吹き抜けになっていて、各階をつなぐエスカレーターが設置されています。
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エスカレーターの動きがリズミカルです。
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各階のエスカレーター踊り場の様子。
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当然ながら、階別に本の分野が分けられています。
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屋外階段が上階へと続いています。
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低層部の外壁に付けられたビルのロゴマーク。
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では、「チャスカ茶屋町」はこのへんで切り上げて帰ります。
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またまた、レトロな町に戻って来ました。
この長屋の一番手前は焼き鳥屋さんです。
この店は、福岡県の「八女炭蘇鶏(やめたんそどり)」という地鶏を使っておられるそうです。 -
この店のご飯は、かまどで炊いているようです。
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反対側の角はケーキ屋さんです。
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この長屋にもいろんなお店が入っています。
一番手前はカフェです。 -
真ん中のカットハウス内部の様子。
お仕事中、失礼しました。 -
手前のお店はカフェバーです。
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ここも雑居ビルならぬ、「雑居町家」になっていて、カットハウスや古着屋さんが入っています。
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町家の玄関に、柊(ヒイラギ)に刺した鰯の頭が吊り下げられています。
これは、節分の魔除けとして広く行われている、「鰯の頭を柊に刺して玄関口に吊り下げ邪気を払う」という風習に由来するもので、「鰯の頭も信心から」ということわざもこの風習からきています。
なお、節分といえば、豆まきや恵方巻の丸かじりを思い浮かべる方が多いと思いますが、関西には「節分鰯(いわし)」と言って、この魔除けの風習にちなんで塩焼きの鰯を食べる習慣があります。
このロマンある習慣はいつまでも残したいものです。
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