モロッコ一人旅1

2013/03/13 - 2013/04/01

イスラムの建築や工芸に興味があり、とくにモザイクタイルの手仕事はモロッコにしか残っていないとの事。
ゼリージュ（モザイクタイル）の工房を訪ねたい一心で、目的地をモロッコに決めました。
せっかくならモロッコをぐるっと周ってみようと思い、フェズからサハラ砂漠を通ってマラケシュに行くコースを選択しました。
成田ーパリ間はたまっていたマイレージを使用し、パリーモロッコはイージージェットを利用しました。
フェズからの砂漠ツアー3泊4日は日本で手配し、宿泊先も日本から全て予約してから出発しました。
言葉もできず一人でどうなる事か不安でしたが・・・・

エリア フェズ(モロッコ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 2.5
• ショッピング: 4.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 航空会社: ANA イージージェット
• 旅行の手配内容: 個別手配

3月14日
飛行機の遅れで予定より2時間おくれてフェズに到着。
リアドからのお迎えも待たせ、予約していたガイドさんも待たせてしまい到着早々テンパリ気味です。
ガイドを予約する際に（日本の旅行社を通して）、｢ゼリージュの工房とタンネリを優先して他は時間の許す範囲でお願いします。」とオーダーしておきました。
ガイドさんいわく、メディナを簡単に周ってから工房に行っても間に合うとのことで、いざ出発です。
最初に香辛料や布地のスークをぬけ、アッタリーン・マドラサへ。
規模は大きくないが美しい神学校。感動しつつガイドさんの説明に耳を傾けます。出来るだけ簡単にわかりやすく話してくれたのでざっくりは理解できた気がします。

ここでガイドさんから絨毯は観たいか？と聞かれます。
見たいか見たくないかで言えば見たい！まぁ買うつもりはないけど仕事柄（室内装飾業です）見ておくか。位の気持ちでついて行きました。
するとすっばらしく美しいお店。店主らしき方が建物の中や屋上ををひと通り案内してくれました。「この建物はメディナの中では中規模だよ」と言っていましたが、まぁ美しいこと・・・。
タイプの違う絨毯が絶妙に飾られ、雑然としたところは全くなく、とにかく感心しました。

広く薄暗い部屋でジュバラを着た一人の老人（ベテラン職人かな？）が窓の明かりを頼りに絨毯の修理をしていました。
これにやられました。到着してまだ2時間のモロッコ素人にはあまりにも幻想的で美しい光景でした。
館内を一周すると、噂で聞く「まずミントティをどうぞ！」どれがお好きですかの流れ。
いろいろ見てみたかったので次々に広げてもらって品定めを始めてしまいました。するとこれだな、って2枚が残りました。
買うつもりはなかった反面、買わないつもりも特になかったので金額次第だと思い交渉に入りました。結果から言うと、あと2割安くなったらお得感があったなぁ。敗北感が襲ってきます。あのとき絨毯は観たくないと言っておいたほうが良かったのか・・・。もんもんとしながら次へ。

ロバと一緒に写真を撮ってもらったり、カラウィン・モスクをチラ見してゼッファリーン広場をぬけます。
タンネリに到着。ミントの葉をもらってテラスから見学します。風向きのせいか、覚悟していたせいか、我慢できる範囲のにおいでした。染料のつぼに浸かっての作業は過酷にみえ、景色というより現実感の方が強く押し寄せて勝手に気が滅入ります。帰りにバブーシュや革のコートを見せてもらいましたが気に入ったものがなく、なにも買わずに店を出ました。ガイドさんが一緒のせいか、さほどしつこくはされません。チップも必要ないと言われました。「ここでは利益をシェアするから」と言われいまひとつ意味が分からずにいました。後で知るのですが系列のお店を周っていたようで、他の店で買えばそれぞれの店でチップを払う必要がないらしいのです。

こんな細い路の写真を撮ったり（私込みの写真も撮ってもらいました）、フェズ刺繍のお店に行ったり（マラケシュの方が値段は高いかもしれませんがデザインがもっと選べます。）時間がどんどん過ぎていきます。

そして何も聞かれずにこの店に連れてこられました。
怪訝に思っていたのですが、偶然にもここはぜひ行ってみたかったアンティーク店でした。（アンティーク好きです！）
2時間遅れの出発だったので、場所だけ教えてもらおうと思っていたのですが、ぐるぐる歩いているうちに「こりゃ教わっても無理だな」と思い、諦めておりました。
一見ゴテゴテしたお店に見えますが、じっくり見ていくと私好みの素朴な感じや、かわいい色使い物、アンティーク刺繍等々・・・。
とても手が出ない金額かもしれないけど一応4点ほどピックアップしてみました。〆ておいくらですか？　あれっあれっそんなに高くないぞ。東京で買うより安いのでは・・。真贋に関しては東京でもモロッコでも保証はないし、自分が気に入って買える金額が適正価格だといつも思っております。3割ほど引いてもらってあっさり購入。
でもブランド品のお財布より全然安いんですよ。（好きじゃない人には全く響かないと思うけど）

絨毯店と系列な感じがいたします。
支払いでカードが急に使えなくなり他のカードを取りにリアドに戻ります。お店のスタッフに一緒に来てもらってリアドで支払いを済ませます。（この夜カード会社から確認の連絡がありました。状況を話してセキュリティーのレベルをMAXから普通の状態まで一時下げてもらいました）
この時点で5時です。
タイル工房に行けるのか本当に心配です。

ガイドさんから具体的に何が見たいのかと聞かれます。
「ゼリージュだ」と答えると、だったらこっちだ！と予定していた2軒の内の1軒にこれから行くよと電話をしている様子。（あくまで想像です）　急いでガイドさんの車で工房へ向かいます。本当はお客を乗せてはいけないそうなのですが今日は緊急なのでと・・・。
今日は国王がフェズに滞在中で警官がいっぱい立っています。
工房に着くと早速案内の人が待っていました。

原料・成形・窯・色つけ、ひと通りを説明してくれます。
最後にテーブル等のデザインサンプルの部屋に通されました。
何となく眺めていると、「作らないか？」…意味がわかりませんでした。
「自分の好きなデザインとサイズでオーダーを受けますよ」…はぁ？
じゃあ試しにと、沢山あるサンプルからデザインを何点か選んで組み合わせ、タイルのカラーを12種類ほど選んでみました。
まさかまさかこんなに気軽にオーダーできるなんて思ってもみませんでした。
こんなことなら全力でイメージ資料を用意しておけばよかった…
ん〜悩みつつも30分ほどで見積もりまでこぎつけました。
が、高いぞ！！！
少々値切り、日本での送料と、ショップの小物とアンティークタイルを何点かおまけに付けてくれるよう頼み話をまとめます。
間違いなく工房側の勝ちって感じですが、あまりのめまぐるしさに
希望のデザインが伝えられただけでもよしとしようと、
自分に言い聞かせました。なかなかエキサイティングな体験でした。