2012/08/12 - 2012/08/16
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Kodamariさん
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2012年はクリムト生誕150年。ウィーンの名だたるミュージアムで、彼に関する特別な展示が行われていました。
常設でない作品が展示されたり、通常は近付いて見えない作品を間近で見ることが出来たり、画家の意外な素顔を知る企画があったりと、クリムト好きならば居ても立っても居られないアニバーサリー。
…ということで忙しい中無理して行った3泊5日の強行軍。休館の多い月曜を含む、現地2日半というかなりアレなスケジュールでしたので、本当にクリムトに特化した弾丸旅になってしまいました。
この旅行記のオリジナルはANA 「旅達空間」の中にありますが、同サイトが2013年3月で閉鎖するため、再編集してこちらに公開します。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- オーストリア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
大好きなクリムトの『接吻』や未完の『アダムとイヴ』が収蔵されているベルヴェデーレ上宮(オーストリア・ギャラリー)。オイゲン公の夏の離宮に、近現代のオーストリアの作家の作品を中心に収蔵・展示しています。
クリムト・イヤーに合わせた大規模なリノベーションにより、『接吻』をはじめクリムト作品の展示場所も内装も大幅に変更されました。
今回の特別展では収蔵品だけでなく、テーマに沿った作品も他のミュージアムから集められていたり、作品だけでなく、作品を彩った彫金に関してもスポットが当てられていました。(クリムトの父親は彫金師だったからか、本人や兄妹にもその心得があったようです。)
ちなみにこの宮殿、日本の某食品会社が宮殿風外装の焼肉のたれ工場を建設した時にモデルにしたそうです。何故この宮殿に白羽の矢が立ってしまったのかは分かりませんが…(^_^;;;) -
個人的にツボなベルヴェデーレ宮殿のバロック調の優美な庭園に点在するスフィンクス。
上半身は人間で下半身はライオンのお馴染みのスペックですが、エジプトのものよりも人間らしく美しい彫像です。
実は彼女達は長年に渡って、ある問題に悩まされ続けています。
それは世界中から観光にやって来る男達が、揃いも揃って彼女らの胸を鷲掴みにして記念写真におさまりたがるため、純白の体のその部分だけが、いつもうす汚れてしまうこと…。
本当に、いつ行っても誰かがそうやって写真を撮っています。もの凄く嬉しそうに…。汚れが目に余る程になると塗り直されたり、酷い時には作り直されたりしているそうですが、庭園内の他の彫像に較べて、明らかに寿命が短いとのこと。
因みに私、1950年代にそのようなポーズで撮られた写真を見た事がありますが、写っていた初老の西欧人の男性はやはりイイ笑顔でした。 -
オーストリア・ギャラリーを代表する収蔵品『接吻』。
ゴージャスな作品と捉えられがちですが、実際見るときらびやかさよりも切なさがこみ上げて来ます。
以前は自然光の入るホールに掲げられていました。今回のリノベーションに伴ってダークブラウンを基調とした、遮光された展示室に移されたのは、保存上良いのですが…あまりにもうやうやしく、高い位置に飾られており、強いピンスポットが当たっている為、金彩はキラキラと輝いているのですが、作品の本質的な輝きが相殺されてしまっているのが残念。
この他、人物とは全く異なった筆致の静かな風景画、描かれなかった二人の手はどのように握られていたのだろうかと考えてしまう、未完の『アダムとイヴ』なども常設されています。 -
ウィーン・ミュージアムのコレクションは、クリムトの初期の習作や大きなプロジェクトのアイディアスケッチ、無数のクロッキー、そして彼を語る上で欠かせない作品や遺品など、数と幅では世界最大級です。
クリムト・イヤーの特別展示はシンプルに「所蔵品全点一斉展示」@カールスプラッツ。
テクニックは超一流でも感情の表現が乏しかった駆け出しの絵描きが、保守的な風潮や画壇と闘いながら、溢れる程の情感を紡ぎ出す唯一無二の芸術家になる経緯が窺える展示でした。 -
自画像やポートレイトを殆ど残さなかったクリムトですが、プライベートな写真の多くで着用しているガウンです。
上の写真のねこを抱いたポートレイトでも着ていますね。
この展示では、クリムト作品以外に、このガウンやデスマスクやエゴン・シーレによる死に顔のスケッチなども展示されていました。 -
古典絵画の殿堂・ウィーン美術史美術館。世紀末に活躍したクリムトの作品は当然守備範囲外ですが、実は館内にはクリムトの絵が「常設」されています。
それがこのエントランスのホールの壁画。若き日のクリムトが請け負った内装の仕事でした。しかしこれはかなり高い位置にあり、照明が当たらない場所なので、普段は肉眼ではよく見る事が出来ません。
生誕150周年のアニバーサリーに際して、美術史美術館はこの壁画の前に臨時の橋を架けました。ちょっと見た目が…ですが(^_^;)、手を伸ばしたら届きそうな程近くで観ることが出来ます。
クリムトの作品には、小さく「G.K.」と署名が入っています。一見古典風に見えて、回りにある他のアーティスト(弟のエルンストも含みます)による本当の古典的な作品とは一線を画す、ユーゲントシュティールの萌芽を感じる作品群です。 -
折角美術史美術館に入ったのだから、当然展示作品も鑑賞します。
フェルメール作品の中でも一番のお気に入り『絵画芸術の寓意』。
以前はフランドル絵画のウィングの端の小部屋に1枚、ひっそりと架けられていましたが、館内の大幅なレイアウトの変更に伴い、同じウィングの大きな角部屋へ「お引っ越し」しました。
団体や美術館主催のガイドツアーでは必ず立ち寄るポイントなので、広い空間でないと不都合…というのが移動の理由と推測しますが、さほど大きな絵でもないので広い空間に掲げられるとちょっと淋しい気もします。
福岡伸一氏や朽木ゆり子氏などの錚々たるフェルメール・マニアは以前の展示場所について「大切にされていない」と憤慨されていましたが、個人的には、以前の場所の方が作品が放つ光とマッチしていて好きでした。 -
高いところにあるクリムト作品をかぶりつきで観る趣向は、ここでも行われていました。
現役のモダン・アートのギャラリーであるセセッシォン。
失礼ながら、モダン・アートの展示よりもその地下に保存されているクリムトの「ベートーベン・フリーズ」を目当てに訪れる人の方が遥かに多いと思いますが…この作品は二階建て家屋の二階の壁くらいの位置に固定されているので、通常は見上げるようにしか鑑賞する事が出来ません。
こちらのプラットホームはモダンアート・ギャラリーらしく、Gerwald Rockenschaub によるアート作品。レモンイエローのポップなものでした。
館内は撮影禁止なので、ファサードを。
この扉はクリムトの弟で彫金アーティストのゲオルグのデザインです。オリジナルは戦災で焼失してしまいました。
(グスタフ・)クリムトの作品と紹介されることがありますが、苗字はクリムトだけど、頭文字はGだけど弟の方です。 -
レオポルド美術館の特別展示は、クリムトが旅先から主にパートナーのエミーリエに送った絵葉書を軸に画業を見て行く「旅するクリムト」。
館内にレールのようなショーケースを繋げ、そこに並べられた膨大な量の絵葉書やホテルの便箋にしたためた短い手紙。何てことの無い内容ばかりなのですが、まるで目の前にいる相手に語りかけるような文章から、エミーリエに対する想いが溢れて来ました。
壁には手紙をしたためた頃に描かれた作品が展示されている…という仕掛けが素敵でした。 -
オーストリア演劇博物館。緋色のベルベットのカーテンで覆われた怪しげな楽屋のような内装の展示室に、舞台芸術関係の展示をしているちょっと変わった博物館ですが、実は有名なクリムト作品を一点所蔵しています。
通常非公開のその作品「ヌーダ・ヴェリタス〜裸の真実」が、クリムト・イヤーに特別公開されました。
写真の垂れ幕にも写真が載っていますが、保守的な当時のアート・シーンや世間の風潮に対する挑戦状のような作品で、真実を映す鏡を持ち、正面を堂々と睨め付け全てをさらけ出す女性像の上に、「汝の行いと芸術で多くの人の心に喜びを満たすのではなく、少なき人の真の喜びのためにそれを成せ。多くの心にそれが叶うのは悪しきことだ。」
という、18世紀の詩人・シラーによる一節が刻まれています。 -
家具や装飾品などの実用品のデザインを中心としたコレクションを擁するオーストリア応用美術館 (MAK)。建物は若き日のクリムトが学んだ工芸学校のものでした。
ウィーン工房の作品を系統だててみる事が出来ますし、クリムトがストックレー邸の食堂に施した壁画の下絵があるのもここを訪れる理由ですが、もうひとつの魅力は、センス溢れるプレゼンテーションにあります。
中でも傑出しているのはこの椅子のシルエットが続く通路。初めて訪れた時はあまりの美しさに声を失いました。
最近は他の国の工芸品の展示でも(MoMA など)、椅子のシルエットを強調しているものが多々ありますが、この展示がはしりです。 -
クリムト生誕150年のお楽しみはカフェにもありました。
『接吻』をプリントしたホワイトチョコをトッピングしたケーキです。
意地の悪い向きには「便乗」ととられてしまうかも知れませんが、このケーキは便乗する必要など全くない、ウィーン屈指の名門カフェ・ツェントラルのもの。
クリームやムースやビスキュイなど、食感の違うチョコレート味のお菓子を重ねたもので、素朴でしっかりしたお味でした。
ツェントラルにはこの他、ストックレー邸の室内装飾に使われたモノグラムを象ったナッツ系のムースもありました。 -
クリムトのために訪れたので、墓参もしました。
彼の墓所は名だたる楽聖達が眠る中央墓地ではなく、シェーンブルン宮殿の敷地の外れにある、ヒーツィング墓地にあります。
ヒーツィング墓地への行き方ですが、まず地下鉄U-4 で、シェーンブルンの1つ先のヒーツィングHietzing を目指します。駅を降りたところにあるターミナルからバス58B に乗って、シェーンブルンの脇道を10分位進んだところにあるMontecucolli Str. で下車すると、はす向いに入り口があります。
入り口脇の掲示板のようなところに、著名人の墓所の区画リストがあります。ここで地図と区画を確認しておきます。(ちなみにクリムトは5-194/195、オットー・ワーグナーは13-131です。ワーグナーの近くにクーデンホーフ・ミツコさんの墓所もあるそうですが、訪れた時は気付きませんでした。)
入り口により近いオットー・ワーグナーの墓所は、東屋と見まがう程の立派さ。対して奥の方にあるクリムトのそれは、普通の区画でワーグナーの1/6位。名前だけが刻まれた簡素な墓標ひとつ。
その素朴な佇まいに、煌びやかな作風とは裏腹に、富や名声に頓着しなかった彼らしさを感じました。
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