2012/12/26 - 2012/12/26
57位(同エリア216件中)
とっしぃさん
装飾工芸家、転じてガラス工芸家、そして晩年は教会装飾家として類い希なる作品群を残したルネ・ラリック。その全盛期に工房を構えたアルザスの地に、ようやく本家としての美術館が開館したのはまだ2年ほど前のことです。。
フランス、と言ってももうドイツとの国境に近く、そのミュゼは静かなる森の中に佇んでいました。戦時下はドイツに占領された歴史から、地名にはドイツ語的名前が多く残ります。
ウィンジャン・シュル・モデー。最寄りの都市はストラスブール。それにしてもアクセスは悪く、今回ナンシーからクルマで向かいましたがおよそ3時間かかりました。高速降りてからの一般道、そして山間部のワインディングロードがかなり長いのです。でも、お陰で可愛らしい村やパリ周辺では見られないフランスの長閑な田舎風情を堪能できました。
規模はそう大きくはありません。それでもルネの歩んだ歴史を大きく三つの時代に分け、今に至るラリック社の歴史を辿ることができます。作品や製品の製造過程、技術的な解説、貴重なパリ万博やアールデコ博覧会との関係、他では見ることのできない教会装飾の解説や関連した資料の展示なども。初期の装飾工芸家としての作品は、やはりパリ・ルーブル隣接の「パリ装飾芸術美術館」のコレクションが群を抜いているものの、見過ごしてしまうほど小さなアクセサリーや定番の香水瓶、カーマスコットなど、じっくり見るべき作品は多い。逆に、箱根のコレクションは凄いな、と感慨新たな気持ちにもなりました。
館内のグッズコーナーでは、日本では手に入りにくそうなDVD、香水瓶やミュゼのカタログなどを買いました。スタッフが、とても親切です。
その後、隣に立つレストランでランチ。アルザスは独自の文化を持っていて、それは食にも表れています。やはりドイツ的というか、加工肉が多く、けれどドイツで食べる平均値よりはおいしいかも・・(笑)。ストラスブールやミュールーズの鉄道博物館含め、またいつか再訪したいところです。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 2.0
- ショッピング
- 1.5
- 交通
- 1.0
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
本場のラリック美術館がある、山の中の小さな町。
ウィンジャン・シュル・モデー。不便です。 -
20台くらいの駐車スペースの奥にミュゼの入口が。
-
これがラリック美術館の正面です。
外観からは分かりませんが、内部はこのイメージよりずっと広く、奥行きもたっぷりです。 -
1860年の生誕から1945年まで、ルネ・ラリックという希代のアーティストとその後のラリック社の歴史が良く分かる展示です。
-
初期の宝飾工芸家時代の代表作。非常に小さな作品です。
パリ、ルーヴル隣接の「装飾芸術美術館」2階にこの時期の最高峰が集められています。パリにいらしたら、是非ご覧ください。ルーヴル本館はいつ訪れても多くの日本人に会いますが、こちらでは余り見かけません。勿体ない! -
これも上記同様の作品。
18世紀末近くに巻き起こった「ジャポニズム」は、ガレやドウム、マジョレルと言ったナンシー派はもちろん、ルネにも多大な影響を与えました。彼の場合は、髪飾り、かんざしに顕著です。 -
ルネ・ラリックの才を一気に広めた香水瓶。
今でこそ当たり前のオリジナル・デザインと量産は、ルネが先鞭を付けたのでした。 -
これぞLaliqueな意匠。ひと目で分かる個性は凄いと思います。
-
こちらもルネの代表作。1920年代。ルネの黄金期です。
同様のデザインの常夜灯もありますね。 -
ルネに欠かせぬ香水瓶のシリーズ。
その最大の顧客がCOTY社でした。 -
COTY社のために制作したミニ香水瓶のセット。
これは今では大変貴重、且つ入手困難で高額な逸品です。 -
小さなものにこそ手抜かりなく精緻な造りも見せるのが、ルネの神髄。
-
ルネが表す愛の造形は、常に控えめながら優美です。
時に可愛らしく、そしてユーモラス。 -
こちらもルネの独壇場。
クラッシックカーのボンネット先端を飾るマスコット。
日本国内でも何点か見ることができます(成田美術館)。 -
現代のクルマには、絶対似合いません。
やはり、ブガッティかなぁ。 -
ラリック作、観音様的作品。
柔和な表情こそが、ラリックの証。 -
これまでいくつも見てきた百合の花のデザイン。
ルネの教会に対する最高の象徴でもあります。 -
これと同じものが、永遠の眠りにつくルネの墓石にはめ込まれています。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- 旅するうさぎさん 2013/01/30 20:30:39
- ラリック、素敵ですね・・・
- とっしぃさん、はじめまして。
ラリック、ため息がでるほど美しいですね・・・
教会も柔らかい光に包まれて
その静けさまで、伝わってくるようです。
私は東京都庭園美術館でしかラリックの作品を
見たことがなかったので、楽しませていただきました。
パリの装飾芸術美術館にも、ラリックの作品が見られるのですね。
覚えておいて、今度パリに行く機会があったら
好きなギュスターヴ・モロー美術館と共に
見てみたいと思いました。
旅するうさぎ
- とっしぃさん からの返信 2013/01/30 20:43:12
- RE: ラリック、素敵ですね・・・
- 旅するうさぎさん
あ、掲示板への書き込みがクロスしました・・(笑)
改装休館中の庭園美術館は、世界でも貴重なアール・デコの館です。
ウチからも近いので、長いことお気に入りの場所になっています。
来年の再開が楽しみです。
箱根のLalique Museumも世界に誇れるコレクションですが、個人的にはあそこの庭に置かれたル・トランと呼ばれるOrient Express客車内のティー・タイムが一番好きです。
ラリックを巡る旅、もう少し続きます。
ご都合良いときに、またのぞいてみてください。
只今「世田谷美術館」にて開催中のスタイケン展(ファッション・ポートレイト分野での世界的な写真家)も、お勧めです。銀座へいらしたら、Chanelビル4Fで公開中のH.C-ブレッソン展(なんと、無料!)へも。
ありがとうございました。
- 旅するうさぎさん からの返信 2013/02/02 16:27:36
- RE: RE: ラリック、素敵ですね・・・
- とっしぃさん、こんにちは。
> 箱根のLalique Museumも世界に誇れるコレクションですが、個人的にはあそこの庭に置かれたル・トランと呼ばれるOrient Express客車内のティー・タイムが一番好きです。
この美術館、以前から興味はあったのですが
まだ行ったことがないのです。
オリエント急行のティー・タイムも素敵ですね。
機会があったら行ってみたいと思います。
箱根は、私の小さい頃には美術館といえば
彫刻の森美術館くらいしかなかったと思うのですが、
今は沢山の美術館があって、ちょっとびっくりです。
> 只今「世田谷美術館」にて開催中のスタイケン展(ファッション・ポートレイト分野での世界的な写真家)も、お勧めです。銀座へいらしたら、Chanelビル4Fで公開中のH.C-ブレッソン展(なんと、無料!)へも。
とっしぃさんは写真を見るのもお好きなんですね。
教えていただき、ありがとうございます。
旅するうさぎ
- とっしぃさん からの返信 2013/02/02 19:45:55
- RE: ラリック、素敵ですね・・・
- 旅するうさぎさん
コメント、ありがとうございます。
美術というと絵画、あるいは美術館を巡るコミュはたくさんあれど、なぜか写真に目を向ける方はほとんどいません。
それについては、また別の機会に。
写真を含め、美術でも建築でも、自分の感性にフィットする、あるいは刺激してくれる作品に出会うと新しい世界が開けたように感じるのは何故か?
それは、人間の果てなき創造性、イメージの具体化が極めて脆く儚いものだから。生きるために必須のことから、一番遠いところにあるものだから。
だから、命がかかる戦争時などに芸術に勤しむ人なんていません。
今、横浜美術館で開催されている「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」に見られる生々しい戦場の断面は芸術的作品ではなく、写真のみが留めることのできる永遠の瞬間記録です。それだけに、撮る人の研ぎ澄まされた感覚は鬼気として迫ってきます。ラリックのガラス工芸とは別次元のものですね。
大好きな写真家は沢山いますが、敢えてひとりに絞るならWynn Bullock(ウィン・バロック)です。ネットで、ご覧になってみてください。
-
- 一歩人さん 2013/01/30 07:04:34
- ふ、ふ、三部作いいですね。堪能しました。
- とっしぃさんへ
ふ、ふ、巨匠ですよね。
特に、教会の一連の作品には驚きました。
渾身の作品群ですよね。
ガラスの創作工芸の魅力は、カットとデザインですよね。
クリスタルの魅力は、その鉛の分量によるカットのしやすさでしょうか。
私は、クリスタルが大好きです。特に、バカラでしょうか。
ありがとうございました。
失礼しま〜す♪
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