2012/09/25 - 2012/09/25
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JIC旅行センターさん
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ロシアやウクライナなどの、一味違う旅の情報をお伝えします。最新ファッションや近代的ビルが林立するモスクワ、世界遺産の町サンクト・ペテルブルグ、ウクライナ、バルト三国には新しい名所が続々と生まれています。
■自由な空間「ツィフェルブラート」〜モスクワの「時間喫茶」
最近、モスクワに面白いカフェができました。
名前は「ツィフェルブラート」(Циферблат = 時計の文字盤)です。中に入ってみましょう。見た目は普通のカフェに似ています。ただし、ここで売っているのはコーヒーとか紅茶じゃなくて、時間です!
料金は1分=2ルーブル。
店内に入るとスタッフが出迎えてくれます。
「お名前はなんと言いますか」
「ジーマです」
「ジーマ様ですか。では、イワン・セルゲエビッチという時計を受け取りください」
イワン・セルゲエビッチは、ちょっとお年寄りの感じの時計ですが、かわいいです。うちの祖母の時計みたいです。スタッフは、入口の黒板に入店時間を書きます。19:30。
「ジーマさん!お飲物はいかがですか」
「何がありますか」
「コーヒー、紅茶、ココア、……」
「じゃあ、ココアにします」
数分後、カウンターでココアを受け取りました。クーキーとキャンディーを少しもらい、ココアを持ってテーブルの方へ行きます。今日、私はノートパソコンを持っていて、インターネットでメールを送りたいのです。「ツィフェルブラート」では無線のインターネットが使えます。
あっ、言い忘れましたが、ココアも、クーキーも、インターネットも無料です。私が払うのは時間代だけです。つまり、私が入った時から出る時までの時間(分)に2ルーブルをかけた料金です。
モスクワの人は、私のようにインターネットを使う人もいますが、他に何をしますでしょうか。友達と会ったり、本を読んだり、食べ物を持ち込んで食事をしたり、ビジネスの話をしたりします。店内では、タバコとアルコールは基本的にだめで、それ以外は周りの人の邪魔をしなければ何をしてもいいです。
これは結構便利だと思います。私もゆっくりしたいときカフェに行くことがありますが、モスクワ中心部にはコーヒー一杯で200ルーブルもするカフェが多いです。ツィフェルブラートでは、200ルーブルで100分間過ごすことができます。
ツィフェルブラートはチェーン店です。正式的な名前は、自由な空間・ツィフェルブラート。何故、自由な空間と名づけたのかはわかりますね。そこでは何をするのもそれぞれの人の自由だからです。
最初のツィフェルブラートは昨年モスクワで誕生しましたが、今はモスクワに3カ所、ペテルブルグに2カ所、そのほか、カザン、ニジニ・ノヴゴロド、ウクライナのキエフとオデッサに出店しています。ツィフェルブラートの成功を真似て、類似の店もでてきました。
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では、2時間たちましたので帰ります。
出るときに、スタッフにイワン・セルゲエビッチを返して、「会計はいくらですか」と聞きました。
「今21:30ですから120分です。料金は240ルーブルですが、もしジーマ様が、黒板に書いてある詩人の1つの詩を暗唱したら、30分値引きしますよ!」
面白い話ですね。詩を暗唱したら値引きしてもらえるなんて、今まで体験したことがありません。そこで、ダニイル・ハルムスの詩を暗唱しました。スタッフから拍手をもらって、120−30=90分で、180ルーブルを支払いました。
モスクワなどで時間があれば、是非、ツィフェルブラートに立ち寄ってみてください! -
■ノーヴァヤ・ゴランジヤ(新オランダ)〜ペテルブルグ中心部にレトロな新名所
ペテルブルグの中心部、マリインスキー劇場の近くにノーヴァヤ・ゴランジヤという島があります。
まずは島の歴史を紹介しましょう。
300年前、ピョートル大帝は、創建したばかりのペテルブルグの町で、旧海軍省の近くに船用材の倉庫を建てました。しばらくして、ネヴァ川とモイカ川の間にクリューコフ運河とアドミラルテイスキー運河が作られて、その結果、三角形の人造の島ができました。船用材の倉庫はその島に移されました。倉庫や運河の様子がオランダのアムステルダムに似ていたため、この島は「ノーヴァヤ・ゴランジヤ」(新オランダ)と呼ばれるようになったのです。
1721年には、この島にロシアで初めての軍港ができました。18世紀後半には、サッヴァ・チェヴァキンスキーとジャン・バチスト・デラモットという二人の建築家によって、今でも現存している多くの建造物が建設されました。
中でも、運河の上にかかっている高さ23メートルの赤煉瓦と花崗岩のアーチは特に美しく、この島の建築アンサンブルの中心となっています。アーチの隣には元海軍刑務所の丸い建物が見えます。ペテルブルグ市民は、この刑務所を「瓶」と呼びます。1894年にノーヴァヤ・ゴランジヤで、偉大な化学者ドミトリー・メンデレエフの手によってロシア最初の船型試験水槽が作られたことにちなんでいます。
ソ連時代には、ノーヴァヤ・ゴランジヤはレニングラード海軍基地の所有となり、一般人が入れないよう閉鎖されていました。2004年にペテルブルグ政府に引き渡されて、島の再建企画募集が行われ、その結果、新興財閥のロマン・アブラモヴィチの会社が再開発を行うことになりました。こうして、2011年夏に、ノーヴァヤ・ゴランジヤの一部が開かれたのです。
新しい「新オランダ」のコンセプトは、「町の中に町をつくること」です。つまり、もとの倉庫の古い建物を改造して、その中に博物館、画廊、劇場、展示館や教育センターなどを作り、一度入ったら1日中過ごすことができる歴史文化ゾーンを作り上げるのです。再開発が終わるまでまだ時間がかかりますが、完成した部分が順次、公開されていく予定です。今年7月にこの「新オランダ」を見に行ってきました。 -
島への入場料はありませんが、入口に警備員がいて、食べ物や飲み物の持ち込みは禁じられています。ノーヴァヤ・ゴランジヤの一番奥には池があります。池は、もとの運河の一部でした。池の隣には小さな市場やレストラン街があります。普通の市場ではありません。近くに大きな菜園があり、そこで採れた新鮮な野菜がそのまま売られているのです。近くの芝生の上では、羽根突きをしている人がいました。
イベントのスケジュールをチェックすると、ヨガの練習、自転車ピクニック、アカデミー音楽のコンサートなど、たくさんのメニューが並んでいました。
営業時間は、月?木11:00?22:00、金?日11:00?23:00。昨年は6月半から10月までやっていましたが、今年も同じぐらいになる見込みです。ノーヴァヤ・ゴランジヤが全面的に完成するのは2017年の予定です。
(つづく)
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