2012/11/21 - 2012/11/21
507位(同エリア1522件中)
ニッキーさん
この秋はなんだか芸術づいています。
「メトロポリタン美術館展」、東京国立博物館に続き、今度は妹と国立新美術館で開催中の「リヒテンシュタイン展」とサントリー美術館で始まったばかりの「フィンランド・デザイン展」へ行って来ました。
リヒテンシュタイン侯国はスイスとオーストリアの間にある世界で6番目に小さな国。15代続くリヒテンシュタイン侯爵家が治めています。
侯爵家は個人コレクションとしては英国王室に次ぐ世界第2位の3万点を超える美術品を収集していると言います。それは「優れた美術品収集を一族の誉れとせよ」との家訓に従い、歴代の侯爵たちがコレクションを集め守り続けてきたからなのだそうです。
今回来日した作品は139点。
リヒテンシュタイン侯爵家のコレクションは2004年まで66年間公開されていなかったため、一般にはあまり知られていません。またコレクションが大挙して海外へ渡るのは、1985−86年にメトロポリタン美術館でリヒテンシュタインコレクション展が開催されて以来のことだそうです。侯爵家のコレクションが「秘宝」と呼ばれ、今回の展覧会が「奇跡の来日」と言われるゆえんです。貴重な機会に巡り合えたものです。
今回の展覧会の呼び物は、ウィーンの「夏の離宮」での展示様式を取り入れた「バロック・サロン」と、10点のルーベンス作品を展示したルーベンス・ルームです。絵は宗教画、神話・歴史画が多い傾向はありましたが、その他にも見る人の心を引きつける肖像画、豪華な工芸品など、見どころがいっぱいでした。
<リヒテンシュタイン展 混み具合>
水曜日の午前10時の開場直後に入りましたが、とても混んでいました。国立新美術館は珍しく火曜日が休館日です。休館日の翌日ということで、よけいに混んでいたのかもしれません。ただ、少し待ったり譲り合ったりすれば、十分近くから見ることはできます。私たちはゆっくり見たのと混んでいたのとで、気がついたら入場から2時間半以上経っていました。
午後からはサントリー美術館へ。
サントリー美術館の「フィンランド・デザイン展」はこの日が初日。初日ってどうなのかと思いましたが、すいていてゆっくり見ることができました。リヒテンシュタイン展とは雰囲気のまったく違う近代・現代のフィンランド・ガラス・デザインを楽しみました。
最後にミッドタウン・ガレリアのカフェでたっぷりお喋り。病気の父、体の弱い母が気がかりで、このところ泊まりがけの旅行は控えている私。ささやかな美術鑑賞の一日がとても楽しかったです。
PR
-
乃木坂駅から国立新美術館へ歩く途中の看板。
キャッチコピーは「ようこそ、わが宮殿へ」
「世界が羨むルーベンスの名作など、
侯爵家が500年間守り抜いた秘宝、奇跡の来日」
国立新美術館
「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」
会期:2012年10月3日〜12月23日
http://www.nact.jp/exhibition_special/2012/liechtenstein/index.html
展覧会ホームページ:
http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/ -
イチオシ
本日快晴なり。
午前10時、妹と国立新美術館の正面玄関で待ち合わせ。
正面玄関前の丸い屋根の下、いったい何だと思いますか?
前から気になっていたので中をのぞいてみたら、傘立て置き場でした。傘立てだけが二重だか三重だかの円形にずらりと並んでいました。
予想外です(笑)。
美術館の中は傘の持ち込み禁止です。
考えてみたら、丸屋根の下で傘をすぼめて傘立てに入れ、濡れずに中へ入る、合理的ですよね。 -
建物の中にも日の光が差し込んで、流れるような模様を作っています。
午前10時過ぎ、開場直後のためか、リヒテンシュタイン展の入口で入場制限をしていました。
数分待って中へ。 -
これが会場内部の見取り図です。
入口入ってすぐのエントランスは混み合っていました。
うへー、最初から一つずつ見てたらこの人ごみと一緒に移動することになっちゃう。
まだ奥の部屋は混んでいないだろうと、妹を誘って先に奥へ進むことにしました。
次の部屋が噂のバロック・サロン。
部屋に足を踏み入れたとたん、雰囲気が一変。
「すごーい!」。
天井にも天井画が展示されていて、まさに「ようこそ、わが宮殿へ」です。
こんな展示方法、企画ものの展覧会では画期的。すばらしいです。
けれどバロック・サロンもすでにいっぱいの人。
ここを見るのも後回しにしていくつか部屋を通り過ぎ、さらに奥のルーベンス・ルームへ向かいます。 -
ルーベンス・ルームはルーベンスの絵画10点と関連作品7点を展示した部屋です。
リヒテンシュタイン侯爵家が所蔵するルーベンス作品30点あまりの中から10点も来日したということを考えると、本当に「奇跡の来日」です。
ルーベンス・ルームで最初に見た絵は、チケットやポスターにもなっているこの絵、「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」(1616年頃)。
小さな絵です。
写真撮影禁止だったので、写真はちらしなどの写真でご紹介します。
ルーベンスはチームを組んで自分が監督となり、弟子たちと一緒に大勢で絵を描くことが多かったそうなのですが、これは5歳の愛娘クララを描いた絵。おそらくルーベンスの直筆だろうということです。
りんごのようなほっぺにくりくりした目。
ちょっとやんちゃっぽい、それでいて凜とした表情。
小さな絵ですが、右半分と左半分の顔つきの違い、後ろにまとめ上げた髪の一本一本まで表現されています。
クララはこの絵の7年後、12歳で亡くなってしまったそうで、その運命を知ったうえで改めて見ると、一層いとおしさが増す気がします。 -
ルーベンスと言えば17世紀バロック絵画の大家ですが、絵にあまり詳しくなくても、「フランダースの犬」で名が知られていますね。主人公ネロが一目見たいと憧れたのがルーベンスの絵。ネロはアントワープの大聖堂のルーベンスの祭壇画の前で天に召されたのでしたよね。
ここはまだほとんど人がいなかったので、近くから見たりイスに腰掛けて遠くから眺めたりしながらじっくりと見て来ました。
これはルーベンス・ルームで一番大きい絵。
縦3メートル、横4メートルもあって壁の一面を占めています。
「占いの結果を問うデキウス・ムス」(1616ー17年)−「デキウス・ムス」連作より
赤いマントの人物が古代ローマの英雄デキウス・ムスで、自らが犠牲となりローマを勝利へ導く物語を描いた8枚連作の2枚目。
この額縁もご覧ください。
額の上部の飾りだけでも大変な大きさ。
額縁を分解して運んだらしいです。
今回連作からもう一枚、隣りに「勝利と美徳」も展示されていました。 -
ルーベンス・ルームでそれ以外に目立っていたのはこの絵。
「マルスとレア・シルヴィア」(1616−17年頃)
これも大きな作品です。
妹は「キリスト哀悼」(1612年頃)が記憶に残ったようでした。 -
ルーベンス・ルームを見てから入口へ引き返し、最初の部屋から一つずつ見て行きました。
やっぱり印象的なのは、ゴージャスな「バロック・サロン」。
この写真と次の写真はバロック・サロンの天井に飾られたアントニオ・ベルッチ作の天井画4枚です。
実際には4枚の花びらのような形に配置されていました。
左「絵画の寓意」(1700年頃)
右「音楽の寓意」(1700年頃) -
左「占星術の寓意」(1700年頃)
右「彫刻の寓意」(1700年頃)
バロック・サロン全体の写真が無いのが残念ですが、天井画のある展示なんて初めてです。
ここでは絵画、彫刻、工芸品、家具、タペストリーがあたかも宮殿の一室のように並べられていて、部屋全体が芸術作品のようです。
やってくれるじゃありませんか、国立新美術館さん。
この美術館はセザンヌ展の時にもゴッホのアトリエを再現したり、なかなかユニークな展示で楽しませてくれます。 -
主催者側も部屋全体を味わってもらうことを狙っていて、個々の作品のキャプションがつけられていません。
個々の作品に番号だけはついているので、作品名を知りたい人は、部屋の入口に置いてある写真入りの一覧を見ながら作品と照らし合わせることになります。
私たちはそんなことをするのも面倒で、一切紙を見ませんでした。
「ようこそ、わが宮殿へ」
ここでは全体の雰囲気を楽しむことにしました。
写真はありませんが、私が気に入ったのは大きなタペストリー。
タペストリーは寒さを和らげる役目もあったようですが、部屋の豪華な雰囲気を盛り上げます。
他には豪華な時計や猫脚の家具・・・。 -
びっくりしたのはこれ。
中国や日本の壺が、鍍金をしたブロンズ製の台や枠をつけてつながれ、燭台として使われていたこと。
写真は「枝付き大燭台」
磁器は中国、日本、ヨーロッパのもの。
おそらく4つか5つの磁器の壺を縦に積み上げています。
大きいんですよ。
高さは3メートル以上あります。
こんな工夫が新鮮です。 -
3番目の部屋は「リヒテンシュタイン侯爵家」の部屋。
家系図や肖像画、宮殿の絵など、侯爵家にまつわる展示です。
リヒテンシュタイン侯国が国家として独立してからも、リヒテンシュタイン家の当主一家は1938年にリヒテンシュタイン侯国の首都ファドゥーツに移り住むまで、長い間ウィーンに住み続けました。
写真の絵は18世紀初頭、侯爵家の夏の住まいとしてウィーン郊外、ロッサウに造られた「夏の離宮」。
今回の作品は多くがここから運び込まれたものです。 -
名画ギャラリーでは、ルネサンスからバロック、19世紀ビーダ―マイヤーまで、いろいろな絵画が見られます。
クラナッハ、ラファエッロ、レンブラント、ヴァン・ダイクなど日本でも有名な画家の絵もありました。
これはルーカス・クラナッハ(父)「聖エウスタキウス」(1515−20年)
古代ローマの将軍だった聖エウスタキウスが狩りの際、十字架を角の間に乗せた牡鹿に出会い、キリスト教に改宗した場面を描いた作品。
縦長の構図の中にいろいろな動物が登場。その姿も愛らしく色彩も豊かで、どこか童話の挿絵を思わせるような美しい絵です。
見てた女性2人連れが「馬がかわいい〜」って言ってました。 -
途中、映像が見られるコーナーがありました(上映時間は7分半ほど)。
ちなみにこの画面に映っている絵のうち、右端のと真ん中の肖像画が今回来ていました。 -
「クンストカンマ―:美と技の部屋」には凝った工芸品がいろいろ展示されていました。
「貴石象嵌のチェスト」(1620−23年頃)
石を貼りつけて細かい絵が描かれています。
他に象牙に細かい彫刻を施した「豪華なジョッキ」、
「ぜんまい仕掛けの酒器(牡鹿に乗るディアナ)」、
煙水晶の壺など。
煙水晶の壺はどうやって作ってあるのかわかりません。
煙水晶で作った半透明の角ばった壺を、鍍金をしたブロンズ・七宝で飾り立てたもの。
豪華です。 -
後半の名画ギャラリー、「17世紀フランドル」のコーナーからはこの作品が印象的。
アンソニー・ヴァン・ダイク「マリア・デ・タシスの肖像」(1629年−30年頃)
さすがは肖像画の大家、ヴァン・ダイク。
完璧にも思える作品です。
レースの飾り襟の透け感、豪華なドレスの艶とボリュームもみごとに表現されています。
豪華なドレス、大きなロザリオと大粒の真珠の首飾り、きりりとした美しい顔立ち。
モデルのマリア・デ・タシス嬢19歳の肖像画ということですが、その裕福な暮らし振りが感じられます。
写真はありませんが、このコーナーではピーテル・ブリューゲル(子)の「ベツレヘムの人口調査」(1607年)が気に入りました。
お父さんのピーテル・ブリューゲル(父)が描いた同名の絵の模写なんですけど、私、有名な「バベルの塔」を始め、隅々まで描くブリューゲルの絵は好みです。 -
「18世紀−新古典主義の芽生え」コーナーから。
カナレット(本名アントニオ・カナル)「ヴェネツィアのサン・マルコ広場、鐘楼のある眺め」(1723年以前)
ヴェネツィアを描いた彼の作品は、メトロポリタン美術館展でも別のを見たばかり。 -
「ビーダ―マイヤー」の部屋。
最後の部屋になりますが、ここに魅力的な絵がたくさんあって、予想外に楽しめました。
この絵はエリザベート・ヴィジェ・ルブランの「虹の女神イリスとしてのカロリーネ・リヒテンシュタイン侯爵夫人」(1793年)
マリー・アントワネットやその家族の美しい肖像画を描いて人気を高めたヴィジェ・ルブラン。当時の上流階級の女性はこぞって彼女に肖像画を依頼したことでしょう。本作は、侯爵夫人をギリシャ神話の虹の女神イリスになぞらえて描いた肖像画。上流階級の女性が素足で描かれたということで当時は物議をかもし出し、絵の下に靴を置くことで解決策としたとか。
侯爵夫人、本当にこんなに美人だったのか。
あまりにも顔がきれいすぎる気がするけど、そんなところがヴィジェ・ルブランの人気の訳だったんでしょうね。
他にフランチェスコ・アイエツの「復讐の誓い」(1851年)という大きな絵が謎めいていて心に残りました。 -
一番最後に展示されていた2枚の絵。
この絵と次の絵には誰しもが心引かれると思います。
描いたのはどちらもフリードリヒ・フォン・アメリング。
アメリングの名前は覚えておこうと思いました。
この絵は
フリードリヒ・フォン・アメリング「夢に浸って」(1835年頃)
控えめな様子の少女の絵なんですが、この表情には惹かれますよー。
透きとおるような色白の肌、はかなげな眉、赤い唇、少し割れたあご。
そして最も魅力的なのは彼女の目です。
こういう目の色は何色というのでしょう。
緑がかった茶色、ヘーゼル色の目の透きとおった色がなんとも憂いを含んでいて惹きつけられるんです。視線が見る人の右後方へ向けられているのもドラマ性がありますね。いったい少女は何を見ているのでしょう。
今後、この少女に会いに美術館へ来る人が出てくるかもしれませんね。ちょうどフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」に人々が惹かれるように。 -
フリードリヒ・フォン・アメリング「マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女 2歳の肖像」(1836年)
人形を抱きしめたまま深い眠りに入っている様子がなんともあどけなくかわいらしい。
体温が感じられ、寝息が聞こえて来そうです。
ぷくぷくした腕やくるくるの巻き毛も愛らしい。
みんな笑顔になってこの絵の前に立ち止まっていました。
最後に微笑ましい幸せな気持ちになって展示室を出ました。 -
イチオシ
混んでいたこともあり、リヒテンシュタイン展に2時間半以上もかかりました。
ショップで池田理代子さんの短編漫画「リヒテンシュタイン物語」(朝日新聞社)を買ったら、「マリア・デ・タシスの肖像」の大判絵はがきが綴じ込みになっていました。
漫画そのものは回想形式になっていてわかりにくいのですが、リヒテンシュタイン家の年表などもついていますよ。
リヒテンシュタイン家のコレクションは長い間公開されていなかった美術品なので、誰でも知っているような作品がある訳ではありません。けれど、確かな目で選び抜かれた美術品、後世に伝えるべき人類の遺産です。
今回、めったに目にすることのできないリヒテンシュタイン・コレクションが見られて良かったです。
お昼を食べに3階のブラッスリ−・ポール・ボキューズ・ミュゼへ。
このレストランのデザインは何度見ても斬新です。ポール・ボキューズ 大丸東京店 グルメ・レストラン
-
待っている人はそんなに多くありません。
ここの良いことは、席数が多いおかげで意外に早く順番が来ること。
もう一つ。
イスに座って待つのですが、トップの人が案内されると順々に前に詰めるので、進んでいることが実感できること。 -
10分ぐらいで順番が来ました。
私たちは2000円のランチセットにしました。 -
メインディッシュは、私が「色々な部位を使った豚肉のパナッシェ ポトフー仕立て」
前に来た時のチキン胸肉が美味しかったので期待してましたが、豚肉は柔らかかったものの、味は普通でした。
美味しかったのが、一番上に乗ったパンに乗ったクリーム。
菊の葉みたいなのと一緒に食べたら「セ・ボ〜ン!」。
これに、フランスパンとそれに塗るリエット(美味しいです)・オリーブオイルがつきます。
パンはおかわり自由です。 -
妹は「サーモンのスフレ 季節野菜添え 爽やかなオレンジ風味のヴァンブラン・ソース」
パンのお代わりを頼んだら、バスケットごと、最初に出て来たのと同じだけ持って来てくれました(嬉)。
フランスパンは温かいうちに食べるのが大切。
冷めると固くなってしまいます。
フランスパンを割るとパンくずがポロポロ落ちますが、ここは布のテーブルクロスの上に紙を敷いてるから大丈夫。
こぼれたパンくずはデザートが出る前にさっときれいに掃き取ってくれます。 -
デザートは、私は「洋梨とキャラメルのムースのデュオ 洋梨のコンポートと共に」
-
妹は「マロンとチョコレートのガトー チョコレートのソルベを添えて」
ソルベはシャーベットです。
メニューは季節ごとに変わるようで、それも楽しみです。 -
食後のコーヒー。
カップがお洒落。
ここのコーヒーは酸味があって美味しいんです。
パンのお代わりをいっぱい持って来てくれたので、お腹がいっぱいになりました。
ちょっとしたサービスはお店の印象をアップさせますね。
ごちそうさまでした。
国立新美術館ではちょうど日展もやっていて、入口から中がちらりと見えます。
良さそう〜!
見たかったけれど、サントリー美術館の「フィンランド・デザイン展」の招待券を持っていたので、日展は諦めることにしました。 -
サントリー美術館がある東京ミッドタウンへ移動。
3段構えの雪だるまは夜になったら明かりが入るようです。
サントリー美術館
「時代を超える生活の中の美 森と湖の国 フィンランド・デザイン」
会期は2012年11月21日(水)〜2013年1月20日(日)。
http://www.suntory.co.jp/sma/
実はこの日は展覧会初日でした。
混んでるか、逆に皆敬遠してすいてるかどちらかだろうと思ってましたが、すいていました。東京ミッドタウン ショッピングモール
-
展示室は写真撮影禁止ですが、入口や吹き抜けなど展示室以外の場所はフラッシュ無しの撮影OKでした。
ここは第1展示室入口にあった「動画によるインスタレーション」。
撮影OKです。
フィンランドの印象を動画で演出しているのでしょう。
どんどん変化するので、おもしろくてしばらく見ていました。
まるで森とオーロラを見ているようです。 -
フィンランドは、他には携帯電話のノキアやムーミン、テキスタイル・デザインのマリメッコが有名です。
子供たちの学力が高いことでも知られています。
あとはサンタクロースの国かな? -
フィンランドの人と知り合うチャンスはそんなに多くないでしょうけど、私は過去に一人二人留学生と知り合うチャンスがありました。
ドイツ人の男子高校生を家にホームステイさせていた時、同じく千葉県の高校へ留学していたフィンランド人の女子高校生がいました。
仲良くなり、うちへ遊びに来たこともあります。
ピアノが上手で、うちへ来た時はフィンランドの誇る作曲家、シベリウスの曲をピアノで弾いてくれました。部活は吹奏楽部。吹奏楽部にはピアノパートは無かったんですけど、ピアノが得意な彼女のためにピアノパートを作ってくれました。親切ですよね。演奏会も聞きに行きましたよ。 -
彼女は、フィンランド人は概して日本に対して良いイメージを持っていると言ってました。
その理由が意外や、日本は昔ロシアをやっつけてくれた国だと学校で習うから、と言うのです。国が変われば見方も変わるものですね。理由はどうあれ、日本に好意を持ってくれるのはありがたいこと。そう言えばその年交換留学で日本へやって来た高校生の国籍は、ドイツに次いでフィンランドからの留学生が多かった記憶があります。
もちろんドイツやフィンランドでは外国へ留学する高校生の数自体がもともと多いということもありますね。
そして当時日本に留学した動機は「日本人は勤勉で学ぶ点があるから」を上回って「日本のゲームやアニメに関心があるから」という学生が結構多かったように思います。
話がちょっとそれちゃいましたね。 -
今回の展示は18世紀後半から現代に至るガラス作品約150点を通してフィンランド・デザインの魅力を味わえるようになっています。
作品は花瓶、グラス、器、置物、水盤など。
シンプルでモダンなものが多いです。
ちらしやチケットにも取り上げられている花器は、ティモ・サルパネヴァ作「蘭」(1954年イッタラ社製)
実物はかなりの高さがあります。
花はどこから差すんだろうと、しばし考え込んでしまったぐらいユニークなデザインです。
花器を越えてオブジェになりそうです。
とても印象的でした。 -
4階の第1展示室には時代別にさまざまなガラス器を展示していました。
-
一番気に入ったのはこれ。
アイモ・オッコリン作「睡蓮」(1960年)
睡蓮の花を思わせるように深いカットを施したガラスのボウルです。
横から見るとキラキラしてダイヤモンドみたいです。
すばらしく美しい器でした。
何故か展示されていたのは紫のボウルだけでした。 -
吹き抜けの階段を降りて3階へ。
-
吹き抜けとロビーは写真OKです。
これはハッリ・コスキネン氏によるインスタレーション「きわみの光」(2012年)
本展のために製作された作品でしょうかね?
ランプみたいなものがぶら下がっています。
黄色いランプは高い位置。緑のランプは一段低く、青いランプはさらに低く、一番角に一個だけ赤いランプが最も低く吊り下げられています。
題名は「きわみの光」ですって。
よくわからない作品でした。 -
こちらはオイヴァ・トイッカ作「トナカイの集会」(1972年)
夜店で昔売ってたべっこう飴を思い出します(笑)。
クリスマスを意識した作品ですね。 -
ガラスの鳥。
-
ここからは第2展示室へ入ります。
ここは「フィンランド・ガラスの今 Art&Life」と題して、1980年以降の作品を展示していました。
このあたりになると、もう日用品と言うよりオブジェです。
オイヴァ・トイッカ作「雷鳥」(1980年)
アルマ・ヤントゥネン作「盆栽」(2008年)
などが印象に残りました。
(写真は別の作品です)
特に「盆栽」は盆栽そのもの。
曲がりくねった幹に緑の葉がついていて、見た瞬間に題名の予想がつきました。 -
最後にまた写真を撮ってもいいコーナーがあって終わりです。
これはどう見てもキウイですよね。 -
フィンランド・デザイン展は、
洗練されたデザインのガラス器あり、
セルフサービスの水コップとどこが違うのかわからないようなシンプルなグラスあり、
理解不能な前衛的なオブジェあり・・・。
気楽にそこそこ楽しめました。
ま、招待券で入っていますからね。
何の文句もありません。 -
サントリー美術館を出た後は、ガレリアで、ショッピング。
クリスマス用品があれこれ出ていて、見て回るだけでも楽しいです。
私はキャンドルスタンド、妹はスノードームを買いました。 -
最後にガレリア1階のカフェで長々とおしゃべりしてから帰りました。
-
リヒテンシュタイン展で気に入った作品を、最後にもう一点ご紹介します。
それはこれ。
気に入って、絵はがきを買って帰った絵です。
絵はがきを小さな額に入れ、部屋に置いて毎日眺めています。
最後の「ビーダ―マイヤー」の部屋にあったフェルディナント・ゲオルク・ヴァルトミュラーの「磁器の花瓶の花、燭台、銀器」(1843年)
ここまで写実的に描かれた絵は見たことがありません。
薔薇の花の重みまで伝わって来そう。 -
磁器や銀器の輝き、大理石のテーブルに写る宝石、艶やかなリボン・・・
こんな絵の発見があるから、やっぱり美術館へ行くのは楽しいな。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (5)
-
- crossさん 2012/12/14 22:31:27
- 芸術の秋!
- ニッキーさん、こんばんわ〜♪
この国立新美術館は、かっこ良くてスタイリッシュな建物ですね。
この建物を見るだけで、期待は高まります。
いつも思うんですが、日本の美術館や博物館は、なぜ撮影禁止なんでしょうか?
アメリカもヨーロッパも撮影禁止のところの方が少ないようですが...。
ボクなんかは、見たモノを写真に残しておかないとすぐに忘れてしまうので、必ず写真を撮りたい派。
撮影出来ないから、行かない...そうなってしまうんですよ。
本を買えってことなんでしょうかね〜。
サントリー館の「フィンランド・ガラスデザイン展」。
やっぱり北欧のデザインはいいですね。
来年は、ヘルシンキ&ベニスを予定してるんですが、マリメッコのトレイを狙っています。
そして、美術館のレストランは、「センスが良いな〜」ってよく思います。
cross(^_^)v
- ニッキーさん からの返信 2012/12/15 18:19:34
- RE: 芸術の秋!
- crossさん、今晩は。
国立新美術館は黒川紀章さんのデザインで、とても素敵です。
特に斬新なのがレストランとカフェ。
この頃、美術館のレストランはどこも洗練されてますよね。
美術館へ行く楽しみの一つです。
写真禁止は残念。著作権保護期間の物は仕方ないとして、古い物は撮らせて欲しいですよね。国立東京博物館(トーハク)ではフラッシュ無しなら撮影OKのがたくさんありましたよ。屏風でも襖絵でも巻き物でもOK。トーハクでは、所有者が撮影を許可しない美術品はダメだけど、それ以外はOKみたいでした。
crossさんの来年の旅行はヘルシンキとベニスですか〜♪ なかなか面白そうな組み合わせでいいですね。
北欧のデザインはモダンですよね。
空港のイスやホテル客室の家具もモダンなものが多いみたいですね。
マリメッコは、長男夫婦の新婚旅行が北欧だったので、私もお土産に鍋つかみと毛布をもらいました。気持ちが明るくなるデザインで気に入ってます。
crossさん、マリメッコのトレイ、ぜひゲットしてください。
今日は年賀状印刷をしました。
今回の図案は九寨溝で撮った記念写真にしました。
cross家の年賀状はどんな柄なんでしょうねぇ。
ニッキー
- crossさん からの返信 2012/12/15 18:40:50
- RE: RE: 芸術の秋!
- ニッキーさん、こんばんわ〜♪
国立新美術館は、黒川氏のデザインでしたか。
どうりで、カッコいいはずですね。
西洋もフラッシュ無しでOKですが、カメラをフルオートで撮られてる方は、光っちゃってますね。
ボクは、いつでもどこでもノーフラッシュ設定だからいいですが。
年賀状は、いつものことながら年に一度の海外旅行で作りました。
今年も「ポスト」のコミュでご挨拶したいと思っています。
cross(^_^)v
-
- がりさん 2012/11/26 20:36:44
- 芸術の秋〜♪
- ニッキーさん、こんばんは!
この秋は美術館めぐりが続いているようですね〜。
このリヒテンシュタインの展覧会、駅の広告で見て僕も気になってました。
宮殿の雰囲気が再現されてるなんて、日本の美術館もやりますね。
やっぱり美術館って絵画そのものだけではなく、全体の雰囲気が大切ですもんね♪
フィンランドのガラス工芸も興味深い。
なんとなく、北欧の冷涼な空気が伝わってくるような作品ですね〜。
そうそう、僕もニューヨークでメトロポリタン美術館へ寄ったのですが、そこで見たティファニーのガラス工芸も見事でした♪
ただメットはあまりにも広すぎて、歩き回ってるだけで時間切れになっちゃった感じ(笑)。
でもメットに行ってから、美術に少し興味を持てるようになったというか、いろんな作品を生で見てみたいな、と思うようになりました。
ニッキーさん、お腹の調子が良くないのかな??
寒くなってきましたし、どうぞお大事にされてくださいね。
- ニッキーさん からの返信 2012/11/27 14:35:44
- RE: 芸術の秋〜♪
- がりさん、こんにちは。
そうでしたね!「芸術の秋」だったんですね。そのせいか美術館へ行くのが楽しくて、このところ美術館づいていました。
リヒテンシュタイン展は「バロックサロン」をしつらえて工夫してあったのが良かったです。ただ、中には宗教画とか歴史画とか、バックグラウンドを知らないと面白くないものもありました。でも見応えはありましたよー。朝一で行ったのは失敗だったかも。相当混んでました。バロックサロンもパーティー会場みたいになってましたから(笑)。
メットはやっぱり広いんですかぁ。
17部門もあるということなので、ある程度部門を絞って見た方が良さそうですね。ティファニーのステンドグラスや花器、私はメトロポリタン展で少し見ただけですけど、素敵だと思いました。メットは入館料は特に決まってなくて本人次第なんですってね。それはそれで困ってしまうけど、日本の美術館の特別展はもう少し安いといいな。
お腹の調子、急性胃腸炎だと思うんですけど、一日大変でした。翌日にはほぼよくなりました。その2日前から主人もちょっと具合が悪かったので、もしかしたら移ったのかもしれません。こういう時に旅行を入れてなくて良かったと思いましたが、次男が、私が具合が悪くなる前々日に帰って来て一晩泊まった後、成田からミャンマーへ旅行に出かけたんです。私のが移って旅先で胃腸炎を発症してなければいいんですが。ミャンマーは携帯も通じないとかで、一応メールだけ送っときましたが、旅行中にあれはきついと思います。(-_-;)
がりさんのアメリカ旅行記、なかなかアメリカへ上陸しませんねー!(^'^)
大変だった様子が手に取るように伝わって来ます。
もうそのままカナダ観光でいいんじゃないかと思っちゃったり、そうなると予約してある諸々はどうするんだろうとか、読みながらいろいろ考えました。
結局がりさんは何らかの手段でニューヨークへ行かれた訳ですよね。
次こそいよいよアメリカ入国かと期待してます。
ニッキー
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
この旅行で行ったグルメ・レストラン
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
5
47