2012年初秋のヨーロッパ自由旅行（⑦スイス、エンガディン編）

2012/09/20 - 2012/09/22

アドリア海をイタリア、ベネチアから時計回りに鉄道、バス、フェリー、レンタカーを乗り継いで旅した１６日間の自由旅行を紹介します。
ほぼ毎年、ヨーロッパを旅するシニアの夫婦です。

9/10　羽田から夜行便で、パリCDG空港経由ベネチアへ
9/11　ベネチアからバスでオーストリアVillachへ向かい、鉄道に乗り換え、スロベニア、ブレッド湖へ
9/12　ブレッド湖観光　鉄道でクロアチア、ザグレブへ
9/13　プリトビッツェ国立公園　ザグレブへ戻る
9/14　ザグレブから、バスでスプリトへ
9/15　スプリト観光後、バスでドブロヴニクへ
9/16　ドブロヴニク観光
9/17　ドブロブニク観光　夜フェリーでイタリア　バーリへ
9/18　バーリからアルベロベッロ往復
9/19　バーリからミラノへ鉄道で一気に移動
9/20　ミラノからレンタカーでスイス、サンモリッツへ
9/21　ベルニナの山々を観光
9/22　サンモリッツからミラノ経由、再度ベネチアへ
9/23　ベネチア観光
9/24　ベネチア観光と午後ベネチアからパリCDG空港経由成田へ
9/25　午後、成田着

エリア スイス

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• 交通: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 船 レンタカー 徒歩
• 航空会社: エールフランス JAL
• 旅行の手配内容: 個別手配

今回の旅のルートをグーグル地図に描いてみました。この旅行記も①から⑥で主にクロアチアとイタリアの旅を紹介しました。⑦ではイタリア国境からスイス、サンモリッツまでのスイス、エンガディン地方をを紹介します。

ミラノ、リナーテ空港近くで宿泊し、リナーテ空港のハーツレンタカー事務所でレンターカーを借り、スイス、サンモリッツに向け出発。車はオートマ車でないと運転が困難為、ベンツＢクラスを希望したが、準備できずＶＯＬＶＯ社のオートマ、フルサイズの車になった。パワーが有りそうで、山道の運転には問題ないようだが、ＶＯＬＶＯ車はレンタカーでも運転したことがないので、ちょっと心配しながらの出発。ナビは日本語ナビを入れたGarminナビを日本から持参した。途中思わぬハプニングなどもあったが、何とかイタリアとスイスの国境を越え、エンガディン地方へ入った。この写真は、マローヤ峠を登り切り、イタリア側を見ながら写した写真。

この⑦のエンガディンではマローヤ峠からサンモリッツまでのオーバーエンガディン地方と帰りにマローヤ峠を下りてから立ち寄ったソーリオ村を紹介する。マローヤ峠を越えマローヤ村を過ぎると、シルス湖の澄んだ水の色が目に飛び込んでくる。早速、停車してアルプスからのきりっと引き締まる風を感じながらの撮影。

更に、シルス湖に沿ってサンモリッツまで続く道をドライブ。イタリアやクロアチアとは違う空の色や山の形を見て、スイスの秋を感じながらドライブしていることに感動。シルス湖の湖畔にて。

空の雲も、本当に秋が来ていることを知らせてくれるような、形をしている。今回の旅で、イタリアとクロアチアがメインなので、このスイスの旅はオマケの様な感じになっていたが、来てみるとやはり、スイスもメインの旅先だと思わせるだけの大きな感動を持てた。

シルス湖の湖岸に沿ってサンモリッツまで道が続いている。この道をドライブして行くとシルス湖と次の湖のシルヴァプラーナ湖の間にあるシルス・マリア村が見えてくる。

シルス・マリア村の入り口にある駐車場に車を止め、シルス湖を囲むようにそびえるエンガディンの山々を写す。山肌に雪が付いている山はコルヴァッチ山（3295ｍ）。明日はここの展望台へロープウェーで登る予定。

シルス村からアルプスの山々を眺望する。牧草地の緑も幾分秋の色に変わりつつある。

シルス村の入り口にある、教会。クロアチアやイタリアで見た迫力あるカソリック教会と比べて、プロテスタント教会の多いスイスの教会は飾り気がない。しかし、スイスの自然に溶け込んだ、飾り気のない教会が美しく見える。

シルス村の入り口にあるホテルを兼ねた、レストランでコーヒーブレイク。この日は日差しはあるが、冷たい風が吹いているので、オープンカフェを好む欧州人も建物の中で楽しんでいた。

シルス村は村に住人以外の自動車を入れず、村の静かさを保っていると聞いていたので、レストランの駐車場に車を止めて、村の中心まで散策してみた。

シルス村の静かなたたずまい。道沿いには、スキー客向けのロッジやペンションなどが並んでいる。

シルス村の中心近く。

シルス村の中央と思われる広場。

シルス村からシルス湖の方向を写す。秋の太陽に照らされ輝る湖面と牧草。

澄んだ空とシャープな岩肌の山々に囲まれたシルス湖と湖畔。

サンモリッツで観光した後、再度マローヤの峠をイタリアに向けて下り、イタリアとスイスの国境の村々を通り抜けて行く。その村々の中で、昔からのたたずまいを残すオーバーエンガディンの村に立ち寄り、観光化されていない村の姿を写した。

マローヤの峠につながる山々には朝もやがたなびいている。

村の教会と一緒に今回の旅で利用したレンタカーが写っている。3日間でレンタカー代はガソリン代を含めず317.5ユーロとなった。イタリアでレンタカーを借りる予定のある方の為に、Ｈｅｒｔｚの清算書を紹介します。HertzにはJALのHPから予約した。マイレージ会員には30％ディスカウントがあることと、予約時見積額が提示されるため。ドライブ距離は3日間で363Kmと今回は少ない。1日のレンタカー代は62.5ユーロで3日間であるので187.5ユーロそれにスーパーカバー保険75ユーロ。そして予定外だったのが、VAT（付加価値税）２１％で55.1ユーロ。トータル317.5ユーロになった。レンタカー利用には少なくとも100ユーロ/日を予定した方がよい。

スイスの旅の最後にイタリアの国境に近いソーリオ村を訪ねた。スイスを代表する画家として愛されているセガンティーニが晩年暮らした村が「ソーリオ村」である。そして、セガンティーニはこの村を「天国への入り口」と称して愛したと言われている。

この村へ行くにはバスではサンモリッツからの距離もあり、プロモントーニョで乗り換えて、山に入って行かなければならないので行き辛い。今回、レンターカーだったので、この山深い村まで行くことが出来た。幹線道路から入り、曲がりくねった山道を15分程度登り、村の入り口に小さな駐車場を見付けた。そこに車を駐車することが出来た。そこから、この村の細い路地を、昔から変わることのない風景を求めて歩き始めた。

村の穀物を保存するような蔵は、日本で言えば校倉作りの様な太い丸太を組み合わせて建てられている。そして、屋根は薄い石の板を敷き詰めた屋根になっている。どの家もセガンティーニが住んだ頃から使われているような、使い込んだ美しさを感じる。

どの路地もまっすぐな道はなく、何となくこの写真のように気持ちよく、自然にカーブした道が奥に続いている。

作家「新田次郎」もこの村を愛し、エッセイ「アルプスの谷」にもソーリオ村が出てくるそうです。申し訳ありませんが、私は読んでいません。そんな影響か、スイスでの暮らしを書いたエッセイなどにも、この村のことがたびたび取り上げられているので、機会が有れば訪ねたい村になっていた。

最近はこのソーリオ村も有名になり、観光化の影響は受けていると思うが、それでも細い路地や家々は大きく手を加えられずに昔の雰囲気を残している。しかし、車社会の影響からは逃れることは出来ないようで、狭い広場でも多くの車が駐車している。

家の線が直線ではなく、自然の曲りが建物の感じを柔らかくしている。そして、物置小屋か穀物蔵かわからないが、建物正面の木製の扉とひびが入っていた漆喰は風雪に耐えてきた存在感がある。
建物の古さとは対照的に、窓からはスイスの家らしい鉢植えの花が飾られている。

村の水場に来た。山の沢から引いたと思われる清らかな水が、流れ落ちていた。

倉庫はネズミ返しのためか、高床式になっていて、扉まで階段になっているのがこの村の常識のようだ。

この村の鐘楼は村のシンボルになって、写真に撮られているので、何とか鐘楼を入れようと苦労しながら撮影した一枚。

ソーリオ村からイタリアの方向を写した写真。

鐘楼を下から眺めながらの一枚。

この日は、気持ち良い日差しは降り注いでいたが、既に山の方には靄がベールになってアルプスを隠している。そんなうっすらと見えるアルプスをバックに逆光の鐘楼を思い出に撮影。
ソーリオ村を観光した後、イタリア、スイスの国境を越え、コモ湖畔のトンネルの多い道（SS36）を走って、ミラノ、リナーテ空港のレンタカー営業所へ直行。