感受性の強いうちに被爆国であることを伝えたかった。

2012/08/13 - 2012/08/15

　娘の夏休みの「自由研究」、テーマは何にするかと訪ねたところ「原爆にしたい」と彼女の回答。
　私達は千葉県のHOT SPOT在住、福島第１原発の事故報道で核エネルギーが話題になる時、日本は戦争で原爆が落とされた唯一の国であることを伝えてきた。
　その結果が娘のこのテーマ選択に繋がったのなら、連れて行かねばなるまい、ヒロシマ。
　感受性の強いうちに、見せておきたいヒロシマ。
　母ちゃんは小学校５年の時に原爆資料館を訪れ、その日の晩飯はショックで喉を通らなかった。
　娘はそれよりも幼い年齢、理解できるかどうかは別として、少しでも何かを考えて欲しい。
　そんな訳で、夏休みの家族旅行らしくバカバカしく遊びながらも原爆のことを教えに行きました。

エリア 広島市(広島)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 船 新幹線 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

　＝移動日＝
　実家のある大阪から広島へGO!
　０７：３５分発の「のぞみ」博多行きに乗車。
　その為に実家の最寄り駅から大阪環状線で新大阪に向かう・・・

　JR西日本？がマナーポスターでタツノコプロを起用。キャシャーン世代のお母さんは、ひっそりウケました・・・
「キャシャーンがやらねば誰がやる」流行ったよね。
（年齢がばれる・・・）

　９時前には広島駅に到着。その日は宮島観光をしようということになりました。
　そのまま山陽本線（もしくは芸備線）に乗り換えて「宮島口駅」まで。広島駅から３０分ほどで到着です。
　宮島口から徒歩でフェリー乗り場まで。
　フェリーはJRと、松大汽船の２種類あります。どちらも発着ともに同じ港に着きます。所要時間は１０分程度？
　私達は松代汽船を利用しました。

　広島は今、大河ドラマの影響で「平清盛」で盛り上がっております。
　案の定、結構な混み具合ではありました。
　

宮島口駅 駅

　娘が撮影したフェリーからの眺め。
　厳島神社の大鳥居が綺麗です。

　山と海が隣接する瀬戸内独特の景色は、日本の原風景的な懐かしさを感じます。

　宮島は奈良から連れて来た神様の使い「鹿」が野生化しております。
　子供は大喜びですけど、結構傍若無人なので要注意。食べ歩きしているアイスクリームを狙われている観光客もいました。
　ところで厳島神社周辺の公衆トイレには、鹿よけの扉がついています。
　が、山頂付近の古いトイレには扉がついてないものも・・・
　
　以下、少し気持ち悪い話しを書きますので注意して下さい。

　某所でトイレに入った旦那、中から鹿が出て来てビビってました。しかも便器に頭突っ込んでペロペロしていたそうです。
「追い払っても追い払っても、俺の小便飲みに来やがって怖かった」
　と旦那の弁。

　鹿がかわいい、と子供はハシャイでおりますが衛生的にちょっと心配な鹿も当然おりますのでご注意下さい。

宮島 紅葉

　さて、厳島神社です。
　この日この時刻は干潮で、海の中の神社は見る事ができませんでした。
　私がここへ来るのはこれが４度目、いずれも干潮ですorz
　海の中の荘厳な景色を見たい人は、ちゃんと干満表を調べて計画を立てることをおススメします。

　遠浅の浜辺で蟹を追って、子供はそれなりに楽しんでたみたいですが。

　国宝表示の看板の前でぱちり。
　反対側の柱には「世界遺産」の看板があります。国宝看板の方が旧字体で古めかしかったのでこちらで写真を撮りました。
（世界遺産の看板は、写真待ちの観光客が沢山いたので・・・）

　山の緑と海の碧、それから朱色のコントラストが美しい社です。
　願わくば、観光客がもっと少なければ良いのですが・・

　冬の欧州旅行以来、どこかへ行くときは必ずデジカメ持参の娘。
　下らない写真も沢山撮影してますが、たまに「おっ」と思う一枚を撮ってきます。
　どうでしょう、この一枚。
　構図も色合いも結構良いと思いませんか？
　（親バカ）

　参道にはお土産物屋さんや食堂、それからホテルが沢山。
　宮島には子供の頃の家族旅行も含め４度目の私ですが、ここへ来ると必ず食べる物は「焼きたての紅葉饅頭」と「焼き牡蠣」。
　紅葉饅頭は出来立てが断然美味い！
　この日はとても暑く、焼き牡蠣はやめました。
　写真はかき氷を求めて彷徨う旦那・・

　かき氷。
　苺とレモンと宇治抹茶。いずれもデフォルトで練乳がかかっております。
　既に減っているレモンは私のもの。
　お値段、控えてくるの忘れました（涙）

　ここの氷は美味かった！
　体力を消耗していたからかもしれません。
　テレビでロンドンオリンピックの閉会式のハイライトをやっていて、すっかりオリンピックなど忘れていた自分に気付きました。

　さて、神社参拝の後は弥山に登ることになりました。
　参道から紅葉谷公園のロープウェイの乗り場まで無料バスが出ていますが、歩いて１０分程度なので健康なら充分歩ける距離です。
　バスに乗っても、バスの降り口からロープウェイの乗り場までの十数メートルの行程が一番勾配がキツいので、あまりバスに乗る意味はないかも・・・
　写真はその、バスの降り口からロープウェイの乗り場までの道です。

　ロープウェイは大人片道１０００円、（往復で１８００円）。子供は片道５００円（往復９００円）
　私らは歩いて下山することとなり片道のみの購入です。
　時間があれば全行程自分の足で行きたかったと旦那。私は下山もロープウェイのつもりだったので、当日はワンピースという出で立ちです。
　まあ、山なのでスニーカーは履いておりましたけれども。

　ロープウェイからの１枚。登って行くにつれ、瀬戸内海が見えてきます。
　ロープウェイは６人乗りです。
　観光客が多く、１１時頃乗り場に向かった私ら家族は、ロープウェイ乗り場で２０分ほど並びました。
　途中で更に大型のロープウェイに乗り換えて、終点の獅子岩駅まで２０分程度でしょうか。

　さて、終点「獅子岩駅」から山頂までも、３０分程度は自分の足で登山する必要があります。
　ロープウェイだからとビーチサンダルやヒールのある靴で臨むと痛い目にあいますよ。
　私と旦那は若い頃、何度か紅葉谷から自力で登ったことがあるのですが、娘は生まれて初めての登山です。
　たった１５分ほど登った所で「ロープウェイを使わず登ったことのあるお父さんとお母さん、マジ尊敬する！」と挫折モード。

弥山 自然・景勝地

　山頂に着きました。
　瀬戸内海を挟んで山口県や、反対方向には江田島、能美島などの島々が見えます。
　当日は晴れているものの少々ガスっており、眺めはぼんやりと霞んでおりました。
　弥山の標高はたった５３５mですが、それでも山頂を吹く風は麓より幾分涼しかったです。
　さて下山。
　下山はロープウェイを使わずに、全行程自分の足で臨みます。

　当日の天気予報は曇り。にわか雨に注意・・・

　案の定、途中で雨に降られました。（行程の１５分程ですが）
　当然、雨宿りするような場所はなくて、落ち葉と泥と苔と雨と・・滑りやすい登山道を、登山初めての子供にコツを教えながら下山します。
　遠くに雷鳴が聞こえ、常に雷が来たらどこに避難するか、考えながらの下山となりました。（だから写真ないの?）
　下着の中まで汗と雨でびしょびしょです。

　あれだけいた観光客、登山道にはまったく人影がありません。
　下山する時間で、出会った人は７人。私達家族を追い越して行く日本人２名のほか、５人は欧米人の方。そのうち４名は麓からの登頂途中でした。
「こんにちわ?」
「がんばって?」
　と、雨の中にこやかに言葉を交えます。
　やっぱり山は自分の足で歩かないとね！
　娘は今回の旅行で、この下山が一番思い出に残っていると言ってます。

　すみません。娘が撮影した雨に濡れたキノコ一枚。
　下山するには初心者の子供の足でも２時間は掛からなかったと思います。
　紅葉谷に着いた頃には雨も上がり、濡れた衣服も雨で濡れたのか汗で濡れたのか分からない状態になっていました。（足元はドロドロでしたが）

　ところで、昼食です。
　疲労に負けて、目についた「おきな食堂」という定食屋に入りました。
　娘→ハンバーグ定食（1600円！）
　私→カツカレー（1200円！！）
　旦那→カツ丼（1200円！！！）
　名物は「穴子飯」らしいですが、下山の影響でガッツリ食べたくなってこのチョイス。
　結果・・・史上最悪の不味さでした！
　こんな不味いカツカレーと、こんな不味いカツ丼は人生史上初めてです。（娘はハンバーグ気に入ってましたが・・）
　しかも、単品でこの値段。
　味噌汁とか着いてる訳じゃないんですよ！
　観光客なめてるとしか思えない・・・

　「おきな食堂」要注意です。
　　宮島町490です。

　今宵の宿は「コートホテル広島」です。Booking.comで予約
　本当はスーパーホテルにする予定でしたが、一か月前で予約は一杯でした。
　大人２名、子供１名　一室利用
　ツインにエキストラベッド（といっても、ほんの少し小さいだけ）で
　２泊で26774円です。

　朝食は前日予約、1000円で１階のレストランでヴュッフェ朝食が利用可能です。

EN HOTEL Hiroshima 宿・ホテル

　乱れてますが部屋の感じです。
　
　アメニティは髭剃り、歯ブラシ、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ。
　クロゼットにハンガーと、小さな洗濯干し用のハンガー（ハンカチとか靴下干すやつです）
　エレベーターの降り口に、「ご自由にお取り下さい」のガウン？サイズはMとL
　２階にコインランドリー（洗濯機と乾燥機が２台）
　

　ロビーです。
　近所のお好み焼き屋のクーポン券があったり、コンビニや広島電鉄の駅も近いし、結構便利な立地です。
　
　奥が朝食をとれるレストラン「からたちの花」（だっけ）
　朝食のヴュッフェは、メニューに代わり映えはないけれど結構美味しかったですよ。（自然流レストランと銘打ってました）
　当日ご飯は麦飯と茶飯の２種類がありました。当然、パンなどの洋食メニューもあります。
　
　紅葉饅頭やカープグッズのお土産販売もありますが、そんなに豊富ではありません。

　広島初日の夕食です。
　ホテルご推薦のお好み焼き屋「ふみちゃん」に出向いた所、お客さんが並んでたので諦めて、ホテル近所の「駒 鉄板お好み焼き」という店に入りました。
　これも疲労に負けて入った店です。

　これで前日までの大阪含めて「３日連続お好み焼き」。さすがにソース味に飽きて来ました・・・。
　精肉屋さん直営のお店らしく「カツサンド」がおススメらしいです。
　味は可もなく不可もなく・・・
　私は風月のお好み焼きの方が好きだな。

駒鉄板お好み焼 グルメ・レストラン

　＝二日目＝

　この日は旅行のメイン、原爆資料館へ。
　生憎、朝から雨模様でしたが、ホテルから歩いて平和記念公園へ。歩いて３０分程度だし、行程の半分は新天地や本通のアーケード街なので雨を気にせず歩けました。

　原爆死没者慰霊碑前での写真です。
　石碑には「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」と掘られています。
　「過ち」とは一体なんのことか？
　単に「戦争」のことか。私たちは本当に過ちを繰り返していないのか。

　子供と話し合いました。

広島平和記念資料館 美術館・博物館

　子供が撮影した原爆ドームの写真。
　周囲に大きなビルが建ち、その存在が小さくなっているような気がする。

　戦後の広島の奇跡的な復興は素晴しい事だけど、経済優先のために大切な物をないがしろにしているように思えてならない。
　もっとシンボルとして、原爆ドームのある風景を大切にするべきだと思うなあ。

　広島平和記念資料館
　入館料　大人50円、子供30円

　館内は殆どが写真OKですが、遺品などの展示コーナーではフラッシュ撮影が禁止となっています。
　ここへ来るのは２度目ですが、前回も今も感じたことは同じ。
　今、世界はとても危険な状態で、日本の平和は奇跡的なバランスの上に立っているということ。立っていると思っていること。
　福島の人達にとっては、そのバランスは崩れてしまったんだよな、と。
　HOT SPOTたる我が家も、あと十数年後はどんな影響が出てるか分からないしね・・

　子供にはショッキングな展示物が沢山。
　それで良いと思う。
　自分に置き換えて想像して欲しい。

　戦争ってどんなものか。核ってどんなものか。
　人間ってどんなものか。

　沢山考えて欲しいと思います。

　さて、平和記念公園では５時間程過ごしましたが、場所が場所なのであまり写真は撮影しませんでした。
「おなかすいた～」と子供。
　私は子供の頃、資料館見た後は食欲わかなかったけどね・・・

　元安川のリバークルーズがあると聞き、船着き場に行きましたが、当日は雨と潮位の関係で欠航。
　仕方なく船着き場近くの食堂で昼食をとることに。

　船着き場のすぐ隣にある「Cafe Ponte」
　ちょっとこジャレた感じの食堂です。
　雨だから利用しませんでしたが、テラス席なんかもあって良い雰囲気です。（眺める元安川が汚いんだけど・・）

　入り口にオレンジが沢山積まれていて、どうやらフレッシュジュースが売りのようです。

　私と旦那「本日のパスタとドリンクのセット」1280円
　パスタは「豚と広島菜のオイルソース」、ドリンクはグラスワイン。
　娘は「本日のリゾットとドリンクのセット」同じく1280円で、ドリンクを＋100円で「絞り立て季節のフレッシュジュース」に。

　・・・このフレッシュジュース、オレンジを頼みましたがマジ美味かったです。
　子供のジュースを横から奪い取って飲んでました。

　さて、昼食後は広島城へ。
　平和記念公園から広島城へも歩いて３０分は掛からないと思います。
　地下街があるので、やはり雨を気にせず歩く事ができました。

　地下街の名前が「シャレオ紙屋町」・・・このローカルセンス大好きです。

　広島城に着く頃には雨も上がっていました。

　広島城は毛利家、福島家、浅野家が歴代城主、歴史あるお城で、すが、やはり原爆により天守閣初めとする城内施設は全壊したそうです。
　現存するのは復元されたもの。

　城内と二の丸の見学は無料です。

広島城 名所・史跡

　城内のお茶屋で休憩。
　小さな、売店です。

　娘は氷苺のミルクがけ400円
　旦那は冷甘酒200円
　私は抹茶ソフトクリーム300円

　城内には護国神社があります。
　
　その他に陸軍の中国軍管区司令部の防空作戦室や、広島大本営跡など戦跡もあります。
　・・・広島に大本営があったなんて始めて知りました。

　復元された天守閣。
　中は歴史資料館になっています。
　入館料大人360円、子供180円
　原爆で倒壊した天守閣の復元は昭和３３年、広島復興大博覧会の際に行われたそうです。

　最上階は展望台になっていますが、いかんせん周囲に大きな建物が多くて絶景とは言えません。

　ホテルへの帰りも地下街シャレオを通って。
　途中のジューススタンドで休憩。

　娘→苺バナナ
　私→パイナップルココナッツ
　旦那・・・忘れました。　価格は３６０円〜だったと思います。

　さて、広島最後の夕食も、狙っていたお店が満杯で通りすがりのお店に入りました。
　やっぱ予約とか必要ですね・・・

　入ったお店は中区堀川町の「案山子」というお店。
　Dining barといった感じのお店ですが、食べ放題飲み放題のプランが売りのようです。
　食べ放題にすると体重が危険なので単品で頼みましたが、まあ、金額的には食べ放題プランのほうが安くなるようです。

　端的に言うと「イマイチ」でした。
　こちらのお店、写真のようなディスプレイしているくせにワインがグラス売りしかないんですよ。（しかも「グラスワイン」として銘柄が分からない。）
　そして味はそこそこですが、値段の割に量が少ない。
　結果沢山注文してしまい、食べ放題の見放題プランより損をしてしまう。

　食べ放題飲み放題プランは時間制で、最小金額が１時間で２０００円です。私達家族なら６０００円ですね。
　今回、単品で注文したのは
　ソースや生そば
　パーニャカウダ
　アサリのバター焼き
　オムレツ
　チーズ餅フライ
　かに風味炒飯
　バニラアイス
　グラスワイン×２
　生ビール
　オレンジジュース

　以上で　６８９１円。

　＝三日目（移動日）＝
　さて、朝から自宅へ戻ります。
　０８：３７発の「のぞみ」東京駅で東京まで。
　ホテルから広島電鉄の銀山町駅までは徒歩１０分程度。子供は「チンチン電車のくせにチンチンって音が鳴らない」と言ってました。
　最近は路上電車のベルの音も電子音ですね。

　銀山町駅から広島駅まではほんの５〜６分です。

　
　この日の朝食は広島駅のパン屋さん（カフェデンマルク）で。
　まあ、どこにでもあるイートインできるパン屋さんですが、朝食にはご飯メニューもありました。
（旦那が焼き魚定食の「鯖」を頼んでました。）いずれも４８０円とかワンコインで食べられます。

　トーストセットはイギリスパンのトーストと、サラダとゆで卵。娘が朝から「この量じゃ足りない！」とベーカリーでミルクフランスパンを購入して食べてました。

　駅構内で「むさし」の「山賊握り」を購入。
　大きなお握りで中の具は数種類入っています。「むさし」の山賊は「鮭」と「昆布」の二種類でした。
　おにぎり一つ４８０円

　でも山賊握りはやっぱ山口県の居酒屋「山賊」で食べるのがいいですね。

　子供と半分こするつもりだったのに「お腹いっぱ〜い」と断られ、丸まる一つ食べる羽目に。
　体重が怖い〜

　寝たり本読んだりしているうちに、お昼の１２時過ぎには東京駅に到着。
　千葉県の自宅に戻る前に、所用があって銀座へ寄りました。
　銀座でまた「鹿の子」に寄って氷三昧・・

　さすが銀座価格の脅威の値段でしたが、やはり美味いです。
　そして心底体が冷えてしまいました。

　メインは原爆のお勉強だった筈ですが、旅行記はすっかり登山と食べ物の記録になってしまった今回の旅。
　それでも子供は色々学んでくれたと思います。

　さあ、子供よ。自由研究だ。
　自由研究のテーマを「原爆」にした君の為の広島旅行だったんだぞ。
　ちゃんと夏休みの宿題をするように！