2003/05/06 - 2003/05/14
698位(同エリア923件中)
ルート3さん
会社の褒賞で、ドイツ、スイス、フランス9日間の旅行だ。総勢12名の部署の者を2班に分け、先発の6人の一員として出発したのがゴールデン・ウイーク明け。
ツアーは、従兄弟が勤務する旅行会社で一般に売り出されている商品の中から選び、そのツアー参加者と一緒に行動する。料金は228,000円で、従兄弟のよしみで1000円の気持ちだけの割引をしてくれた。
ツアーの最終案内がきたが、我々先発組は日本航空、後発組は全日空。ホテルは明記されていないが、これも実際は異なることだろう。同じ値段で、同じツアーに参加しても細部が微妙に違うのが面白い。
また、実際6人で行き、毎晩ホテルでは3室に分かれたが、部屋の広さは異なり、多分ランクの違う部屋にツアー客を分散して割り当てているのだろう。
仕事を支えてくれた奥方への土産名目で会社から、各人3万円の小遣いを引き出し、加えて現地での会議費名目の資金も確保する。基本的には食事付きだが、食事の際の飲み物、食事の無いフリータイム時、その他飲食費に充当する費用として金庫番を引き受けたのだ。
朝、大阪駅に集合し、一番安くアクセスできる関空快速で空港に向かう。空港では若い女性の添乗員が待っており、ツアーメンバーと初顔合わせ。パッケージツアーらしく、老若男女とバラエティーに富んでいるが、おばさんが多い印象だ。我々のメンバーは、おじさん5人に若手独身男性1人の構成だ。この若手が、ビール好きの楽しいキャラクターで、おじさん連中のアイドルとして旅行中いじり回される事になる。勿論初海外だ。
いよいよ搭乗。その搭乗ゲートの前に売店があった。その売店に日の丸のハチマキが売っているのを見つけたおじさんの一人がハチマキを買い込み、アイドル坊やに、「初めて海外に行くんやからハチマキを締めて、舐められんようにせなあかんでえ!」、とゲート前でハチマキを締めさせる。坊やは、それを真に受けたふりをして、ハチマキを巻き、意気揚々と機内へ。乗客を迎えるCAは、その姿を見て笑いを堪えている。坊やの印象はCA達に強烈なインパクトを与えた様だ。あっという間に彼女達全員に伝わったのか、坊やの傍に用事にかこつけてやって来る。そして坊やは、右翼のお兄さんではないのを確認して微笑みながら去って行く。
その雰囲気を察知したのか、フランクフルトに着くまで、坊やはビールを飲みまくり、他の仲間も好きな口なので坊やに付き合い、サンクトペテルスブルグ辺りで、追加ビールん頼むと、「積み込んだビールは全てなくなった!」、とのお達し。それでも、日本酒やワインを頼まないのはビール好きのプライドだろう。
ビールがなくなってもめげる坊やはない。ハチマキを締め直し、CAさん達に次から次にツーショットの記念撮影をせがみ、彼女達も喜ん応じてくれる。更に一人一人に握手をお願いし、その上サインまでねだっている。「本日は日本航空にご搭乗ありがとうございます。楽しい旅をお祈りします。日本航子」、なるメッセージを書いてサインをしてくれる。ハチマキ作戦大成功だ。
飛行機は降下を始め、やがて眼下にドイツの家並みが見えてきた。赤い屋根の民家が多く、何故か個人的にはバンコクの着陸前の景色と似ていると感じた。坊やのお陰で、フランクフルトでは、彼女達は本物の笑顔で送り出してくれた。
空港からバスでホテルに移動。ホテルは郊外にあり、周りには何もない。唯一コンビニがあるとホテルのスタッフに教えられ出向く。コンビニは、ガソリンスタンドの一角にあり、仲間は、「日本やったらガソリンスタンドなんかにコンビニ無いで」、と文化の違いを強調する。海外では当たり前なんだが・・。ウダウダしていたら時間は午後10時。日本は朝を迎える4時頃だが眠くない。それもそのはず。この時期のドイツはまだ明るいのだ。さあ、明日から本格的に観光だ。
旅行の第1歩はリューデスハイムからのライン川クルーズ。船に乗るまで少し時間があるので街の散策を許された。路地の様な両側には商店、民家が立ち並び異国情緒を嫌が上にも感じさせてくれる。
さあ、いよいよ乗船だ。船は小型船だが、レストランを完備している。川の両側の古城、ライン川風景、ローレライの岩を見ようとデッキに陣取る。次々に現れる古城は厳つい砦の様に見え、外色も無彩色。東洋の派手な城を見慣れているので、少し物足りない。ところが近年、宿泊施設に改装された古城ホテルが人気を博している様だ。
暫くすると周りにいたはずの仲間が忽然と姿を消した。何の事はない。下戸の私をほおって船内レストランに移動して酒盛りを始めている。そうか、本場のドイツビールを飲みたかったのか。ここは機密費を使って旅の開始を祝おうと私も合流した。
さて、この船で試飲販売されていたアイスワインが絶品だった。アルコールを嗜まない私にとってジュースを飲んでいると勘違いするほど美味しいと感じた。説明によると日本では入手し辛いらしく、一流ホテルのバーなどで飲むとグラス一杯2、3万円は取られるらしい(ホントかな?)。ツアー仲間は、競って購入しているが、旅は始まったばかりで重いワイン瓶を抱えて行くのはチト難儀と断念。勿論日本まで直送してくれるが、1、2本では送料がもったいない。でも欲しかったな。
「あっ、そう?」、と言うだけのローレライの岩を通過し下船。そこからはバスでロマンチック街道をフッセンまでのドライブ。ハイデルベルクで大樽を見たり、デュンケンスビュールに立ち寄り車中から中世の街並みを見たりしながらローテンブルクへ。
おとぎの世界を彷彿させる可愛い街並みを見学する仲間から離れ、私はここでミッションをこなす。送り出してくれた会社の幹部への土産物探しだ。
職責別に予算を組んでおり、土産を大量に調達する必要がある。面倒な作業は早目に済ませあとは、じっくり旅を楽しむ魂胆だ。ここで大量の革製の札入れを手当てし任務完了。勿論同じ物ではなく強弱をつけている。
市庁舎のからくり時計を見たあと、徒歩でホテルへ。街の雰囲気に合った可愛いプチホテルで、我々がアサインされた部屋は全て別の意匠だ。インテリアも凝っている。ただ、女の子向きで、おじさんにはチョットと言う感じ。若い娘だったら喜ぶだろうな(残念ながらホテル名は失念)。
夕食を済ませ時間はたっぷりある。街の散策に出掛けたいが、初日の疲れ、長距離のバス移動、翌日の早朝出発で誰も外出しようとは言わない。パッケージツアーに参加すると、ポイントを押さえた盛り沢山の観光スポットには連れていってくれるが、とても忙しく体力勝負だ。集客の為にパンフレットに掲載する観光地が多ければ多いほど良いとの考えだろう。全員バタンキューで早めに床に着いたが、「ローテンブルクはもっとのんびり見学したかった!」、が本音だ。
翌日は前半の目玉、悲劇の王ルードリッヒ2世が建てたノイシュバンシュタイン城見学だ。その前に、ツアーではめったに行かないとの触れ込みのビース教会に。わざわざ早起きして行くほどの場所ではないとの印象。ホテルでゆっくりするか、ノイシュバンシュタイン城の前の丘にあるリンダーホフ城の方が良かったな。
ノイシュバンシュタイン城は、麓の土産物屋街からまだ両側に雪の残った道を徒歩で小高い丘の上にある城に向かう。年寄りは馬車でも登れる様だ。
城に着く前にガイドが、「取っておきのビューポイントがある!」、とのことで付き従う。城の高さと同じ視線で全貌が拝める確かにビューポイントだ。まあ、取っておきとの事だが、ガイドなら誰もが知っておりツアー客は全員案内されるのだろうな。
城の入り口に着いた。ガイドは「場合によっては待ち時間がある」、と脅していた。それも「2時間位は普通だ1」、ともったいつける。そのために早起きしたとか。心配したほどの行列はなく、スムーズに入場し、豪華絢爛たる内部を見学。
ノイシュバンシュタイン城を堪能しバスでミュヘンに移動。BMW本社横を通過しミューヘン市内へ。ホテルは郊外なので、ミューヘンの中心地と思われる場所で束の間のフリータイム。路面電車を横目に市庁舎へ。ここでもからくり時計だ。そして市庁舎の前は広場だ。ヨーロッパの街作りの基本パターンかな。
この時、正規ヴィトン店のショウインドで見慣れぬ柄のバッグを発見。市松模様の物で、ヴィトン創業当時はこの柄だったらしい。その柄が創業100年を記念して限定販売していると説明にある。家内の土産に買おうと思ったが、好みが分からないのでここは見合せた。
実は、この2カ月後、グアムで同じ物を購入したのだが、これが確かに限定品だった。現在市販されているダミエのショルダー部、手提げ部はカバンと同色の焦げ茶色だが、知ったのは少し経ってからだが限定品は薄いキツネ色だった。
ホテルで休憩後、本場ミューヘンのビアホールに案内される。1人大ジョッキー1杯の生ビールは付いているが、「あとは自腹でご自由に!」、の設定だ。今の今まで疲れ切り死んだ様になっていた仲間は、ビアホールに入った途端に覚醒する。特に坊やの目が異様に輝く。ここは独壇場と感じたのだろう。私は飲まないので、ジョッキーをそのまま坊やに進呈。あっという間に2杯を飲み干す。生バンドも入っており雰囲気は最高潮。ここは再び機密費の出番だ。皆なビールをたらふく飲み最後のドイツの夜は更ける。
明日はスイスだ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 2.5
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 観光バス 船 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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