2010/09/24 - 2010/09/25
620位(同エリア728件中)
つうさん
麦茶が体に堪える。ここ大三島は愛媛県である。県境を示す石碑が「愛媛、愛媛」とうるさい。この島は樹齢2600年の楠木や国宝が一杯の大山祇神社を擁する。もちろん寄る暇等ないし、その気もない。そんなに酷く言わなくても。つぎっ。伯方島では造船所近くのビーチがある大きな土産物・お食事処で伯方の塩付きソフトクリームを食べる。伯方の塩付きに酷くプレミアム&ステータス&ブランド等を感じたのだが、まあ塩は塩である。それがどうしたである。つぎっ。
大島の海岸沿いでは、激しい潮の流れが目を引いた。しかもここは支流であって四国とこの大島の間の来島海峡こそが日本三大海流のひとつとして名高い本流と言える。ただし、ここでは道路沿いから目と鼻の先で潮流を見ることが出来る。近くを急流体験の船が流されているかのように通り過ぎていく。
この最後の島の道のりは長くきつい。上りの行程がずしりと身に堪える。こうした状況ではギアのしっかりした自転車とそうでないものとのスピードは更に開いてしまう。すんまそん、会ちょ!!そこでとりあえず三時半のおやつの時間とする。海岸近くのいかにも活きのいい魚を食べさせてくれそうな食事処の暖簾をくぐった。
店の主人に刺身をみつくろってもらった。そして、いつもの生麦茶。店には多くの芸能人・テレビ取材者による色紙のサインが店内狭しと張られている。おおっ、思わず期待に胸が膨らむ。十分後、店の奥から主人が再び現れ、「お待ちどう」と刺身が運ばれた。おおっ、普通だ。ハマチやイカが並んでいる。しかし味はおそらく違うはずだ。鮮度の高さに舌鼓を打つだろう。そして食べた。おおっ、やっぱり普通だ。ゆでダコは、解凍直後の水っぽさが際立つ??まずい、心の中で皆が思った(後刻談)。私達の言葉数は減っていた。きっと昔は違っていたのだろう。気を取り直し、私達は再び自転車をこぎ始めた。
いよいよコースは佳境へと突入する。最後の大きな上り坂である。来島海峡大橋は第一960m、第二1515m、第三1570mという三連の吊り橋からなる。それは橋自体が湾曲し中央部までが長い上り坂となっている。陽はかなり傾いているものの、未だ眩しい輝きを残している。今治ドックが夕陽に映える。高さ80mの上から見下ろす海は、決して激しい潮流でなく、どこまでも穏やかである。小さく見えるタンカーが真っ直ぐな白い線を描きながら音もなく進んでいく。私達は思い思いにたっぷりと時間をかけて、この最後の難関を渡り終えた。時計の針は既に5時を回っていた。
橋から今治駅まではかなりの距離があった。皆、ボロボロに近かった。比較的優位にあった私でさえも、足はガタガタそして尻はヒリヒリだったのだ。6時、這いつくばるようにして市役所着。自転車を乗り捨て、今治駅へ。電車で11分、二つ目の伊予桜井駅で降り、タクシーを呼んで湯の浦温泉に到着する。この間、N隊員は疲れか三時半のおやつのせいか、お腹が戦場と化しゲボゲボ状態となる。旅館からは公共の宿らしく、遅延の旨を連絡したにも関わらず、未だか未だかと到着の催促である。7時10分、ようやくチェックイン。そこで今度は「いいですか、お風呂は後。大至急、食事してください。ハイ、駆け足」と急かされる。何せ食堂は8時で終わりだそうだ。そう言われると少し反発したくもなる。駆け足で大浴場に行き、カラスの行水よろしく皆でザブーン!! (続く)
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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