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晴天の下、汗ばむほど気温が上がった5月16日、京都三大祭りの筆頭、葵祭を初めて見た。例年5月15日に開催されるが、雨のため1997年以来15年ぶりに翌日に順延された。そのお陰で例年よりも観客は少なく、観覧席をキャンセルした方も多く空席が目立った。大気の不安定な時期に行なわれるため、にわか雨に濡れることが多く、1995年には雨天で中止、また2000年、2002年、2003年にはいずれも雨のため下鴨神社から上賀茂神社への行列が中止されているという。今回はラッキーであったようだ。<br /><br />有料の観覧席は京都御所と下鴨神社の中に設置しており2,000円、着席してしまうと写真撮影のために動き回ることは制限されてしまうが、この日は席に余裕もあり、周りの方に迷惑をかけない程度には撮影が可能だった。観覧席以外では行列を間近で撮影することは難しく、2,000円を払う価値はあると思う。この日は当日券はまだ購入可能であった。行列は約1時間、絢爛豪華な平安時代のよき日本の伝統行事を堪能した。日本人として一度は見ておくべき祭である。<br /><br />葵祭(賀茂祭)は、下鴨神社と上賀茂神社で5月15日に行なわれる例祭で、平安時代「祭」といえば賀茂祭のことをさした。京都三大祭りの筆頭で、庶民の祭りである祇園祭に対して、賀茂氏と朝廷の行事として行っていたのが起源である。また時代祭りが始まったのは1895年と新しく、観光色が強い。<br /><br />葵祭の起源は6世紀に遡る。平安京が造営される前の京都では凶作が続いたため、当時の天皇が上賀茂神社と下鴨神社に勅使をおくって五穀豊穣を祈願したのが葵祭の起源である。源氏物語にも、葵祭の斎王列を見物しようと、光源氏の妻、葵の上と六条御息所が、車争いを演じた場面が登場する。<br /><br />現在の葵祭は近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列と、斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀では、平安時代の衣装を身にまとった人々が牛車とともに京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社まで約8kmの道のりを行列する。<br /><br />なおこの日、ついでに大阪のザ・シンフォニーホールで大阪フィルの定期演奏会が開催されたため、少し足を伸ばして出かけた。指揮はオーストリア国籍のルーマニア出身のイオン・マリン、最近サンクトペテルブルクフィルなどのメージャーオーケストラも指揮している期待の指揮者である。<br /><br />この日のプログラムはベートーヴェンのコリオラン序曲、シューベルトの未完成交響曲、ブラームスの交響曲第2番というウィーン音楽の王道を行く選曲だ。私には客寄せのためのカワイ子ちゃんの協奏曲を聴くよりは、オーケストラのみのプログラムのほうが好ましい。マリンは正統派、低音を一瞬前出しして聴かせる、バランスのよいサウンドを生み出していた。ところどころで間をおいてはっとさせる以外は安定したテンポで、ウィーン正統を感じさせる堂々たる演奏だ。<br /><br />日本のオケの技術はかなり上がってきた、特に弦は欧米のオケと比肩できると思う。大阪フィルは朝比奈隆の薫陶のもと、ドイツ流のアンサンブルを誇る日本ではベストのオケである。技術的に勝るN響は「公務員的」と評されるように、少々冷静で物足らない。読響と大フィルは指揮者のリードによっては、しばしばアマチュア的な熱演を期待できる。ただ大フィルは木管楽器も悪くはないが、金管、特にホルンが不安定なのはなかなか改善されない。この日のブラームスもホルンには大いに不満が残った。今後の健闘を望みたい。

京都三大祭①:5月16日の葵祭を見る

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2012/05/16 - 2012/05/16

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エロイカ

エロイカさん

晴天の下、汗ばむほど気温が上がった5月16日、京都三大祭りの筆頭、葵祭を初めて見た。例年5月15日に開催されるが、雨のため1997年以来15年ぶりに翌日に順延された。そのお陰で例年よりも観客は少なく、観覧席をキャンセルした方も多く空席が目立った。大気の不安定な時期に行なわれるため、にわか雨に濡れることが多く、1995年には雨天で中止、また2000年、2002年、2003年にはいずれも雨のため下鴨神社から上賀茂神社への行列が中止されているという。今回はラッキーであったようだ。

有料の観覧席は京都御所と下鴨神社の中に設置しており2,000円、着席してしまうと写真撮影のために動き回ることは制限されてしまうが、この日は席に余裕もあり、周りの方に迷惑をかけない程度には撮影が可能だった。観覧席以外では行列を間近で撮影することは難しく、2,000円を払う価値はあると思う。この日は当日券はまだ購入可能であった。行列は約1時間、絢爛豪華な平安時代のよき日本の伝統行事を堪能した。日本人として一度は見ておくべき祭である。

葵祭(賀茂祭)は、下鴨神社と上賀茂神社で5月15日に行なわれる例祭で、平安時代「祭」といえば賀茂祭のことをさした。京都三大祭りの筆頭で、庶民の祭りである祇園祭に対して、賀茂氏と朝廷の行事として行っていたのが起源である。また時代祭りが始まったのは1895年と新しく、観光色が強い。

葵祭の起源は6世紀に遡る。平安京が造営される前の京都では凶作が続いたため、当時の天皇が上賀茂神社と下鴨神社に勅使をおくって五穀豊穣を祈願したのが葵祭の起源である。源氏物語にも、葵祭の斎王列を見物しようと、光源氏の妻、葵の上と六条御息所が、車争いを演じた場面が登場する。

現在の葵祭は近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列と、斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀では、平安時代の衣装を身にまとった人々が牛車とともに京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社まで約8kmの道のりを行列する。

なおこの日、ついでに大阪のザ・シンフォニーホールで大阪フィルの定期演奏会が開催されたため、少し足を伸ばして出かけた。指揮はオーストリア国籍のルーマニア出身のイオン・マリン、最近サンクトペテルブルクフィルなどのメージャーオーケストラも指揮している期待の指揮者である。

この日のプログラムはベートーヴェンのコリオラン序曲、シューベルトの未完成交響曲、ブラームスの交響曲第2番というウィーン音楽の王道を行く選曲だ。私には客寄せのためのカワイ子ちゃんの協奏曲を聴くよりは、オーケストラのみのプログラムのほうが好ましい。マリンは正統派、低音を一瞬前出しして聴かせる、バランスのよいサウンドを生み出していた。ところどころで間をおいてはっとさせる以外は安定したテンポで、ウィーン正統を感じさせる堂々たる演奏だ。

日本のオケの技術はかなり上がってきた、特に弦は欧米のオケと比肩できると思う。大阪フィルは朝比奈隆の薫陶のもと、ドイツ流のアンサンブルを誇る日本ではベストのオケである。技術的に勝るN響は「公務員的」と評されるように、少々冷静で物足らない。読響と大フィルは指揮者のリードによっては、しばしばアマチュア的な熱演を期待できる。ただ大フィルは木管楽器も悪くはないが、金管、特にホルンが不安定なのはなかなか改善されない。この日のブラームスもホルンには大いに不満が残った。今後の健闘を望みたい。

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
新幹線 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
  • 京都のシンボル京都タワー

    京都のシンボル京都タワー

  • モダンな京都駅ビル

    モダンな京都駅ビル

  • 京都御苑(御所)の入り口

    京都御苑(御所)の入り口

  • 警察も馬に乗って登場

    警察も馬に乗って登場

  • 掃き清められた砂利道

    掃き清められた砂利道

  • 近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

    近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

  • 近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

    近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

  • 近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

    近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

  • 近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

    近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

  • 近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

    近衛使・検非違使・山城使・馬寮使・内蔵使による本列による路頭の儀

  • 風流傘の行列

    風流傘の行列

  • 風流傘の行列

    風流傘の行列

  • 風流傘の行列

    風流傘の行列

  • 斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

    斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

  • 斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

    斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

  • 斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

    斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

  • 斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

    斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

  • 斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

    斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

  • 斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

    斎王代をはじめとする女人列による路頭の儀

  • 太鼓の行列

    太鼓の行列

  • 行列の最後の牛車

    イチオシ

    行列の最後の牛車

  • 行列の最後の牛車

    行列の最後の牛車

  • 行列の最後の牛車

    行列の最後の牛車

  • 御所の壁と建礼門

    御所の壁と建礼門

  • 御所の案内図

    御所の案内図

  • 御所の外壁

    御所の外壁

  • 下鴨神社の参道

    下鴨神社の参道

  • 下鴨神社の参道

    下鴨神社の参道

  • 下鴨神社の走馬の行事

    下鴨神社の走馬の行事

  • 下鴨神社の走馬の行事

    下鴨神社の走馬の行事

  • 下鴨神社本殿

    イチオシ

    下鴨神社本殿

  • 下鴨神社の風流傘

    下鴨神社の風流傘

  • 下鴨神社の風流傘

    下鴨神社の風流傘

  • 下鴨神社の入り口の葵祭の看板

    下鴨神社の入り口の葵祭の看板

  • 下鴨神社の能舞台

    下鴨神社の能舞台

  • 大阪ザ・シンフォニーホールのアプローチ

    大阪ザ・シンフォニーホールのアプローチ

  • ザ・シンフォニーホールのステージ

    ザ・シンフォニーホールのステージ

  • ザ・シンフォニーホールのステージ

    ザ・シンフォニーホールのステージ

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