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5月の連休を利用して、一橋大学兼松講堂で開催されるコンサートを聴きに行ったついでに、構内を散策してみました。一橋大学はかねてから訪ねてみたいと思っていたので、ちょうどよい機会でした。<br /><br />一橋大学には怪奇な動物の顔があちこちにのぞかせています。特に、兼松講堂の内外には伊東忠太が想像をふくらませたさまざまな動物を見ることが出来ます。今回の訪問は、あたかも「忠太動物探検ツアー」と言ってもよいでしょう。築地の東本願寺東京別院 (築地本願寺) にも忠太の奇妙な動物たちを見ることが出来ますが、一橋大学の方がより強烈な感じがします。<br /><br />一橋大学国立キャンパスには忠太が携わった建物は4棟あります。兼松講堂、本館、図書館そして東本館です。可能な限り、見ていきたいと思います。

一橋大学を訪ねる ー 伊東忠太の世界を求めて

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2012/05/06 - 2012/05/06

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Weiwojing

Weiwojingさん

5月の連休を利用して、一橋大学兼松講堂で開催されるコンサートを聴きに行ったついでに、構内を散策してみました。一橋大学はかねてから訪ねてみたいと思っていたので、ちょうどよい機会でした。

一橋大学には怪奇な動物の顔があちこちにのぞかせています。特に、兼松講堂の内外には伊東忠太が想像をふくらませたさまざまな動物を見ることが出来ます。今回の訪問は、あたかも「忠太動物探検ツアー」と言ってもよいでしょう。築地の東本願寺東京別院 (築地本願寺) にも忠太の奇妙な動物たちを見ることが出来ますが、一橋大学の方がより強烈な感じがします。

一橋大学国立キャンパスには忠太が携わった建物は4棟あります。兼松講堂、本館、図書館そして東本館です。可能な限り、見ていきたいと思います。

  • 中央線国立駅で先ず下車しました。この駅舎は2002年に新しく建てられましたが、この駅に来るといつも古い駅舎が思いだされます。

    中央線国立駅で先ず下車しました。この駅舎は2002年に新しく建てられましたが、この駅に来るといつも古い駅舎が思いだされます。

  • 国立駅を降りて、駅前をまっすぐ延びる大学通りを一橋大学国立キャンパスへ向かいます。道の両側は桜の並木が何キロも続き、開花時期ならばそれは見事なことでしょう。今はもう新緑の時期ですが、これはこれで素晴らしいです。

    国立駅を降りて、駅前をまっすぐ延びる大学通りを一橋大学国立キャンパスへ向かいます。道の両側は桜の並木が何キロも続き、開花時期ならばそれは見事なことでしょう。今はもう新緑の時期ですが、これはこれで素晴らしいです。

  • 一橋大学に到着後、先ずは東キャンパスを訪れてみました。最初に目にしたのは、国の登録有形文化財に指定されている「東本館」の建物です。この建物は、伊東忠太の設計で1929年(昭和4)に完成しました。<br /><br />一橋大学の前身東京商科大学は1923年(大正12)に発生した関東大震災で被災し、神田一ツ橋町から北多摩郡谷保村へ移転を計画し、商学部専門科は1927年(昭和2)、本科は1930年(昭和5)に移転してきました。

    一橋大学に到着後、先ずは東キャンパスを訪れてみました。最初に目にしたのは、国の登録有形文化財に指定されている「東本館」の建物です。この建物は、伊東忠太の設計で1929年(昭和4)に完成しました。

    一橋大学の前身東京商科大学は1923年(大正12)に発生した関東大震災で被災し、神田一ツ橋町から北多摩郡谷保村へ移転を計画し、商学部専門科は1927年(昭和2)、本科は1930年(昭和5)に移転してきました。

  • 別な方向からも写真を撮ってみました。

    別な方向からも写真を撮ってみました。

  • 東本館の入口です。この日は祭日のためか施錠されていて、中には入れません。

    東本館の入口です。この日は祭日のためか施錠されていて、中には入れません。

  • 東本館から少し歩くと、「マーキュリータワー」という建物があります。この建物は比較的新しいようで、忠太が直接関係した建物ではありません。

    東本館から少し歩くと、「マーキュリータワー」という建物があります。この建物は比較的新しいようで、忠太が直接関係した建物ではありません。

  • この建物の2階には見事なステンドグラスがあります。思わず、見入ってしまいました。

    この建物の2階には見事なステンドグラスがあります。思わず、見入ってしまいました。

  • 次に西キャンパスへ移動しました。門を入ったすぐ側にこのような小さな建物がありますが、その前に説明板があるので、読んでみました。この建物は国の登録有形文化財と書かれています。かっての門衛所でした。<br /><br />他の建物とは全く異なるロッジ風の建物は、1931年(昭和6)竣工されました。

    次に西キャンパスへ移動しました。門を入ったすぐ側にこのような小さな建物がありますが、その前に説明板があるので、読んでみました。この建物は国の登録有形文化財と書かれています。かっての門衛所でした。

    他の建物とは全く異なるロッジ風の建物は、1931年(昭和6)竣工されました。

  • 本館の建物です。忠太の設計によリ、1930年(昭和5)に完成しました。この建物を含めてロマネスク風の校舎がいくつも今なお現役として使用されています。<br /><br /><br />入口車寄せの上部四隅をよく見ると何やら動物の顔が見えます。

    本館の建物です。忠太の設計によリ、1930年(昭和5)に完成しました。この建物を含めてロマネスク風の校舎がいくつも今なお現役として使用されています。


    入口車寄せの上部四隅をよく見ると何やら動物の顔が見えます。

  • これがその動物の顔ですが、ここを訪れる人に向かって舌を出しているような様ですね。

    これがその動物の顔ですが、ここを訪れる人に向かって舌を出しているような様ですね。

  • 時計台のある附属図書館の建物です。この建物も忠太により1930年(昭和5)に竣工されました。

    時計台のある附属図書館の建物です。この建物も忠太により1930年(昭和5)に竣工されました。

  • 建物入口の上の2階のところをご注目ください。まるで恐ろしい動物がにらみを利かしている風ですね。

    建物入口の上の2階のところをご注目ください。まるで恐ろしい動物がにらみを利かしている風ですね。

  • これらの恐ろしい動物がまるであたりを蔽眼しているようです。

    これらの恐ろしい動物がまるであたりを蔽眼しているようです。

  • 図書館正面ドアのノッブのところです。

    図書館正面ドアのノッブのところです。

  • 恐ろしい顔つきの表情をしていますが、どこかユ―モラスな気もします。如何でしょうか。

    恐ろしい顔つきの表情をしていますが、どこかユ―モラスな気もします。如何でしょうか。

  • 2009年9月に国の有形文化財に登録された「兼松講堂」です。<br /><br />この建物は、旧東京商科大学時代に株式会社兼松商会(現・兼松株式会社)が創業者兼松房次郎(1845〜1913)の遺訓に基づいて、房次郎の13回忌にあたる1925年(大正14)に寄付した50万円を用いて建てられました。もちろん設計者は忠太です。

    2009年9月に国の有形文化財に登録された「兼松講堂」です。

    この建物は、旧東京商科大学時代に株式会社兼松商会(現・兼松株式会社)が創業者兼松房次郎(1845〜1913)の遺訓に基づいて、房次郎の13回忌にあたる1925年(大正14)に寄付した50万円を用いて建てられました。もちろん設計者は忠太です。

  • 建物のファザードには3種類(?)の動物の姿が描かれています。どれも忠太が創造した空想上の動物です。

    建物のファザードには3種類(?)の動物の姿が描かれています。どれも忠太が創造した空想上の動物です。

  • 先ず、これは獅子でしょうか。

    先ず、これは獅子でしょうか。

  • 鳥獣でしょうか。

    鳥獣でしょうか。

  • これは龍を表したものでしょうね。

    これは龍を表したものでしょうね。

  • 正面入り口の天井部分です。

    正面入り口の天井部分です。

  • 兼松講堂内部です。この日はコンサートが行われるために講堂に入ることが出来ますが、普段は閉まっていて、このような機会でもなければ、中に入ることはできません。

    兼松講堂内部です。この日はコンサートが行われるために講堂に入ることが出来ますが、普段は閉まっていて、このような機会でもなければ、中に入ることはできません。

  • 階段手すりの彫像をご覧ください。

    階段手すりの彫像をご覧ください。

  • 階段手すりの反対側にも同じような彫像が見えますが、しかし、よく見ると異なるところがあります。

    階段手すりの反対側にも同じような彫像が見えますが、しかし、よく見ると異なるところがあります。

  • 創設期の一橋大学で、その発展に尽くした矢野二郎(1845〜1906)の像です。<br /><br />彼は一橋大学の前身である商法講習所、東京商業学校,高等商業学校の校長を長く務め、日本における商業教育の開拓者となった人物です。

    創設期の一橋大学で、その発展に尽くした矢野二郎(1845〜1906)の像です。

    彼は一橋大学の前身である商法講習所、東京商業学校,高等商業学校の校長を長く務め、日本における商業教育の開拓者となった人物です。

  • 図書館前に池があり、そこに水の流れ出る動物の顔が彫られています。よく見ないと見逃してしまうような小さな造りです。

    図書館前に池があり、そこに水の流れ出る動物の顔が彫られています。よく見ないと見逃してしまうような小さな造りです。

  • 校舎を奥の方に進んでいくと、大きなグランドがあり、野球をしている学生たちがいました。その脇の方にはこのような芝生の空地が広がり、のんびりと親子が遊んでいる姿が見られます。近隣の人々にとっては格好の遊び場でしょうか。

    校舎を奥の方に進んでいくと、大きなグランドがあり、野球をしている学生たちがいました。その脇の方にはこのような芝生の空地が広がり、のんびりと親子が遊んでいる姿が見られます。近隣の人々にとっては格好の遊び場でしょうか。

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この旅行記へのコメント (2)

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  • かもっちさん 2012/05/22 17:54:28
    見応えありますね〜!
    忠太ファンとしては、ここは外せないのですが
    私もなかなか行く機会を逃しています。
    今回こちらにUPしていただき
    ますます気持が高まりました!何とか今年中に☆

    忠太の奇獣を見るのは好きで、ここも十分に探し甲斐があります。
    手摺りの彫刻や、壁の意匠、池の彫刻など良く見つけられましたね〜。
    怖いというより何ともユーモラスで癒されます(笑)

    楽しい写真をありがとうございました♪






    Weiwojing

    Weiwojingさん からの返信 2012/05/23 21:08:37
    RE: 見応えありますね〜!
    この度はご訪問をいただき、ありがとうございます。

    かねてから一橋大学を訪ねてみたいと考えていましたが、なかなか
    機会がなく、5月の連休にやっと実現しました。行ってみて、あまりに
    も伊東忠太の空想動物があちこちで見かけたのには驚きです。

    壁の意匠や池の彫刻、ビルの上に、階段の手すりにと思わぬところに
    たくさん見かけました。ここは一体どこなのかと思わず考えてしまった
    程です。しかもそれらの動物は恐ろしいというよりは何ともユーモラス
    さを感じてしまいました。

    今後も忠太の「動物ワールド」を求めて行きたいですね。先週京都
    へ行き、ここでも彼の世界を見つけました。もうしばらくしたらUPし
    ますので、ご期待ください。

    Tamegai

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